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*● 三毛猫観察日記 ●
**◆ 第二話 「激闘!あおぞら商店街!」 ◆
「ドキドキします…お二人の足手まといにならなければいいんですが」
「なに言ってるのよ小春ちゃん、今日は小春ちゃんが主役なんだからね!」
「そうですよ小春さん、大いに期待してますからね!」
どうも小春ちゃんって自信無さげなのよねぇ、あんなに強いのに。
「それでは今日の作戦を最終確認しましょう」お姉さん格のサンタ子ちゃんが言った。
7月22日、とうとう大会の当日です。アタシと小春ちゃんのデビュー戦だけど、一緒に
トレーニングしてきた感じ、なかなかいいチームになったと思うの。
索敵・司令塔のサンタ子ちゃん。(ランカーなので自主的にハンデのウエイト装備)
へヴィアタッカーの小春ちゃん。
そして小春ちゃんの盾/遊撃兵のアタシ。
このメンバーとコタローの特製装備なら、セカンドクラスでもいけると思うわ!
「・今日は6チーム総当りの5回戦で『市街戦』での模擬戦・リアルバトルです。
・私が空から指示を出します。私が見ている映像は二人のバイザーに転送しますので、
敵との相対位置を測るのに役立ててください。
・私に何かあったら指示はミアさんが出して下さい。どうやらミアさんの分析能力は
私達の中で…いえ、一般的に見てもトップレベルだと思うので、戦闘に慣れてきたら
司令塔を変ってもらうかもしれません。
・作戦の基本は『小春さんを守る』です。状況によってはミアさんの遊撃もアリですが、
敵が二人以上残っている場合は、なるべく小春さんから離れないでください。
「ペイント弾でも気を抜くと怪我をしますから注意を。何か質問はありますか?」
「ありませ~ん!小春ちゃんはミアちゃんが絶対守るからね!」
「あ、あの…よろしくお願いします(モジモジ…はあと♪)」
一戦目、敵は悪魔型×2、天使型1。
一人で飛び出してきた天使型をサンタ子・小春の連携で瞬殺。その後サンタ子ちゃんが
残ったうちの一人を足止めして、もう一人をミア・小春の連携で瞬殺。で敵がギブアップ。
二戦目はもっと簡単。三人の騎士型を小春ちゃんが順番に撃破。アタシもサンタ子ちゃんも
傍で見ているだけでした。
三戦目は少し苦戦。編成がコッチと似ていたの。(天使型・騎士型・砲撃装備の悪魔型)
でもそれはサスガにサンタ子ちゃん、サンタ子:騎士、小春:天使、アタシ:悪魔って
1対1同士に持ち込んで、被害無しで勝利。(あのままだと一人ぐらい被弾してたわね…
やっぱり司令塔はサンタ子ちゃんでなくっちゃ!)
四戦目は不戦勝。対戦相手がケガをしちゃったみたい。アタシ達も気を付けないと…
休憩室のテーブルで一休みです。
「やったな小春、大活躍じゃないか!」
「あ、ありがとうございます♪」小暮ちゃんに誉められて、小春ちゃん嬉しそうね!
「よし、このまま無傷で優勝しちゃえ~!」
「はい、頑張ります♪」「そうですね!」「しちゃえ~!」
「こんにちは徳田さん。お元気そうですね」
突然、肩に天使型の神姫を乗せたスーツ姿の男が声を掛けてきたの。
「やぁ、久しぶり!…えーとゴメン、誰だったかな…」
「次の対戦相手の影田です。あぁ私自身は初対面ですよ。でも貴方の事は良く知ってます」
アキオちゃん、困った顔をしてます。本当に心当たりが無いみたいね…
「まだ解りませんか?あれ、今日は侍型の神姫は連れていないんですね。あぁそうか、
私達が破壊しちゃったんでしたっけねぇ」
突然アキオちゃんが、ものすごい形相でソイツに殴りかかった。
「キサマ『エスト』のメンバーかぁぁぁぁっ!!!」
「止せアキオ!!!」コタローがアキオちゃんを羽交い絞めして止めた。
ソイツ・影田は、ヤレヤレと呆れた仕草をした。
「あなた達のおかげで『エスト』は解散しました。しかし、まさかこんな所で報復の
チャンスが来るとは思いませんでしたよ。
大会の運営部にはラストバトルだから実弾で盛り上げたいと話してあります。勿論、
挑戦を受けてくれますよね?」肩の天使型が、いやらしい笑いをした。
影田はどっかに行っちゃいました。
「な、何なんですかアイツは!?それに『エスト』って…訳が解りませんよ!」
小暮ちゃんと同じ、アタシもワケ解んない。
「…『エスト』と言うのはな、小暮君」とコタロー。
「『エスト』と言うのは、神姫を従えた20人ぐらいの不良チームだったんだ。
メンバーの中には強盗傷害裏バトルと、違法行為を行っていたヤツもいた。
そんな連中にアキオの昔の相棒、侍型「桜花」は破壊されたんだ」
「な…神姫を…先輩の神姫を破壊ですって!!??」
小暮ちゃんが、抱えていた小春ちゃんを思わず抱きしめた。
「…その敵討ちに、俺とアキオで主要メンバーを警察へ突き出したんだんだが…
今頃下っ端が出てくるとは…」
「…………サンタ子、準備はいいか?」
長い沈黙の後、アキオちゃんが口を開きました。
「待てよ、今更あんなヤツと実弾バトルなんて、何の意味があるんだ!」
「止めないで下さい、虎太郎さん」サンタ子ちゃんが割って入る。
「あの人達だけは許せないんです、何と言われようと。私一人だろうと戦いますよ!!」
「なに言ってるのサンタ子ちゃん、ミアちゃんもモチロン戦うよ!」
「私も戦います…あんな人、許せないです…!」
コタローが、みんなの顔を一人ずつ見つめてから言った。
「…………解った。ミア、みんなを守ってやるんだぞ…」
「アイアイサー!ミアちゃん頑張るよ!!」
商店街の中央に作られた試合会場は、いままでのどの試合の時よりも騒然としてる。
これが最後の試合だし、急遽実弾バトルになった事も影響してるのね。
サンタ子ちゃんはウエイトを外し、代わりに愛用の野太刀「花鳥風月」を装備してる。
空中高速接近戦が本来の戦闘スタイルなのです。
小春ちゃんはペイント弾を実弾にして、アタシはウレタン製の猫武器を本来のに戻す。
対して影田チーム。マスターは影田一人、天使型+砲台型×2のチーム。
砲台型は普通の装備に見えるけど…天使型の持ってるレーザーライフルがちょっと変。
ジョイント用の穴だらけだし、なんか大きくない?
「大変お待たせいたしました。それでは『あおぞら商店街杯・武装神姫チームバトル大会』
のファイナルバトルを開始します!レディ~~~ゴー!!」
「作戦は今まで通り、まず私が斥候に出ます」サンタ子ちゃんが飛び出した。
アタシと小春ちゃんは、サンタ子ちゃんから送られてくる映像をたよりに前進する。
「敵は動いていません、三人固まって広場の奥に引っ込んでるわ。敵の戦力を考えると
今回は小春さんに弾幕を張ってもらって、私とミアさんで順番に一撃離脱がいいかも
しれません」
パーフェクトな作戦だと思うけど、何か、何かイヤな予感がするのよね…
アタシと小春ちゃんは射程距離ギリギリのところまで移動してきた。これ以上近づくと
敵の射程距離にも入っちゃう。
ここからなら肉眼でも敵の三人を確認できる。ホントに動いてないわねぇ。まるで三人が
一つの砲台みたいに見える。
ハッ!!!!
「小春ちゃんサンタ子ちゃん、スグに離脱して!!!!!!!!」
私達が撤退を始めた直後、大砲が発射された。
それは、LC3レーザーライフルの射線じゃなかった。二人の砲台型から取り外した
パーツを取り付け、残った裸の素体をパワーパックとして接続したソレは、レーザー
バズーカと言った方がシックリくる。
直撃を予想したアタシは小春ちゃんを蹴り飛ばし(「小春ちゃんゴメン!」)その反動で
自分も回避行動をとる。
「小春ちゃん!!!」
「大丈夫、手をかすっただけです。ミアちゃんが助けてくれなかったら、私、多分
破壊されてました…」
小春ちゃんの左手が鈍く変色している。強がっているけど、かなり辛いはずだわ。
「二人とも大丈夫ですか!!?」サンタ子ちゃんが空から降りてきた。
「とりあえず命は無事だよ。でも、あの武器が…」
こちらより射線が長く、強力な武器。それは攻略しようとするだけで、多大な犠牲を
覚悟しなくちゃいけないってこと。
「…ミア、それからみんな、ギブアップするぞ」コタローから通信が入った。
「アレが動き出したら、それこそ最後だ。ミア、お前なら予想できるだろう?」
「そんな、虎太郎さん。まだやれます!私が囮になって」
「サンタ子、バカを言うな!確かにヤツは許せないが、お前達が犠牲になる必要は無い!
それでいいな?アキオ、小暮」「……………あぁ…」「はい…」
「でも、小春さんだってこんな怪我を…桜花さん……うっううっっ」
フィールドの向こうでは、影田がニヤニヤしている。
沈黙。みんな気持ちは同じだけど、悔しいけど、どうする事も出来ない…
アタシ以外は。
「コタロー、1分だけ時間をちょうだい。ミアがあのバズーカを破壊する!」
「え?あ、ミア!?何を…無茶だ、いくらお前でもあの距離、狙い撃ちされるぞ!」
「コタローお願い…ミアを信じて!」 「だが……」 『信じて!』
「…………………解った。だが、無理はするなよ…」
「ありがとう、コタロー」
ネットにダイブしてる時に、武装神姫と似た設定のマンガを見つけたの。その中で、
自分にダメージを与えることによって緊急回路を発動させ、ハイパー化するというのが
あった。神姫でも同じ事が出来ないかな…というのが発端。
出来るのよ。危険だしコントロールが難しいけど。こっそり訓練だってしたし。
体の各動力部を慎重に臨界まで上げていき、擬似ダメージを蓄積させる。制御を失敗して
しまえば、本当に爆発しちゃうかもしれない。
バズーカが動き出した。速度は早足程度だけど、確実にこちらに近づいてくる。
「二人とも、アレの後ろに周りこんでちょうだい!」「了解です」「え、あ、はい!」
この移動速度ならギリギリ射程距離に入った直後に発動できる。
案の定、発動準備が整った瞬間にバズーカの発射準備を始めた。もう遅いわよ!
「―――――――――バーストモード、いっくよぉ~!」
次の瞬間、アタシの体を真紅の光が包み込む。この警報シグナルが点いてる1分間が勝負。
突然のアタシの変化に驚いたのか、敵はあわててバズーカを発射する。
狙いが甘い!一旦左によけて、そのままバズーカ目指してダッシュする。
二撃目は見当違いな所へ発射。スピードアップしたアタシに全然対応できていない。
天使型の表情が見えた。なにか化物でも見るような顔をしている。ある意味化物かも
しれないわね。今のアタシなら熊だって倒せるハズ。
三、四撃目を楽々かわし、天使型の目と鼻の先に到達。
2体の裸の素体はバズーカにケーブルで連結されて、無表情に立っている。ホントに
パワー供給装置として使われているみたい。
天使型は…大きく目を見開いて、恐怖のあまり顔が引きつってる。
「後悔したって、もう遅いんだからね!!」
頭の中でEXゲージがピカピカ点滅してる感じ。時間が無いし、決めるわよ!
「超必殺……… 猫 ・ 乱 ・ 踊 !!! 」
アッパーフックアッパー手刀フックストレートフック肘肘アッパー裏拳フックアッパー
掌打フックアッパービンタビンタ肘肘肘アッパーフック膝膝膝膝フックアッパー
前蹴り回し蹴り回し蹴り踵落としトドメのサマーソルト!!!
一瞬でボロ雑巾のようになってしまった天使型は、最後のサマーソルトの勢いですっ飛んで
いった。少しやり過ぎたちゃったかな?
サンタ子ちゃんが来た。この急な展開にもちゃんと対応してる。流石です。
小春ちゃんは遠くで武器を構えてるけど、ビックリして固まっちゃってます。
「ミアさん、大丈夫ですか!?」
「サンタ子ちゃん…後はまかせちゃうね…」
警報シグナルの光が消えて、同時にアタシの意識も消えていきました。
その日の夜、やっとアタシは目を覚ましました。
結局大会はそのまま終了しちゃったそうです。残った2体の素体は天使型が倒された瞬間に
起動停止したそうで…ホントにパワーユニットとしてのみ使われてたのね。
影田は試合終了直後に姿を消しちゃったそうです。
それから。
バーストモードのせいでアタシのボディはボロボロになってたの。特に関節系の部品の
磨耗が激しく、修理には相当の手間がかかるんだって。
(虎太郎「手間なんていいんだ。それより俺は無理するなって言ったハズだぞ?」)
簡易素体に入れられたアタシは、もう1時間以上コタローからお説教されてます。
まぁコタローに心配掛けるのも何だし、当分の間は大人しくしてよっと。
当分の間は、ね!
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