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**麗しき戦い──あるいは予選その一(前半)
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“鳳凰カップ”は周辺イベントやブースの賑わいも勿論目玉だけど、
一番のウリはやっぱり“聖杯”を目指した、神姫達の戦いだもんね。
だから今年は、ボク達MMSショップ“ALChemist”の面々も全力全開。
その一環としてボク……クララである所の“槇野梓”は、この会期中
お姉ちゃん・槇野晶の全権代理人として、バトルを担当するんだよ?
「梓ちゃんっ、わたしもなんだか“ニキニキ”してきましたの♪」
「……どこで覚えたのかな、ロッテ……ちゃん?それはさておき」
「うん。極力“コレ”を脱がない様に、頑張って戦ってきますの」
「でも、いざって時は迷わず脱いで本気を見せてね。相手も必死」
「もちろん分かっていますの。でも、やっぱりスタイルも大事!」
“神姫”として戦いに出るのは、次女でありボクらの精神的支柱である
ロッテお姉ちゃん。ボクは“仮初めのマスター”として、戦局を分析。
本当なら晶お姉ちゃん……“マイスター(職人)”の役目なんだけれど、
今回は物販ブースも展開してるから、晶お姉ちゃんは自由に動けない。
だからフェレンツェ博士に、ボクのマスター参加をお願いしたんだよ。
『それでは、予選Hブロック第一回戦・11試合目を開始しまーす!』
「……出番だよ、ロッテお姉ちゃん。行こうか?戦いの“舞台”へっ」
「はいですの!こういう大会は初めてですから“ゾワゾワ”ですの~」
……テレビの見過ぎかな?ともかく、ロッテお姉ちゃんは普段通りに
“Heiliges Kleid”を装着し、エントリーゲートに入っていったよ。
ボクも手順を教わった通り、“SSS”をサイドボードにセットして
オーナー用の席に座って……準備OKっ。開始の合図をじっと待つ。
今回のバトルフィールドは、どうもダンスホールが舞台みたいだよ。
『ロッテ・ヴァーサス・ミモザッ!!レディ──────ゴー!!』
「ミモザ……梓ちゃん、相手の神姫ってマオチャオタイプですの?」
「そうだけど……あ、そう言えば!?だとすると、リハビリかな?」
「みたいですの。でも、遠慮はしませんし出来ません……さぁっ!」
ロッテお姉ちゃんは勿論、ボクも伝聞でその名前は知っていたんだよ。
裏バトルの犠牲となってデータを“拉致”され、眠っていた猫型神姫。
ついこの間ホビーショップ・エルゴの日暮さんから返却されたばかり。
まだ一ヶ月も経っていないはずだから……多分これが、復帰の第一戦。
でも、そこで手加減するのは却って失礼。二人ともそれを知ってるよ。
『やっちゃえミモザ!運動不足だったろ、駆け回ってこいっ!!』
「うにゃーっ!!あ、アーンヴァル……なのに、装備がないにゃ?」
「お久しぶりですの、ミモザさんっ!ほら、“ALChemist”の♪」
「ロッテにゃんにゃ!?……その格好、今日の売り物にゃ?」
ロッテお姉ちゃんは肯く。事実、現在天使型の神姫が着込んでいるのは
“Heiliges Kleid”ではなく、今回展示ブースで販売している神姫用の
トータルコーディネイト“フィオラ”の……エクストラエディション。
実際の製品を微調整して、ロッテお姉ちゃんに最適化したバージョン。
見た目は、春らしく淡い空色のジャケット姿。でも、能力は確かだよ?
「ええ。でも、戦いだって手抜きしませんの!さ、踊りましょうっ?」
「うにゃ!ずっと縛られてて遊べなかったから、一杯遊ぶにゃっ!」
「行きますっ!……“フェンリル”、頑張ってくださいですの♪」
サイドボードに収納していたのか、ぷちマスィーンズが周囲に現出。
でもそれに頼るよりも速く、ミモザさんはロッテお姉ちゃんに突進!
“研爪”を両手に嵌め込んで、猫科動物らしい俊敏さで迫るんだよ。
対してロッテお姉ちゃんは……動く事なく、二挺拳銃を構えるだけ。
でも余裕のある微笑から、何をしたいかはボクにも分かったんだよ。
「こっちから攻めるにゃーっ!!えやーっ!!!」
「よい……しょっ!」
「あにゃ!?」
煌めく爪が空を切る!……けど、ロッテお姉ちゃんはそこにはいない。
折角補助アーマーを着込んでるんだもん。急速移動用ブースターだって
使えないと勿体ないんだよ……というわけで、後退用のそれを駆使して
ロッテお姉ちゃんは数smの距離をバック・ステップ。“フィオラ”の
エクストラエディションって、補助アーマーを活かす工夫の事だもん。
「さ、まだまだ来てくださいの!」
「う、ううう~。ちょこまか逃げるにゃー!!」
「ふふ……えいっ!」
『ビビーッ!!』
「あにゃ、ぷち一号っ!?」
華麗にバク転を決めながら、お姉ちゃんは“フェンリル”を曲撃ち。
アーンヴァルタイプの姿勢制御力を活かして正確に撃たれた鉛玉は、
そんな状況でも正確に一機のぷちを撃ち抜いて、射撃を殺すんだよ。
ボクらには武装が多く与えられているけど、だからって個々の武装を
疎かにはしない。これだって、マイスター流教育の賜物なんだもん。
「にゃううう……撃て、撃つにゃーっ!!」
「そうです!もっと楽しみましょうっ♪」
──────舞い踊る様に、優雅に戦う。それがボクらの使命だもん。
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