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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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「ん ――――――――――んん?」
 朝の目覚めは快適なものだった。
 うるさい目覚ましや暴君やジンギスカン、そしてついでにねりワサビのトラップも何もなく。いっそ怖いくらいの清々しさだった。
 ・・・おかしい。あのサラが何もしてこないだなんて。
「・・・・・・・・・・・サラ?」
 机の上に配置されたクレイドルを見る。
 そこではサラが気持ちよさそうに、ヌイグルミに顔をうずめて寝ていた。
 ・・・・珍しい。サラが私より先に起きてない。
 何となくその寝顔を指先でつついてみた。
「ん・・・・ふ・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・」
 起きる気配はない。
 ふと見るとパソコンの電源がつきっぱなしになっていた。
 開いてるウィンドウはチャットルームの退室画面。夜更かしの原因はコレらしい。
 私は画面から目を放すと電源を落とした。そして寝ているサラのずれた布団を直してあげる。
 ・・・・さて、学校の準備でもしますか。



クラブハンドフォートブラッグ

第十三話

『青は進めのサイン』





 さて、学校について授業が始まったら皆は何をするかしら。
 私は寝るか携帯弄ってるわね。今日は前者。
 普段なら、八谷とメールしたりするんだけど・・・・なぜかそんな気分になれなかった。
 と言うか昨日今日と口きいてないし。なにやってんだ私は。
「で、あるからして ――――――――この方程式は ――――――――」
 教師の声が酷く遠くに聞こえる。
 ふと、ほんの気まぐれで八谷の様子を見てみる。
 別に普段どおりだ。背筋を伸ばして授業を受けている。そこらへん真面目君だからなぁ・・・八谷は。
 と、いきなり八谷が振り向いた。
「―――――――――――っ!?」
 自分でも良く判らず物凄い勢いで机に顔を伏せる。
 え? なにやってんの私!?
 訳わかんない。どうして八谷と目が合っただけで顔伏せるわけ!?
 ・・・ほんの少しだけ、顔を上げてもう一度八谷の方を見てみる。
 おい、何であんた顔赤らめてんのよ!?
「―――――ダメだ。直視できない」
 こんなこと今までなかったのに・・・・・・・!
 え、と言う事は何ですか?
 意識しちゃってるってことですか? あの八谷を? 誰が? 私が?
 ・・・・ありえない、と言いたいけど今の私の状態はまさしくアレな女の子な訳で・・・。
 OK、整理しましょう。
 まず何でこんな状況になったのか良く考えれば必ず原因の一つくらいは見つかるはずよ。
 八谷に何かされた→無い。されたとしてもその位じゃ揺らがない。
 八谷がなにか格好いい事をした→無い。っていうか想像がつかない。
 誰かに何か言われた→無い・・・・・・・あ。
「・・・そうよ。コレ全部あのバカ姉のせいだわ」
 昨日今日と会話が無いのもその影響ね。
 私の行動と反応を見て楽しもうってつもりなのかしら。
 ・・・・我が姉ながら、理解に苦しむわ。
 でもそうとわかれば・・・・踊らされる私じゃないわ。
 こうなったら今度のだって・・・普段どおりに行けばいいのよ。
 うん。大丈夫大丈夫・・・・・・
「―――――――じゃぁ七瀬。この問題をやってみろ」
「ふぁい!?」
 ・・・・・・・・・出来ませんでした。










「・・・・・チクショウ」
 結局授業中もろくに集中できやしませんでした。
 このままじゃ絶対ダメよ。アニメとかゲームの主人公はどうしてたかしら・・・・。
「あら、随分と調子が悪そうじゃない。大丈夫?」
 ぐったりしてると誰かに話しかけられた。
 顔を上げるとそこにはクラスメイトの神無月 遙(かんなづき はるか)が心配そうに立っている。
「あー・・・・大丈夫大丈夫。・・・多分」
「・・・とてもじゃないけど、そうは見えませんわよ」
 そういっておでこに手を当てて体温を測ってくれるハルカ。あー冷たい手が気持ちいいかも・・・・。
「熱・・・・は無いですわね。となると・・・・あの日ですか?」
「違うわよ。それならもっと先・・・じゃなくて。本当に大丈夫だから」
 だって身体的には何も無いんだもん。
 問題なのは心理的なほうで・・・・・・・。
「・・・・ふむ。ズバリ、八谷さんとのことですわね?」
「―――――――――――――――!?」
 え、この子なに言ってるの?
 ってか心を読まれた!?
「な、なんの事かな?」
「バレバレですわよ。普段なら仲睦まじい貴女方が二日連続でお話しすらしないなんて、どう考えても異常ですわ。高柳さんですら気づいてましたわよ」
 高柳というのは本名高柳リオと言うクラスメイトで・・・じゃなくって。
「・・・・そんなに判りやすいかな?」
「判りやすいにも程がありましてよ。それで、何があったんですの? 喧嘩でもしたんですか?」
 そういってハルカは前の席に座った。
 好奇心とかじゃなく本気で心配してくれているらしい。
「・・・・話せば長くなるんだけどね」










「ってワケ。なんだけど・・・」
「・・・・・」
 ・・・・え、なんですかその微笑みは。
 なんか子犬を見ているような子供を見ているような。
「なんと言うか・・・非常に微笑ましいと言うか可愛らしいと言うか・・・」
「どういう意味よそれ」
 そういうとまたクスクス笑い出すハルカ。
 ええいなんだってのよ。
「そうですね。こういう話は高柳さんのほうが向いてると・・・いえ、彼女なら一緒に悩んでしまうでしょうね。状況が同じですから」
 そういってまたまたクスクス笑い出すハルカ。
 ・・・・もう好きにして。
「誰かに何を言われようとも、アナタの気持ちはもう決まってるんじゃなくって? だったら答えは一つですわ」
「ぐ・・・・・・・・・・・」
 答えと言われましても。
 その質問になんと答えるべきかが判らないのですが。
「いつまでも自分を騙していると、いつか後悔してしまいますよ。アナタも高柳さんも・・・・まぁ私もそうですけれども」
 そういうと何か、遠くを見つめるハルカ。
 一体何を見てるのよ?
「ま、要するにうじうじ悩むなんてアナタらしくないって事ですわ。私からのアドバイスはこれでおしまい。あとはご自分で解決なさいな」
 そういってハルカは立ち上がると、そのまま教室の外へ行ってしまった。多分屋上にでもいったんだろう。あの子は空が好きだから。
 ・・・・・それにしても。
「そんなに判りやすいかしら・・・ちょっとショックだ・・・・・・・・・・」
 答えはまだでそうになかった。























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