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「徒然続く、そんな話。 第六節。」(2007/02/28 (水) 22:47:51) の最新版変更点
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あの、白い刃を持った同類の少女。
ただ、違うのは、彼女は強い。
そして、自分の中のパルスが、沸き立つ。
―――ああ、私は武装神姫なんだなと、思った瞬間である。
ちゅんちゅんちゅん
冬は過ぎ、春が来たと言うのに…………まだ寒い、そんな三月手前の日。
「ん……んうう?」
どれどれ……まだ寝ておるな、ふふ
「……?」
ふむ、やはり夜討ち朝駆けは基本だな、どれどれ。
さわ、とこう、暖かい感触が、なんと言うか。
「うおっ!?」
寸前で目を覚まし、慌てて頭を振る。
「……ち、起きおったか」
「ディス……なにしてんの?」
ズボンは下げられて、こー、危険一歩手前、というか、まあ、朝の元気の象徴が。
「――――神姫たるもの、朝の奉仕は基本だろう?」
艶かしく、舌をちろ、と魅せる。
「……勘弁してくれ」
流石に前屈み、仕事前に精力抜かれたらたまらん。
「―――残念じゃな」
ふ、っと笑う、ディス……ってこー上目で見るなこー欲しそうにっ、あー、あー!?
「天国に、連れて行ってやるぞえ?」
ちょっと、揺れた、というか更に危険領域にっ!?
「―――」
殺気、つーか、ピンチ!?、助けてピンチクラッシャー!?
何見てるつーかいつの間にか起きたんですか碧鈴さん!?
尻尾立ってるし、こー、なんだ……髪の毛逆立ってるっていうかこー!?
「マイロード」
爽やかで、朝の起きるときに相応しい、優しい声
「は、はひ」
即答且つ、瞬時に背中を正す。
「…………天国へ行きましょうか?」
砲莱向けながら言わないでくださいっつーかだんだんと近寄らないでー……って、え?
「……」
凍ってる、碧鈴さん……。
「……ふふふ」
笑っている、ディス。
「ん?」
……えーっと、まあ、なんだ、原因は朝で寝起きで、そしてそのまま起立なんてしてたから――――
「―――せ、せいよくのごんげっこのへんたいすけべしんきになによくじょうしてるんですかこのどへんたい
ぽるのやろういいかげんにしてくださいもうだいたいじゅんじょからいえばでぃすよりわたしがさきというか
わたしもまいろーどがのぞみならいくらでもというかこれじゅうはちきんれーといいんですかいいんですなら
いろいろされるのもやぶさかじゃないですというかむしろしてくださいというか」
と、真っ赤な顔でぶつぶつという碧鈴。
「???」
正直、わけがわかりません。
「……碧鈴、本心までだだ漏れだぞ」
ディスは、どーやら聞き取ったらしい。
「―――」
ぼふん、っと顔を真っ赤にした、碧鈴は
「―――きっ、記憶を失えっ、まいろーどっ!?」
周囲に、大量の影……これは、ぷちマスィーンズ、うちにいるのは24体。
「24体……セット、一斉射撃……ファイエル!!」
職場の仕事を終え……取りあえずエルゴへ、ディスの顔見世もしないとな、と。
……あ、れ?
「有難うございましたー」
なんで、俺、爽やかに、店員さんしてるん、だろ。
「……あむあむ」
碧鈴はもしゃもしゃ、と頭の上でポテチ一袋を貪っている、機嫌よく、尻尾を振って。
買収されたな……。
いきなり先輩に、ちょっと店換わってくれって言われてやってみれば―――はぁ
……まあ……それが「G」の仕事ならしょーがない。
とらぶった時には力になるのが俺の仕事だ。
「どないしはったん、はーちゃん」
「ちゃん言うなラスト」
「この体のときは、凛奈って呼んでくれいうたろ?」
耳を引っ張られる、いだだだ……こいつは、Dフォースのラスト。
現在は「人型なんとか」に入ってるらしいが興味はない、というかまあ、別になんとも……
俺の厄介な上役様の一人、というかぶっちゃけ、Dの面々のぱしりの俺は立場が弱い。
「……で、凛奈さん、どしたの?」
「んー、ちいとな、働いてる若人に、お礼っちゅーやつや」
手には缶コーヒーがほかほかと湯気を立てて。
「あ、ありがとうございます」
ふう、と客も引いて、ひと段落ついた時なので、ありがたく口をつける。
「ぶううっ!?」
「ん、どしたー、乙女の入れたコーヒーが飲めへんかー?」
「……何入れました?」
「んー、そやねえ、マムシドリンクとか、本当は夏はんに使って後押ししよーかと思うてたんやけど」
ん?……彼女でもいるのかなあ、先輩さん。
「……そっちに、D-ソード、行ってるやろ?」
あ……ああ……なるほど、秋奈さんカスタムしてたんだから
D、として使う気だったのを、俺に?
「まあ、今はディス、ですけど」
「……折角なんで暴走させて碧ちゃんと一緒に食べたらおいしそうかなぁ、と」
「怒りますよ?」
苦笑、この人はいたずら好きだ、知っているが性質が悪い。
「あはは、じょーだんや、疲れきった顔してるから、栄養ドリンク」
「……はあ、まあ助かりますけど……」
「マイロード」
碧鈴が、頭をの毛を引っ張る。
「ん、どうした?」
「……子供のないている声が」
「らじゃ、ラsじゃない、凛奈さん、ここ、任せます」
「了解~」
碧鈴の指示で、二階のバトルスペースへ
「……うわぁ、あ、やだ、やめてよぉ」
どうやら、子供を泣かすやつが居るようだ。
「へっへっへ、しょっぱいパーツ使ってるぜ、全くよお」
「仕方がナイでゴザルよ、餓鬼でゴザル」
あー、癇に障る声だ、こーいうの嫌い。
「何してるんだ?」
その辺に居た子供に聞く。
どうやら、こー、バトルロイヤルで力任せにサード上位の二人組みが、下位の始めたばかりの子を嬲っているらしい。
「ほら、ほら、逃げないと死ぬでゴザルよー?」
眼鏡を掛けた肥満体の男の操るアーンヴァルが足を打ち抜き。
「……あぁ?、ほらほら、舐めてるのか、ああ?」
茶髪を逆立てたモヒカンのストラーフが、相手の腕を、もぎ取る。
――――見ちゃ居られん。
正義でもないが悪でもないが。
―――これは、見ちゃおれん、だが全く戦闘訓練の無い、碧鈴を連れて行くには、と思った瞬間。
「儂を呼んだか、主?」
白い悪魔が、囁いた。
徒然続く、そんな話。 第六節
彼の理由、私の理由。 節終
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