「恋人達の午後」(2007/03/18 (日) 20:36:43) の最新版変更点
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*恋人達の午後
これを読む前に[[予選の裏で祭りめぐり]]([[橘明人とかしまし神姫たちの日常日記]])を読んでおくことをお薦めます
また、当方の一五話の直前の話となっております
----
「そうそう…上手ですよ」
俺はヘンデルの試乗をしているツガルタイプに使い方を説明していた
スペースの一角に設けられたリビングを、ヘンデルを使って片づけるというものだ
人の力には及ばないとはいえ、神姫を遙かに上回るパワーで散らかった部屋を整頓していくツガル
「…凄いです。私では到底出来ないテーブルの移動なんかも出来ちゃうんですね」
「慣れれば料理なんかも出来るようになりますよ」
向こうのキッチンスペースではユキがデモ運転で人間用の道具を使って料理をしている
「う~ん、いいなぁコレ…でも…」
ツガルのマスターが悩んでる。そうだよなぁ、やっぱ高すぎるよなぁ
「ヘンデルにはリースもありますよ。リース代と保険料で月々の費用は…」
俺とユキがヘンデルのデモをやっている隣では、永守さんとマイちゃんがグレーテルのデモ(料理指導)をしている
料理コンテストも平行して受け付けているが、参加しない人でも体験で料理を作ってマスターに食べて貰う事が出来る
「ふふ、たくさん作りましたね」
「だって、お姉さまとしょうちゃんにシルクの作ったクッキーをいっぱい食べて貰いたいんだもん!」
「…好きな人の為に一生懸命作る。その気持ちが大事…」
「はい師匠!料理は愛情!えいっ!はぁっ!とりゃ!」
ストラーフタイプ(シルクちゃんっていうのかな)がマイちゃんから指導を受けてクッキーを作っている。それを永守さんが見守っている
殆ど冷やかししか来ないこっちと違って、グレーテルの方は結構売れているようだ
中にはコンテストで優勝してゲットするんだ~!って息巻いてる神姫もいるようだけど
「ありがとうございましたー」
さっきのツガルとそのマスターに販促チラシを渡しながらお見送り
ふとブースの外を見ると、営業部の若い女の子+新道がコスプレして呼び込みをやっている
…あれ?二人ほど多くないか?
っていうか、新道が等身大のマオチャオとアーンヴァルに何か聞かれてるような
あ、観奈ちゃんと部長も一緒だ
とするとお客さんか
丁度こちらも休憩時間だし、奥の休憩スペースに来て貰うか
「部長、お客さんですか?」
「…はい…こちらの方が…橘明人さん…肩にいる…ノアールさんの…マスターさん…です…そして…こちらの方が…鳳条院 美子さんと…美子さんの妹の…優奈さんです…」
「あ、どうも。俺…いや、私は國崎技研技…」
がしっ!
「ただいまなのじゃ、ケンシロウ!」
観奈ちゃんが抱きついてきた
「わっ、観奈ちゃん。お話中に抱きついてきちゃ…」
どさ…
俺は観奈ちゃんに押し倒され
ちゅ…
唇を塞がれた
ぽすっ!
そしてミチルが頭に乗ってきた
「気にすること無いのだ」
ああ、お客さん達呆れてるよ
「わぁー!きゃー!!」
「あっ、そのっ、えとっ!」
両目を手で覆いつつも指の隙間(というには大きく開かれているが)から覗いている美子さんと、顔を真っ赤にしてオタオタしている優奈さん
この状況に呆然としていた明人さんが立ち直った
「あの、観奈ちゃん。もしかしてこの人が…?」
「この人がわらわ達の恋人のケンシロウじゃ」
「え?わらわ…達…?」
まぁ普通の反応だよな、それ
「ケンシロウはわらわとミチルと新道殿とムツキ殿とユキ殿の恋人なのじゃ」
「…はい?」
あ、また呆然としてる
「わーっ!きゃーっ!すごーい!香田瀬さんって、プレイボーイなんですね!」
「な、な…」
キャーキャー言ってる美子さんと泡喰ってる優奈さん
ようやく観奈ちゃんを抱え一緒に起きあがる俺
「変に見えるでしょうが、これは俺、いえ俺達が決めた事なんです」
「…ここで…立ち話も…なんですから…奥へ…」
部長に助け船を出して貰って、なんとか奥へと行く俺達
「…というわけなんです」
俺はいきさつを明人さん達にザっと話した
「素晴らしいです香田瀬さん!愛があるからこその決断ですなんですね!私、感動しました!」
「恋愛って、奥が深い…」
感心する美子さんと納得する優奈さん
ちなみに観奈ちゃんは俺の膝の上、ミチルは俺に頭の上に乗っかっている
「みなさん、紅茶が入りましたよ~」
ユキがヘンデルでお盆に紅茶とクッキーを乗せてやってきた
「はいどうぞ、明人さん」
各々の前へと紅茶を置いていくユキ
「このクッキーはヘンデルで作ったのですか?」
明人さんが小さいクッキーを眺めながら訊ねてくる
「いえ、それはグレーテルでマイちゃんが…あっ、あのポニテのハウリン型の子が作りました。教えながら一緒に作ってるんで、イッパイ出来ちゃうんですよ」
「はは、そうなんですか、どれどれ…」
パクっと食べる4人
「う、美味い」
「美味しい~(はぁと」
「姉さんが作るのと同じくらい美味しいかも…」
「…」
ノアールさんはなんか黙ってしまっている
「どうしましたノアールさん。お口に合いませんでしたか?」
ユキが心配になって声を掛ける
「…ご主人様、行きますよ…」
「おいおいノアもうちょっとゆっくりしてからでいいんじゃないか」
「あの、何か用事があるのでしたか?」
「いや、ノアがここのお菓子コンテストに参加したいってね」
そういうことか
「でしたら、ブースにいる永守って女性に申し込んでください。皐月、案内頼んでいいかな?」
俺はユキが作ったホットケーキを持ってきた皐月に案内を頼んだ
「はーいセンパイ。なんでしたら明人さんの代わりに申し込んできちゃいますよ。ノアールちゃん、行きましょう。ムツキはセンパイと一緒に待っててね」
「いいんですか?」
「明人さんはゆっくりしててください。作ってる間はウチの社員が見てますから」
ノアールさんを皐月に任せ、談笑する俺達
「ほれケンシロウ、あーん」
「あーん、ぱくっ!おかえしだ、観奈ちゃん。はい、あーん」
「あーん、ぱくっ!」
「…」
あ、明人さん呆れてる
…いや違うな、何かを考えている
「は~い、お兄ちゃん。あ~んして」
「あっ、ズルいぞアネキ…私も…」
親戚とは聞いていたが、やはりそういうことか
会ったときから気になってたんだよな
やはりあの二人…
「センパイ、ただいま戻りましたー」
「ご主人様、コレ…」
程なく帰ってきた皐月のノアールさん
ノアールさんの手にはクッキーが入った袋が
「を、また随分たくさん作ってきたな」
「はは、今回のウチのブースは、マスターにお菓子を作ってあげたいっていう神姫の望みを叶える為に用意されたんですよ。ですから材料はたくさんありますから」
「それよりも食べてあげてくださいよー。ノアールちゃん、張り切って作ってたんですから」
「そうだな、どれどれ…うん、やっぱりお前のが一番だ」
ぽっ
ノアールさん、赤くなってる
「っと、もうこんな時間でしたか。それじゃ私たちはこの辺で」
「長々と引き留めちゃって申し訳ありませんでした」
「いえいえ楽しかったですよ」
「美子さんと優奈さんも楽しめたならいいのですが」
「また来ます…と言いたい所ですが、明日は解説の仕事が…」
「はは。お仕事頑張ってくださいね。美子さんと優奈さんも、暇があったら是非立ち寄ってくださいね」
そうして4人はブースを後にした
「…どう思う、ケンシロウ」
観奈ちゃんが俺に寄り添いながら尋ねる
「気付いたか。たぶんそうなんだろうな。最も、今まで見てきたのとは比べものにならないけどな」
そんな彼女をきゅっと抱きしめながら返事をする
「なにどうしたの香田瀬君?そうそう。さっきのハウリンの子、凄かったわよ。まるで普段から料理とかしてるみたいに手慣れた手つきだったわね」
「神姫キッチンは我が社が先駆けでは無いですから、それを使っるのでは?」
「うーん、そうかなぁ…」
永守さんには言わないでおこう
美子さんと優奈さん、そしてノアールさんもおそらく…
「彼女達、もしかして『人型神姫インターフェイス』か?」
永守さんと入れ替わりで愛澤が来た愛澤がそっと呟く
仕事柄、極偶にだが見る事がある等身大の神姫達
その殆どが人間の欲望のはけ口に使われている現実
「みたいだな。最も、俺達が今まで見てきたのとは別物みたいだがな」
彼女たちの顔はとても幸せそうだった
明人さんもいい人だったし
「…どんな技術も、使う人次第なんだよな」
「彼等が言わないなら、俺達は知らない事にしておこう」
「そうじゃな…」
「…ところで…私たちも…そろそろ…いかないと…」
「っと、そろそろ試合開始時間?」
「わわっと、いくぞミチル!」
「おうなのだー!」
「あ、ちょっとまって。観奈、ミチル」
「ん?どうしたのだケンシロウ」
ちゅ…
「…ん」
ちゅ…
「…えへへ、元気100倍なのだ…」
「いってらっしゃい、観奈ちゃん、ミチル」
「いってくるのじゃー!
「いってくるのだー!」
「こらこら、部長を置いて行くな。それじゃ部長、二人をお願いします。あ、ひじりんは調整があるから今回はお留守番ね」
「はーい、それじゃカノりん、ナギー、頑張ってねー!」
「…それでは…いって…きます…」
「では健四郎様、行って参ります」
俺は部長からひじりんを預かり、みんなを見送った
外ではグレーテルが相変わらず盛況のようだ
ヘンデルも代わりに指導してる南山が頑張ってるようだし、もう暫く外してても大丈夫だな
「んじゃひじりん、調整が終わったらこっちを手伝ってくれるかな。ユキの代わりにヘンデルの操作を頼む」
「らじゃー!頑張ろうね、ケンちゃん」
俺はひじりんの背面にコネクタを刺し、各部の稼働状況をチェックし再設定にとりかかるのだった
----
あとがき
香田瀬達が持っている『人型神姫インターフェイス』に対する知識は「粗悪な模造品」までです(凛奈クラスの物)
仕事で見かける為、その殆どが非道い扱いを受け壊れかけたの多いであまりいい印象をもっていません
とはいえ、普通のマスターと神姫がお互いの意の元で導入しているケースも見ているのである程度の理解は持っています
*恋人達の午後
これを読む前に[[予選の裏で祭りめぐり]]([[橘明人とかしまし神姫たちの日常日記]])を読んでおくことをお薦めます
また、当方の一五話の直前の話となっております
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「そうそう…上手ですよ」
俺はヘンデルの試乗をしているツガルタイプに使い方を説明していた
スペースの一角に設けられたリビングを、ヘンデルを使って片づけるというものだ
人の力には及ばないとはいえ、神姫を遙かに上回るパワーで散らかった部屋を整頓していくツガル
「…凄いです。私では到底出来ないテーブルの移動なんかも出来ちゃうんですね」
「慣れれば料理なんかも出来るようになりますよ」
向こうのキッチンスペースではユキがデモ運転で人間用の道具を使って料理をしている
「う~ん、いいなぁコレ…でも…」
ツガルのマスターが悩んでる。そうだよなぁ、やっぱ高すぎるよなぁ
「ヘンデルにはリースもありますよ。リース代と保険料で月々の費用は…」
俺とユキがヘンデルのデモをやっている隣では、永守さんとマイちゃんがグレーテルのデモ(料理指導)をしている
料理コンテストも平行して受け付けているが、参加しない人でも体験で料理を作ってマスターに食べて貰う事が出来る
「ふふ、たくさん作りましたね」
「だって、お姉さまとしょうちゃんにシルクの作ったクッキーをいっぱい食べて貰いたいんだもん!」
「…好きな人の為に一生懸命作る。その気持ちが大事…」
「はい師匠!料理は愛情!えいっ!はぁっ!とりゃ!」
ストラーフタイプ(シルクちゃんっていうのかな)がマイちゃんから指導を受けてクッキーを作っている。それを永守さんが見守っている
殆ど冷やかししか来ないこっちと違って、グレーテルの方は結構売れているようだ
中にはコンテストで優勝してゲットするんだ~!って息巻いてる神姫もいるようだけど
「ありがとうございましたー」
さっきのツガルとそのマスターに販促チラシを渡しながらお見送り
ふとブースの外を見ると、営業部の若い女の子+新道がコスプレして呼び込みをやっている
…あれ?二人ほど多くないか?
っていうか、新道が等身大のマオチャオとアーンヴァルに何か聞かれてるような
あ、観奈ちゃんと部長も一緒だ
とするとお客さんか
丁度こちらも休憩時間だし、奥の休憩スペースに来て貰うか
「部長、お客さんですか?」
「…はい…こちらの方が…橘明人さん…肩にいる…ノアールさんの…マスターさん…です…そして…こちらの方が…鳳条院 美子さんと…美子さんの妹の…優奈さんです…」
「あ、どうも。俺…いや、私は國崎技研技…」
がしっ!
「ただいまなのじゃ、ケンシロウ!」
観奈ちゃんが抱きついてきた
「わっ、観奈ちゃん。お話中に抱きついてきちゃ…」
どさ…
俺は観奈ちゃんに押し倒され
ちゅ…
唇を塞がれた
ぽすっ!
そしてミチルが頭に乗ってきた
「気にすること無いのだ」
ああ、お客さん達呆れてるよ
「わぁー!きゃー!!」
「あっ、そのっ、えとっ!」
両目を手で覆いつつも指の隙間(というには大きく開かれているが)から覗いている美子さんと、顔を真っ赤にしてオタオタしている優奈さん
この状況に呆然としていた明人さんが立ち直った
「あの、観奈ちゃん。もしかしてこの人が…?」
「この人がわらわ達の恋人のケンシロウじゃ」
「え?わらわ…達…?」
まぁ普通の反応だよな、それ
「ケンシロウはわらわとミチルと新道殿とムツキ殿とユキ殿の恋人なのじゃ」
「…はい?」
あ、また呆然としてる
「わーっ!きゃーっ!すごーい!香田瀬さんって、プレイボーイなんですね!」
「な、な…」
キャーキャー言ってる美子さんと泡喰ってる優奈さん
ようやく観奈ちゃんを抱え一緒に起きあがる俺
「変に見えるでしょうが、これは俺、いえ俺達が決めた事なんです」
「…ここで…立ち話も…なんですから…奥へ…」
部長に助け船を出して貰って、なんとか奥へと行く俺達
「…というわけなんです」
俺はいきさつを明人さん達にザっと話した
「素晴らしいです香田瀬さん!愛があるからこその決断ですなんですね!私、感動しました!」
「恋愛って、奥が深い…」
感心する美子さんと納得する優奈さん
ちなみに観奈ちゃんは俺の膝の上、ミチルは俺に頭の上に乗っかっている
「みなさん、紅茶が入りましたよ~」
ユキがヘンデルでお盆に紅茶とクッキーを乗せてやってきた
「はいどうぞ、明人さん」
各々の前へと紅茶を置いていくユキ
「このクッキーはヘンデルで作ったのですか?」
明人さんが小さいクッキーを眺めながら訊ねてくる
「いえ、それはグレーテルでマイちゃんが…あっ、あのポニテのハウリン型の子が作りました。教えながら一緒に作ってるんで、イッパイ出来ちゃうんですよ」
「はは、そうなんですか、どれどれ…」
パクっと食べる4人
「う、美味い」
「美味しい~(はぁと」
「姉さんが作るのと同じくらい美味しいかも…」
「…」
ノアールさんはなんか黙ってしまっている
「どうしましたノアールさん。お口に合いませんでしたか?」
ユキが心配になって声を掛ける
「…ご主人様、行きますよ…」
「おいおいノアもうちょっとゆっくりしてからでいいんじゃないか」
「あの、何か用事があるのでしたか?」
「いや、ノアがここのお菓子コンテストに参加したいってね」
そういうことか
「でしたら、ブースにいる永守って女性に申し込んでください。皐月、案内頼んでいいかな?」
俺はユキが作ったホットケーキを持ってきた皐月に案内を頼んだ
「はーいセンパイ。なんでしたら明人さんの代わりに申し込んできちゃいますよ。ノアールちゃん、行きましょう。ムツキはセンパイと一緒に待っててね」
「いいんですか?」
「明人さんはゆっくりしててください。作ってる間はウチの社員が見てますから」
ノアールさんを皐月に任せ、談笑する俺達
「ほれケンシロウ、あーん」
「あーん、ぱくっ!おかえしだ、観奈ちゃん。はい、あーん」
「あーん、ぱくっ!」
「…」
あ、明人さん呆れてる
…いや違うな、何かを考えている
「は~い、お兄ちゃん。あ~んして」
「あっ、ズルいぞアネキ…私も…」
親戚とは聞いていたが、やはりそういうことか
会ったときから気になってたんだよな
やはりあの二人…
「センパイ、ただいま戻りましたー」
「ご主人様、コレ…」
程なく帰ってきた皐月のノアールさん
ノアールさんの手にはクッキーが入った袋が
「を、また随分たくさん作ってきたな」
「はは、今回のウチのブースは、マスターにお菓子を作ってあげたいっていう神姫の望みを叶える為に用意されたんですよ。ですから材料はたくさんありますから」
「それよりも食べてあげてくださいよー。ノアールちゃん、張り切って作ってたんですから」
「そうだな、どれどれ…うん、やっぱりお前のが一番だ」
ぽっ
ノアールさん、赤くなってる
「っと、もうこんな時間でしたか。それじゃ私たちはこの辺で」
「長々と引き留めちゃって申し訳ありませんでした」
「いえいえ楽しかったですよ」
「美子さんと優奈さんも楽しめたならいいのですが」
「また来ます…と言いたい所ですが、明日は解説の仕事が…」
「はは。お仕事頑張ってくださいね。美子さんと優奈さんも、暇があったら是非立ち寄ってくださいね」
そうして4人はブースを後にした
「…どう思う、ケンシロウ」
観奈ちゃんが俺に寄り添いながら尋ねる
「気付いたか。たぶんそうなんだろうな。最も、今まで見てきたのとは比べものにならないけどな」
そんな彼女をきゅっと抱きしめながら返事をする
「なにどうしたの香田瀬君?そうそう。さっきのハウリンの子、凄かったわよ。まるで普段から料理とかしてるみたいに手慣れた手つきだったわね」
「神姫キッチンは我が社が先駆けでは無いですから、それを使っるのでは?」
「うーん、そうかなぁ…」
永守さんには言わないでおこう
美子さんと優奈さん、そしてノアールさんもおそらく…
「彼女達、もしかして『人型神姫インターフェイス』か?」
永守さんと入れ替わりで愛澤が来た愛澤がそっと呟く
仕事柄、極偶にだが見る事がある等身大の神姫達
その殆どが人間の欲望のはけ口に使われている現実
「みたいだな。最も、俺達が今まで見てきたのとは別物みたいだがな」
彼女たちの顔はとても幸せそうだった
明人さんもいい人だったし
「…どんな技術も、使う人次第なんだよな」
「彼等が言わないなら、俺達は知らない事にしておこう」
「そうじゃな…」
「…ところで…私たちも…そろそろ…いかないと…」
「っと、そろそろ試合開始時間?」
「わわっと、いくぞミチル!」
「おうなのだー!」
「あ、ちょっとまって。観奈、ミチル」
「ん?どうしたのだケンシロウ」
ちゅ…
「…ん」
ちゅ…
「…えへへ、元気100倍なのだ…」
「いってらっしゃい、観奈ちゃん、ミチル」
「いってくるのじゃー!
「いってくるのだー!」
「こらこら、部長を置いて行くな。それじゃ部長、二人をお願いします。あ、ひじりんは調整があるから今回はお留守番ね」
「はーい、それじゃカノりん、ナギー、頑張ってねー!」
「…それでは…いって…きます…」
「では健四郎様、行って参ります」
俺は部長からひじりんを預かり、みんなを見送った
外ではグレーテルが相変わらず盛況のようだ
ヘンデルも代わりに指導してる南山が頑張ってるようだし、もう暫く外してても大丈夫だな
「んじゃひじりん、調整が終わったらこっちを手伝ってくれるかな。ユキの代わりにヘンデルの操作を頼む」
「らじゃー!頑張ろうね、ケンちゃん」
俺はひじりんの背面にコネクタを刺し、各部の稼働状況をチェックし再設定にとりかかるのだった
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あとがき
香田瀬達が持っている『人型神姫インターフェイス』に対する知識は「粗悪な模造品」までです(凛奈クラスの物)
仕事で見かける為、その殆どが非道い扱いを受け壊れかけたの多いであまりいい印象をもっていません
とはいえ、普通のマスターと神姫がお互いの意の元で導入しているケースも見ているのである程度の理解は持っています
気付いた理由は「技術屋の感」です
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