「第2日目」(2007/02/24 (土) 22:25:19) の最新版変更点
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「俺とティアナの場合」
第2日目「アイドル登場?」
「さあ~今年もやって来ました。交流戦。」
白いスーツに赤いネクタイ。そしてマイクを手にした司会らしき人物がステージに上がる。
「毎年恒例で行われているにもかかわらず情報公開をしないため知名度は低い、しか~し神姫科へ進級した生徒とパートナーの神姫同士の交流を兼ねて行われているバトルトーナメント。公式リーグ参加者とビギナーを分けているので安心の2トーナメント制。どちらのトーナメントも優勝者には副賞として食堂の無料ランチ券1か月分が贈られます。今年は誰が優勝の栄冠を掴むのか!! それでは早速1回戦開始です!!」
けっこう急ぎ足で喋る司会(見たところ1つ上の、大学1年だろうか?)の宣言でいっせいに第1試合のゴングが鳴る。
そして会場(とは言っても体育館なんだが)のメインスクリーンに次々と試合が入れ替わり立ち代りで表示される。
やっぱりずっと前から神姫と一緒にいたヤツもいるみたいで、公式リーグで慣らされた猛者たちも混じっているようだった。
まあ、そういうメンバーは最初からブロック分けされていて、そのブロックのみ試合の迫力が違っていた。
比率的には3対7ってところか。いちおう進学校に分類されるからしかたないけどビギナーの方が多いんだよなウチの学校は。
とはいう俺もバトルに関してはド素人だった。
ティアナの試合はまだまだなのでふらふらと会場を歩いてみる。
で目に留まったのが公式ランカーになっている神姫たちのバトルだった。やっぱり武装神姫と呼ばれるだけあってその能力はすごいと思う。
さっき見た猫型だって広大なフィールドを準備運動かのように駆け抜け、それなのに息一つ乱さないで敵の天使型にぶつかっていく。
爪の一撃を避けられてもすぐにバックステップを行い、プチマシーンズで牽制していた。
やぱりああいう反応は実戦を戦い抜いてこそなんだろうと思う。
ふとティアナはどういう試合が気になるのか聞いてみた。
「ティアナは気になる試合ってある?」
「うーん…このへんで面白そうなのはないわ。言い方が悪いけど正直TVでファーストランカーの試合見てるからそれに比べたらレベルは低いし。」
「じゃあいっそのこと俺たちと同じビギナーの方行くか?」
「ええ、そうしましょう。」
そうして会場の反対側(いちおうマンモス校なので体育館とはいえ結構広い。)のビギナーの試合を見てみる。
おれが巨大スクリーンに目を取られているとティアナが俺のブレザーのすそを引っ張った。
「翔、あの試合が見たい。」
そうしてティアナが指さしたのは、戦闘駆動そっちのけで歌って踊るサンタ…じゃなくて装備はそれだったけど、本体は犬型。
ん?よく見ると髪形がサンタ型のものと酷似してる。あ、犬型もああするとすごくかわいいな~
「なに見とれてるの?翔」
いつもより少しだけ声のトーンが暗いティアナ…ハッ、心を見透かされる…これからは気をつけよう。
「ああなんでもない、なんか面白そうだから見てみるか」
「あの"犬型"ばっかり見たらダメだからね。 その場合は私服脱ぐから」
そういってティアナは着ているタートルネックに手をかける仕草をする。
ご存知の通り、花形の素体は布面積が少ない。最低限の部分以外はほとんど素肌(この表現が適切かはわからない)だ。さすがに俺もそんな姿のティアナをそのまま学校につれてくれば教師の注意を受けるだろう。もちろん今脱がれればおれが起こられる羽目になる。それを想像しただけで寒気がした。
「ああ、わかった。」
「よろしい、なんてね。」
そうしておれはその試合が行われているブースに入る。
するとソコだけが別空間だった。ブース内は明らかに今世紀初頭のアイドルっぽい曲、これどこかで聞いたような…
「あ、あれだ。」
俺より先にティアナが曲名にたどり着いたらしい。
「なんて曲だ?」
「ほら、アレ! この前放送してた、全然敵が動かないガンダムの桃色電波の影武者のヤツ」
…なんでこんなにもややこしい言い回しをするんだ?と思いつつ、俺も曲名にたどりついた。
「あ、ガンダム種のアレね~えっと英語で「感情」ってやつだろ。」
「そうそう、♪エモーシふぐぅ」
あわててティアナの口を塞ぐ俺、たしかこういうSSとかでも歌詞を引用したら"あの"ジャ●●ックに請求されるんだってな、それはなんとしても避けないと中の人に怒られてしまう。
それはいいとして、実際に歌を歌っている犬型はというと…ダンスまで完璧。声も透き通ってる感じ。いい線いってると思う。
いや、ロボット目当てでガンダムを見ていたはずなのにあんなシーンが出てきたからなんか印象に残ってるだけだぞ。
しかも敵の攻撃なんて完全に無視してるし、相手の騎士型は相当怒ってるっぽいな~
「貴様、ちょこまかと!!」
騎士型は助走をつけて飛び込んでいく。しかし
「♪~~~~~」
踊りつつも、背中のブースターでそれをまさに華麗という形容詞が似合う動きで回避。そのまま歌い続ける。
そして曲もクライマックスに。
「♪♪~~~ ♪~」
そうして最後のフレ―ズに入る。
「いい加減にしろ!!!貴様ぁ!!!!!!!!!!!!」
相手の騎士型は完全にキレてる…あれだけ無視されればああなるわな。で右手にランス、左手に片手剣の突撃形態だ。
そのまま勢いをつけて向かっていく。そしてまずはランスをあの犬型に向かって投げつけた。
「ゲイボルグのまねっこ?」
ティアナ、お願いだからさらっとそいいうオタっぽい知識を披露しないでくれ。
休み中はCSで見放題だったからって1日中アニメ系チャンネル見てたもんな~~って、結局マスターである俺の責任になるのか…
ランスは犬型のバックパックのブースターを直撃。さすがにあの速度で飛来する大きなランスは避け切れ中ttらしい、犬型はどんどん高度を下げていく、そして騎士型は剣を握り締めて着地地点に飛び込む。着地より数秒早く犬型の歌は全フレーズを歌いきっていた。着地と同時に振り返って騎士型を見る、犬型は笑っていた。
そして激突。激突の衝撃がステージに生えている草木を吹き飛ばす。その草木が再び地面に降りるとき、立っていたのはあの犬型だった。
右手には1振りのライトセイバー…あれはマイクだったものだろう。
もしくはマイクのふりして使っていただけかもしれない、だがそれは確実に相手の騎士型の油断を誘ったはずだ。
騎士型のマスターがへこんでるのを尻目に、犬型はユニットから出てきて挨拶をする。
「私の名前はニーナ、ニーナです! 私の歌は楽しんでいただけましたか~」
何人かの生徒が拍手を送る、でも彼らの見た目は明らかにオタクだった…まあそれにつられてほかの生徒たちも拍手をしてるので俺も混ざってみる。
「私は神姫アイドルナンバーワンを目指してます、いまはまだ無名ですが…きっと一番になって見せます。なのでもしよかったら次のステージも来てくださいね。chu♪」
これで先ほどのオタどもは確実に堕ちたな…俺でも次も見ようって思ったぐらいだし。
「翔、あの子おもしろいわ。あの子と戦ってみたいな。」
ティアナもあの犬型の子…ニーナが気に入ったらしい。
「じゃあ俺たちもそれなりにがんばらないとな、そろそろ俺たちの試合のあるブースに向かうか。」
「ええ、私の力を見せてあげる」
「おお、せめて1回戦ぐらいは勝ってくれよ。」
「もちろんよ、そのためにパーツを取りに帰ったんでしょう!」
「そうだったな、がんばろう。」
そうしてそのブースから立ち去る俺たち2人を見つめる少女が一人。
「木ノ宮君…」
その視線に俺は気付かないでいた。
続く
「俺とティアナの場合」
第2日目「アイドル登場?」
「さあ~今年もやって来ました。交流戦。」
白いスーツに赤いネクタイ。そしてマイクを手にした司会らしき人物がステージに上がる。
「毎年恒例で行われているにもかかわらず情報公開をしないため知名度は低い、しか~し神姫科へ進級した生徒とパートナーの神姫同士の交流を兼ねて行われているバトルトーナメント。公式リーグ参加者とビギナーを分けているので安心の2トーナメント制。どちらのトーナメントも優勝者には副賞として食堂の無料ランチ券1か月分が贈られます。今年は誰が優勝の栄冠を掴むのか!! それでは早速1回戦開始です!!」
けっこう急ぎ足で喋る司会(見たところ1つ上の、大学1年だろうか?)の宣言でいっせいに第1試合のゴングが鳴る。
そして会場(とは言っても体育館なんだが)のメインスクリーンに次々と試合が入れ替わり立ち代りで表示される。
やっぱりずっと前から神姫と一緒にいたヤツもいるみたいで、公式リーグで慣らされた猛者たちも混じっているようだった。
まあ、そういうメンバーは最初からブロック分けされていて、そのブロックのみ試合の迫力が違っていた。
比率的には3対7ってところか。いちおう進学校に分類されるからしかたないけどビギナーの方が多いんだよなウチの学校は。
とはいう俺もバトルに関してはド素人だった。
ティアナの試合はまだまだなのでふらふらと会場を歩いてみる。
で目に留まったのが公式ランカーになっている神姫たちのバトルだった。やっぱり武装神姫と呼ばれるだけあってその能力はすごいと思う。
さっき見た猫型だって広大なフィールドを準備運動かのように駆け抜け、それなのに息一つ乱さないで敵の天使型にぶつかっていく。
爪の一撃を避けられてもすぐにバックステップを行い、プチマシーンズで牽制していた。
やぱりああいう反応は実戦を戦い抜いてこそなんだろうと思う。
ふとティアナはどういう試合が気になるのか聞いてみた。
「ティアナは気になる試合ってある?」
「うーん…このへんで面白そうなのはないわ。言い方が悪いけど正直TVでファーストランカーの試合見てるからそれに比べたらレベルは低いし。」
「じゃあいっそのこと俺たちと同じビギナーの方行くか?」
「ええ、そうしましょう。」
そうして会場の反対側(いちおうマンモス校なので体育館とはいえ結構広い。)のビギナーの試合を見てみる。
おれが巨大スクリーンに目を取られているとティアナが俺のブレザーのすそを引っ張った。
「翔、あの試合が見たい。」
そうしてティアナが指さしたのは、戦闘駆動そっちのけで歌って踊るサンタ…じゃなくて装備はそれだったけど、本体は犬型。
ん?よく見ると髪形がサンタ型のものと酷似してる。あ、犬型もああするとすごくかわいいな~
「なに見とれてるの?翔」
いつもより少しだけ声のトーンが暗いティアナ…ハッ、心を見透かされる…これからは気をつけよう。
「ああなんでもない、なんか面白そうだから見てみるか」
「あの"犬型"ばっかり見たらダメだからね。 その場合は私服脱ぐから」
そういってティアナは着ているタートルネックに手をかける仕草をする。
ご存知の通り、花形の素体は布面積が少ない。最低限の部分以外はほとんど素肌(この表現が適切かはわからない)だ。さすがに俺もそんな姿のティアナをそのまま学校につれてくれば教師の注意を受けるだろう。もちろん今脱がれれば俺が怒られる羽目になる。それを想像しただけで寒気がした。
「ああ、わかった。」
「よろしい、なんてね。」
そうしておれはその試合が行われているブースに入る。
するとソコだけが別空間だった。ブース内は明らかに今世紀初頭のアイドルっぽい曲、これどこかで聞いたような…
「あ、あれだ。」
俺より先にティアナが曲名にたどり着いたらしい。
「なんて曲だ?」
「ほら、アレ! この前放送してた、全然敵が動かないガンダムの桃色電波の影武者のヤツ」
…なんでこんなにもややこしい言い回しをするんだ?と思いつつ、俺も曲名にたどりついた。
「あ、ガンダム種のアレね~えっと英語で「感情」ってやつだろ。」
「そうそう、♪エモーシふぐぅ」
あわててティアナの口を塞ぐ俺、たしかこういうSSとかでも歌詞を引用したら"あの"ジャ●●ックに請求されるんだってな、それはなんとしても避けないと中の人に怒られてしまう。
それはいいとして、実際に歌を歌っている犬型はというと…ダンスまで完璧。声も透き通ってる感じ。いい線いってると思う。
いや、ロボット目当てでガンダムを見ていたはずなのにあんなシーンが出てきたからなんか印象に残ってるだけだぞ。
しかも敵の攻撃なんて完全に無視してるし、相手の騎士型は相当怒ってるっぽいな~
「貴様、ちょこまかと!!」
騎士型は助走をつけて飛び込んでいく。しかし
「♪~~~~~」
踊りつつも、背中のブースターでそれをまさに華麗という形容詞が似合う動きで回避。そのまま歌い続ける。
そして曲もクライマックスに。
「♪♪~~~ ♪~」
そうして最後のフレ―ズに入る。
「いい加減にしろ!!!貴様ぁ!!!!!!!!!!!!」
相手の騎士型は完全にキレてる…あれだけ無視されればああなるわな。で右手にランス、左手に片手剣の突撃形態だ。
そのまま勢いをつけて向かっていく。そしてまずはランスをあの犬型に向かって投げつけた。
「ゲイボルグのまねっこ?」
ティアナ、お願いだからさらっとそいいうオタっぽい知識を披露しないでくれ。
休み中はCSで見放題だったからって1日中アニメ系チャンネル見てたもんな~~って、結局マスターである俺の責任になるのか…
ランスは犬型のバックパックのブースターを直撃。さすがにあの速度で飛来する大きなランスは避け切れ中ttらしい、犬型はどんどん高度を下げていく、そして騎士型は剣を握り締めて着地地点に飛び込む。着地より数秒早く犬型の歌は全フレーズを歌いきっていた。着地と同時に振り返って騎士型を見る、犬型は笑っていた。
そして激突。激突の衝撃がステージに生えている草木を吹き飛ばす。その草木が再び地面に降りるとき、立っていたのはあの犬型だった。
右手には1振りのライトセイバー…あれはマイクだったものだろう。
もしくはマイクのふりして使っていただけかもしれない、だがそれは確実に相手の騎士型の油断を誘ったはずだ。
騎士型のマスターがへこんでるのを尻目に、犬型はユニットから出てきて挨拶をする。
「私の名前はニーナ、ニーナです! 私の歌は楽しんでいただけましたか~」
何人かの生徒が拍手を送る、でも彼らの見た目は明らかにオタクだった…まあそれにつられてほかの生徒たちも拍手をしてるので俺も混ざってみる。
「私は神姫アイドルナンバーワンを目指してます、いまはまだ無名ですが…きっと一番になって見せます。なのでもしよかったら次のステージも来てくださいね。chu♪」
これで先ほどのオタどもは確実に堕ちたな…俺でも次も見ようって思ったぐらいだし。
「翔、あの子おもしろいわ。あの子と戦ってみたいな。」
ティアナもあの犬型の子…ニーナが気に入ったらしい。
「じゃあ俺たちもそれなりにがんばらないとな、そろそろ俺たちの試合のあるブースに向かうか。」
「ええ、私の力を見せてあげる」
「おお、せめて1回戦ぐらいは勝ってくれよ。」
「もちろんよ、そのためにパーツを取りに帰ったんでしょう!」
「そうだったな、がんばろう。」
そうしてそのブースから立ち去る俺たち2人を見つめる少女が一人。
「木ノ宮君…」
その視線に俺は気付かないでいた。
続く
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