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**戦うことを忘れた武装神姫 その9
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・・・[[その8 >戦うことを忘れた武装神姫-8]]の続き・・・
「ずいぶんと集まってるなぁ。」
CTaとの会合から数日後。久遠は、M町のセンターに居た。
「ネット上でもずいぶんと話題になっていましたし・・・」
久遠のバッグから顔を出したリゼが言うと、同じく顔を出していたシンメイが、
「さっきその辺で、ここ始まって以来の人の入りだ、とかいってましたね。」
と付け加えた。
「・・・。でもまぁ、いい舞台が出来ていると思えばいいんじゃないかな?」
ちょっぴり緊張した面持ちながらも、いつもの口調で受付へと進む久遠・・・。
あの翌日、仕事から帰った久遠はCTaのアドバイス -といっても酔っぱらいの
つぶやきレベルだが- を伝えた。
すでに対戦をすることについては皆了承していたものの、久遠同様どうすれば
よいか、悩んでいた。 だが。 CTaの言葉の意味は、どうやら神姫達の方が
先に理解できたらしい。まだ悩む久遠を差し置いて、神姫達は各々準備に取り
掛かったのであった。 そして・・・。
「待ってたっすよ、久遠さん。」
そこには、先に受付を済ませたトップランカー「サイトウ」が座っていた。
「どうもどうも、・・・サイトウさんでしたっけ。今日はよろしくお願いいた
します。 ・・・おや?」
久遠がフィールドに目を移すと、モノブロックフィールドの中に、サイトウの
神姫が4体、装備をした状態で待機していた。
「これからウォームアップも兼ねてのデモをするんすよ。 へへ・・・お客も
揃ったみたいだからな・・・アスタ、ベルタ、コリン、ディサ! ファイア!」
4体の神姫-白子、黒子、兎子、騎士子-は、それぞれが手にした得物で、的が
描かれたキューブを次から次へと撃破、数分であっというまに破壊し尽くした。
どよめきと、拍手がわき上がる。 横目で見ながら受付の書類記入をしている
久遠の横では、彼の神姫がその様子を、バッグに開けられた小窓から見ていた。
「・・・。」
その猛烈な状況に、言葉が出ない。
「はいはい、おわったよー。」
手続きを終え、久遠が4人を出そうとバッグを開けると、中では隅に固まった
4人が。泣き顔になっているシンメイは、白いハンカチを用意し、棒っきれに
結びつけようとしている有様。
「ま、ますた〜・・・。」
「だー! 今更何やってるの!」
作りかけた白旗を取り上げる久遠。
「だって、あんなの反則だよぉ・・・」
と、リゼが言いかけたとき。
「久遠さん、本当にやるんですか?」
と、聞き覚えのある声。 かえでだ。
「お、かえでちゃんか。」
「あんな攻撃のできる相手ですよ、本当に、本当に大丈夫なんですか?」
心配そうなかえでのその声に・・・
「まーっかせなさーい!!」
突如、カバンの中からリゼが飛び出した。どこで仕入れたのか、或いは作った
のか、妙にカッコイイサングラスを着け、いつのまにかこさえた「にくきゅう」
隊のジャケットをまとった、いかにもな姿で-。
かえでの声に、久遠の言いつけ、「ヒーローであり続けること」を守ること、
何故この場に来ているか・・・を思い出したリゼ。久遠を見つめる目に、もう
迷いはなかった。 それを見た久遠は、ひょいと持ち上げて自らの肩の上に。
「絶対に負けないよ。 あたしたちは最強の神姫戦隊、にくきゅう隊だ!」
その様子に、エルガが先ず反応した。
「にゃーん! キッチンの山猫、エルガなのー!」
リゼと同じ服装ではあるが、きっちり自前のヤンチャオを装備し、手には包丁
(模造)という、誠に不思議なスタイルで飛び出してきた。
「料理は愛情、心を込めて! にゃっはー!!」
さっと飛び上がると、久遠の肩の上に乗った。 ざわめくギャラリー。
「よいしょっと・・・ ふぅ、そろそろ私の順番ですか? え・・・あらまぁ、
こんなにも大勢の皆様に見に来て頂くなんて・・・は、はわわわっ!」
のっそり顔を出したイオは、久遠の肩に乗ろうと飛び上がったのだが、お約束
どおり、バッグの足を引っかけてあらぬ方向へ・・・ だが、かえでがナイス
キャッチ。 久遠の方に無事乗せられた。と、ぱっとバッグから光とスモーク。
「傷つき倒れ、悲しむ神姫の呼ぶ声が・・・ならば私が行きましょう、たとえ
そこが地獄でも!! はぁっ!!」
かけ声ひとつ、一気に飛び出し久遠に飛び乗ったドクタースタイルのシンメイ。
「ささ、総司令。 お願いしますよ。」
急にノリが良くなっているシンメイ。やはり、こういう場面で姉御肌のリゼが
引っ張る力というのは大きいんだなぁ・・・と、しみじみ感じつつ久遠はリゼ
と打ち合わせ通りに続けた。
「つーことで、にくきゅう隊、ただいま参上ですー。 い、いでででっ!!」
「ヌ・シ・さ〜ん〜!! あたしたちがここまで決めたのに、何だそのやる気
のない締めはぁ〜〜!!!」
久遠の言い回しに納得行かなかったのか、リゼは思いっきり耳を引っ張る。
「わ、わかった、わかったから引っ張るんじゃない!!!」
「わかればよろしい。」
その様子に、かえでを含め、見ていたギャラリーが一斉に和む。 久遠たちは、
取材に来ていた雑誌社やミニコミ誌、果てはケーブルテレビの取材まで受ける
はめに。 彼らが想像していた以上に、ウケが良かったらしい。
昔はこうしたイロモノは多かったのに・・・と思いつつも、にこやかに取材に
応じる久遠、ギャラリーに囲まれちょっとした撮影会になる4体の神姫。
フィールドの脇では、完全に蚊帳の外となったトップランカー・サイトウが、
彼らを嫉妬の目つきで眺めていた。。。
やがて、試合開始の時間がやってきた。 アナウンスが入る。
-「久遠 VS サイトウ、まもなく開始します」-
・・・>[[その10>戦うことを忘れた武装神姫-10]]へ続くっ!!>・・・
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[[<その8 へ戻る<>戦うことを忘れた武装神姫-8]]
[[>その10 へ進む>>戦うことを忘れた武装神姫-10]]
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**戦うことを忘れた武装神姫 その9
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・・・[[その8 >戦うことを忘れた武装神姫-8]]の続き・・・
「ずいぶんと集まってるなぁ。」
CTaとの会合から数日後。久遠は、M町のセンターに居た。
「ネット上でもずいぶんと話題になっていましたし・・・」
久遠のバッグから顔を出したリゼが言うと、同じく顔を出していたシンメイが、
「さっきその辺で、ここ始まって以来の人の入りだ、とかいってましたね。」
と付け加えた。
「・・・。でもまぁ、いい舞台が出来ていると思えばいいんじゃないかな?」
ちょっぴり緊張した面持ちながらも、いつもの口調で受付へと進む久遠・・・。
あの翌日、仕事から帰った久遠はCTaのアドバイス -といっても酔っぱらいのつぶやきレベルだが- を伝えた。
すでに対戦をすることについては皆了承していたものの、久遠同様どうすればよいか、悩んでいた。 だが。 CTaの言葉の意味は、どうやら神姫達の方が先に理解できたらしい。まだ悩む久遠を差し置いて、神姫達は各々準備に取り
掛かったのであった。 そして・・・。
「待ってたっすよ、久遠さん。」
そこには、先に受付を済ませたトップランカー「サイトウ」が座っていた。
「どうもどうも、・・・サイトウさんでしたっけ。今日はよろしくお願いいたします。 ・・・おや?」
久遠がフィールドに目を移すと、モノブロックフィールドの中に、サイトウの神姫が4体、装備をした状態で待機していた。
「これからウォームアップも兼ねてのデモをするんすよ。 へへ・・・お客も揃ったみたいだからな・・・アスタ、ベルタ、コリン、ディサ! ファイア!」
4体の神姫-白子、黒子、兎子、騎士子-は、それぞれが手にした得物で、的が描かれたキューブを次から次へと撃破、数分であっというまに破壊し尽くした。どよめきと、拍手がわき上がる。 横目で見ながら受付の書類記入をしている久遠の横では、彼の神姫がその様子を、バッグに開けられた小窓から見ていた。
「・・・。」
その猛烈な状況に、言葉が出ない。
「はいはい、おわったよー。」
手続きを終え、久遠が4人を出そうとバッグを開けると、中では隅に固まった4人が。泣き顔になっているシンメイは、白いハンカチを用意し、棒っきれに結びつけようとしている有様。
「ま、ますた〜・・・。」
「だー! 今更何やってるの!」
作りかけた白旗を取り上げる久遠。
「だって、あんなの反則だよぉ・・・」
と、リゼが言いかけたとき。
「久遠さん、本当にやるんですか?」
と、聞き覚えのある声。 かえでだ。
「お、かえでちゃんか。」
「あんな攻撃のできる相手ですよ、本当に、本当に大丈夫なんですか?」
心配そうなかえでのその声に・・・
「まーっかせなさーい!!」
突如、カバンの中からリゼが飛び出した。どこで仕入れたのか、或いは作ったのか、妙にカッコイイサングラスを着け、いつのまにかこさえた「にくきゅう」隊のジャケットをまとった、いかにもな姿で-。
かえでの声に、久遠の言いつけ、「ヒーローであり続けること」を守ること、何故この場に来ているか・・・を思い出したリゼ。久遠を見つめる目に、もう迷いはなかった。 それを見た久遠は、ひょいと持ち上げて自らの肩の上に。
「絶対に負けないよ。 あたしたちは最強の神姫戦隊、にくきゅう隊だ!」
その様子に、エルガが先ず反応した。
「にゃーん! キッチンの山猫、エルガなのー!」
リゼと同じ服装ではあるが、きっちり自前のヤンチャオを装備し、手には包丁(模造)という、誠に不思議なスタイルで飛び出してきた。
「料理は愛情、心を込めて! にゃっはー!!」
さっと飛び上がると、久遠の肩の上に乗った。 ざわめくギャラリー。
「よいしょっと・・・ ふぅ、そろそろ私の順番ですか? え・・・あらまぁ、こんなにも大勢の皆様に見に来て頂くなんて・・・は、はわわわっ!」
のっそり顔を出したイオは、久遠の肩に乗ろうと飛び上がったのだが、お約束どおり、バッグの足を引っかけてあらぬ方向へ・・・ だが、かえでがナイスキャッチ。 久遠の方に無事乗せられた。と、ぱっとバッグから光とスモーク。
「傷つき倒れ、悲しむ神姫の呼ぶ声が・・・ならば私が行きましょう、たとえそこが地獄でも!! はぁっ!!」
かけ声ひとつ、一気に飛び出し久遠に飛び乗ったドクタースタイルのシンメイ。
「ささ、総司令。 お願いしますよ。」
急にノリが良くなっているシンメイ。やはり、こういう場面で姉御肌のリゼが引っ張る力というのは大きいんだなぁ・・・と、しみじみ感じつつ久遠はリゼと打ち合わせ通りに続けた。
「つーことで、にくきゅう隊、ただいま参上ですー。 い、いでででっ!!」
「ヌ・シ・さ〜ん〜!! あたしたちがここまで決めたのに、何だそのやる気のない締めはぁ〜〜!!!」
久遠の言い回しに納得行かなかったのか、リゼは思いっきり耳を引っ張る。
「わ、わかった、わかったから引っ張るんじゃない!!!」
「わかればよろしい。」
その様子に、かえでを含め、見ていたギャラリーが一斉に和む。 久遠たちは取材に来ていた雑誌社やミニコミ誌、果てはケーブルテレビの取材まで受けるはめに。 彼らが想像していた以上に、ウケが良かったらしい。
昔はこうしたイロモノは多かったのに・・・と思いつつも、にこやかに取材に応じる久遠、ギャラリーに囲まれちょっとした撮影会になる4体の神姫。
フィールドの脇では、完全に蚊帳の外となったトップランカー・サイトウが、彼らを嫉妬の目つきで眺めていた。。。
やがて、試合開始の時間がやってきた。 アナウンスが入る。
-「久遠 VS サイトウ、まもなく開始します」-
・・・>[[その10>戦うことを忘れた武装神姫-10]]へ続くっ!!>・・・
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