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「3話―the crisis approaches ―」(2007/02/23 (金) 17:32:11) の最新版変更点
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『じゃ、明日行くから。見られたくないモノはちゃんと隠しておくのよ~』
電話から聞こえるのは母の声。俺は適当に返事をし、電話を切る。
電話の内容を整理してみる。つまりは母が一人暮らしの俺の家にちゃんと生活できているか平日だというのに視察に来る、ということだ。
うん、母が来るだけなら別にかまわない。見られたくないモノなんてのも特にない。問題なのは、母が連れてくる猫のボブだ。
こいつがかなり危険なヤツで、俺がまだ家で暮らしていた時に何度も俺の部屋に潜り込み、破壊活動を繰り返した悪魔なのだ。母はいつもこいつを連れ歩く割に家内などでは何をしようと放っておく。
そのため今日中にぽちやたまを守るための対策を練っておかねばならないのだ。どうしたものだろうか…
「お兄ちゃん、誰から電話ですか?」
難しい顔をして考えている俺にぽちが心配そうに声をかけてきた。
「あぁ、母さんだよ。なんか明日うちにくるらしい」
「そうなんですか、なら私も挨拶しないといけませんね」
「おー、じゃあたまも挨拶しないと、だねー!」
向こうでテレビを見ていたはずのたまもいた。こいつどんなスピードで移動してきたんだ?
「挨拶はかまわないけど、猛獣も付いてくるぞ。そうつから逃れるための対策を考えとかないとな」
「も、猛獣ですか!?それは危険です…早急に対策会議をはじめましょう!」
「じゃあ、みかん持ってくるねー」
対策会議とは大げさな。まぁ相手はあのボブだ、それくらいやる価値はあるかもしれないな。
という訳でコタツへGO。
「では基地司令、何か作戦はありますか?」
「基地司令じゃない!お兄ちゃんだ!!いや、それよりそのノリはなんなんだ?」
「いえ、少し気分を出してみようかと…」
こいついつもはおとなしいけど実はノリがいいタイプだな。さすがは俺の神姫。
まぁそれはいいとして。
「俺は、お前等をこっそり学校に連れていこうかと思っている。家に置いていくよりは安全だと思うんだ」
「おー、大胆な作戦だねー」
「でも、いいんですか?お兄ちゃんは私たちのこと学校では隠してるんじゃ…」
「何、見つからなければどうということはない。って話だ。おとなしくしてられるよな?」
「大丈夫だよー!学校行ってみたーい!」
「まぁ、それは大丈夫ですが…」
たまは大丈夫だが、ぽちが不安そうだ。でもまぁ、とりあえず明日は連れて行っても大丈夫だろう。
「大丈夫だよ、ぽち。そうそう見つかるもんじゃないから」
そうこうやって会議は終了。さてさて今日はもう寝ようかね。
そして翌日の朝。
「久しぶり、悠。元気してた?」
母がやってきた。あ、悠ってのは俺の名前な、一応。
「初めまして、お兄ちゃんにお世話になっております、ぽちという者です」
「同じく、たまだよー!」
肩からひょこっと出てきて挨拶する2人。
「あらー、可愛いわね!今流行ってる武装なんとかってヤツかしら。よろしくね、ぽちちゃん、たまちゃん」
普通の親は神姫とか見たら驚くだろうけどうちの親はこういう反応。まぁ、楽でいい。
ところでボブのヤツはどこだ?などと考えていると。
「う゛にゃぁ」
これは…ヤツだ!どこだ!?どこにいる!?いた!テレビの脇…あ!花瓶が危ない!
俺はとっさに花瓶をすくい上げ保護。まったく、いきなり危ない危ない。
それから朝食をとり、学校へ行く時間。
「気を付けて行ってくるのよ、夕飯は母さんがおいしいの作っといてあげるから」
「あぁ、行ってきます。ボブが物壊したりしないようによく見ててよ」
とは一応言っておくが多分無意味。少しの損壊は覚悟しとかないと…
ドアを開け、外へ。
「学校学校、楽しみだなー!」
「こら、静かにしてなさい!」
…内ポケットから声が聞こえてなんだか心配になってきた。
通学路はなんとかクリア。教室へ。
「おはよう、悠君」
「おーっす」
当たり前に挨拶をし、席へ着く。
今日は6時限。その間気付かれないように。大丈夫大丈夫…じゃなかった。
これを忘れていた…5時限目は体育。つまり運動用の服に着替えなければならないのだ。
着替えを置いておくのも心配だし、だからといって2人を連れて運動は厳しい。
…あ、サボればいいのか。トイレだトイレー。というわけで体育はサボります。
「委員長ー、俺腹痛いから体育休むわー」
と、委員長に伝えてトイレへ。ちなみにうちの委員長は可愛い女の子ではなく口癖が「ズバリ」みたいな男子の委員長。
「なんとか危険はかいひしたねー!」
「あぁ、なんとかな。後の授業は大丈夫だろ」
などと話していると。
「悠君?その顔出してる小さい女の子…」
見つかったぁぁぁっ!?
つづくのだろう
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