「第一間幕」(2007/01/23 (火) 20:26:05) の最新版変更点
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第一間幕。ライト点灯。
椅子に座る学生服姿のマコトの頭の上でクルクルっと回り、一礼するフェスタ。
先程とは髪型が違い、そのボディスーツはパール仕立てに草色のラインで統一されている。
フェスタ「皆さん、はじめまして。フェスタです。『2036の風』第一幕をお読みくださってありがとうございます」
マコト「こんにちわ。フェスタのオーナーのマコトです」
フェスタ、マコトの肩を経由して膝に移動。
フェスタ「改めまして自己紹介を! 第一幕の主役を務めさせて頂きました、私はフェスタ。MMSタイプ『アーンヴァル』です」
マコト「・・・恐れ多くも、角子さんを差し置いてね(笑)」
フェスタ「むぅ・・・いいの! 姉さんは御仕事で忙しいんだから! それに私だって」
頬を膨らますフェスタ、マコトは手で制す。
マコト「OKOK、・・・オレは新堂真人。マコトと呼んでください。中学三年生、先の通りフェスタのオーナーをしています。家族構成は母と姉、父。父は海運業に勤めています。帰ってこない時は全く帰ってきません(苦笑)」
スポットライト消灯。ワイドライトが幕を照らす。
フェスタ「今回のお話は、まだ姉さん達とも会ってない頃の私。今の脚をお母さんから貰った時ね」
マコト「荒んでたなぁ、フェスタ」
フェスタ「うん、ごめんごめん。・・・けど、これで第二幕から私の輝かしい活躍が描かれるわけで!」
マコト「うーん・・・。実はさ、それは無理らしいんだ。フェスタ」
フェスタ「? なんで?」
マコト、ポケットから小冊子を取り出す。
マコト「ここに書いてるんだけど・・・『2036の風』は基本的に長編じゃなくて『ショート集』だから、一幕一幕で視点の神姫が変わるんだって。だから第二幕はオレ達が知らない神姫が登場するかもしれない。当然、オレ達の知らない場所でね」
フェスタ「ええっ? じゃぁもう出番無し?」
マコト「いや? ・・・うん、五体の神姫、合計十二幕って書いてあるから・・・また出番あるんじゃないかな?」
フェスタ「よかった。バトルとか披露せずに退場なんてヤだもんね」
マコト「ま。フェスタのエロを見たい人がいるかは別として」
顔を赤くしたフェスタの投げたアルヴォを手で弾くマコト。
マコト「他の神姫視点の幕でも出れるかもしれない」
フェスタ「え、姉さんとか?」
マコト「そうだね」
ライト、少し暗く。
マコト、ゆっくりと顔を正面に向ける。フェスタ、肩に移動。
マコト「『2036の風』は神姫の『心』をメインワードとした、ショート集です」
フェスタ「CSCはプログラムを打ち込んだデータボックスなだけ・・・なのかな? 他の方の小説では不思議なパワーを引き出したり、別の人格が丸々入っていたり・・・色々な解釈がされているよね」
マコト「だけどCSCは人工の産物。結局は人が作り出したデータを膨大に投入した・・・人が作り出したパーツ。人が作り出した身体。人が作り出したヘッドコア」
フェスタ「じゃぁ、神姫の『心』は『人が全て作っている』のかな?」
マコト「フェスタはどう思う?」
フェスタ「ええっと、私は・・・」
フェスタ、口を噤む。
マコト「うん。どれが正解だとかじゃない」
フェスタ「でも、お母さんは」
風一つ。
マコト「・・・。公式で記された一行足らずの「神姫の心」というワード。たったそれだけを軸にして『2036の風』はスタートしました」
フェスタ「この拙い作品、筆も遅いと思いますが、どうか宜しくお願い致します」
二人、礼。
更にライト暗く。
マコト「で? 最後に言っておきたい事とかある?」
フェスタ「あ、えーっとね」
フェスタ、腕を組んで悩む。
突如スポットライト。
フェスタ「近々公開! 舞姫型武装をお楽しみにね☆」
マコト「あ、こら! 最後に自分の広告をっ!?」
ライト消灯。第一幕、了。
[[2036の風]]
第一間幕。ライト点灯。
そこは応接間か、一人掛けのソファが置かれており、その前に立つマコト。その頭の上にフェスタ。
学生服姿のマコトの頭の上でクルクルっと回り、仰々しく一礼するフェスタ。
先程とは髪型が違い、そのボディスーツはパールとグラスグリーン。際どいラインでカットされ、頭には銀のカチューシャ。
フェスタ「皆さん、はじめまして。フェスタです。『2036の風』第一幕をお読みくださってありがとうございます」
マコト「こんにちわ。フェスタのオーナーのマコトです」
マコト、一礼してソファに着席。
フェスタ、マコトの肩を経由して膝に移動。
フェスタ「改めまして自己紹介を。私はフェスタ。MMSタイプ『アーンヴァル』です」
マコト「アーンヴァルタイプ、初期ロットだったよね」
フェスタ「うん。武装神姫シリーズの発売日にマコトのママさんが買ってくれたんだよね」
ふと、フェスタが首を傾げる。
フェスタ「・・・そういえば、どうしてマコトがマスターになったの?」
マコト「まぁ、色々あったんだよ」
マコト、苦笑。
ふーん、と納得したような顔をしてフェスタ気にしない事にしたようだ。
フェスタ「今回のお話は、まだ姉さんや妹達とも会ってない頃の私。今の脚をお母さんから貰った時」
マコト「二月だったかな・・・荒んでたよね、フェスタ」
フェスタ「うん、ごめんごめん。・・・けど、嬉しかったな」
マコト「そうだね」
スポットライト消灯。ワイドライトがステージ全体を照らす。
マコト「・・・『2036の風』は長編じゃなくて『ショート集』。一幕ごとに主役となる神姫が変わるタイプ」
フェスタ「次の幕は誰のお話になるのかな・・・? 私の出番はどうなるのかなぁ? もう無いとかはヤだな」
マコト「大丈夫だと思うよ。ほら、フェスタ達は・・・」
フェスタ「・・・! うん!」
マコトの言葉に嬉しそうに頷くフェスタ。
ライト、少し暗く。
フェスタ、肩に移動。
フェスタ「・・・『意志』。はっきりとした心。譲りたくない思い」
マコト「それを示す為に・・・フェスタは、お母さんから脚を貰ったんだよね」
フェスタ「うん・・・歩き続けたい。踊り続けたい。この脚で・・・大切な心と一緒に」
フェスタ、愛しげに自分の腿に手をやる。
マコト、優しくそれを見つめていたが、やがて。こちらに目を向けた。
マコト「『2036の風』は神姫の『心』をメインワードとした、ショート集です」
フェスタ「CSCはプログラムを打ち込んだデータボックスなだけ・・・なのかな?」
マコト「・・・CSCは人工の産物。結局は人が作り出したデータを膨大に投入した・・・人が作り出したパーツ。人が作り出した身体。人が作り出したヘッドコア」
フェスタ「じゃぁ、神姫の『心』は『人が全て作っている』の?」
マコト「フェスタは、どう思う・・・?」
フェスタ「・・・」
風一つ。
マコト「・・・。公式で記された一行足らずの「神姫の心」というワード。たったそれだけを軸にしたストーリー『2036の風』」
フェスタ「この拙い作品、最後までお付き合い下されば幸いです」
二人、礼。
更にライト暗く。
フェスタ「次幕は姉さんが登場するね」
マコト「うん。オレ達がまだ知らない時の、ね」
フェスタ「んー・・・やっぱり・・・なのかなぁ?」
マコト「・・・(汗)」
ライト消灯。第一幕、了。
[[2036の風]]
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