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**戦うことを忘れた武装神姫 その32.5
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「なるほどねー。」
それからさらに数時間後。深夜バスもなくなり、自宅まで歩いて帰ることにした久遠。
「時を紡ぐ神姫とマスター、と。。。」
星空の下、堤防を歩く久遠の肩では、リゼがあずさから教わった歌 -Cradle of Time- を何度も口ずさみ、美しい歌声が星空へと吸い込まれていく。
・・・相当の額を呑んだ気がするし、事実久遠の財布は薄くなっていた。 だが、今宵すごしたあの時間は・・・と、リゼの歌が止まった。
「ねぇヌシさん。 あたしも、あずささんみたいなカッコイイ神姫になれるかなぁ。」
呟くリゼの耳には紅色のピアスが輝いていた。 先のヌレヌレのお詫びもあったのだろう、あずさは自らが付けていたガーネットのピアスを、帰り際にリゼに付けたのだ。
「・・・なんだ、まだピアスのことを気にしているのか?」
「うん。。。 あたしが、本当にあたしがもらってもよかったのかなぁ・・・?」
久遠は立ち止まり、リゼを手のひらに乗せた。
「もちろんなれるさ。 時間はかかるかもしれないけれど、その時間も楽しんでしまえばいいんだよ。 それに・・・」
そっとリゼの頭を撫でて、
「お前はウチの自慢の神姫、リゼなんだから。 ピアスを貰ったこと、もっと誇ってもいいと思うぞ。」
と久遠は付け加えた。
「へへ、そ、そうだよな・・・っ! ふあぁ、なんだか眠いよ・・・あくびが出ちまう・・・」
大きなあくびをするリゼの目のふちに、キラリ光るもの。 しかし、久遠はあえて気づかないふりをしてリゼをポケットへと収めた。
「さすがにこの時間だと眠いだろ。 ここでゆっくりしてていいぞ。」
「ありがと、ヌシさん。。。」
きゅっと久遠のシャツにしがみついたリゼ。 久遠の鼓動を感じつつ、リゼがうとうとしかけたそのときだった。
「し、しまったぁあぁっ!!!」
絶叫する久遠。
「な、なんだよヌシさん・・・!!」
「エルガたちのことすっかり忘れてたっ!!! あいつらに飯用意してねぇっ!!!」
「・・・それはあたしの知ったことではない。 ごめんねヌシさ・・・きゃっ!」
久遠はまるで逃げるかの如く堤防の道を駆け出した。
「やばい・・・あいつらのことだ、何しでかしてるかわからん・・・!!」
酔いも半ば醒め、必死で駆ける久遠のポケットでは、二人きりのせっかくのムードをぶち壊されたリゼが、ちょっとむくれつつも皆に愛情を注ぐことを決して忘れない久遠を誇らしく思っていた。。。
そして。
帰宅した久遠を待っていたものは、片付けに丸一日費やすことになる惨状であったという。
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**戦うことを忘れた武装神姫 その32.5
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「なるほどねー。」
あれから、からくり時計の列車を何度見のだろう。 すでに深夜バスもなく、自宅まで歩いて帰ることにした久遠。
「時を紡ぐ神姫とマスター、と。。。」
星空の下、堤防を歩く久遠の肩では、リゼがあずさから教わった歌 -Cradle of Time- を何度も口ずさみ、美しい歌声が星空へと吸い込まれていく。
・・・相当の額を呑んだ気がするし、事実久遠の財布は薄くなっていた。 だが、今宵すごしたあの時間は・・・と、リゼの歌が止まった。
「ねぇヌシさん。 あたしも、あずささんみたいなカッコイイ神姫になれるかなぁ。」
呟くリゼの耳には紅色のピアスが輝いていた。 先のヌレヌレのお詫びもあったのだろう、あずさは自らが付けていたガーネットのピアスを、帰り際にリゼに付けたのだ。
「・・・なんだ、まだピアスのことを気にしているのか?」
「うん。。。 あたしが、本当にあたしがもらってもよかったのかなぁ・・・?」
久遠は立ち止まり、リゼを手のひらに乗せた。
「もちろんなれるさ。 時間はかかるかもしれないけれど、その時間も楽しんでしまえばいいんだよ。 それに・・・」
そっとリゼの頭を撫でて、
「お前はウチの自慢の神姫、リゼなんだから。 ピアスを貰ったこと、もっと誇ってもいいと思うぞ。」
と久遠は付け加えた。
「へへ、そ、そうだよな・・・っ! ふあぁ、なんだか眠いよ・・・あくびが出ちまう・・・」
大きなあくびをするリゼの目のふちに、キラリ光るもの。 しかし、久遠はあえて気づかないふりをしてリゼをポケットへと収めた。
「さすがにこの時間だと眠いだろ。 ここでゆっくりしてていいぞ。」
「ありがと、ヌシさん。。。」
きゅっと久遠のシャツにしがみついたリゼ。 久遠の鼓動を感じつつ、リゼがうとうとしかけたそのときだった。
「し、しまったぁあぁっ!!!」
絶叫する久遠。
「な、なんだよヌシさん・・・!!」
「エルガたちのことすっかり忘れてたっ!!! あいつらに飯用意してねぇっ!!!」
「・・・それはあたしの知ったことではない。 ごめんねヌシさ・・・きゃっ!」
久遠はまるで逃げるかの如く堤防の道を駆け出した。
「やばい・・・あいつらのことだ、何しでかしてるかわからん・・・!!」
酔いも半ば醒め、必死で駆ける久遠のポケットでは、二人きりのせっかくのムードをぶち壊されたリゼが、ちょっとむくれつつも皆に愛情を注ぐことを決して忘れない久遠を誇らしく思っていた。。。
そして。
帰宅した久遠を待っていたものは、片付けに丸一日費やすことになる惨状であったという。
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