「神姫の日記帳・シンメイの日記-01」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「神姫の日記帳・シンメイの日記-01」(2007/03/25 (日) 23:03:18) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**<シンメイの日記>
註:これは、久遠の神姫の「シンメイ」が書いた日記を、そのまま転載したものである。
----
**3月10日 -前編-
今日はマスターのお仕事に、猫子と一緒に同伴です。
・・・とはいっても、仕事時間はバイクのリアボックスで待機なのですが。
昼過ぎ。 予定の時刻をオーバーしてマスターが戻ってきました。どうやら
仕事が押してしまい、半日勤務の筈が1時間ほど延長してしまったようです。
ボックスの蓋が開き、外の光が差し込みます。。。
「おまたせ。 ごめんね、寒かったっしょ。」
マスターはそう言いながら私たちを胸ポケットへ移してくれました。
ここは私と猫子の指定席。 ここに私たちがおさまる時、それはマスターと
お出かけをする時。。。
今日はどこへ行くのですか? マスターに尋ねました。
「温泉。 腰痛と肩こりと、膝の痛みがでちゃって。」
そう言いながら、膝をさするマスター。 かつてバイクで怪我をしたとかで、
寒くなると決まって膝が疼くんだとか・・・。
「でもでも、今日はおでかけバイクじゃないよ?」
猫子が声をかけます。 そうなのです、今日はいつぞや有明や新宿へ行った
時に乗った、お出かけ用の大きい黒いのではなく通勤用の白い単車なのです。
「いや・・・ホントはちょろっと買い物して飯くうだけのつもりだったんだ
けれど、ともかく腰と膝がひどくてひどくて。。。」
ヘルメットをかぶり、マスターはエンジンをかけます。
最近ではほとんど聞くことの無くなった、乾いた軽快なエンジン音。 今や
絶滅寸前と言われている、2ストローク車がマスターの通勤用単車なのです。
かつて孤高の400と言われたお出かけ用単車といい、マスターの嗜好はいま
ひとつ理解に苦しむ所があります・・・。
原付二種とはいえ、さすが2スト車。クルマの流れをリードし、景色がどん
どんと後へと流れていきます。 隣の猫子は、あのクルマを追い越せだの、
交差点を攻めろだのと叫ぶので五月蠅くてちょっとゲンナリ。
「・・・犬子、寒くないか?」
信号待ちで、マスターが声をかけてくれました。私は首を横に振ります。
マスターのポケットに入ってさえいれば、外がどんなに寒くても暖かいん
ですもの。。。
やがて大きな国道から県道へ移り、旧市街を進みます。
沿道ではちょっとした催しが開かれており、人でいっぱい。 道路も渋滞
気味で、マスターの単車にはちょっと苦手なシチュエーション。
「へぇ・・・神姫の子守歌か・・・。」
歩道に目をやったマスターがぼそり呟きました。そこには鳴き声をあげる
子供、あやすお父さんとツガルタイプ。
いずれ私たちも、そんな存在になることができるでしょうか・・・?
旧市街を抜け、気づけば山道峠道。 急にマスターが喋らなくなりました。
目が真剣・・・。 どうもこういう道では、相変わらず、どんなクルマに
乗っていても火がつく性分のようです・・・。
マスター! アクセル開けすぎです!! ・・・と叫んではみるのですが、
全くもって聞こえていないようです。 猫子は猫子で、運転技術を学ぶと
いって、これまた黙ってマスターの動きを見ています・・・
あぁもう、どうしてこうなんですか、この人たちはっ!!
・・・それから約15分後。 視界がぱっと開け、川沿いの道を山へ向かい
進み、目的の温泉へ到着。 わたわたと単車を止め、私たちをポケットに
入れたまま温泉施設へと向かいました。
温泉は初めての私たち。 何も言われなかったとの理由で、マスターは私
たちを桶に入れて堂々と洗い場へ。 ・・・見回せば・・・ あら、同業
者が数名いらっしゃいましたね・・・。 あそこではシャンプーハットを
かぶった白子がいます・・・。
「・・・? なんだ犬子、お前も使うか?」
マスターが聞いてきました。ふと見れば、猫子もシャンプーハットを装着
してマスターに頭を洗ってもらっています。
「べ、別に・・・自分で洗えますから・・・」
とは言ったものの、ちょっと羨ましい・・・なんて思っていたら。
「じゃ、身体洗ってやるよ。」
と言うなり、マスターは私を抱き上げ、泡だらけのタオルでやさしく身体
を洗い始めたではないですか! どんどん泡だらけになる私のカラダ・・・
・・・マスターに全く下心が無いのは十分承知です。
なのに、何でしょう、この気持ちの高ぶりは・・・。
・・・コォン!!
そのドキドキをうち破るかのように、私の頭に神姫サイズケロリン桶がっ!
「こら猫子! 走るなと言っただろう!」
洗い場の鏡の前を走っていた猫子、泡に足をとられて見事に転倒、その先
に置かれていた桶を蹴っ飛ばす形になり飛んできた模様・・・。
結局、私とマスターのドキドキ時間はごくわずかで終わってしまいました。
・・・猫子、あとで覚えておきなさい・・・!!
>[[後編へ続く>神姫の日記帳・シンメイの日記-02]]>
----
[[<トップ へ戻る<>戦うことを忘れた武装神姫]]
**<シンメイの日記>
註:これは、久遠の神姫の「シンメイ」が書いた日記を、そのまま転載したものである。
----
**3月10日 -前編-
今日はマスターのお仕事に、エルガと一緒に同伴です。
・・・とはいっても、仕事時間はバイクのリアボックスで待機なのですが。
昼過ぎ。 予定の時刻をオーバーしてマスターが戻ってきました。どうやら
仕事が押してしまい、半日勤務の筈が1時間ほど延長してしまったようです。
ボックスの蓋が開き、外の光が差し込みます。。。
「おまたせ。 ごめんね、寒かったっしょ。」
マスターはそう言いながら私たちを胸ポケットへ移してくれました。
ここは私とエルガの指定席。ここに私たちがおさまる時、それはマスターと
お出かけをする時。。。
今日はどこへ行くのですか? マスターに尋ねました。
「温泉。 腰痛と肩こりと、膝の痛みがでちゃって。」
そう言いながら、膝をさするマスター。 かつてバイクで怪我をしたとかで、
寒くなると決まって膝が疼くんだとか・・・。
「でもでも、今日はおでかけバイクじゃないよ?」
エルガが声をかけます。そうなのです、今日はいつぞや有明や新宿へ行った
時に乗った、お出かけ用の大きい黒いのではなく通勤用の白い単車なのです。
「いや・・・ホントはちょろっと買い物して飯くうだけのつもりだったんだ
けれど、ともかく腰と膝がひどくてひどくて。。。」
ヘルメットをかぶり、マスターはエンジンをかけます。
最近ではほとんど聞くことの無くなった、乾いた軽快なエンジン音。 今や
絶滅寸前と言われている、2ストローク車がマスターの通勤用単車なのです。
かつて孤高の400と言われたお出かけ用単車といい、マスターの嗜好はいま
ひとつ理解に苦しむ所があります・・・。
原付二種とはいえ、さすが2スト車。クルマの流れをリードし、景色がどん
どんと後へと流れていきます。 隣のエルガは、あのクルマを追い越せだの、
交差点を攻めろだのと叫ぶので五月蠅くてちょっとゲンナリ。
「・・・シンメイ、寒くないか?」
信号待ちで、マスターが声をかけてくれました。私は首を横に振ります。
マスターのポケットに入ってさえいれば、外がどんなに寒くても暖かいん
ですもの。。。
やがて大きな国道から県道へ移り、旧市街を進みます。
沿道ではちょっとした催しが開かれており、人でいっぱい。 道路も渋滞
気味で、マスターの単車にはちょっと苦手なシチュエーション。
「へぇ・・・神姫の子守歌か・・・。」
歩道に目をやったマスターがぼそり呟きました。そこには鳴き声をあげる
子供、あやすお父さんとツガルタイプ。
いずれ私たちも、そんな存在になることができるでしょうか・・・?
旧市街を抜け、気づけば山道峠道。 急にマスターが喋らなくなりました。
目が真剣・・・。 どうもこういう道では、相変わらず、どんなクルマに
乗っていても火がつく性分のようです・・・。
マスター! アクセル開けすぎです!! ・・・と叫んではみるのですが、
全くもって聞こえていないようです。エルガはエルガで、運転技術を学ぶ
とかいって、これまた黙ってマスターの動きを見ています・・・
あぁもう、どうしてこうなんですか、この人たちはっ!!
・・・それから約15分後。 視界がぱっと開け、川沿いの道を山へ向かい
進み、目的の温泉へ到着。 わたわたと単車を止め、私たちをポケットに
入れたまま温泉施設へと向かいました。
温泉は初めての私たち。 何も言われなかったとの理由で、マスターは私
たちを桶に入れて堂々と洗い場へ。 ・・・見回せば・・・ あら、同業
者が数名いらっしゃいましたね・・・。 あそこではシャンプーハットを
かぶった白子がいます・・・。
「・・・? なんだシンメイ、お前も使うか?」
マスターが聞いてきました。ふと見ればエルガもシャンプーハットを装着
してマスターに頭を洗ってもらっています。
「べ、別に・・・自分で洗えますから・・・」
とは言ったものの、ちょっと羨ましい・・・なんて思っていたら。
「じゃ、身体洗ってやるよ。」
と言うなり、マスターは私を抱き上げ、泡だらけのタオルでやさしく身体
を洗い始めたではないですか!どんどん泡だらけになる私のカラダ・・・
・・・マスターに全く下心が無いのは十分承知です。
なのに、何でしょう、この気持ちの高ぶりは・・・。
・・・コォン!!
そのドキドキをうち破るかのように、私の頭に神姫サイズケロリン桶がっ!
「こらエルガ! 走るなと言っただろう!」
洗い場の鏡の前を走っていたエルガ、泡に足をとられて見事に転倒、その先
に置かれていた桶を蹴っ飛ばす形になり飛んできた模様・・・。
結局、私とマスターのドキドキ時間はごくわずかで終わってしまいました。
・・・エルガ、あとで覚えておきなさい・・・!!
>[[後編へ続く>神姫の日記帳・シンメイの日記-02]]>
----
[[<トップ へ戻る<>戦うことを忘れた武装神姫]]
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: