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ぶそしき! これから!? 第3話 『キエン』
3-2
「それじゃあ、これからどうしよう? アーマーの材料を買いに行く?」
「うん。買いに行こ」
葉々辺たちを見送ると、友大は成行に向かってこれからの予定を話し合う。
「あ、でも僕は3日前に引っ越して来たばかりで、この辺りのことあまり知らないんだ。いいお店知ってる?」
友大はこの辺りの地理について思い浮かべる。
ご飯の材料を買いに行くデパートや、この間調べた神姫関係のショップ、学校への通学路の他は散歩で少し知っている程度だ。
「そうなんだ。あ、じゃあ、買い物ついでに案内してあげるよ」
「え、いいの? 助かるよ、ありがとう」
成行の申し出に感謝する。
「ヒイロ。こ――」
「――あっ! あのときのおねーちゃんなのだ!!」
友大が武装の材料をそろえるべく出かけようとし、ヒイロを呼ぼうとする。
その声を遮るかのように大きくて元気な声があがる。
チャオが大きく腕をふり、跳びはねながら誰かを呼んでいる。
「――っえ?」
バッグを肩にかけ、軽快なフットワークで小走りに友大達の側を通り過ぎようとした少女が立ち止まる。
髪をまとめたポニーテルに、動きやすそうなスキニーパンツに白と黒のカットソーの上着を着た、活発ではつらつとした印象の少女だ。
容姿も整っており、笑えば大層魅力的であろうことが想像できる。
「チャオなのだ。その節はお世話になったのだー」
「――っ」
周りを見渡した少女が成行の顔を見て、そしてチャオの姿を確認して驚きで目を丸くさせる。
「あのときの、子!?」
「あの……知り合い?」
「うん。前に助けてもらったことがあって」
自分たちよりも年上の少女を見て、話の流れ的に成行達の知り合いと予想する。
尋ねてみれば、成行の知り合いで間違いはないらしい。
「――そう、良かった。治ったのね」
元気そうなチャオの姿を見やり、どこか安堵したかのように少女が呟く。
「なー。あんたチャオの知り合いなのか?」
話のやり取りを見ていたヒイロが少女に向かって疑問をぶつける。
「あら、新顔さんかしら? そうよー。性質の悪いやつに絡まれていたから、ぶっ飛ばして助けたの!」
えっへんと少女が腕を組んでのたまう。
その仕草と態度は、なまいきそうなガキ大将を思わせる。
しかし、組んだ両腕に上にのるかのような盛り上がった胸のふくらみが、まぎれもなく彼女が年頃の少女であることを証明している。
「その子、ずいぶん手ひどくやられていたから気になってたんだけど……その様子だと安心ね!」
「へ~、そっか……」
ヒイロがチャオを見やる。
そして合点がいったと言うように手を叩く。
「隊長殿」
少女を呼ぶ声がする。
声の出所は少女の持つバッグからだ。
ファスナーが少し開いており、そこからネコ耳のように見える黒い帽子に、右目に眼帯を付けた桃色の髪の神姫の顔がとび出ている。
「もうそろそろ約束の時間だ。部長であるあなたが遅刻するのは、後輩たちに示しがつかないのではないか?」
「へっ!? あ、そうだったーっ!」
左腕の時計を確認して少女が叫ぶ。
「じゃ、じゃあね! もう野良バトルなんてしちゃだめよ! ルールは守って、神姫と楽しくね!」
少女は成行たちに向かって言い放つと、慌ただしく走り去っていく。
「……」
台風が過ぎ去った後のような、静かな空気が取り残された佐伯達を包む。
「……」
実際には大画面のディスプレイに映し出されるCMやバトル、周りの喧騒があるのだが、先ほどと比べれば静かに感じる。
「……行こっか」
「は、はい」
なにか、呆けたような表情の成行に呼びかける。
呼びかけられた成行は正気に戻ったかのように気づき、チャオを肩に乗せる。
(ここにいると、もっと知り合いに会いそうな気がする……)
なぜか妙にそんな気がしてしまう。
■ ■ ■
「えと、ここがね――」
「うん」
友大は成行に案内してもらいながら町の様々な所を回っていく。
「ここに駅があるんだけど……」
「多くて1時間に2、3本……」
「ここのお店、安くておいしいんだって」
「そうなんだ。父さんに話して行ってみようかな?」
「この本屋、大きくて品揃えが良いんだよ」
「マンガ……いや、今月は我慢」
「ここのお店は夕方になると安くなるから、知っておくと便利だよ」
「本当? 助かるなぁ」
駅にバス停に、飲食店や本屋、デパート、床屋、クリーニング店に銀行などといった色々な買い物のお店や施設を巡って行く。
■ ■ ■
「……あっ、もう日がこんなに」
気づけば、日がだいぶ傾いてきている。
車の交通量も、心なしか増えてきている。
「マスター。もうそろそろ日が暮れてしまうのだ。暗くなったら、おじーちゃん、おばーちゃんが心配するのだ」
「ご、ごめん。より道しすぎちゃった」
自身の神姫に指摘されて、成行は思わず町の案内に夢中になっていたことに気づく。
「い、いいよ。色々教えてもらって助かったし」
申し訳なさそうにする成行を見ていると、自身もなんだか申し訳ない気分になる。
手をふりながら、気にしないでとなだめる。
「ここなら均一が近いし。暗くなる前に帰れる、と思う」
「うん。行こう」
■ ■ ■
「おー。色々あるなぁ」
ヒイロが自身のマスターの頭の上にのり、珍しげに辺りを見回す。
均一の店内の中には様々な生活用品、飲み物食べ物がある。
見渡せば、お客の姿もそこそこ見られる。
「手芸コーナーはあそこだから、スパンコールもあそこにあるよ」
「GOなのだ!」
「うん」
成行と一緒に行き、目的のものを見つける。
(色々な色があるなぁ。あ、これにしよう)
迷いなく赤色のスパンコールを手に取る。
「これだけあったら足りるかな? あ、佐伯君。ついでに何か買っていくものある?」
「何か買うもの……」
辺りを見回す。物品の整理や調理、掃除、様々なコーナーが目に映る。
(っ!)
なにか友大の頭に閃くものがある。
「うん。ちょっと買いたいものがあるから、少し行ってくる」
一時的に成行達と別れ、目的のものを取りに行く。
■ ■ ■
「暗くなる前に帰れそうだね」
「そうだね」
均一での会計を済ませ、2人と2姫は帰途につく。
行くときに比べて荷物は増えたが、その足取りは軽い。
「チャオのマスターの家はこっちの方なのだ」
「そうなのか? オレのマスターの家も、こっちの方だ」
住宅街に入ったところで、マスター達の頭の上にのっていた神姫達が同時にそんなことを言う。
「「?」」
思わず2人は顔を見合わせる。
さらに同じ方向に進んでいく。
「「あの、ここが」」
同じタイミングで2人は止まる。
「僕の家」「わたしの家」
それぞれの家を指し示す。
「「え?」」
2姫が顔を見合わせる。
「「ええ?」」
2人も顔を見合わせる。
「え? マジぃ!?」
「ま、まさか、なのだ!?」
「「向かい同士!?」」
2人と2姫が驚愕する。
しばらく呆けたように互いの顔を見合ってしまう。
「え、でも。朝学校行くとき……。それに学校でも……」
学校に行く間、そして学校の中でも、成行の姿を見たことがない。
そんな疑問が思い浮かぶ。
「風をこじらせちゃって、しばらく休んでいたから……」
「そ、そうなんだ」
疑問氷解。
「「……」」
なんともいえない空気が漂う。
しばらく、見つめ合うかのように互いを見合ってしまう。
「……あ! あの、その。も、もう暗くなるから」
成行の方が先に復帰する。
気恥ずかしさからか、少し顔が赤い。
「佐伯君のお父さんお母さん心配するから、一緒に作るのまた今度。また明日ね!」
「また明日、なのだ!」
オイルの切れ始めた機械のような、少々ぎこちない動きで成行が自分の家に向かう。
なぜか、同じ側の手と足を出して行ってる。
自身のマスターとは対照的に、その神姫はいつものようにのん気だ。
「……あ、また明日」
気づいたかのように友大があいさつを返す。
衝撃の展開に頭が麻痺してしまっていた。
「なぁ、マスター。オレたちも家に入ろうぜ」
「……そうだね」
自身の神姫に促されるように、友大は自分の家に足を向ける。
「マスター」
「なに?」
玄関の戸を開ける直前、ヒイロが呼びかける。
「楽しくなりそうだよな?」
「あ、あははは……」
曖昧な笑いを返す。
衝撃が尾を引いていて、友大はまだ頭がしびれているような錯覚を覚える。
■ ■ ■
次の日。
「行ってきます」
いつもの習慣で、父親が出勤してすでに誰もいない家に「行ってきます」のあいさつをする。
「今日も良い日だぜ」
「そうだね」
自身の神姫に相槌を打つ。
ヒイロの言うとおり、空気は澄み切って青空が広がっている。
いつものように玄関の鍵を閉めて、学校に向かおうと道に出る。
「「あ」」
ちょうど同じタイミングで家を出た成行と、バッタリと顔を合わせてしまう。
「あ。おはよーなのだ!」
元気の良いチャオのあいさつが響きわたる。
「おう! おはよう!」
次いでヒイロのあいさつが響きわたる。
「「お、おはよう」」
最後に友大と成行のあいさつが、自分達の神姫よりは控えめに響きわたる。
「「……」」
昨日と同じように互いに見合いそうになる。
しかし、今日は意を決して短い時間で行動に移す。
「あ、あの、一緒に学校に――」
「――う、うん。一緒に行こう」
少したどたどしく、照れながらだが昨日と同じように一緒に歩く。
――――To Be Continued☆
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ぶそしき! これから!? 第3話 『キエン』
3-2
「それじゃあ、これからどうしよう? アーマーの材料を買いに行く?」
「うん。買いに行こ」
葉々辺たちを見送ると、友大は成行に向かってこれからの予定を話し合う。
「あ、でも僕は3日前に引っ越して来たばかりで、この辺りのことあまり知らないんだ。いいお店知ってる?」
友大はこの辺りの地理について思い浮かべる。
ご飯の材料を買いに行くデパートや、この間調べた神姫関係のショップ、学校への通学路の他は散歩で少し知っている程度だ。
「そうなんだ。あ、じゃあ、買い物ついでに案内してあげるよ」
「え、いいの? 助かるよ、ありがとう」
成行の申し出に感謝する。
「ヒイロ。こ――」
「――あっ! あのときのおねーちゃんなのだ!!」
友大が武装の材料をそろえるべく出かけようとし、ヒイロを呼ぼうとする。
その声を遮るかのように大きくて元気な声があがる。
チャオが大きく腕をふり、跳びはねながら誰かを呼んでいる。
「――っえ?」
バッグを肩にかけ、軽快なフットワークで小走りに友大達の側を通り過ぎようとした少女が立ち止まる。
髪をまとめたポニーテルに、動きやすそうなスキニーパンツに白と黒のカットソーの上着を着た、活発ではつらつとした印象の少女だ。
容姿も整っており、笑えば大層魅力的であろうことが想像できる。
「チャオなのだ。その節はお世話になったのだー」
「――っ」
周りを見渡した少女が成行の顔を見て、そしてチャオの姿を確認して驚きで目を丸くさせる。
「あのときの、子!?」
「あの……知り合い?」
「うん。前に助けてもらったことがあって」
自分たちよりも年上の少女を見て、話の流れ的に成行達の知り合いと予想する。
尋ねてみれば、成行の知り合いで間違いはないらしい。
「――そう、良かった。治ったのね」
元気そうなチャオの姿を見やり、どこか安堵したかのように少女が呟く。
「なー。あんたチャオの知り合いなのか?」
話のやり取りを見ていたヒイロが少女に向かって疑問をぶつける。
「あら、新顔さんかしら? そうよー。性質の悪いやつに絡まれていたから、ぶっ飛ばして助けたの!」
えっへんと少女が腕を組んでのたまう。
その仕草と態度は、なまいきそうなガキ大将を思わせる。
しかし、組んだ両腕に上にのるかのような盛り上がった胸のふくらみが、まぎれもなく彼女が年頃の少女であることを証明している。
「その子、ずいぶん手ひどくやられていたから気になってたんだけど……その様子だと安心ね!」
「へ~、そっか……」
ヒイロがチャオを見やる。
そして合点がいったと言うように手を叩く。
「隊長殿」
少女を呼ぶ声がする。
声の出所は少女の持つバッグからだ。
ファスナーが少し開いており、そこからネコ耳のように見える黒い帽子に、右目に眼帯を付けた桃色の髪の神姫の顔がとび出ている。
「もうそろそろ約束の時間だ。部長であるあなたが遅刻するのは、後輩たちに示しがつかないのではないか?」
「へっ!? あ、そうだったーっ!」
左腕の時計を確認して少女が叫ぶ。
「じゃ、じゃあね! もう野良バトルなんてしちゃだめよ! ルールは守って、神姫と楽しくね!」
少女は成行たちに向かって言い放つと、慌ただしく走り去っていく。
「……」
台風が過ぎ去った後のような、静かな空気が取り残された佐伯達を包む。
「……」
実際には大画面のディスプレイに映し出されるCMやバトル、周りの喧騒があるのだが、先ほどと比べれば静かに感じる。
「……行こっか」
「は、はい」
なにか、呆けたような表情の成行に呼びかける。
呼びかけられた成行は正気に戻ったかのように気づき、チャオを肩に乗せる。
(ここにいると、もっと知り合いに会いそうな気がする……)
なぜか妙にそんな気がしてしまう。
■ ■ ■
「えと、ここがね――」
「うん」
友大は成行に案内してもらいながら町の様々な所を回っていく。
「ここに駅があるんだけど……」
「多くて1時間に2、3本……」
「ここのお店、安くておいしいんだって」
「そうなんだ。父さんに話して行ってみようかな?」
「この本屋、大きくて品揃えが良いんだよ」
「マンガ……いや、今月は我慢」
「ここのお店は夕方になると安くなるから、知っておくと便利だよ」
「本当? 助かるなぁ」
駅にバス停に、飲食店や本屋、デパート、床屋、クリーニング店に銀行などといった色々な買い物のお店や施設を巡って行く。
■ ■ ■
「……あっ、もう日がこんなに」
気づけば、日がだいぶ傾いてきている。
車の交通量も、心なしか増えてきている。
「マスター。もうそろそろ日が暮れてしまうのだ。暗くなったら、おじーちゃん、おばーちゃんが心配するのだ」
「ご、ごめん。より道しすぎちゃった」
自身の神姫に指摘されて、成行は思わず町の案内に夢中になっていたことに気づく。
「い、いいよ。色々教えてもらって助かったし」
申し訳なさそうにする成行を見ていると、自身もなんだか申し訳ない気分になる。
手をふりながら、気にしないでとなだめる。
「ここなら均一が近いし。暗くなる前に帰れる、と思う」
「うん。行こう」
■ ■ ■
「おー。色々あるなぁ」
ヒイロが自身のマスターの頭の上にのり、珍しげに辺りを見回す。
均一の店内の中には様々な生活用品、飲み物食べ物がある。
見渡せば、お客の姿もそこそこ見られる。
「手芸コーナーはあそこだから、スパンコールもあそこにあるよ」
「GOなのだ!」
「うん」
成行と一緒に行き、目的のものを見つける。
(色々な色があるなぁ。あ、これにしよう)
迷いなく赤色のスパンコールを手に取る。
「これだけあったら足りるかな? あ、佐伯君。ついでに何か買っていくものある?」
「何か買うもの……」
辺りを見回す。物品の整理や調理、掃除、様々なコーナーが目に映る。
(っ!)
なにか友大の頭に閃くものがある。
「うん。ちょっと買いたいものがあるから、少し行ってくる」
一時的に成行達と別れ、目的のものを取りに行く。
■ ■ ■
「暗くなる前に帰れそうだね」
「そうだね」
均一での会計を済ませ、2人と2姫は帰途につく。
行くときに比べて荷物は増えたが、その足取りは軽い。
「チャオのマスターの家はこっちの方なのだ」
「そうなのか? オレのマスターの家も、こっちの方だ」
住宅街に入ったところで、マスター達の頭の上にのっていた神姫達が同時にそんなことを言う。
「「?」」
思わず2人は顔を見合わせる。
さらに同じ方向に進んでいく。
「「あの、ここが」」
同じタイミングで2人は止まる。
「僕の家」「わたしの家」
それぞれの家を指し示す。
「「え?」」
2姫が顔を見合わせる。
「「ええ?」」
2人も顔を見合わせる。
「え? マジぃ!?」
「ま、まさか、なのだ!?」
「「向かい同士!?」」
2人と2姫が驚愕する。
しばらく呆けたように互いの顔を見合ってしまう。
「え、でも。朝学校行くとき……。それに学校でも……」
学校に行く間、そして学校の中でも、成行の姿を見たことがない。
そんな疑問が思い浮かぶ。
「風をこじらせちゃって、しばらく休んでいたから……」
「そ、そうなんだ」
疑問氷解。
「「……」」
なんともいえない空気が漂う。
しばらく、見つめ合うかのように互いを見合ってしまう。
「……あ! あの、その。も、もう暗くなるから」
成行の方が先に復帰する。
気恥ずかしさからか、少し顔が赤い。
「佐伯君のお父さんお母さん心配するから、一緒に作るのまた今度。また明日ね!」
「また明日、なのだ!」
オイルの切れ始めた機械のような、少々ぎこちない動きで成行が自分の家に向かう。
なぜか、同じ側の手と足を出して行ってる。
自身のマスターとは対照的に、その神姫はいつものようにのん気だ。
「……あ、また明日」
気づいたかのように友大があいさつを返す。
衝撃の展開に頭が麻痺してしまっていた。
「なぁ、マスター。オレたちも家に入ろうぜ」
「……そうだね」
自身の神姫に促されるように、友大は自分の家に足を向ける。
「マスター」
「なに?」
玄関の戸を開ける直前、ヒイロが呼びかける。
「楽しくなりそうだよな?」
「あ、あははは……」
曖昧な笑いを返す。
衝撃が尾を引いていて、友大はまだ頭がしびれているような錯覚を覚える。
■ ■ ■
次の日。
「行ってきます」
いつもの習慣で、父親が出勤してすでに誰もいない家に「行ってきます」のあいさつをする。
「今日も良い日だぜ」
「そうだね」
自身の神姫に相槌を打つ。
ヒイロの言うとおり、空気は澄み切って青空が広がっている。
いつものように玄関の鍵を閉めて、学校に向かおうと道に出る。
「「あ」」
ちょうど同じタイミングで家を出た成行と、バッタリと顔を合わせてしまう。
「あ。おはよーなのだ!」
元気の良いチャオのあいさつが響きわたる。
「おう! おはよう!」
次いでヒイロのあいさつが響きわたる。
「「お、おはよう」」
最後に友大と成行のあいさつが、自分達の神姫よりは控えめに響きわたる。
「「……」」
昨日と同じように互いに見合いそうになる。
しかし、今日は意を決して短い時間で行動に移す。
「あ、あの、一緒に学校に――」
「――う、うん。一緒に行こう」
少したどたどしく、照れながらだが昨日と同じように一緒に歩く。
――――To Be Continued☆
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