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● 神姫のお仕事。(海底編) ●



◆ 第三話 「暗躍者の影」 ◆



私の名前はスーラ。天使型神姫のスーラ。

最初の目覚めは光の中。眩しい陽光に照らされて祝福されているようだった。
次の目覚めは闇の中。ポケットから出され、挨拶をして、壁に叩きつけられた。
その次の目覚めは苦痛の中。私の体は……私の物ではなくなっていた。

脚部には潜入用の各種ツールを、両腕には拳銃の実弾を埋め込まれ、背部には
超小型の通信器が、そして腹部には……時限爆弾が内蔵されていた。

私の任務は「神姫ケーブル工事プロジェクト」の妨害。私はその為だけに存在する。
任務の後はその成果に関わらず破壊される運命。それまでの命。

それでいい。こんな苦痛だらけの世界から開放されるなら、それは私にとっての救い。
私はその日が来るのを待っている。祝福の日が来ることを……

私の名前はスーラ。スーラ・ビンティ・ギラ。『狂気の娘』スーラ。災厄のスーラ。
その日が来ることを……私は待っている。



クアンタンに到着して2日目。自由時間は午前中で終わったので午後からは全員
自分の作業をしている。私のマスター、青葉かすみも高槻氏と一緒にドリルマシンの
最終調整で忙しそう。
私自身は準備が終わっているので待合室でデータの整理をしている。部屋には私の他に
アル・ヴェルさんとナルさんが居る。二人で何かバトルの事を話しているよう。

ふと秋葉の事を考える。マスターのもう一体の神姫でタイプは犬型。彼女はセンターで
マスターの代わりに仕事をしている。やっぱり10日も空けると仕事が滞ってしまうので、
彼女は自主的に残って作業をする事を希望したのだ。
秋葉が居てくれたらなぁ、と羨ましく二人の様子を見つめる。やっぱり心細い……

「あ~みんなも準備終わったんだぁ~?」
声がした方を見る。シビルさんがマギさんを「ずるずる」しながら部屋に入って来た。
引きずられながらマギさんは本を読んでいる。その様子はまるでソファーで寛いでいる
カウチポテトみたい。そして本から顔を上げないで「はろぉ~」と言って右手を挙げた。

アル・ヴェルさんが声を掛けた。「こんにちは。そちらも準備は終わったのですか?」
シビルさんが答える。「うん、後は親方達がマシンの最終チェックをするだけです!」
マギさんも答える。「ん……直前の準備だから……やる事は……それぐらい……」
「それにしてもマギさん、本が好きですね。侍型のイメージと全然違います」
「タイプの話なら……同じ天使型でも……アルさんと舞姫さんも……全然違う……」

マギさんの言葉を聞いて、今度はナルさんが口を開く。
「確かに。同じタイプでも個体差がありますからね。まぁマギさんは極端な例ですけど」
そう言われてマギさんが本から顔を上げた。
「極端な例ならミアさんがいるじゃないですか。あれは極端と言うより破綻ですけど」
思わず吹き出してしまう。確かにハウリン型なのに猫って変だけど、破綻って……
なんて話していると時間が進む。


「みんなお疲れ様ぁ~!丁度いいや、全員いるねぇ~~~?」
暫くしてミアさんも来た。あら?見慣れない神姫と一緒だ。
「ミアさんもお疲れ様。……そちらの神姫さんは?」とアル・ヴェルさん。
「この娘はアスラちゃん。イルカ型で船長さんの神姫なんだよ~!」
「あの……アスラです。ハジメマシテ……」
彼女を見る。いかにも手作りなシャツとスカート、黒い数珠のような腕輪をしている。

「それでミアさん、彼女がどうかしたんですか?」
「えっとねぇ、急な話なんだけど……アスラちゃんも同行したいんだって!」
「まぁ、本当に急ですね……どういう事ですか?」
アル・ヴェルさんの質問に、アスラさん自身が答えた。
「私は起動してまだ三ヶ月なんですけど、お世話になっているセンチョーのお仕事を
 手伝いたいんです。何も出来ないとは思いますけど……何かをしたくて……」

ちょっと考えてからアル・ヴェルさんが言った。
「私は別に構わないけど、他の皆さん……何よりも西条さんがどう考えるか」
「西条ちゃんならアタシが聞いたけど、特に問題は無いって!」
「それなら良いんじゃないでしょうか?」アル・ヴェルさんが皆に問い掛ける。

「私も師匠と同じ意見です」「西条がそう言ってるなら……」「人手は多い方が良いしね!」
「…………私も問題無いです」
問題無い。―――自分で言いながら微かに違和感を覚える。それが何かは判らないけど、
彼女を見ていると形容し難い不安感が湧き上がってくる。

新しい仲間を迎えて和んでいる中、私はこの事をマスターに相談しようと部屋を出た。



ドリルモグラの動力部を見つめる。これはもう芸術品と言ってもいいわね……
普通は出力を上げると言ったら部品の摩擦を減らしたり強度を上げたりするものだけど、
これは根本的に考え方が違う。ダウンサイジングによる効率化。この方法だったら
出力関係だけでなく、他のあらゆる問題にも対応することが出来る……

「……やっぱり藤宮さんって天才ですね。彼女の仕事を手伝えて光栄ですよ」
モニターのグラフをチェックしていた高槻さんが振り返った。
「先輩は特殊ですからね。俺が知ってる限りでも個人で特許を200以上も持ってますし」
「技術屋と言うよりは発明家なんですよね」
「そうそう、そういう意味では俺よりも青葉さんに近い存在かも」

確かにそうでしょう。高槻さんの作品には「共鳴」出来ないけど、藤宮さんの作品には
シンパシーを感じる事が多い。
例えばあの「バンディッツ」と呼ばれる特殊素体。
私の野外実験を守ってくれた刑事さんの神姫が装備していた物。脅威の戦闘ボディ。
名目上は高槻さんが作成した事になっているけど、その基礎理論は藤宮さんが組み上げた
物に違い無い。そもそも私はあの素体に惹かれて高槻さんに接触したのだ……

「さて、と。とりあえずコッチはこれで大丈夫ですね。それじゃ俺はケータロー達の方を
 見てきます。後はお願いしますね」
「はい、任せてください」
そう言って高槻さんは格納庫から出ていきました。


それから暫くして。
私がコアブロックシステムをチェックしていると(と言うか見惚れていると)、格納庫に
舞が入ってきた。
「あら舞。みんなと一緒じゃなかったの?」
「……その事で……ちょっと相談があるのですが……」

舞から事情を聞いた。
「違和感、ねぇ。それが何なのか解からないのね?」
「はい。でも何と言うか……ありえないんです、彼女の仕草は。不自然なんです」
「そこまで感じているのなら、後は舞自身で解決するしかないわね。彼女と親しくして
 貴女自身で答えを見つけるしか無いわ」
「あ、あの……親しく、ですか?」
「そう、親しく。やってみなさい」

トボトボと格納庫を出る舞。まぁ彼女の勘違いなんでしょうね。
でも良い機会かもしれない。これを機会にもっと外交的になってくれれば……
私が言える事でもないかもしれないけど。



晩飯の時間。ホテルが用意したのはナシゴレン(チャーハン?)とかのマレー料理中心の
ビュッフェ料理だった。あ、中華料理とかもあって少し意外だったな。いや、良く見ると
インドカレーやベトナム料理もある。流石は多民族国家、食文化も多種多様って訳だ。
まぁ俺的には裕子さんと一緒だったら何でも美味しいんだけどなっ。
 (「恵太郎くん、ちゃんと食べてる?」「はい、もう全力で喰ってます!!」)

食事が終わると、場所を会議室に移して最後のミーティングが開かれた。
「それじゃ皆さん、出発前の最終会議を始めます」
席の中央で西条助教授が話を進める。
「出発は明日の朝8時です。基本的には200km毎に設置されている中継ポイントまでを
 一日のノルマとします。つまり200km×5日=1,000kmですね。5日間の作業です。
 そうそう、その5日間の食事を賄ってくれるコックさんを紹介します。
 日系三世のタチバーナさんと助手のノア子さんです」

「ヤァヤァ皆さんコンバンハ。スーパーコックのタチバーナあるヨー!」
「コンバンハー!スーパー助手のノア子あるヨー!(もう勘弁して……)」
おいおい、この二人も来るのかよ……

「西条さん、ちょっと待ってくれ!」
突然、席の端っこに座っていた親方が声を荒げた。
「小松さん?どうかしましたか?」
「ボスはアンタだ。無論その方針には従うつもりだ。だが現場の安全を預かる身としては
 そんな身元不明の部外者を同行させるのは反対だ!!」

「困りましたね。彼らの身元は確かなんですけど、そう言われると……」
「あ~西条さん、それから親方。その事なら俺から説明させて下さい」
発言をしたのは、意外なことにコタローだった。

「お二人とも。あなた達を派遣したのは……アキオですね?」
その名前を聞いた二人はビックリした様子だった。
「な、何の事カナ~~~?そんな人知らないアルよ?」
「こんな金の掛かる悪ふざけをするのはヤツしか居ませんって。まぁヤツの事だ。表立った
 助力の代わりに内密であなた達を派遣した、と。で、それを暗に俺に知らせる為に
 こんなおバカなシナリオを用意した、と」
 (アキオ「正解だ!ちゃんと理解してくれて嬉しいぞ!!」)

「さぁドウカナ~?キミがどう思おうと勝手だけど、ワタシは知らないアルよ~!」
「はいはい分かりました。……ってことで親方、この人達の身元は俺が保証します」
「ん……何か良く判らんけど、とりあえずオマエを信用してやるよ……」
そう言って親方は二人に握手を求めた。



ミーティングが終わったので部屋へ戻ってきた。資料を放り投げてベッドの上に座る。
しかしあの二人、コタローの関係者だったとは……変なところは類友ってヤツか?
でも金持ちの友達がどーとか言ってたけど、アイツ自身は貧乏性なんだよな。
主食は乾燥ワカメだとかアホな事を言ってたし。

「マスター、メールが届いてますよ!」
ノートパソコンの前からナルが声を掛けてきた。
「ん?誰からだ?」
「えっと……差出人は『スーラ』ってなってます」
「スーラ?誰だろう……変なメールじゃないだろうな」
「どうしますか?」
「……とりあえず見てみるか」
メールを見てみる。題名無し。本文無し。添付ファイル2つ。怪しすぎる……
だが思い切ってファイルを開いてみる。
「これは……図面?しかも神姫の武装の……」

奇怪な装備だった。何と言うか、工業用の溶接機やらカッターやらを無理矢理改造し、
強引に装着させようとしてる感じ。こんなの明らかにバトル用じゃない。
「な……何ですかコレ?こんな装備、正気の沙汰とは思えません……」
「……少なくともバトル用じゃないな。出力も明らかにレギュレーション違反だし」

図面データを細かくチェックしてみる。構成的には……熟練者による物らしい。
「修理しやすい壊れ方」を前提に設計されている。これは研究室で産まれた物じゃない。
実際に使われる事を考えて作られた実用的な作品。ある意味、美しいと言ってもいい。

そして図面の最後にはデフォルメされた虎のマークが入っていた。
「虎太郎マーク……これ、コタローの引いた図面じゃないか!!!」
アイツ何でこんな…………理解に苦しむ。

「マスター、もう一つの添付ファイルは何でしょう?」
「そういえば二つあったんだよな。ソッチも見てみよう」
それは新聞記事をスキャナーで取り込んだ画像データだった。


『深夜の窃盗団、正体は神姫か?』
 十七日の午前八時頃、世田谷区のブティック「雅」で、店の金庫が荒らされているのを
 出勤してきた社員が発見し、警察へ通報した。事務所内に設置した防犯カメラには
 4人の小さな影が映っており、神姫を使った窃盗であるとの見方が強まった。
 事件後の検証では、店のシャッターや金庫が工業用の工具のような物で切断された
 跡があり、どうやら特殊な装備を施された神姫が


俺はファイルを全て印刷すると、プリントアウトされた用紙とナルを抱えて
コタローの部屋までダッシュした。


「コタロー、食べすぎだって……」
ベッドの上でヘバってる俺に、ミアが呆れながら言った。
「………日本じゃ赤貧でロクに食事してなかったからな、つい……」
「ミアちゃん情けなくて涙が出てくるよっ!」
「………それ以上言うな。ちゃんと反省してるから……」

突然ノックも無しに部屋のドアが開いた。
「コタロー!!説明してもらおうか!!!」
そう言ってケータローが部屋の中に押し入ってきた。俺はベッドから飛び起きる。
「ちょっと待てよ。オマエこそ説明しろよ!!」
ケータローが無言で紙の束を投げつけた。

目を通して、凍りついてしまう。
「……正直に言え。これはお前の仕業か?」
「………………………………………………………………そうだ」
「違うの、コレは違うの!!」ミアが叫ぶ。
「コタローは騙されただけなの!『エスト』っていう不良グループに騙されて、
 町工場のお手伝い用装備を作っただけなの!!悪いのは連中なの!!!」
「……ミアは黙ってろ。これはオマエの起動前の話だろ」
「でも………」

俺はケータローに向き直った。
「……そうだ、俺の責任だ。あんな特異な依頼を受けるなら、もっと慎重になるべき
 だったんだ。だが俺は・・…『作れるから』その理由だけで引き受けちまった……」
「……最低だな。技術屋が倫理を無視してどうする。先端技術を扱う俺達こそ
 自分の作品に責任を持たなきゃいけないだろうが!」
「……その通りだ。俺の行いは……技術屋として……許されるべきじゃない……」

長い沈黙の後、ケータローが口を開いた。
「オマエがそんなヤツだとは思わなかった。今すぐにでもこのプロジェクトから降りて
 欲しいぐらいだが、今からじゃ不可能だろう……この事は皆には内緒にしておくけど、
 俺はこれ以上オマエと共同作業をするつもりは無いからな!」

ケータローが部屋から出ていった。ドアが勢いよく閉じられる。
「コタロー………」
「……ミア、これは俺が悪いんだ。俺が受けるべき罰なんだ……」
右手を強く握り締めて目を瞑る。そう、償うべき罪なんだ………









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