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<明日の為に、其の2!>
ビュンッ、ビュンッ
自分の部屋の中なのに風を切る音がする。
「せいっ!」
「たあっ!」
夢にしてはえらくリアルな声が聞こえるなー。
「素振り終了、朝ですよ師匠。」
いやー、ついに見ちゃいけない類の幻覚見えるかー、ヤバイな俺。
「ちゃんと起きないと一撃かましますよ?」
「ゴメンナサイ起きます、今すぐに起きます・・・ってあれ?」
「何処を見ているのですか、私はここです。」
ご丁寧に窓の外の電柱に登ったのか、わかりやすい奴め。
「馬鹿と煙は高いところがsウグゥ」
その距離を跳び蹴りとは、人間様に対する攻撃リミッターとかどうなってやがるんだ。
「これも親愛表現の一つですから、どうぞお気になさらずに。」
残念な事に、やはり神姫を入手したのは夢ではなかったらしい。
「さて、朝飯も食ったし寝るか。」
「わかりました師匠、早速バトルしに行きましょう。」
笑顔で得物をフィギュアやらプラモの棚に向けるのは勘弁して下さい。
しかも既に何個か破壊した後じゃねーか!?
「決闘をお願いしたところ無視されたので、優雅さに欠けると思い破壊しました。」
「エストさん?あれは神姫みたいに自立駆動しませんよ?」
「はい、不審に思いネットで調査したところ、その事実を確認しました。」
これ以上の損害を抑えるためにも、早々にセンターに行くしかないか。
「よし、どうも釈然としないが装備詰めて出かけるぞー。」
「はい、師匠!」
殴りたい、心の底からそう思った。
面倒な登録も終了し、センター内を見回すと代休か何かかと思われる学生や子供とスタッフしか見当たらない。
かたや平日の朝から神姫を肩に乗せた成人男性が1人で来店、ダメ人間を身体全体からアピールしてる気がする。
「で、あの子が相手な訳ね。」
「見た目で判断してはいけません、闘いとはお互いが全力を出し合うから美しいのです。」
なんて言われても目の前に居るのは小学生の男の子だし、手にしているハウリンだってさっきそこで開封してたじゃないか。
「まあバーチャルだし、やりたいようにやってこい。」
所定の位置に最低限のアーマーを装着したエストと長槍だけを入れ、フィールドへ送り出した。
試合が始まったものの俗に言う野良試合でバーチャルだし、相手の神姫を壊す事もないし早々に決着が付くだろう。
帰ったらもう一眠りするかなー、なんて思っていると
『師匠、お願いがあります。』
「どうした、何か忘れ物か?」
『マント持ってませんか?』
無視した。
何やら相手そっちのけでウロチョロしているが、したい事があるらしい。
あーあー、わざわざ逆光になる電柱探しちゃってるよ。
お、見つけたか?
『貴女の実力、この私に見せてみなさい。』
腕まで組んじゃってそれなりに満足そうだが、やっぱり馬鹿だな。
「ハウリン、撃てー!」
『了解しました。』
言うなり吠莱壱式の引き鉄を引いた。
普通はそうなるよなー。
襲い来る銃弾を手にした長槍で弾いたかと思えば、ハウリンを指差し
『この卑怯者が、喋ってる最中に攻撃するなんてそれでも誇りある神姫ですか!!』
言うなり槍の穂先を展開し、さすまた状にして全力投擲。
一瞬にして壁に磔にしたかと思うと、もう相手の方は見ていなかった。
『師匠、これ以上は無駄です。』
「いやいや、ちゃんと相手を倒して終わらせろよ。」
『私の技は強者を相手にする為に存在し、あのような者を斬っては錆びてしまいます。』
これ以上言っても無駄だろうと判断したので申告すると、相手も続行不能との事でドローとなった。
とりあえず相手の少年とハウリンには謝っておいた。
これが記念すべきデビュー戦であるが、こいつが勝てる日が来るのかと不安になった瞬間でもある。
長い付き合いになりそうだし、マントぐらい調達してやるか。
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[[師匠と弟子>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/84.html]]
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