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えむえむえす ~My marriage story~

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ウサギのナミダ
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 兎型MMSヴァッフェヴァニー、固有名『フォートレス・ブラッドヘッド』。
 ストラーフ型のレッグパーツ四基、アーンヴァル型の飛行ユニット四基を基盤として組み上げられた、超重量・高機動型の高位ランカーMMSである。
 彼女の進む前に敵はなく、彼女の跡にはただ破壊された神姫の亡骸が残されるのみという、非情の破壊姫。
 だが、噂によると……彼女の強さには誰にも知られてはいけない秘密があるとまことしやかに囁かれている。
 すなわち、
『違法改造』。
 武装神姫バトルサービスにおけるレギュレーション違反。
 軍事兵器の技術流用。彼女のオーナーは軍と提携し、武装神姫バトルサービスという舞台を『新兵器の実験場』として使っている。
 ――――あくまでも、噂である。証拠を掴んだ者はいない。
 否。
 証拠を掴み、生きて帰ったものはいない――――そう、噂されている。
 あくまでも、噂に過ぎない。証拠がない以上、それはただの風評にすぎず……
 そして、
 この世界は、力が全てである。 

 ――故に。

 ブラッドバニーを止める者は、未だ存在しない。
 存在するとすれば、まだ対戦していない高位ランカーたち、そしてあるいは――――


神姫狩人 第一話

狩人、明日香


「あなた、強いんですよね?」
 天に輝く月が、街頭よりも明るくアスファルトを照らす夜。
 その少女は、闇のように黒いマントを羽織り、彼の前に現れた。
「……なんだ、お前は」
 男は、目の前の少女を注意深く観察する。
 フードのついた黒いマントの下には、小柄な体。だがその顔を隠したフードの下から見える不適な口元は、倣岸不遜な自信の表れだろうか。
 ――――無知にも程がある。
 男は、内心嘲笑する。
「質問を質問で返すように教わったのですか? これだから力だけの低脳は困りますね」
 少女は挑発する。
「…マスター、油断はなさらぬように。MMSの反応を感じます」
 ブラッドバニーの素体が、男に話しかける。
 多脚と首だけという、異質な神姫。その言葉に、男は答える。
「油断する気は毛頭ない。もっとも――どれほど油断しようが、貴様に敗北は」
「ありません、マスター」
 男は、手に持っていたケースを地面に落とす。
 ケースが開かれ、収納されていたパーツが組み合わさり、ブラッドバニーの素体が収納される。
 超重量を支える巨大な足。
 鋭い爪を持つ四本のアーム。それぞれに砲塔が備え付けられている。
 胴体部分にはプロペラントタンクとウイング。
 全身これ武器、と言った姿はまさに巨大な要塞であった。
 それを見て、少女は笑う。
 無敵の神姫要塞を目の当たりにしてなお、彼女の自信は崩れない。
「ゴテゴテすればいいってもんじゃないですけどねー。
 そんなんじゃせっかくの神姫の美しさが台無し。機能美って言葉知ってます?」
 そう笑いながら、マントを翻し、フードを取る。
 そこに現れた顔は、黒髪の15歳ほどの少女だった。瞳だけが青く、そして挑戦的に輝いている。
「用意はいいわね? あんなデカブツ、とっととやっちゃいなさい」
 少女が凛とした声で言う。マントがばさりとおおきくはためき、その中から一体の武装神姫が飛び出した。
 四枚の、鳥のような翼。デフォルトの宇宙船を模した翼とは違う有機的なフォルム。
 ――――それは、まさしく天使。
 天使型MMS、アーンヴァル。固体名称――――
「――マルコ! マルコ・ソロネス!!」
「了解、マイマスター、明日香=ヴァレンシア」
 天使が羽ばたく。
 黒い鉄の要塞へ向かい、飛翔する。



    非公式試合、開始。
    兎型MMS『フォートレス・ブラッドバニー』
                  VS
                   天使型MMS『マルコ・ソロネス』
    このバトルは非公式試合である。
    そのため、戦闘結果によるポイントの付加・ランキングの変動は行われない。



 そう、非公式バトル。
 公式での華やかな戦いの裏では、様々な非公式バトルが存在する。
 この、マルコとブラッドバニーの戦いもまた、公式には残されない非公式のものである。
 非公式バトルにかけるものは、それぞれだ。
 ブラッドバニーとそのマスターのように、公式戦より強力な力の行使、破壊願望を求めて獲物を探すものもいる。
 ならば、明日香とマルコの目的は何か。
 だがその疑問など、男にとってはどうでもいいことだ。
 もとよりただの獲物、彼にとっては狩られるだけの哀れで無力な存在である。
「行動パターン、予測完了」
 ブラッドバニーのカメラがマルコを捕らえる。
 数発の弾頭による攻撃。その攻撃をことごとくかわすマルコだったが、それは回避パターンを計算するための捨石。
 ブラッドバニーの基本戦術は、まず相手を知る事である。
 動きからデータを逆算しスペックを解析する。 
 そして相手の行動の限界値を導き出し、それを上回る破壊力で砕く。
 それを成すだけのコンピュータを積み、それを成すだけの武装を搭載する。
 そしてそこに油断はない。故に無敗、故に無敵。
「…っ! ええい、なんて弾幕だ」
 マルコが追尾弾を避けながら舌打ちする。
 スピードならこちらのほうが上のはず。だが、それはあくまでも本体同士の話。
 データ取りのための捨石とはいえ、幾重にも射出される追尾弾と砲弾による弾幕は、マルコがブラッドバニー本体へと接敵することを防いでいる。
「防がれるなら――――」
 マルコはビームソードを構え、翼を広げる。
「弾幕ごと貫くのみ!」
 疾速。
 幾重にも広がる弾幕にマルコは頭から突っ込み、両手の剣を振るう。
 追尾してくる爆撃は高速起動により撹乱し同士討ちさせる。
 目前に広がる砲弾は――――
「ボクの剣で切り裂くのみだ!!」 
 一閃、二閃、そして幾閃。
 光の華が咲く。
 爆発、切り裂かれた弾丸が一瞬おいて破砕していく。
「そこですマルコっ!」
「路は――開けたっ!」
 弾幕を抜ける。そこには無防備になった本体が――――

「甘いな」
「予測範囲内です」
 男が笑う。ブラッドバニーが冷静に告げる。
「何っ!?」
 そう、それはすでに計算された勝利への解法。弾幕に閉ざされた路を切り開くため、危険を冒して突っ込んでくる事。
 そしてその弾幕を抜けることも計算されていた。
 勝利を確信した、その一瞬の隙を。
 アームがうなり、マルコの脚部スラスターアーマーを掴む。
「ぐっ…! なんてパワーだっ!?」
 規格を容易に超える出力を持つブラッドバニーのアームである。それに捉えられて脱出できた神姫はいない。
「終わりだ。なんともまあ、あっけないものだったが――」
 一際巨大な主砲が動き、マルコの頭に狙いをつける。
「終わりですね」
 エネルギーが充填される。
 その主砲が光を放てば、マルコの頭――いや上半身は跡形もなく粉砕されるだろう。
 そう、もとより力が違った。
 格が違った。
 勝てるはずなど、なかったのだ。
 砲口に光が満ち、吐き出される。
 それは、マルコの体を灼き――――

 彼女を破壊した、

 はずだった。

「何――――!?」

 ボルトがパージされ、マルコの脚と脚部スラスターが分離される。
「バカな!?」
 有り得ない。アーンヴァル型の脚部スラスターは、完全な差し替えによる接続である。
 だが目の前のアーンヴァルは――スラスター装甲の中から素体のままの脚線美を現していた。
 ――――囮。
「そう、罠にかかったのはあなたです。
 スラスターなんて飾りです、バカな人にはわからんとですよ、ってね」
「ブラッドバニーが掴むことを予測していたというのか――!」
 そう。まさしくその通り。
 そのままマルコは囮であるスラスターをアームの掌に残したまま、翼を広げて飛ぶ。
「ちなみに言うと、私はあのスラスター好きじゃないんですよね。やっぱり脚線美は大切ですよ」
 心底どうでもいい。
「その主砲、一度撃てばエネルギーの再充填に時間がかかる――ならば今こそ好機!」
「くそ――再計算開始、行動補足――」
「遅い!」
 ビームソードが閃く。マルコを再び捕らえようとした四本のアームは、そのことごとくが灼き斬られた。
「早い!?」
「邪魔なものがなくなったんでね! 今のボクをさっきまでと同じにするな!」
 旋廻し、マルコは飛ぶ。そして、ビームソードに全エネルギーを流し込む。
 柄から迸る光の刃が渦を巻く。
「光の氷柱!」
 シャイニング・アイシクル。
 螺旋状に輝き、天より直下に貫くその光の渦は、まるで光を受けて輝く「つらら」の如し。
「な――――」
 その輝きを受け、ブラッドバニーのゴーグルが割れる。
 ――初めて。
 ブラッドバニーは、今までは獲物に過ぎなかった武装神姫を、
 美しいと感じた。
「悪いですが、勝たせてもらいますね、この……神姫ハンター、明日香と、マルコが!」
 ハンター。
 狩人? 今、確かにそう言ったか。
 ああ、そうか。獲物なのは、はたしてどちらだったのか。
 考えるまでもない。
 敗者である自分こそが、獲物に過ぎなかったということだ――――
 そして、ブラッドバニーの意識は灼き切れた。


    勝者、天使型MMS『マルコ・ソロネス』。
    このバトルは非公式試合である。
    そのため、戦闘結果によるポイントの付加・ランキングの変動は行われない。
    賭け試合のため、勝者には――――

    相手の武装神姫が与えられる。    



    追記:以降、兎型MMS『フォートレス・ブラッドバニー』は公式戦より登録を抹消される。詳細は不明。



「はい、報酬」
「ありがと! ひーふーみー、うん確かに」
 明日香が幸せそうに渡された紙幣を数える。
「明日香。いつも思うんだが、何故ポイントにしないんだ? 変換に手数料はかからないしそっちの方が楽だと思うんだが」
 明日香の肩でマルコが問う。
「バカね、現金のほうが、なんか儲けたー、ってカンジがするじゃない!」
「アナログだね、明日香は」
「まったくだ」
 つられて、窓口で親父が笑う。
「俺も同感だ。紙幣や硬貨の方が風情があっていいやね」
「さっすが、おじさん話がわかりますねっ。
 あ、そういえばあのコはどうなりました?」
「ああ、あの違法改造の兎か。
 神姫に罪はないからな、記憶データを消して規格適応に改造した後に中古品として市場に出るってさ」
「そうか、殺されるわけじゃないんだな、よかった」
 マルコが胸をなでおろす。
 戦った相手とはいえ、処分されると聞くことはつらい。死なないですむのならそれが一番だ。
「そりゃそうでしょ。そのためにAIを破壊せずに倒す、あんたの技なんだから。
 今まで私たちが回収した違法神姫の中で機能停止したコはゼロ、どうですこの偉業!」
「ああ、たいしたもんだよお前さんたちは。ついでにその強欲ぶりもたいしたもんだが」
「…またか、明日香」
「さて、何のことですか?」
 そっぽを向く明日香。
 彼女たちの仕事は、武装神姫バトルサービスの本部より依頼される、違法MMSの摘発である。
 そしてそれは、その違法改造された、あるいは違法行為を行ったMMSの「本体」の回収だ。
「…ガメたな。ああ、確かに実際に戦った彼女のデータと、提出した武装に違いが…」
「いいでしょ、危険手当よ。やることはやったんだからいいんですっ」
「……まったく。なんでこうキミは強欲なんだか……」
「強欲じゃありませんよーだ」
 ギャアギャアとケンカをはじめる二人を、親父は制止する。
「はいはいそこまで。それよりもだ、お前さんたちにまたやって欲しい仕事があるんだがな」
「えー? さっき仕事終わらせたばかりなのにー。労働基準法さんせー、働きすぎはよくないですー」
 明日香が愚痴る。
「簡単な仕事だよ。報酬に色つけるから」
「労働は尊いものです! 清く正しく働きましょうっ!!」
「明日香……なんて判りやすいんだ、キミは……」
 今度はマルコが頭を抱える番だった。
「いいんです。さて、神姫ハンター、出動ですよっ!!」
 親父から依頼の詳細データを受け取り、明日香はマントを翻す。

 武装神姫バトルサービス。
 輝かしい舞台の裏では、常に様々な問題を抱えるのはいつの時代でも同じこと。
 光あるところに、闇がある。
 このお話は、そんな闇とか光とかなんてそんなことはどーでもいいとばかりに、ひたすら突っ走る少女と神姫のそんなお話。
「さあ、れっつごー!」
「明日香、その前にちょっとはボクを休ませてくれよーっ」
「終わったら存分に休ませてあげますからっ!」




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