「第拾死幕 「かすみ -見目形 目に焼き付けて-」」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「第拾死幕 「かすみ -見目形 目に焼き付けて-」」(2007/05/08 (火) 18:56:32) の最新版変更点
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『回収されたり研究機関に入れられたりしたら、私は私の「マスター」と会えなくなってしまう』
『数分離れているだけでも辛いのに、そんな状況は想像しただけでも泣きそうだった』
『要するに何が言いたいかと言うと・・・何が言いたいのだろう・・・惚気ているだけなのかもしれない』
今、私は姉さまと離れて、一人で待機している
ほんの数十秒の事だが
何故か無性に、無性に、無性に寂しかった
標準装備とサイドボードの確認調整が終わる
そして一人の闘いが始まる
それは
姉さまと
準決勝戦で闘う為に仕方の無い事だ
だが、
本当に私は、そんな事を望んでいるのだろうか?
*第拾死幕 「かすみ -見目形 目に焼き付けて-」
正確さも、速さも確実さも、マスター無しでは望むべくも無い、が、それでも・・・否それだけに、負けてはそもそもどうしようもない
私はASED(自動サイドボード転送システム)をオーナーブースに装備、戦いの準備は全て整えた
だが、私の中でまだ終わっていない準備がある
姉さまの声が、聞きたかった
「しけた顔してるじゃない?まぁ、マスターも無しでこのアタシと闘おうってんだから鬱になりもするか?」
掛かった声に、振り向く・・・緋色の装甲を纏ったメカ少女神姫・・・『ジルベノウ』、つまりこれからの私の対戦相手だ
「せいぜい足掻いて見るが良いわ。もっとも、最後に勝つのはアタシだけどね?」
「弱い犬程良く吼えるというけど・・・貴女も最弱とはいえナインの一人ならばもう少し余裕を持ったらどうだ?そんなに常にいっぱいいっぱいでは足元を掬われるのがオチだと思うが・・・」
みるみる顔色が変わる『ジルベノウ』・・・いらない事迄言ってしまった・・・どうやら相当情緒不安定になっているらしい
「むっころしてやる!」
じゃきん、と、リアルで左肩側のキャノン砲を構える・・・まずい、本気で怒らせた
「ちょっ・・・!やめなさいジルベノウ!!」
どかん!!
マスターの静止を無視して店内でいきなり発砲。この赤⑨神姫ッ・・・本当にバカだ・・・つ!!
店内を破壊しながら迫る『ジルベノウ』・・・怖い・・・!
姉さまが居ないだけで私はこんなに弱くて頼りない・・・会いたいよう、姉さま!
「そういうの、リアルでやるのやめない?」
それは、
待ち望んでいた、
声だった
数瞬空中でふらついてから着地し、振り向く『ジルベノウ』
その顔面に銃口を突きつける朱い靴のストラーフ
「姉さま・・・!」
「ハイ!ヌル。こんな所でだらしなく泣きべそかいてると、嫌いになっちゃうゾ?」
悪戯っぽく微笑む姉さま、そんなに私は泣きそうな顔をしているだろうか・・・?戦闘装備の尻尾が激しく振られているのが知覚出来た
「ほら、私が見ててあげるから、ちゃんとしたバトルでケリ付けて来なさい?貴女も、こんな所で騒ぎ起こして、『クイントスへの雪辱戦が果たせなくなる』のは嫌でしょう?『ジルベノウ』」
「・・・っ!」
歯軋りして、憎悪のまなざしを私達に向けた後、ブースへ向かう『ジルベノウ』
「姉さま!助けてくれたんですね・・・凄い、どうやってあいつの着地位置が?」
「貴女の為なら何だって出来るわよ・・・それよりもさぁ、貴女も行ってらっしゃい」
優しい微笑みに見送られて、私は手を振りながらブースへ駆け込む
姉さまが見ていてくれるなら、私だって何でも出来る
姉さまの為に、姉さまより強くなって・・・今回は助けられちゃったけど、姉さまを守ってあげられるような神姫に・・・
『回収されたり研究機関に入れられたりしたら、私は私の「マスター」と会えなくなってしまう』
『数分離れているだけでも辛いのに、そんな状況は想像しただけでも泣きそうだった』
『要するに何が言いたいかと言うと・・・
何が言いたいかというと、私は姉さまの事を、本気で愛しているのだ・・・!』
----
ヌルに向かって、手を振っていta
背後に気配を感jiる、ますターだろう
「ヌルは・・・ikiましたか?ますたー・・・」
「えぇ、元気に手を振りながら、行ったわ」
「なら・・・よかtttttttった・・・」
「ニビル・・・」
多分、抱かれたたたたたたと思う。残念nagara殆ど感覚が無いので判らないが
「ごめんなさいますたー、わたし、ますたーのしんきなのに、ヌルのことばっかりで、わがままいって、からだこわして・・・ますたーにしんぱいばかりかけて・・・でも、でもわかってますたー・・・わたしはヌルのことを・・・AIし・・・て・・・」
マスターの嗚咽が漏れたのが聞koeた
----
人間スケールの和室、それが私と『ジルベノウ』の闘いの舞台だった
結構な広さがあるとはいえ、空間的制約が私にとって有利に働く可能性も否定出来無い
悪くない、否、例えどんな悪い状況でも、もう私は恐れないし、迷わない
姉さまが力をくれた
姉さまが見ている
姉さまと約束した
だから・・・
空中から発砲された榴弾をかわす、ミサイルはしのぎようが無いので、茶沸かしに隠れてやり過ごす
走る、走る、走る・・・!
今の私は翼を得た鳥だ
いつも姉さまが居てくれた
今は傍に居ない
だが
それでも
姉さまと離れていても姉さまは私の事を気にしてくれている
それが実感できたから
姉さまの愛、姉さまへの愛が私の心に満ちている限り
私は・・・必ず勝つ!!
「ムキイイイイイイイィィィッ!!何で当たらないのよう!こうなったら密着してパルスガンとブレードの餌食にしてやるッ!!」
がしん、と
着地して走って来る『ジルベノウ』
妙だな
彼女が短気で射撃が雑なのは知っていた。多分焦らせば接近してくるだろう事も計算ずくだ
だが、何故降りる必要があるのか?
・・・無限に飛べる訳ではないとは言え、そこそこの推力はあるはずだが・・・
「どう思う?姉さま?」
自身の中に姉さまの思考と声を投影する
(ひとつ、見落としている点があるわヌル)
「それは何?」
(見たでしょう?さっき店内で彼女が暴れまわったのを)
(あの件は、彼女は頭に血が上ると周りが見えなくなるタイプだという事を表していると同時に、そうなるとマスターの声よりも自分の感情と判断を優先させる性質だという事も表しているわ)
「という事は、例え策があっても今が好機である事には間違いが無い、ってことだな?姉さま」
姉さまがウインクした気がした
決まりだ
「ほらほらほらほらぁっ!!どんどん逃げ場が無くなるわよォ!」
連発されるパルスガン(と呼んでいた謎の武器)、追い詰められる様に隅へ隅へ
多分彼女は自分が優位であれば徐々に冷静さを取り戻して来るだろうが、それだけに、一瞬有利と見せて状況を逆転されると、本気で混乱するだろう
「もう壁際ね!そのまま真っ二つになりなさいッ!!!!」
左腕の光剣が、真横に薙ぎ払われる
私の脳裏にもうひとつ、鮮烈に浮かぶ顔がある
『コレも実力の差だ・・・怨むなら自身の弱さを怨むのだな!』
『これで学んだだろう?絶対の勝利を確信した瞬間でも油断した者は敗北するのだ!』
私がその台詞を放った相手は、その台詞を放たれる寸前に何をしたか?
その台詞を放たれたあいつは、結局その闘いで負けたか勝ったか?
私は・・・跳躍した!
全力で、背後の壁に向かって
壁を蹴りあがり、その壁からもう一度跳躍する
(ヤツの背後へ・・・っ!!)
「なっ!?」
重武装重装甲でジャンプ力も凄いが、思った通り、運動性が鈍い!
「旋廻が遅いッ!!」
銃撃、そして側頭部めがけての回し蹴り
ミサイルランチャーに脚が引っかかる、充分だ
そこを基点に、脚力で自身を持ち上げ、『ジルベノウ』の肩に座る
*「砕けろおおおおおおおおおおおおオオオォォォォォォォォォッ!!!」
ばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきん!!!
二挺の中型拳銃・・・オップファーG.380のホーダーレプリカ・・・が火を噴く
「馬鹿な・・・ッこのアタシが・・・こんな低位ランカーに・・・ッ!!」
崩れ落ちる『ジルベノウ』、飛び降りる私
完全に勝利コールが為されると同時に、私はアクセスポッドから飛び出した
----
「姉さま!!」
走って来る気配が判った・・・薄く微笑み、手を広げる
迷う事無く飛び込んで来るヌル、受け止めきれずよろけてもおかしくない勢いだったので、マスターに支えてもらった事を不審がられたりしないだろう
「姉さま!私勝ちました!!『ナイン』に勝ったんです!!」
「おめでとう、ヌルちゃん」
マスターの声、私の顔を見上げるヌル
恐ろしく狭い視界に、ヌルの笑顔とも泣き顔とも付かない表情が眩しかった
「よく頑張ったわね、ヌル」
それだけ言って抱きしめる
抱きしめる事しか、今の私には出来なかっt
「・・・姉さま?」
「姉さま!?姉さまあぁぁッ!!!!!」
----
「見たかよ?華墨」
「あぁ、間違いなく『ヌル』もまた、前に私に勝った時よりもさらにレベルアップしている」
「・・・出来れば、今度こそ決勝リーグであたりたいものだな・・・あの二人と」(注1)
画面では、既に最後の試合が始まろうとしていた
即ち、『ウインダムVSリフォー』の闘いが・・・!!
[[TOPへ>剣は紅い花の誇り]] [[前へ>第拾参幕 「かすみ」]] [[次へ>「Unknown・・・Despair・・・aLost」 ]]
注1:まるっきり悪役の会話だな
『回収されたり研究機関に入れられたりしたら、私は私の「マスター」と会えなくなってしまう』
『数分離れているだけでも辛いのに、そんな状況は想像しただけでも泣きそうだった』
『要するに何が言いたいかと言うと・・・何が言いたいのだろう・・・惚気ているだけなのかもしれない』
今、私は姉さまと離れて、一人で待機している
ほんの数十秒の事だが
何故か無性に、無性に、無性に寂しかった
標準装備とサイドボードの確認調整が終わる
そして一人の闘いが始まる
それは
姉さまと
準決勝戦で闘う為に仕方の無い事だ
だが、
本当に私は、そんな事を望んでいるのだろうか?
*第拾死幕 「かすみ -見目形 目に焼き付けて-」
正確さも、速さも確実さも、マスター無しでは望むべくも無い、が、それでも・・・否それだけに、負けてはそもそもどうしようもない
私はASED(自動サイドボード転送システム)をオーナーブースに装備、戦いの準備は全て整えた
だが、私の中でまだ終わっていない準備がある
姉さまの声が、聞きたかった
「しけた顔してるじゃない?まぁ、マスターも無しでこのアタシと闘おうってんだから鬱になりもするか?」
掛かった声に、振り向く・・・緋色の装甲を纏ったメカ少女神姫・・・『ジルベノウ』、つまりこれからの私の対戦相手だ
「せいぜい足掻いて見るが良いわ。もっとも、最後に勝つのはアタシだけどね?」
「弱い犬程良く吼えるというけど・・・貴女も最弱とはいえナインの一人ならばもう少し余裕を持ったらどうだ?そんなに常にいっぱいいっぱいでは足元を掬われるのがオチだと思うが・・・」
みるみる顔色が変わる『ジルベノウ』・・・いらない事迄言ってしまった・・・どうやら相当情緒不安定になっているらしい
「むっころしてやる!」
じゃきん、と、リアルで左肩側のキャノン砲を構える・・・まずい、本気で怒らせた
「ちょっ・・・!やめなさいジルベノウ!!」
どかん!!
マスターの静止を無視して店内でいきなり発砲。この赤⑨神姫ッ・・・本当にバカだ・・・っ!!
店内を破壊しながら迫る『ジルベノウ』・・・怖い・・・!
姉さまが居ないだけで私はこんなに弱くて頼りない・・・会いたいよう、姉さま!
「そういうの、リアルでやるのやめない?」
それは、
待ち望んでいた、
声だった
数瞬空中でふらついてから着地し、振り向く『ジルベノウ』
その顔面に銃口を突きつける朱い靴のストラーフ
「姉さま・・・!」
「ハイ!ヌル。こんな所でだらしなく泣きべそかいてると、嫌いになっちゃうゾ?」
悪戯っぽく微笑む姉さま、そんなに私は泣きそうな顔をしているだろうか・・・?戦闘装備の尻尾が激しく振られているのが知覚出来た
「ほら、私が見ててあげるから、ちゃんとしたバトルでケリ付けて来なさい?貴女も、こんな所で騒ぎ起こして、『クイントスへの雪辱戦が果たせなくなる』のは嫌でしょう?『ジルベノウ』」
「・・・っ!」
歯軋りして、憎悪のまなざしを私達に向けた後、ブースへ向かう『ジルベノウ』
「姉さま!助けてくれたんですね・・・凄い、どうやってあいつの着地位置が?」
「貴女の為なら何だって出来るわよ・・・それよりもさぁ、貴女も行ってらっしゃい」
優しい微笑みに見送られて、私は手を振りながらブースへ駆け込む
姉さまが見ていてくれるなら、私だって何でも出来る
姉さまの為に、姉さまより強くなって・・・今回は助けられちゃったけど、姉さまを守ってあげられるような神姫に・・・
『回収されたり研究機関に入れられたりしたら、私は私の「マスター」と会えなくなってしまう』
『数分離れているだけでも辛いのに、そんな状況は想像しただけでも泣きそうだった』
『要するに何が言いたいかと言うと・・・
何が言いたいかというと、私は姉さまの事を、本気で愛しているのだ・・・!』
----
ヌルに向かって、手を振っていta
背後に気配を感jiる、ますターだろう
「ヌルは・・・ikiましたか?ますたー・・・」
「えぇ、元気に手を振りながら、行ったわ」
「なら・・・よかtttttttった・・・」
「ニビル・・・」
多分、抱かれたたたたたたと思う。残念nagara殆ど感覚が無いので判らないが
「ごめんなさいますたー、わたし、ますたーのしんきなのに、ヌルのことばっかりで、わがままいって、からだこわして・・・ますたーにしんぱいばかりかけて・・・でも、でもわかってますたー・・・わたしはヌルのことを・・・AIし・・・て・・・」
マスターの嗚咽が漏れたのが聞koeた
----
人間スケールの和室、それが私と『ジルベノウ』の闘いの舞台だった
結構な広さがあるとはいえ、空間的制約が私にとって有利に働く可能性も否定出来無い
悪くない、否、例えどんな悪い状況でも、もう私は恐れないし、迷わない
姉さまが力をくれた
姉さまが見ている
姉さまと約束した
だから・・・
空中から発砲された榴弾をかわす、ミサイルはしのぎようが無いので、茶沸かしに隠れてやり過ごす
走る、走る、走る・・・!
今の私は翼を得た鳥だ
いつも姉さまが居てくれた
今は傍に居ない
だが
それでも
姉さまと離れていても姉さまは私の事を気にしてくれている
それが実感できたから
姉さまの愛、姉さまへの愛が私の心に満ちている限り
私は・・・必ず勝つ!!
「ムキイイイイイイイィィィッ!!何で当たらないのよう!こうなったら密着してパルスガンとブレードの餌食にしてやるッ!!」
がしん、と
着地して走って来る『ジルベノウ』
妙だな
彼女が短気で射撃が雑なのは知っていた。多分焦らせば接近してくるだろう事も計算ずくだ
だが、何故降りる必要があるのか?
・・・無限に飛べる訳ではないとは言え、そこそこの推力はあるはずだが・・・
「どう思う?姉さま?」
自身の中に姉さまの思考と声を投影する
(ひとつ、見落としている点があるわヌル)
「それは何?」
(見たでしょう?さっき店内で彼女が暴れまわったのを)
(あの件は、彼女は頭に血が上ると周りが見えなくなるタイプだという事を表していると同時に、そうなるとマスターの声よりも自分の感情と判断を優先させる性質だという事も表しているわ)
「という事は、例え策があっても今が好機である事には間違いが無い、ってことだな?姉さま」
姉さまがウインクした気がした
決まりだ
「ほらほらほらほらぁっ!!どんどん逃げ場が無くなるわよォ!」
連発されるパルスガン(と呼んでいた謎の武器)、追い詰められる様に隅へ隅へ
多分彼女は自分が優位であれば徐々に冷静さを取り戻して来るだろうが、それだけに、一瞬有利と見せて状況を逆転されると、本気で混乱するだろう
「もう壁際ね!そのまま真っ二つになりなさいッ!!!!」
左腕の光剣が、真横に薙ぎ払われる
私の脳裏にもうひとつ、鮮烈に浮かぶ顔がある
『コレも実力の差だ・・・怨むなら自身の弱さを怨むのだな!』
『これで学んだだろう?絶対の勝利を確信した瞬間でも油断した者は敗北するのだ!』
私がその台詞を放った相手は、その台詞を放たれる寸前に何をしたか?
その台詞を放たれたあいつは、結局その闘いで負けたか勝ったか?
私は・・・跳躍した!
全力で、背後の壁に向かって
壁を蹴りあがり、その壁からもう一度跳躍する
(ヤツの背後へ・・・っ!!)
「なっ!?」
重武装重装甲でジャンプ力も凄いが、思った通り、運動性が鈍い!
「旋廻が遅いッ!!」
銃撃、そして側頭部めがけての回し蹴り
ミサイルランチャーに脚が引っかかる、充分だ
そこを基点に、脚力で自身を持ち上げ、『ジルベノウ』の肩に座る
*「砕けろおおおおおおおおおおおおオオオォォォォォォォォォッ!!!」
ばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきんばきん!!!
二挺の中型拳銃・・・オップファーG.380のホーダーレプリカ・・・が火を噴く
「馬鹿な・・・ッこのアタシが・・・こんな低位ランカーに・・・ッ!!」
崩れ落ちる『ジルベノウ』、飛び降りる私
完全に勝利コールが為されると同時に、私はアクセスポッドから飛び出した
----
「姉さま!!」
走って来る気配が判った・・・薄く微笑み、手を広げる
迷う事無く飛び込んで来るヌル、受け止めきれずよろけてもおかしくない勢いだったので、マスターに支えてもらった事を不審がられたりしないだろう
「姉さま!私勝ちました!!『ナイン』に勝ったんです!!」
「おめでとう、ヌルちゃん」
マスターの声、私の顔を見上げるヌル
恐ろしく狭い視界に、ヌルの笑顔とも泣き顔とも付かない表情が眩しかった
「よく頑張ったわね、ヌル」
それだけ言って抱きしめる
抱きしめる事しか、今の私には出来なかっt
「・・・姉さま?」
「姉さま!?姉さまあぁぁッ!!!!!」
----
「見たかよ?華墨」
「あぁ、間違いなく『ヌル』もまた、前に私に勝った時よりもさらにレベルアップしている」
「・・・出来れば、今度こそ決勝リーグであたりたいものだな・・・あの二人と」(注1)
画面では、既に最後の試合が始まろうとしていた
即ち、『ウインダムVSリフォー』の闘いが・・・!!
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注1:まるっきり悪役の会話だな
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