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ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』
0-2
「着いたー」
自転車で行くこと15分ほど、今回の目的地の神姫センターに到着する。
入るとまず目につくのは大型のモニターだ。
新しいゲームのCMや、バトルで神姫が戦っている様子が映し出される。
改めて周りを見渡すと、大勢の人に各種のゲームに幾つもの神姫のバトル用の大型筐体、そして武装神姫の素体やパーツなども売られている広い販売コーナーが目に入る。
「おー……」
ふと筐体の映像に目を見やると、闘技場らしき場所で凶悪な手脚そして重装甲の青髪の神姫と鎧を身にまとい大剣を持った神姫が切り結び、激突する様が見られる。
別の筐体では、荒野の空に舞う神姫の姿が見える。
大きなウイングユニットを背負い、手に持った長大なレーザーライフルで他の神姫達を撃ち落としていく白い神姫の姿が映る。
どことなく似たような雰囲気の装備を身に纏い、緑の剣と赤の剣で切り結ぶ白と黒の神姫の姿も見える。
そんな幾つものバトルの様子が少年の目に映る。
「――あ、いけない」
思わずバトルに目を奪われるが、本来の目的を思い出して販売コーナーに向かう。
「う~ん……」
少年は棚を見渡しながら移動する。
神姫のパーツが単品で売られているコーナーを抜け、神姫用の服やアクセサリーなどがある場所に出てしまう。
色々と目移りしてしまうが、目的地はパーツの所ではない。
そうしていると、上から声がかけられる。
「お客様、なにかお探しでしょうか?」
「え?」
視線を上に向けると、そこにはフライトユニットを装備して、風に吹かれる風船かなにかのように穏やかに飛んで来る金髪の白い神姫がいた。
少年の近く、目線の位置まで来るとそこで静止し、高度を維持する。
「天使型MMSアーンヴァルのアリシアと言います。この神姫センターの店員神姫の1人です。
お客様、なにかお探し物がありましたら、ご案内させていただきます」
ぺこりと一礼し、にっこりとした営業スマイルで自己紹介と少年に提案する神姫のアリシア。
その提案に思わず頷いてしまう。
「あ、その、武装神姫があるところを探してる……んです」
「分かりました。こちらにどうぞ」
アリシアが場所を案内してくれる。
まずは武装と素体が一緒になったフルセットの棚に向かう。
「……」
アリシアの先導にしたがって行く。
少年はなんとなく気まずさを感じて、話しかけてみる。
「え、え~と、あのさ……」
「はい?」
「武装神姫ってバトルでレーザーや弾を撃ったり、剣で切ったりしているけど、もしかして子どもが買うのは危険だったりする?」
先ほどのバトルを見て、思いついた話題を振る。
そんな話題を振られたアリシアは、ニコニコとした営業スマイルのままだ。
「いえ、そんなことはありませんよ。もしよろしければ、少し長くなりますが説明させていただきましょうか?」
「あ、うん。頼むよ」
アリシアが少年に向き直る。
そして、小さな先生が生徒に授業をするかのように説明を始める。
「武装神姫はロボット技術の結晶とも言える商品です。
心と感情を持ったフィギアロボットであり、人間のパートナーです。ソフト面でもハード面でも安全なように考慮されています。
もちろんマスターとなった方に尽くしますし、倫理プログラムで人間に危害を加えることはありません
武装も銃弾などはあくまでゲーム上のエフェクトですし、剣も切れるのはヴァーチャルバトルの中だけで、実際には切れるような刃は付けられていません。
ここまでよろしいでしょうか?」
「う、うん」
「神姫バトルは、バーチャルとリアルがあります。
リアルも神姫センターなどで行われるものはルールにのっとって行われる健全なゲームであり、言わばマスターと神姫達のスポーツのようなものです。事故がないよう、日々努力と改善が行われた結果、今の神姫バトルがあります」
「うん。武装神姫が危険なものじゃないことは分かったよ」
アリシアの説明を聞いて、少年は武装神姫のことについて少し理解できたように思う。
そんな少年を見て、アリシアはもう少しだけ説明を続ける。
「ありがとうございます、お客様。もう少しだけ続けますね。
神姫のマスターの中には、さらに刺激を求めて通常のルールに縛られないストリートバトルを行う方々がいます。これは勿論危険ですので、もし誘われるようなことがあっても参加しないでくださいね。なにかあったら悲しむのは、マスターやその神姫ですから」
「……」
思わず黙り込んでしまう。
最後の一言に、少年はなんとなくアリシアの真摯な想いのようなものを感じる。
「長々と申し訳ありません。……あ、案内を再開しますね」
「う、うん。ありがとう」
ニコニコとした営業スマイルのアリシアを追う。
「ここです、お客様」
アリシアの案内で目的の場所に着く。
「……う~ん」
棚に置かれた商品に目をやり、その値札を見て少年は思わず腕を組んで唸る――高い。
高いだろうとは思っていたが、想像していたものよりさらに1つ桁が多い。
「お客様、なにかお困りですか?」
「あ、うん……武装神姫って高いんだね……」
声をかけてきたアリシアに思わず、素直に困っていることがこぼれ出ててしまう。
そんな言葉を聞いてアリシアも少し困ったように笑う。
「あ、あはは……、そうですね。
武装神姫はフルプライスですと、良いパソコンと同程度のお値段になります。
お客様位の年齢ですと、ご両親やおじいちゃん、おばあちゃん、年上のお兄さんお姉さんなどに買ってもらうことがほとんどです。中には、お年玉とお小遣いなどを貯めて買うツワモノな方もいますけど」
「そ、そうなんだ……」
アリシアの説明を聞いて、武装神姫を買うのは、やっぱり難しいのかなーと思ってしまう。
「武装抜きの素体だけなら、もう少しお求めやすいお値段になるのですが……」
「う~ん、ちょっと安くなったぐらいじゃ……」
アリシアは少年の様子を一見する。
やはり、手持ちでは購入は難しかろうと見切る。
「失礼ですがお客様の年齢ですと、武装神姫の購入には保護者同伴か、同意書が必要となります。
購入の際にはご家族とのご相談が必要かと思います」
「え、そうなの?」
聞き返すお客様に、アリシアはさらに話を続ける。
「ご家族様に相談する前に、どんな神姫が良いか決めておくとお話しやすいかと思います。
なにかご希望の神姫はございますでしょうか?」
「そうだなぁ……」
営業スマイルを崩さず、悩むお客様をアリシアは見つめる。
「……分かんないなぁ。え~と、アリシア、さん。何かオススメはありますか?」
少し考え、具体的なイメージがわかず、少年はよく知っているだろう相手に尋ねる。
「アリシアでいいですよ、お客様。
でも、そうですね。神姫をおすすめするならば――」
一拍置く。しかし、それは逡巡によるものではなかった。
「――天使型MMSアーンヴァルがいいと思います!」
ドンと擬音がつきそうな位に言い切るアリシアさん。
営業スマイルのままだが、なにか妙な迫力を感じさせる。
「性格は真面目でマスターの言うことをよく聞く、従順で良い子たちです。愛情を注いであげれば素直に応えてくれます。
武装は高機動空戦型で、飛べるのはバトルでも日常生活でも大きなアドバンテージです。日常生活でも使えるフライトユニットはお高いですけど。
武器は近接戦のライトセイバー、近距離のハンドガン、中距離はマシンガン、遠距離は強力なレールガンにレーザーライフルとオールラウンダーでどの距離にでも対応できます。武装神姫の初期に販売されたものですが、アップグレードを繰り返されていますので最新のものに見劣りすることはありません。
初めて神姫を持つ方にとてもオススメです!」
笑顔のまま一気に説明し切るアリシアさん。
その勢いに押される少年。
「……あ、あれ! あの神姫についても教えてよ!」
直感的に話を変えた方が良いと思った少年は、公園で見た神姫と同型と思われるパッケージの説明を求める。
「あ、はい。あれは猫型MMSマオチャオです。
性格は一言で言えばネコです。
自由気ままでハイテンション、一緒にいると騒がしいけど元気になれる。そんな神姫です」
アリシアはまずは性格面での説明を行う。
今度は少年の様子を見ながら説明を行う。
「武装はクローにナックル、そしてドリルの近接戦特化の仕様です。
相手に近づいて殴り倒すという、単純明快なコンセプトがバトル初心者の方にもわかり易いです。
サブウェポンのプチマスィーンズを使ってのトリッキーな戦い方もできますけど」
今度は武装面での説明を行う。
「武装とその性質に癖はありますが、その性格で子どもの遊び相手に人気の神姫です。
中にはペット代わりとして、購入されるお客様もいます」
最後に総評して締めくくる。
今回は相手の反応を見ながらの説明のためか、神姫について初心者の少年でも理解しやすかった。
「へえ、あの時見た神姫ってマオチャオって言うんだ。……確かにテンション高かったなぁ」
少年はふと、見上げて公園で会った神姫のことを思い出す。
今アリシアに説明されたのとイメージが一致する。
「……ん?」
ちょうど上の棚が目に入る。そこにはアーンヴァルのものとは違う、鳥のような翼を持った神姫の姿があった。
「ねえ、アリシア。あの神姫なんて言うの?」
「はい、あれはセイレーン型MMSのエウクランテです。
武装が格好よくて、しかも合体変形機能付きで男の子に人気です。
性格も真面目な良い子ですよ」
少年の興味を持った神姫の簡単な説明をするアリシア。
この後、少年は他の神姫もアリシアに説明してもらい、最後には神姫購入のための保護者同意書の用紙ももらった。
――少年が神姫のマスターになるまであと23時間
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ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』
0-2
「着いたー」
自転車で行くこと15分ほど、今回の目的地の神姫センターに到着する。
入るとまず目につくのは大型のモニターだ。
新しいゲームのCMや、バトルで神姫が戦っている様子が映し出される。
改めて周りを見渡すと、大勢の人に各種のゲームに幾つもの神姫のバトル用の大型筐体、そして武装神姫の素体やパーツなども売られている広い販売コーナーが目に入る。
「おー……」
ふと筐体の映像に目を見やると、闘技場らしき場所で凶悪な手脚そして重装甲の青髪の神姫と鎧を身にまとい大剣を持った神姫が切り結び、激突する様が見られる。
別の筐体では、荒野の空に舞う神姫の姿が見える。
大きなウイングユニットを背負い、手に持った長大なレーザーライフルで他の神姫達を撃ち落としていく白い神姫の姿が映る。
どことなく似たような雰囲気の装備を身に纏い、緑の剣と赤の剣で切り結ぶ白と黒の神姫の姿も見える。
そんな幾つものバトルの様子が少年の目に映る。
「――あ、いけない」
思わずバトルに目を奪われるが、本来の目的を思い出して販売コーナーに向かう。
「う~ん……」
少年は棚を見渡しながら移動する。
神姫のパーツが単品で売られているコーナーを抜け、神姫用の服やアクセサリーなどがある場所に出てしまう。
色々と目移りしてしまうが、目的地はパーツの所ではない。
そうしていると、上から声がかけられる。
「お客様、なにかお探しでしょうか?」
「え?」
視線を上に向けると、そこにはフライトユニットを装備して、風に吹かれる風船かなにかのように穏やかに飛んで来る金髪の白い神姫がいた。
少年の近く、目線の位置まで来るとそこで静止し、高度を維持する。
「天使型MMSアーンヴァルのアリシアと言います。この神姫センターの店員神姫の1人です。
お客様、なにかお探し物がありましたら、ご案内させていただきます」
ぺこりと一礼し、にっこりとした営業スマイルで自己紹介と少年に提案する神姫のアリシア。
その提案に思わず頷いてしまう。
「あ、その、武装神姫があるところを探してる……んです」
「分かりました。こちらにどうぞ」
アリシアが場所を案内してくれる。
まずは武装と素体が一緒になったフルセットの棚に向かう。
「……」
アリシアの先導にしたがって行く。
少年はなんとなく気まずさを感じて、話しかけてみる。
「え、え~と、あのさ……」
「はい?」
「武装神姫ってバトルでレーザーや弾を撃ったり、剣で切ったりしているけど、もしかして子どもが買うのは危険だったりする?」
先ほどのバトルを見て、思いついた話題を振る。
そんな話題を振られたアリシアは、ニコニコとした営業スマイルのままだ。
「いえ、そんなことはありませんよ。もしよろしければ、少し長くなりますが説明させていただきましょうか?」
「あ、うん。頼むよ」
アリシアが少年に向き直る。
そして、小さな先生が生徒に授業をするかのように説明を始める。
「武装神姫はロボット技術の結晶とも言える商品です。
心と感情を持ったフィギアロボットであり、人間のパートナーです。ソフト面でもハード面でも安全なように考慮されています。
もちろんマスターとなった方に尽くしますし、倫理プログラムで人間に危害を加えることはありません
武装も銃弾などはあくまでゲーム上のエフェクトですし、剣も切れるのはヴァーチャルバトルの中だけで、実際には切れるような刃は付けられていません。
ここまでよろしいでしょうか?」
「う、うん」
「神姫バトルは、バーチャルとリアルがあります。
リアルも神姫センターなどで行われるものはルールにのっとって行われる健全なゲームであり、言わばマスターと神姫達のスポーツのようなものです。事故がないよう、日々努力と改善が行われた結果、今の神姫バトルがあります」
「うん。武装神姫が危険なものじゃないことは分かったよ」
アリシアの説明を聞いて、少年は武装神姫のことについて少し理解できたように思う。
そんな少年を見て、アリシアはもう少しだけ説明を続ける。
「ありがとうございます、お客様。もう少しだけ続けますね。
神姫のマスターの中には、さらに刺激を求めて通常のルールに縛られないストリートバトルを行う方々がいます。これは勿論危険ですので、もし誘われるようなことがあっても参加しないでくださいね。なにかあったら悲しむのは、マスターやその神姫ですから」
「……」
思わず黙り込んでしまう。
最後の一言に、少年はなんとなくアリシアの真摯な想いのようなものを感じる。
「長々と申し訳ありません。……あ、案内を再開しますね」
「う、うん。ありがとう」
ニコニコとした営業スマイルのアリシアを追う。
「ここです、お客様」
アリシアの案内で目的の場所に着く。
「……う~ん」
棚に置かれた商品に目をやり、その値札を見て少年は思わず腕を組んで唸る――高い。
高いだろうとは思っていたが、想像していたものよりさらに1つ桁が多い。
「お客様、なにかお困りですか?」
「あ、うん……武装神姫って高いんだね……」
声をかけてきたアリシアに思わず、素直に困っていることがこぼれ出ててしまう。
そんな言葉を聞いてアリシアも少し困ったように笑う。
「あ、あはは……、そうですね。
武装神姫はフルプライスですと、良いパソコンと同程度のお値段になります。
お客様位の年齢ですと、ご両親やおじいちゃん、おばあちゃん、年上のお兄さんお姉さんなどに買ってもらうことがほとんどです。中には、お年玉とお小遣いなどを貯めて買うツワモノな方もいますけど」
「そ、そうなんだ……」
アリシアの説明を聞いて、武装神姫を買うのは、やっぱり難しいのかなーと思ってしまう。
「武装抜きの素体だけなら、もう少しお求めやすいお値段になるのですが……」
「う~ん、ちょっと安くなったぐらいじゃ……」
アリシアは少年の様子を一見する。
やはり、手持ちでは購入は難しかろうと見切る。
「失礼ですがお客様の年齢ですと、武装神姫の購入には保護者同伴か、同意書が必要となります。
購入の際にはご家族とのご相談が必要かと思います」
「え、そうなの?」
聞き返すお客様に、アリシアはさらに話を続ける。
「ご家族様に相談する前に、どんな神姫が良いか決めておくとお話しやすいかと思います。
なにかご希望の神姫はございますでしょうか?」
「そうだなぁ……」
営業スマイルを崩さず、悩むお客様をアリシアは見つめる。
「……分かんないなぁ。え~と、アリシア、さん。何かオススメはありますか?」
少し考え、具体的なイメージがわかず、少年はよく知っているだろう相手に尋ねる。
「アリシアでいいですよ、お客様。
でも、そうですね。神姫をおすすめするならば――」
一拍置く。しかし、それは逡巡によるものではなかった。
「――天使型MMSアーンヴァルがいいと思います!」
ドンと擬音がつきそうな位に言い切るアリシアさん。
営業スマイルのままだが、なにか妙な迫力を感じさせる。
「性格は真面目でマスターの言うことをよく聞く、従順で良い子たちです。愛情を注いであげれば素直に応えてくれます。
武装は高機動空戦型で、飛べるのはバトルでも日常生活でも大きなアドバンテージです。日常生活でも使えるフライトユニットはお高いですけど。
武器は近接戦のライトセイバー、近距離のハンドガン、中距離はマシンガン、遠距離は強力なレールガンにレーザーライフルとオールラウンダーでどの距離にでも対応できます。武装神姫の初期に販売されたものですが、アップグレードを繰り返されていますので最新のものに見劣りすることはありません。
初めて神姫を持つ方にとてもオススメです!」
笑顔のまま一気に説明し切るアリシアさん。
その勢いに押される少年。
「……あ、あれ! あの神姫についても教えてよ!」
直感的に話を変えた方が良いと思った少年は、公園で見た神姫と同型と思われるパッケージの説明を求める。
「あ、はい。あれは猫型MMSマオチャオです。
性格は一言で言えばネコです。
自由気ままでハイテンション、一緒にいると騒がしいけど元気になれる。そんな神姫です」
アリシアはまずは性格面での説明を行う。
今度は少年の様子を見ながら説明を行う。
「武装はクローにナックル、そしてドリルの近接戦特化の仕様です。
相手に近づいて殴り倒すという、単純明快なコンセプトがバトル初心者の方にもわかり易いです。
サブウェポンのプチマスィーンズを使ってのトリッキーな戦い方もできますけど」
今度は武装面での説明を行う。
「武装とその性質に癖はありますが、その性格で子どもの遊び相手に人気の神姫です。
中にはペット代わりとして、購入されるお客様もいます」
最後に総評して締めくくる。
今回は相手の反応を見ながらの説明のためか、神姫について初心者の少年でも理解しやすかった。
「へえ、あの時見た神姫ってマオチャオって言うんだ。……確かにテンション高かったなぁ」
少年はふと、見上げて公園で会った神姫のことを思い出す。
今アリシアに説明されたのとイメージが一致する。
「……ん?」
ちょうど上の棚が目に入る。そこにはアーンヴァルのものとは違う、鳥のような翼を持った神姫の姿があった。
「ねえ、アリシア。あの神姫なんて言うの?」
「はい、あれはセイレーン型MMSのエウクランテです。
武装が格好よくて、しかも合体変形機能付きで男の子に人気です。
性格も真面目な良い子ですよ」
少年の興味を持った神姫の簡単な説明をするアリシア。
この後、少年は他の神姫もアリシアに説明してもらい、最後には神姫購入のための保護者同意書の用紙ももらった。
――少年が神姫のマスターになるまであと23時間
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