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鋼の心 ~Eisen Herz~


第三話:魔弾の射手(前編)


「嘘っ!?」
 打ち出された砲弾は重力に引かれ落下する。
 ゆえに、よほどの至近距離でもない限り、砲弾は狙った場所よりも下に着弾する事になる。
 それを命中させるためには、精密な弾道計算が必要になる為、神姫による得手不得手がはっきりと出るのだ。
 しかし、この場合、この砲撃手に限って言えば、重力すら武器にしていると言えるだろう。
「こちらの動きが読まれてる!?」
 “落下してきた砲弾”の雨に打たれ、隠れていた岩山から飛び出すアーンヴァル・フェータ。
 一度や二度なら偶然で済ませられるが三度、四度と続けばそれは必然だ。
 この相手には遮蔽物など物の役に立たない。
 そう判断しても迂闊に高度を上げて索敵をする気にはなれなかった。
 そもそも、飛行中に下からの狙撃を受けたから、身を隠すために高度を下げたのだ。
 高度を上げ、敵の位置を確認し、そこに飛び込んで切り捨てるまで、一体何発狙撃を受けるのだろう。
 そう考えると戦局は絶望的。
 フェータは未だ、敵の姿すら目にしてはいないのだ。
「何とかして敵の位置を割り出さないと……」
 今判っているのは、砲撃が飛んでくる大体の方角のみ。
 敵は斜め上に向けて砲撃をしている筈なので、必ずしも開けた場所に居るとは限らない。
 谷底にでも居られたらまず発見できないだろう。
 先週の一件で、根幹部分の修理を受けたフェータは、今ではカタナ以外の装備も扱えるが、やはりメインは抜刀による一撃だ。
 近付きさえすれば、極々一部の神姫以外は一瞬で粉砕してのける自信がある。
 だが、この敵は圧倒的なアーンヴァルの速度を持ってしても接近が容易ではない。
 返す返すも敵の位置が分からないのが致命的だった。
「くっ!!」
 背後で着弾。
 爆風に押されるように谷底を進むフェータ。
 上空で落下してくる砲弾、連続で4。
 今居る場所と、さっきまで居た場所を狙っている。
 更に進んで砲撃をかわし、次の砲弾を目視で発見。
 避せる場所を探しだし、慌ててそこに飛び込んだ。
 こんな逆もぐらたたきみたいな真似、何時までも繰り返せる事ではない。
 そう考えて周囲を見回し失策に気付く。
「しまった!!」
 目の前には見上げるような崖。
 右も左も崖。
 今通ってきた背後と、今居るこの場所に向って落ちてくる砲弾。
 逃げ場は。
 無かった。

「あ~もう何なのよアレ!! どうなってる訳!?」
 ゲシゲシと壁を蹴って暴れる伊籐美空。
 フェータのオーナーである彼女はフェータの敗北にご立腹だった。
 もちろんフェータに非が無いのは分かっている。
 だから怒りをぶつけるのは敵側の神姫になるのだが、その姿さえ分からなくてはどうしようもない。
「けちょんけちょんだったね」 
「うるさ~いっ!!」
 現れるなり余計な事を言う少年を壁代わりに蹴飛ばす。
「痛てっ!! 何すんだよ!?」
 脛を押さえて飛び跳ねる少年、島田祐一。
 先週戦い、今はフェータの専属メカニックに無理矢理指名した相手だった。
「大体、なんで見えてない相手を狙えるのよ!! 何かズルしてるんじゃないの!?」
「そりゃ、見えてたんじゃないのかな?」
 祐一が事も無げに言うのは、美空に数倍する戦闘経験によるものだろう。
「どういう事?」
「さっきの戦闘。場外モニターの記録ならあるけど、見る?」
「………………」
 祐一が手にしたノートパソコンを訝しげに見る美空。
 祐一と違い、美空は機械に弱い。
 当然、戦闘後にその記録を分析するような習慣も無かった。
「アイゼン」
「ん」
 自らの神姫に呼びかける祐一。
 彼の神姫、タイプストラーフ・アイゼンは手馴れた手つきでUSBケーブルを挿し込み、自らとノートパソコンを接続する。
 そのまま画像ファイルを呼び出し並べてゆく様に淀みは一切無い。
「ねぇ、フェータ。あんたにもああいう事、できる訳?」
「れ、練習すれば何時かは……。―――出来るといいなぁって思います」
 道のりは、かなり遠そうだった。
「出たよ」
「ありがとう、アイゼン。………ほら、ここ」
 アイゼンがディスクトップに拡げた画像を、祐一が指で指し示す。
 そこにはかなりの望遠だが一体の神姫が映っていた。
「ハウリン、ですか……?」
 てっきり砲撃と言う戦法から、砲戦型のフォートブラッグだとばかり思っていたフェータが驚愕を顔に出す。
 と、すればあの砲撃はハウリンタイプが誇る重砲、吠莱壱式によるものなのだろう。
「フルカスタムのハウリンだね。基本はヴァッフェバニーの装備みたい。バックパックに吠莱壱式を二門装備して、手にはツガルのスナイパーライフル」
「あの曲射砲撃で敵を焙り出してスナイパーライフルで狙撃。ですか……」
「うん、弾道計算もさることながら、あの砲撃の秘密はこれかな?」
 そう言って画面の隅を指差す祐一。
「なに、これ?」
 よく見れば、美空の眼にも何かが浮かんでいるのが見えた。
「ぷちマスィーンズ。ハウリン、マオチャオの自立型支援兵器って位置付けだけど、火力が低すぎてお遊びアイテムになっちゃった奴だね」
 ぷちマスィーンズ。
 ハウリン、マオチャオの特徴的な装備として挙げられる浮遊型の支援ユニットだが、浮遊の為に小型化した事が逆に災いし神姫相手の火力が不足してしまうという欠点を持っていた。
 その上最大四機のユニットを制御する為に本体側にも少なからぬ負担を強いるとあって、使い勝手を見出せず使用を断念したオーナーも多い。
 使いこなす為には、低い火力を補うだけの本体、ユニット間の連携が必須で、その習得難易度を考えれば、多くのオーナーがより安易で確実な射撃や格闘に傾倒してしまうのも無理からぬ事と言えるだろう。
「でも考えたね。支援兵器の火力を全く当てにせず、着弾観測にのみ使用して姿を見せずに勝つ。言うのは簡単だけど実際に習得するには物凄い量のシミュレーションとプログラム補正を繰り返したんだろうね……」
 まだ見ぬ対戦相手に畏敬の念を込めて祐一が呟く。
 一方の美空といえば……。
「つまり、先にこいつ等を破壊しちゃえばおっけー、って事ね?」
 単純に結論付けていたりする。
「ま、それはそうなんだけど。簡単な事じゃないと思うよ? 砲撃の雨の中、何処に潜んでいるかも分からない小型メカを探すって言うのは……」
「……大丈夫!! …………よね?」
 力なく尋ねる美空に、無言でふるふると首を振るフェータ。
「少なくとも、銃器の一つでも買ってやった方が良いんじゃないか?」
「う~ん、と言っても何を選べば良いのか……」
「そこはほら、本人に聞いてみるとか……?」
 そう言って祐一は、期待に目を輝かせているフェータを見た。
「す、好きなものを買って下さるのですかぁ!?」
 多くの神姫がそうであるように、彼女もオプションが増えるのは嬉しいのだろう。
 生真面目なフェータの初めてのおねだりに怯む美空。
 この時点で勝負は決まったような物だった。
「良いわよ。何か買ってあげる……」
「ホントですかぁ?」
 わーい、と普段の真面目さは何処へやら無邪気に喜ぶフェータ。
 パートナーの新たな一面を目に困惑する美空。
 それを見て、ほんとに飽きないなと思う祐一だった。

「ただいまー」
「ただいまです」
「あ、お帰りアイちゃん、ついでに祐一」
「弟後かよ」
 家に帰ると姉、島田雅が待っていた。
 なにやら妙に上機嫌だが、わりと何時もの事である。
「そんなことより聞いてよ、聞いてよ、聞いてよぉ~っ」
「そんな事……」
「あのね、あのね。神姫買っちゃった」
「え、姉さんが!?」
「何よ、文句でもあるの?」
「神姫って精密機械なんだよ!? メンテナンスとかしなきゃだめなんだよ!? 乱暴に扱ったら壊れるんだよ!?」
「まるであたしが直ぐ壊すみたいな言い方しないでよ」
「車買って、その日のうちに壊したの何処の誰だよ!?」
「あれは……、きっと根性が無かったのよ」
「神姫相手にも、その言い訳が通用するとでも?」
「そこは大丈夫、根性ありそうなの見繕って来たから」
 ちなみに神姫の“個性”が出るのは購入後である。
「じゃーんハウリンのセタちゃんでーす」
「セタです。よろしくお願いいたします」
 ペコリとお辞儀するハウリン、セタ。
「………………」
「………………」
 ハウリン型の素体にヴァッフェバニーの装備。バックパックには吠莱壱式が二門と背面の指令型ぷちマスィーンズ。
「今日早速バトルロイヤルに参加させたらな~んと優勝。いやーお姉ちゃんびっくりだわぁ~」
「何だろ、さっき下した評価を全部覆したくなるこの心境は……」
「マスター、この事が美空にばれると、きっと面倒な事になる……」
「うん。黙ってようね」
 丁度その時ピンポーンと、玄関のチャイムが鳴り響く。
 玄関で話し込んでいたため、直ぐそこにドアがあった。
 だから、祐一は何も考えずにそれを開ける。
 ぶっちゃけ、考える気力を失っていた……。
「あのさ、祐一。これ使い方分からないんだけど?」
 唐突に出現した美空を見て祐一が発した言葉は。
「……勘弁してくれ」
 であった。
 もちろん、その直後に美空キックで撃沈されたのは言うまでも無い。

「いいわよ。受けて立ちます」
「それじゃあ対戦の日にちは……」
「今週の日曜でどう? 3日後ね」
「それでいいわ」
 短気なもの同士話が早い。
 あっという間に対戦の日取りが決定した。
「……って事で、セタに勝つにはどうしたらいいか、対策会議を始めます」
 美空がそう言ったのは他ならぬ祐一の部屋。
 何ていうか、年頃の女の子を自室に上げるアレやこれなイベントが全部すっぽかしである。
 そもそも住所教えた覚えも無いのだが、その事を聞いてもろくな答えは返って来そうに無いので聞かない事にした。
「さあ、意見を述べよ」
 おまけに命令形である。
 はぁー、と溜息一つ吐くが答えないときっと暴れだす。
 猛獣を相手にした調教師の気分で祐一は口を開いた。
「だいたい。対策会議も何も、ぷちマスィーンズ叩き落して砲撃を封じるしかないだろ」
「だから、それを効率よく行う方法よ」
「……ん。……そうだな……。ぷちマスィーンズ自体は機動性も装甲も大した事無いから、見つけさえすればなんとでもなるだろ」
「でもちっこいのよね? どれ位の大きさなの?」
「神姫の頭部程度のサイズ」
 答えたアイゼンは胸の前で手を広げる。
 大体神姫の頭部が挟まる位の大きさだった。
「確かに見つけるのは面倒そうね……」
 ん~、と考え込む美空。
 やがてポン、と一つ手を打ってフェータに問う。
「あ、そうだ。フェータもぷちマスィーンズ使うってのはどうよ?」
「そりゃ、司令ユニットを本体に接続すれば、アーンヴァルでも使えるだろうけど……」
「え、司令ユニットが本体についてるの?」
「まあ、リモコンみたいな物だな……」
「じゃあ、本体を叩けばいいだけじゃない?」
「それが出来ないから負けたんだろ、お前は……」
「あ、そっか」
「話を戻せば。ぷちマスィーンズは結構扱いが難しいんで、別の方法考えた方が良いと思うぞ?」
「じゃあさ、こういうのはどうかな?」
 そう言って美空はぴっ、と指を一本立てた。







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