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「8話―meeting"master" ―」(2007/03/29 (木) 00:40:25) の最新版変更点
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「『ALChemist』…よし、ここだ」
ぽちとたまが充電のために寝た後、PCの画面を見てひとり呟く。
何をしているかというと、先日のぽちの勝利の祝いとして何か買ってやるために何がいいかネットをさまよっていたのだ。
そして見つけたのがこの『Electro Lolita』というブランド。可愛らしいデザインで俺が着せたい…もとい、2人も喜ぶだろうと思いこれに決めた。
もちろんたまにも買ってやるぞ?なんたって俺が着せたい…ゲフ、ゲフン、たまの存在だって勝利に影響を与えてるんだからな。
「それで、場所は…お、アキバか。そういや最近行ってなかったな」
独り言が増えたかな?まぁいいや。明後日は日曜だし、間宮でも誘って行ってこよう。
と、いうわけで当日。
「んじゃ、野暮用で間宮と出かけてくるから、よろしくな」
「んー、避妊はちゃんとしないとダメだよー!」
「たッたま!バカなこと言わないのっ!!…あの、気を付けて…」
「否認?よくわからんけどまぁ、行ってくるわ」
それから地元の駅で待ち合わせしていた間宮とアイカと共に、30分ほど電車に揺られて昼前にやっと我らが聖地秋葉原に着いた。40年くらい前には2時間くらいかかったらしいな、科学の進歩は素晴らしい。
「うおー、久々だなぁ、ここ」
「うん、私も久しぶりに来たよ~」
前に来たときから変わってないな。正面には大人の…いや、それはいいや。
「んじゃま、もうすぐ昼だし飯でも食うか」
「そうだね~。じゃあ…あそこのお店入ろ~」
そう言いながら間宮が指差しているのは俗に言うメイド喫茶ってヤツだ。
「ん、あれは…まぁいいか」
今日付き合ってもらってるわけだし行きたいところに行ってやろう。ぶっちゃけおもしろそうだ。
「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様方!」
店に入るとメイドさんが出迎えてくれた。お嬢様方ってのはアイカも入ってるんだろう。
「ふぇ…お嬢様って…私…ですか…?」
「はい、お嬢様、こちらのお席にどうぞ!」
アイカがびくびくしながら尋ねるとメイドさんは窓際の席に俺達を案内してくれた。
こういうとこは高いんだろうな…とか思いつつメニューを見る。ん、これ…
「あれ~、『武装神姫用メイドグッズゲットキャンペーン』だって~。なんだろね~」
俺が言う前に間宮がそれを読み上げた。するとテーブル脇に待機していたメイドさんが、
「えぇ、1000円以上ご注文のご主人様にヘッドドレスやエプロン等のグッズを差し上げています。メーカー公認なんでバトルにも使えますよ」
と、説明してくれた。
なら、もらうしかないじゃないかっ!!
「行ってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様方!」
店から出た俺と間宮の手にはしっかりとフリフリの付いたエプロンが握られていた。
「ぁの…桃ちゃん、私…着るの……?」
「うん~、可愛いと思うよ~」
そう間宮が言うとアイカは少し考えるような顔をしてから真っ赤になり、バッグの中に潜ってしまった。
まったく、かわいいやつだぜ(*^ ^*)
「よし、じゃあ目的地に向かいますかっ」
俺達が目的地としているMMSショップ『ALChemist』はここからは少し歩いたところにある無線会館の地下2階にあるらしい。
「そういえば間宮は行ったことあるのか?」
「うぅん、ないよ~、初めて~。なんだか『槇野 晶』っていう女の人が店長さんなんだって~」
「あぁ、そうらしいな。確かその人が服のデザインとかまでやってんだろ?すげぇよな」
「うん~私も前にアイカに作ってあげたけど、きれいにできなかったよ~。――あ、あそこだ~」
話ながら歩いているうちに無線会館に着いた。ここの地下だな、うん、わくわく。
「いらっしゃいませですの!えと、初めての方ですよね、ゆっくり見て行ってくださいですの♪」
到着した俺達を迎えてくれたのは綺麗な蒼い目の可愛い女の子だった。
「悠くん、あの店員さんかわいーね。外人さんかな~?」
さっそく商品を見始めた俺に間宮が小声で話し掛けてくる。
「じゃないかな?てかパーツとかも色々あるんだな。来てよかったよ」
さすがは有名なMMSショップなだけあって、品揃えは確かだ。それで、『Electro Lolita』は…と。
「お、これか」
色々なデザインの服飾品が並んでいる。それはネットなんかの画像で見るのより繊細で、見入ってしまった。
しかし…どういうのがいいんだろうか。可愛いのもいいが、2人が喜ぶようなのがいいし。
全部買う
ひたすら悩む
→店員さんに聞く
よし、ここはあの店員さんに聞いてみようかな。
「すいません、妹…うちの神姫に欲しいんですが…どんなのがいいんでしょ?」
「はいですの、神姫の好みとかはわかりますか?」
すぐに笑顔で対応してくれる店員さん。いい人っぽいな。
「うーん、好みか…2人なんだけど、片方は機能性とかあると喜ぶかな。もう片方は動きやすいのがいいと思いますね」
店員さんは少し考えて、数着の服を選んでくれた。
「これなんかが条件に合うと思いますの。でも、神姫はマスターが自分のために選んでくれたものが一番うれしいんですの♪」
ふむ、確かにそうかも…って自惚れかな?そんなことを考えながら店員さんが選んでくれた服を見ていると。
「葵、そろそろ私が代わろう―――っと、接客中か」
奥の方から声が聞こえた。
「ようこそ、気に入ったものはあったか?」
声の主はこちらに近づいてきたらしい。誰が来たんだ?そう思って顔をあげると…
「いいのが多くて悩んじゃいま……ょぅι゛ょ?グハッ!!」
そこにいた幼…女性に蹴りをいただいた。
「誰がょぅι゛ょかッ!私は槇野晶だ!客とて容赦はせんぞ、次はないからなッ!」
「すみません…ってあなたが店長さん?」
どう見ても子供なのに、ということばを飲み込んだ。
「いかにも、そうだが?見た目で人の中身まで判断するのはよくないぞ」
またすみません、と謝って商品の吟味に戻る。お、これなんかぽちにいいな。
「それにしますの?」
葵と呼ばれた店員さんが聞いてくる。
「ふむ、それか。それは動き易さを重視したタイプだがデザインもよかろう?…それとなると、落ち着いた性格の…ハウリンか」
選んだ服だけでぽちのことを言い当てた槇野店長。この後、たまの服を選んだ時にも性格やタイプを言い当ててみせた。
この人から神姫への愛、というかそんな感じのものをとても感じられる。本当に神姫が好きなんだろうな。
「ありがとうございました、またどうぞですの♪」
「うん、是非また来させてもらいます」
しっかり選んだ服を持って店を後にする。
「すごかったね~いいの買えた~?」
確かにすごかった。是非また来たいな、よければ店長さんとももっと話したいし。
「あぁ、また行こうな。今度は2人も連れてきてやろう」
そうそう。早く帰ってプレゼントしてやるんだ、喜ぶ顔が目に浮かぶ!
つづくぅう
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