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第8話 「初戦」

 

「ンなーっはっはっはっはァ! ぅワガハイの最高傑作! バイオレント・ブラック・バニー! 略してB3(ビー・キューブ)よ! 今日は最高の成果を期待しておるぞォ!」
「サー、コマンダー」

 

「……なぁ、神姫のオーナーってのは皆あんなテンションなのか?」
「……私は今まで以上に遼平さんの事が好きになれそうです」

 

 武装が揃ってから更に3日。 ネットで行える簡易バーチャルトレーニングで大体の動き方をマスターした俺とルーシーは、いよいよ初の実戦に参加する事にした。
……と言ってもそう大げさな話じゃない。 今や武装神姫を扱った店は街のそこかしこにあり、神姫オーナーであればいつでも参加できるシステムを設置している店もあるのだ。
 休日なんかにはちょっとした大会が開かれる事も多いようだが、普段行われるのは公式トーナメントやリーグ戦みたいなモノじゃなく、個人同士の草バトルって所だろう。


 で、そんな俺たちの初陣の相手が、さっきからハイテンションで大騒ぎしてるオニイチャンってワケだ。
年は俺より少し若いくらいで、なんだかヘンなシミだらけのズボンにベスト、ご丁寧に頭には同じ模様のハチマキをしてる。
「アレはシミではなくて都市迷彩です。 それにハチマキじゃなくてバンダナですよ」
ルーシーが小声で注釈を入れてくるが、俺はそういうのに詳しくないんだって。
ま、そういう事に疎い俺でも分かるくらいにあからさまなファッションの軍隊フェチだった。


「退くな媚びるな省みるな! 敵前逃亡は問答無用で軍法会議! 兵士に命を惜しむ事など許されぬ! そう、お前の前に道はなく、お前の後ろに道が」
「そろそろ選手のご登録をお願いしたいのですが宜しいですか」
「あ、ハイ」
 天井知らずに上がりっぱなしのテンションは、店員さんの必要以上に事務的な口調に大人しくなった。
っと、こっちにも来た。
「それでは、こちらにオーナー名と神姫のパーソナルデータ入力をお願いしますね」
 キツめな感じの美人さんだけど、さっきと違ってにこやかだ。 どうやら店員さんもアレはやかましいと思ってたらしい。
えーっと、そんじゃ…

 

オーナー名:藤丘 遼平
武装神姫:TYPE DEVIL「STRARF」
ニックネーム:ルーシー

 

と、こんなトコかね。

 

『それでは両者、スタンバイ!』
さっきの店員さんによるアナウンスが入る。
「ビィィィ!キュウゥブッ! んGoGoGoGoォオゥ!!!」
「サー、コマンダー」
「んじゃ行くか、ルーシー?」
「ハイ。 あなたとなら、何処までも」
……何処で憶えてくんのかね、そういうセリフ。

 

 崩れたビルの立ち並ぶ廃虚をステージに、バトルはスタートした。 まずは索敵からか。
「相手のバッフェバニーは遠距離戦闘重視の重火器装備型…『ガンナー・ブラスター』です。 早めに接近しないと厄介ですね」
「初陣が真逆のタイプってのは嫌なもんだな」
「負ける気はありません…前方に反応」
緊張した言葉とほぼ同時、ビルとビルの隙間を縫うようにして何かが迫ってくるのが目に入った。
一瞬戸惑った俺が命じるより早く、ルーシーは大きく跳んで回避行動を取っていた。


着弾。


閃光。

爆発。


「…ミサイル?」
「誘導式ではないので、正確にはロケットですよ。 妄想スレ第2段の198さん、ありがとうございました」
「誰?」
「こちらの話です。 …来ますよ」
 崩れたビルの残骸を乗り越えて敵が姿を現す。
左肩にはバズーカ砲、ロケットポッドを右肩に。
両手にはそれぞれガトリングガンと大ぶりのコンバットナイフを携え、のっしのっしと歩みを進めてくる……その顔は赤いスコープにガスマスクのせいで表情が読めない。


『ンなーっはっはっはァ! そこな新兵! こそこそ隠れて様子見とは兵士の風上にも置けぬ奴! このB3とワガハイが、フヌケた貴様らに戦場における鉄の掟というモノを叩き込んでくれるわっ!』
あーうるせぇ。
「ドンパチのルールブックにゃ不意打ち上等って書いてあんのか?」
『ムっふっフーン、モノを知らぬ奴め。 この世には『勝てば官軍』というすンばらしい言葉があるのだ! 勝った者にのみ全ての権利が与えられる! 即ちルールを決めるのもまた勝者! つまりすなわち勝利は勝ぁぁぁぁぁっつッ!』
「サー、コマンダー」


……本格的にワケ分からんなお前ら。


「ま、向こうさんから来てくれたんなら探す手間が省けたな」
「そういう事を言ってる場合ですか」
すいっ、と持ち上げられたガトリングガンが狙いを定める前に、再び跳躍。
弾丸の雨が虚しくビルの壁を穿つのを尻目に、着地したルーシーがこちらに尋ねる。
「どうしましょう?」
「初の実戦なんだし……ここはやりたいようにやってみ」
「……了解」
『むヌぬっ、敵の眼前で作戦会議とは悠長な! 静かにせんかァ! ここは戦場だぞォ!』
 相手オーナーの怒声を無視し、前傾姿勢になったルーシーは距離を詰め始めた。
ロケットポッドが迎撃を始めるが、最初の攻撃で誘導式でないと判っている。
最初から当たらない位置のモノは完全無視、被弾する位置にあるモノはサブマシンガンで撃ち落としていく。
その間、視線は相手に固定したまま。
『「なにー!?」』
くそ、向こうと俺の声がカブった。 つかルーシー、お前ちょっとスゴい?
 距離が縮む事を嫌ったB3は後退を始めるが、なにしろこっちとは「一歩」の長さが違う。
あれよあれよと言う間に戦闘は至近距離でのそれに移った。
向こうもこの距離ではガトリングガンの取り回しは不可能だと悟り、もう1本コンバットナイフを取り出しての2刀流に切り替えた。
 こっちもナイフ2刀流で斬り結ぶ!


……が、ルーシー自身の両手は空いているワケで。


サブアームが相手のナイフを押さえつけている間に、ひょいと掲げたサブマシンガンを相手の顔面に向けてブッ放しやがった。


ががががががっと派手な音がして頭が何度も揺れた後、B3は仰向けにぱったりと倒れた。

『んンNoおぉぉぉおおぉぉうッ!? B3! 応答せよびぃきゅうぅぅぅぅッぶ!』
「ルーシー、お前それちょっとエグい」
「勝てば官軍、負ければ賊軍……勝負の世界は非情なのですよ」
『衛生兵! えーせーへーえぇぇぇぇぇ!!!!』
しれっと言ってのける15センチ足らずのオモチャ。 コイツはやっぱり悪魔かなぁと思って嘆息した俺の視界で、動くものがあった。
「ッ……、」


どごおぉぉんっ!

 

 突然起こった爆発に、俺の口から出かけた言葉が止まった。
スコープとガスマスクがダメージを緩和したのか、大の字になったB3の肩にマウントされたバズーカ砲から煙が昇り、射撃直後を物語る。
そして濛々と爆煙に包まれているのは……ルーシーの頭部付近。
「ルーシーっ!」
背筋の凍るような思いが俺の口を再び動かす。
「返事しろおい!」
「無事です」
冷静な声が響き、風に吹き散らされた爆煙の中からススけたルーシーの顔が見えた。
顔周辺のダメージはそんなものだが、片方のサブアームが手首の辺りから吹き飛んでいる。

どうやらそれを盾にして直撃を防いだらしい。
 それを見てもB3は追撃しないし立ち上がらない。
どうやらバズーカは1発きりで、さっき与えた頭部への衝撃はオートバランサーか何かに影響を与えたらしい。
実質、勝負はここで決着ってワケだ。


 ほっとした俺、ぽかんとしている相手オーナー、悔しげな表情のB3、無表情のルーシー。
なんだか妙な沈黙の後、ルーシーはおもむろにしゃがみ込んでB3のそばに膝を着くと、残ったサブアームを動かし始めた。
その手に握られているのは、ほとんど使う事もなく無傷に近いアングルブレード。
「はいはいストップストップ、もう終わっただろ。 こっちの勝ち」
俺の言ってる事を聞いているのかいないのか、ルーシーは見せつけるようにブレードを振り翳したまま動かない。
「こら、あんま脅かすなって」
刃に照り返る陽光を受けたB3の顔に、はっきりと恐怖の色が映る。
「ルーシー」
ぐっ、とアームデバイスのシリンダーが動く。
「やめろバカ!」
制止の声と風を一度に裂いたブレードが、鋭い音を立ててコンクリートの床に突き立った。
……丸く湾曲した刃と床の隙間に、B3の白い首筋が挟まっている。


顔を上げれば、相手オーナーが白いハンカチを必死に振る姿があった。

 

「ンんバカモノおぉぉっ! 勲章ではなく命ひとつを持ち帰れば良いと教えたはづだろぉがっ!」
「サー、コマンダー」
「試合前と言ってる事が違うんだが……」
「アレがあの人たちの絆の形なのでしょう」
 ひしと抱き合う(?)2人を眺めて、にこにこ笑顔のルーシー。 ……ホント、あの氷みたいな目ェしてた奴とは思えんね。
「……ちょっと、興奮しました」
俺の視線に気づいてか、わずかに肩を落とした。
人間で言えば『カッとなった』んだろうが……あんまコイツは怒らせない方がいいかも知れない。
「今、何か失礼な事を考えましたね?」
「いぃえぇメッソーもない」
「怪しいです」
「最愛のパートナーに信じてもらえないとはツラいなぁ」
ちゃかしたセリフに、テレたように小さく微笑む。
「最愛、ですか……嫌わないでくださいね」
「つまんない心配しない」
あっちほど熱烈じゃないが、こっちもちょっとイイ雰囲気。


 ひとしきり泣いたり感動したりして気が済んだのか、向こうのオーナーが握手を求めてやってきた。
胸ポケットからはB3が覗いている……ちょっと微笑ましいな。
「いやいやいや諸ォ君! 今回は良い勉強をさせてもらったぞぉ!」
「ま、こっちも楽しかったよ。 ちょっとヒヤっとしたけどな」
「うむ! 記念すべき初陣を勝利で飾れなかったのはヒッジョーォに無念ではあるが、今日この日の戦いはワガハイとB3の輝ける第1歩として生涯この胸に刻もうぞ!」
「お前あんだけ偉そうな事言っといて自分も初心者かコラ」
バカ笑いするミリタリーマニアから視線をそらすと、ルーシーがB3の頬をそっと撫でている所だった。
「さっきは怖がらせてごめんなさい。 貴女の心優しいオーナーに、最大限の感謝を忘れずにね」
「……イエス、マム」
ルーシーの柔らかい微笑みと、風にかき消されそうなB3の声を幕に、俺たちの初陣は終わった。

 

 

「ついでにそちらのオーナー。 差し出がましいようですが『バイオレント』は『Violent』で頭文字は『B』ではありません。 その子の為にも早めの改名をお奨めします」
「ンなんとぉーっ!? ワガハイ一生の不覚ぅッ!」
「サー……」

 

その後、彼の神姫は『バーニング・ブラック・バニー』に改名したとかしないとか……ちゃんちゃん。





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