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ホワイトファング・ハウリングソウル
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ウサギのナミダ
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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
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双子神姫
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
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 俺が二人のしていたことを聞いた話に、千喜達は別段腹を立てた様子もなかった。
 ベルが取りなしてくれたのもあるんだろうけど……鳥小さんはともかく、千喜は絶対に怒ると思ったんだけど。
「……やっぱり、ヒいた?」
 逆に、どこか恐る恐る……といった感じで、そう聞いてきただけだった。
「……読んでるんじゃねえのか?」
 特に気にしてはいなかったけど、俺の手には千喜の指先が触れている。触れ合っていれば千喜の思いとは関係無しに思考が流れ込んでくるのが、千喜の力だったはずだけど……。
「一度に使いすぎるとね……ちょっとだけ、使えなくなるの。今は読めないよ」
「そっか」
 鳥小さんとプシュケと、自分自身。三人分のエッチなイメージを一気に流し込まれれば、能力だって使い切っちゃうよな。
「この力、一応ナイショなんだけど……知ったらヒく人って結構多いんだぁ。だから、イヤだったらちゃんと言ってね?」
 鳥小さんの肩にもたれかかったまま、千喜はようやく立てているような状況だ。
 精神的な安定は取れたけど、今度は力と同様、体力的なところで消耗してるんだろう。顔色も、元気一杯だった朝ほど良くはない。
「お前が嫌がられるのは、問答無用で鍵開けて押しかけるからじゃないのか? あれも力だろ」
 ふらつき気味なその体を、鳥小さんの反対側から支えてやる。
 小さな千喜の体は驚くほど軽くて、細い。さっき電車の中で抱きしめたとき、よく折れなかったな……と今更ながら不安になってしまうほどに。
「そうだけど……そんなの巴荘だけだよ。よく知ってる鍵だから、開けられるだけだもん」
 てことは、対象は俺達三人だけってわけか。鳥小さんと倉太さんは何も言わないみたいだから、嫌がられる原因にはならないわな、確かに。
「そもそも、触られたり何だりは、どう考えても俺の方がオイシイだろ……」
 まあ、触られてる間は心が読まれっぱなしだけど、読まれて困るのってエロい事くらいだしな。
 ここまで読まれれば、いっそ気持ちいいくらいだ。
「……そっか。ありがとね、峡次」
 ……?
 良く分からないけど、千喜はそう言って力なく微笑んでくれるのだった。

 変な奴。


マイナスから始める初めての武装神姫

その7 前編



 千喜の元気がもう少し戻るまで、俺達は路地のあたりにいる事にした。喫茶店か何かに入った方が良いんじゃないかとも思ったけど、人が多い所は千喜が落ち着かないから、誰もいないこっちの方がいいんだそうだ。
 後始末があるっていう二人は、また路地の奥に戻っている。ピンクチラシがベタベタと貼られた自販機にもたれつつ、俺は手の中のノリをぼんやりと眺めていた。
 ノリは電車の中で酔った時みたいに、バイザーを下げたまま、ときどき小さく身をよじったりなんかしてる。あの時と違うのは、うめき声を上げずに大人しく寝てる事くらいか。
 せめて、良い夢を見ててくれればいいんだけど……。そんな事を思いながら、小さな頭をそっと撫でてやる。
「ん……ぁ……」
 あ、起こしちゃったかな。
 ノリはゆっくりと身を起こし、俺の手のひらにぺたんとお尻を付いたまま。バイザーを上げて、眠そうな目をくしくしとこすってる。
「峡次……さん? わたし……あふ……」
 ようやく俺の方に気が付いたらしい。小さなあくびをひとつしながら、ノリは澄んだ青い瞳でこっちを見上げてる。
 やれやれ。
「大丈夫?」
「え、あの……その……」
 さっきの事を思い出したんだろう。ノリはバイザーを再び下げて、所在なさげにうつむいたまま。
「ええっと………」
 こんな時、どういう言い方をすれば良いんだ。何か、ちゃんとマスターらしい言い方……だよな。するべき事は。
「ノリ、すごく可愛かったよ」
「あうぅ……」
 ダメだ。なんか恥ずかしがられた。
 だからって、またお腹を撫でるのは何か違う気がするし……。
 俺が悶々と考えていると、口を開いてきたのは珍しくノリのほうだった。
「あの……大丈夫、ですか?」
「何が?」
「その……お、おもらし………」
 ……気にしてたのは、それか。
「平気だよ。気にしないで」
 神姫の排水は、体内にたまった結露やオイルの残滓、口から摂った水分を排出するだけだ。ほとんど水に近いし、神姫用のオイルやグリスで人体に有害な成分のある物はもう何年も前に使われなくなっている。
「それより、ノリは大丈夫?」
 どちらかと言えば、排水口が緩くなってしまったノリ自身の身体の方が心配だった。
「だ……大丈夫です。全然、問題ありません」
 なんか、まだ頬がほんのり紅い。
 バイザーに隠れて、よく見えないんだけど。
「ま、ならいいけど……」
 あんまりエッチな事は、刺激が強すぎるよな……。
 俺も千喜達にアテられたんだろうし、こういうのは自粛しないとダメ……だよなぁ。
「そうだ。ジュース、飲む? 落ち着くよ」
「あ、はい……」


「お待たせー」
 後ろの自販機でペットボトルを一本買って、ノリと二人で飲んでいると、鳥小さん達が戻ってきた。
 あれ?
「……その服、どこに持ってたんですか?」
 千喜も鳥小さんも、さっきまでの格好じゃなくて、Tシャツにスカートっていうラフな格好に着替えていた。この奥は行き止まりみたいだったし、お店なんか無いように見えたんだけど……そもそも、あの格好で入れてくれるお店なんかないだろうけどさ。
 それに、二人とも着替えだけじゃなくて、シャワーか何か浴びてきたような感じだった。ドロドロになっていたはずのプシュケも、今はさっぱりした格好で千喜の頭の上に腰掛けている。
 今の三人を見て、さっきまであんな事をしていたなんて想像できる奴は……いないと思う。
「女の子にはね、色々と秘密があるのよ。ねー?」
「ねー」
 そう言って顔を見合わせ、笑い合う二人。鳥小さんが肩から提げてる黒いトートバッグが謎の荷物の正体なんだろうか。
 この路地に入るまでは、あんな荷物なかったよな?
 ホント、秘密だらけだ……。
「それじゃ、行きましょっか?」
「あ、はい」



 元気になった千喜を連れ、みんなで歩くこと五分ほど。
 辿り着いた小さな店の看板には『真直堂』とある。
 喫茶店のようにも見えたけど、看板の上に小さく『ドール全般取り扱い』と書いてある辺り、確かにそっち方面の店なんだろう。
「ここが……」
 けど、その先の言葉が続かない。
 何て読むんだ、これ。しんちょくどう?
「ますぐどう、ですわ」
 詰まった俺の様子で察してくれたらしい。千喜の頭の上のプシュケが、そうフォローしてくれた。
 ますぐどう、ね。
「ええ。私のバイト先」
 で、鳥小さんのデザインした服を売ってるお店、と。
「コトリユトリコとか、StraightCouLgarL……でしたっけ?」
「へぇ。知ってるんだ?」
「俺だってそのくらいはな」
 混ぜっ返す千喜に胸を張る俺だけど、ホントは静香さんから名前を聞いただけ。コトリユトリコがどんなブランドなのかと聞かれたら、一発アウトだ。
 これを知ってるのはノリとベルの二人だけだけど……ノリは状況が分かってないのかバイザーを下ろしたままだし、ベルは鳥小さんの肩の上で笑いをかみ殺してる。ここで黙ってくれてる辺り、俺の薄っぺらな知識にツッコミを入れる気はないらしい。
 さすがベル。千喜あたりとは人間の出来が違うね。神姫だけど。
「StraightCouLgarLはオーナー。コトリユトリコは、わたしのブランドね」
 そのベルの様子を知ってか知らずか。多分気付いてるんだろうけど、鳥小さんも俺に突っ込む事無く、軽く流してくれている。
「……すごいですね」
「ふふ。まだ駆け出しだけどね」
 照れてはいるけど、鳥小さんはどこか誇らしげだ。
 慣れた様子で木製のドアを開ければ、ドアに吊されたベルがカランと鳴る。これだけだと、ホントに喫茶店だな。
「いらっしゃーい」
 慣れた様子で入ってみれば、迎えてくれたのはおっとりした女の子の声だった。
 店内にそれらしい影はない。
 いるのは……。
「あれ? 新しいお客さんだねぇ」
「……神姫?」
 カウンターに置かれた小さな揺り椅子に腰掛けた、ツガルタイプの神姫が一人。ふんわりとしたドレスに埋もれるようにして、こちらを見てにこにこと笑ってる。
「ようこそ、真直堂へ。ここの店員の、タツキです」
 ……神姫が店員? さすが都会というか、何というか。地方とはやることが一味も二味も違うぜ。
 俺の表情がよっぽど変だったのか、タツキと名乗ったツガルは楽しそうな笑顔を崩さない。
「タツキさん。オーナーは?」
「んー? その辺にいると思ったけどー?」
 タツキは揺り椅子に腰掛けたまま、何度かオーナーと連呼する。ツガルなんだから飛んで呼びに行けばとも思ったけど、タツキは服を着てるだけでツガル装備は付けていなかった。
 そもそも、あのドレス着て揺り椅子に納まったら、自力じゃ立ち上がれないのかもしれないけど。
「オーナーってばぁ。いないのー?」
 五度目の呼び出しで、玄関から大きな影が姿を見せた。
「あれ? タカさん、今日は夕方からって言ってなかった?」
 !
 その瞬間。
 俺は反射的に走り出し。
 そいつに向けて、全力の蹴りを叩き込んでいた。



 その状況に私の思考が追い付くまでにかかった時間は、きっかり一秒と半。
「……何ですの?」
 峡次さんが真直堂のオーナーに問答無用のドロップキックを叩き込んで。
 そのままゴロゴロと転がった二人は、出口を過ぎて店の外へと。峡次さんの肩に乗っていたノリが峡次さんのダッシュで吹き飛んで、ドアのベルがガラガラと鳴っているけれど、それを気にしているのは心に余裕のある私くらいのもの。
「いや、プシュケ余裕ありすぎっ!」
 言ったときにはもう千喜は駆け出している。宙を舞うノリに手を伸ばし……。
 伸ばし……。
 ……あら?
 少し、届きそうにありませんわね。
「そう思うなら何とかしてっ!」
 ……。
 千喜。フォロー、頼みますわ。
「ん!」
 私は千喜の頭を飛び出して、肩口を蹴り、伸ばした腕を駆け抜ける。ノリを指して届かない指先を踏み込んで、その先へ軽く跳躍。
「ノリ!」
 優雅に放物線を描き、シャツとスカートをはためかせているノリを抱きしめて……。
 共に墜ちると思った瞬間、自由落下の速度が急激に減衰する。
「プシュケ、ナイス」
 フローラルリングを起動させた程度の速度で、私はノリを抱いたまま、千喜の手の上へゆっくりと着地。
 ふぅ。
 それはいいのだけれど。
「……そもそも、ノリを直接その力で捕まえれば良かったんじゃありませんの?」
「あたしの力の射程、知ってるでしょ」
 ……まったく、この子は。
 せっかく便利な力を持っているのに、使い方が全然なってませんわね。
「いきなりだったからさ……思いつかないって」
 はいはい。
 そういうことにしておきましょうね。
「それにしても、随分と乱暴な挨拶ですわね……」
 峡次さんとオーナーは、いまだに店の外で殴り合っている。
 出会った瞬間殴り合いなんて、野蛮なストラーフや本能だけで動くマオチャオだってしませんわよ?
「プシュケ。それ差別発言」
 ……マオチャオに関しては訂正してもいいですわよ、千喜。
「私怨っていうんだよ……それ。ストラーフだって、野蛮なのってジルだけじゃん」
 ふん。私怨上等ですわ。
「で、あの二人、何言い合ってるの?」
 近寄る気はないのか、千喜はそんな事を聞いてくる。
 それは要するに、私に聞かせてそれを読み取ろうって魂胆ですの?
「当たり前じゃん。あんなのに近寄りたくないよ」
 ……まったくもぅ。そんな所だけ、悪知恵が回るんですのね。
「悪知恵言うな」
 とはいえ、言い合っていても話は進まない。
 私はノリを抱き上げたまま、聴覚センサーの指向とフィルタリングを調整して、野蛮な打撃音に混じる人の声だけを拾い上げる。
「っつーか、ノリ都合したのテメェかよ! なら何であんな中古素体送りつけやがった! 店やってんなら純正くらいあるだろ!」
「知らねえよ! 素体は俺が都合したんじゃねえ!」
 ……?
「それに素体が裸から変わんなくても、それなりに使い方くらいあるだろうが!」
 ただのクレーム……じゃあ、ありませんわね。
 クレームというか、これはもっと次元の低い……。
「服着て戦ってる神姫くらいたくさんいるだろ! ElectroLolitaとか、TODA-Designとか!」
 前にドラマで見た、兄弟ゲンカ、というヤツですの?
 そう考えつつ千喜を見上げると、千喜も呆れ顔で首を振るだけ。
「あたしに聞かれても知らないわよ。姉さんとケンカなんかしたこと無いし」
 その割には、お兄様には一方的に攻撃してましたわね。
「あれはいいの。あんな格好してるお兄ちゃんが悪いんだから」
 はいはい。
 大まかな流れは分かったし、これ以上聞いていても得るものは無さそうだ。ベルの方を見れば、彼女も鳥小さんに頼まれて似たようなことをしているらしい。肩をすくめて首を振っている。
 いい加減センサーを解除して、二人の事は放っておこうと思ったその時だ。
「服着てバトルとか、あんなイロモノやれってか!?」
「……っ!」
 どうやら私に抱かれていたノリコも、私達と同じ事をしていたらしい。
 拳と共に吐き捨てた峡次さんの言葉に、ビクリと身を震わせる小さな体。
「……プシュケ」
 ええ。
 私もノリを抱きしめたまま、軽く頷いてみせる。
「この、バカ兄貴っ!」
 そう叫んで拳を振り上げる峡次さん目掛け、千喜は一歩目からの全力疾走。
「バカはあんた……」
 店の玄関を踏み切り、飛び上がろうとして。
 その傍らを風のように駆け抜ける、影がひとつ。
「……えっ?」
 千喜が呟いた瞬間には、オーナーの巨体と峡次さんの体はくるりと宙を舞っている。
 どぉん、とアスファルトを響かせる重い音。
 その中央に立つのは……。
「鳥小……さん?」
 男二人を腕一本で投げ飛ばした彼女は、何事もなかったかのように軽く手をはたいているだけだ。
 無論、男二人も動けぬまま。
 痛みと。
 驚きと。
「王蟲の殻より削りだした刀……とまでは行きませんが、切れ味はご存じでしょう? 峡次様」
 峡次さんはベルに、白鞘から引き抜いた太刀を突き付けられ。
「なにやってんだバカオーナー。お預かりしてるお嬢様がたに、教育に悪いもん見せんじゃねえよ」
 オーナーは、細身のスーツをまとったツガルに、剣状の鉄塊を押し付けられて。
 ツガルはタツキがドレスを脱ぎ捨てた姿じゃない。それを証拠に、タツキは店の中でいつもの揺り椅子に身を沈めたまま。
「アキ……さん」
 オーナーのもう一人の神姫。
 タツキの姉の、アキさんだ。
「…………」
 そして。
 私は、無言で上を見上げてみた。
 あー。なんか千喜ったら、バカ丸出しの顔してますわね。そんなにオイシイ所を鳥小さんに持って行かれたのが悔しかったんですの?
「…………」
 私の思いを読み取ったのか、千喜はつかつかと峡次さんの所まで歩いていって。
「……この、バカ峡次っ!」
 全力で、峡次さんに回し蹴りを叩き込んだ。





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