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―――でね、家に戻ってきて、新発売のメープルバナナケーキとアップルティーを食べて、やっと「終わったんだなぁ」って思ったのよ。
結局、私とミラーのバトルは<ダブルノックアウト>って判定になっちゃったけどね。
まぁ特別賞ももらえたし、そこそこ満足かな? それにほら、私の方が最後まで立ってたんだから、試合は引き分けて、勝負に勝った。みたいな? それにしても、なにげ全国大会でもツガルタイプの出場が多かったわね。戦う機会が無かったのは残念だけど。
そんな感じで当初の目的は果たせたし、私は満足かなぁ。
データの損傷? あー、あんなのケガのうちに入んないわよ。一時は私、再起不能とも言われてたらしいわ。確かに喋るのも困難って感じだったけど、メンテナンスルームでマスターが着きっきりでいてくれたしねー。ケガの功名ってヤツかしらん? 何が功名に当たるのかは言うまでも無いわね。
そんな事より再起不能はマスターね。特別賞もらったって言ったわよね? なんでも、大会屈指の名勝負を演じ、さらに全国放送で神姫に対する愛の告白を生中継したバk… もとい、神姫プレイヤーの鑑として表彰されたのよ。あんな恥ずかしい台詞を表彰しちゃう開催側もアレだけど。
とにかく、その後のマスター大変だったのよ。全国放送された事を知るや否や、また三日間くらい部屋に閉じこもっちゃって、変な声で泣くわ、枕を抱き締めてゴロゴロ悶えるわ。で、四日目、つまり今日、やっと外に連れ出してもらえたわけよ。
でも、まあ、私は嬉しかったかな。いや、嬉し恥ずかし?
え、今後の目標?
うーん。まあ、しばらくはセカンドリーグに留まって戦術研究かしら。新しい事に気が気が付いたおれ達なら、今まで見えなかったものも見えてくるだろう。ってマスターが言ってた。だから私に挑みたいセカンドリーガーはビシバシかかってらっしゃい。挑戦者の戦術の穴をほじくり返してあげるわ。もちろん、ツガルだと思って甘く見てると痛い目に合うわよ? むしろ合わすわ。
っとと、マスターが呼んでる。もう帰るのかしら?
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*ツガル戦術論:鏡の試練 後半7
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ホビーショップ エルゴの店長に、先日のアドバイスお礼を済ませてきた。
やはりあの時の告白は全国放送で流されており、おれは「ツガルタイプのシルヴィアが大好きな変わり者」《レッド・ホット・クリスマス(熱く過激な聖誕祭)》として注目を浴びてしまった。
三日間のクッションを置いたにもかかわらず店長に散々突付かれて、その上、来店する常連さんにもその都度ツッコまれるのだからたまらない。
適当なところで挨拶を切り上げてシルヴィア用の武装を見繕ってみる。もうツガル武装に拘る必要は無い。これからはシルヴィに自由な武装をさせてやるつもりだ。だが、遠距離と近距離の両極端なスタンスは変わらないだろう。本来の意味の《レッド・ホット・クリスマス》はシルヴィアのお気に入りだからな。武装選択も適当なところで切り上げる。
御影キョウジとマスターミラーは、たぶん今はバトルフロアで対戦相手を探している最中だろう。「対戦してみたい神姫を見つけた」とか言ってたのを思い出す。思えばあの時、御影に対戦を申し込まれなければ、こんな健やかな心境になってはいなかっただろう。
シルヴィアを信じ、そして告白をしたあのとき以来、おれの中で何かが解けてゆくのを感じた。
何ていうか、幸せなんだ。いや、突っつかれるのは恥ずかしいけどな。
ええい、そこの向かいの客。おれの顔を見てニヤニヤするな。全国放送、恐るべし。
今日はもうさっさと帰ってしまおう。
神姫学校で会話に興じるシルヴィアを呼ぶと、周りの神姫から黄色い声が返ってきた。くそう、恥ずかしい事この上ない。
シルヴィアを肩の上にのせ、「お世話になりました、うさ大明神様」挨拶を言った後に彼女がこう呼ばれたがらない事を思い出し、
「いいえお構いなく。アツアツのお・ふ・た・り・さ・ま」
また黄色い声があがる。ええい、恥ずかしい事この上ない。
バイクのエンジンを急速に暖めてアクセル全開。商店街から飛び出し、一路帰宅。
「マスター、今晩のデザートは新発売のストロベリータルトがいい!」
強引にシフトチェンジし爆音でシルヴィアの声を掻き消す。
いちごのタルトだな。まだデパ地下に残ってるかな。等と思いながら。
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「なぁジェニーさん。《ミラー・オブ・オーデアル(鏡の試練)》にまつわるファーストリーガーの不文律、知ってる?」
「いえ、存じませんが」
「『鏡の試練に打ち勝ってファースト入りした者はその後、例外無く伸びる』んだとさ。鏡の試練と言う二つ名はファーストリーガーの間から広まったって噂もある」
「へえ、面白い話ですね」
「彼らは一流になったよ。プレイヤーとしても、パートナーとしても」
「ええ。ちょっとだけ、羨ましいです」
「全国放送で告白されるのが?」
「彼らの前に開けた前途が、です。彼らの今後のバトルの話ですからね!」
くだらない事言ってないで補充作業! 三番棚の商品が不足していますよ!
ホビーショップエルゴにジェニーさんの指示が響いた。
#center(){終わり}
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―――でね、家に戻ってきて、新発売のメープルバナナケーキとアップルティーを食べて、やっと「終わったんだなぁ」って思ったのよ。
結局、私とミラーのバトルは<ダブルノックアウト>って判定になっちゃったけどね。
まぁ特別賞ももらえたし、そこそこ満足かな? それにほら、私の方が最後まで立ってたんだから、試合は引き分けて、勝負に勝った。みたいな? それにしても、なにげ全国大会でもツガルタイプの出場が多かったわね。戦う機会が無かったのは残念だけど。
そんな感じで当初の目的は果たせたし、私は満足かなぁ。
データの損傷? あー、あんなのケガのうちに入んないわよ。一時は私、再起不能とも言われてたらしいわ。確かに喋るのも困難って感じだったけど、メンテナンスルームでマスターが着きっきりでいてくれたしねー。ケガの功名ってヤツかしらん? 何が功名に当たるのかは言うまでも無いわね。
そんな事より再起不能はマスターね。特別賞もらったって言ったわよね? なんでも、大会屈指の名勝負を演じ、さらに全国放送で神姫に対する愛の告白を生中継した神姫バk… もとい、神姫プレイヤーの鑑として表彰されたのよ。あんな恥ずかしい台詞を表彰しちゃう開催側もアレだけど。
とにかく、その後のマスター大変だったのよ。全国放送された事を知るや否や、また三日間くらい部屋に閉じこもっちゃって、変な声で泣くわ、枕を抱き締めてゴロゴロ悶えるわ。で、四日目、つまり今日、やっと外に連れ出してもらえたわけよ。
でも、まあ、私は嬉しかったかな。いや、嬉し恥ずかし?
え、今後の目標?
うーん。まあ、しばらくはセカンドリーグに留まって戦術研究かしら。新しい事に気が気が付いたおれ達なら、今まで見えなかったものも見えてくるだろう。ってマスターが言ってた。だから私に挑みたいセカンドリーガーはビシバシかかってらっしゃい。挑戦者の戦術の穴をほじくり返してあげるわ。もちろん、ツガルだと思って甘く見てると痛い目に合うわよ? むしろ合わすわ。
っとと、マスターが呼んでる。もう帰るのかしら?
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*ツガル戦術論:鏡の試練 後半7
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ホビーショップ エルゴの店長に、先日のアドバイスお礼を済ませてきた。
やはりあの時の告白は全国放送で流されており、おれは「ツガルタイプのシルヴィアが大好きな変わり者」《レッド・ホット・クリスマス(熱く過激な聖誕祭)》として注目を浴びてしまった。
三日間のクッションを置いたにもかかわらず店長に散々突付かれて、その上、来店する常連さんにもその都度ツッコまれるのだからたまらない。
適当なところで挨拶を切り上げてシルヴィア用の武装を見繕ってみる。もうツガル武装に拘る必要は無い。これからはシルヴィに自由な武装をさせてやるつもりだ。だが、遠距離と近距離の両極端なスタンスは変わらないだろう。本来の意味の《レッド・ホット・クリスマス》はシルヴィアのお気に入りだからな。武装選択も適当なところで切り上げる。
御影キョウジとマスターミラーは、たぶん今はバトルフロアで対戦相手を探している最中だろう。「対戦してみたい神姫を見つけた」とか言ってたのを思い出す。思えばあの時、御影に対戦を申し込まれなければ、こんな健やかな心境になってはいなかっただろう。
シルヴィアを信じ、そして告白をしたあのとき以来、おれの中で何かが解けてゆくのを感じた。
何ていうか、幸せなんだ。いや、突っつかれるのは恥ずかしいけどな。
ええい、そこの向かいの客。おれの顔を見てニヤニヤするな。全国放送、恐るべし。
今日はもうさっさと帰ってしまおう。
神姫学校で会話に興じるシルヴィアを呼ぶと、周りの神姫から黄色い声が返ってきた。くそう、恥ずかしい事この上ない。
シルヴィアを肩の上にのせ、「お世話になりました、うさ大明神様」挨拶を言った後に彼女がこう呼ばれたがらない事を思い出し、
「いいえお構いなく。アツアツのお・ふ・た・り・さ・ま」
また黄色い声があがる。ええい、恥ずかしい事この上ない。
バイクのエンジンを急速に暖めてアクセル全開。商店街から飛び出し、一路帰宅。
「マスター、今晩のデザートは新発売のストロベリータルトがいい!」
強引にシフトチェンジし爆音でシルヴィアの声を掻き消す。
いちごのタルトだな。まだデパ地下に残ってるかな。等と思いながら。
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「なぁジェニーさん。《ミラー・オブ・オーデアル(鏡の試練)》にまつわるファーストリーガーの不文律、知ってる?」
「いえ、存じませんが」
「『鏡の試練に打ち勝ってファースト入りした者はその後、例外無く伸びる』んだとさ。鏡の試練と言う二つ名はファーストリーガーの間から広まったって噂もある」
「へえ、面白い話ですね」
「彼らは一流になったよ。プレイヤーとしても、パートナーとしても」
「ええ。ちょっとだけ、羨ましいです」
「全国放送で告白されるのが?」
「彼らの前に開けた前途が、です。彼らの今後のバトルの話ですからね!」
くだらない事言ってないで補充作業! 三番棚の商品が不足していますよ!
ホビーショップエルゴにジェニーさんの指示が響いた。
#center(){終わり}
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