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「引きこもりと神姫:5-1」(2012/08/19 (日) 18:31:08) の最新版変更点
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***私にも敵が見える気がしたが別にそんなことはなかったZE☆
「樹羽……」
「何、顔近いよ」
私は絵美ちゃんとのバトルに勝った。
華凛のことだから、てっきり抱きついたりしてくるかと思っていたら、なぜかすごい顔をしてこちらに迫ってきた。
「樹羽、今までまともに神姫バトルやったことないでしょ」
「ううん、ない」
「じゃあ、小さい頃に空手とか」
「幼稚園から小学一年まで合気道をy」
ガッと肩を捕まれる。
「なんであんなに手慣れてるのよ! ていうかレールアクションまで防ぎ切ったわよね!? どういうことなのよ! 訳言えわけぇぇぇぇっ!!」
ガクガクと揺さぶられ、まともに会話どころか呼吸まで危うい。
「華凛さん落ち着いて! 樹羽が死んじゃいますよ! 白眼剥きそうですよ!」
シリアの声が遠くに感じる。もう、だめかもしれない。
「はい、言いたくなる気持ちもわかりますが、まずは落ち着いてください。へたをすると本当に死にますよ?」
柏木さんに諭され、ようやく華凛は放してくれた。ちょっと首が痛い。
「で、説明してもらいましょうか?」
勝ったのに尋問されるってどういうことだろう。
「何に関して?」
「うん、まずはレールアクションをかわしたことについて」
イーアネイラの固有RAと、槍のレールアクションのことについてだろうか?
「……なんとなく」
「はぁっ!?」
「空気、というか気配みたいなもの」
「ありえない……神姫を始めてまだ数日の人がレールアクションをかわす。しかもなんとなくその場の空気で二回も……」
華凛が部屋の隅でぶつぶつと何か言っている。
「華凛?」
「……次の質問」
しばらくして、華凛がようやくこちらにやってくる。
「樹羽、仁さんと何回練習した?」
「数えてない。でも、一日に二桁はやった」
「まぁ、朝から晩まで文字通り神姫漬けでしたからねぇ」
柏木さんもうんうんと頷いている。
確かに、大抵神姫にライドして実践形式の練習で、疲れたら柏木さんに神姫の話を聞いたりしていたから、神姫漬けと言っても過言じゃない。
「だからって、あたし樹羽があそこまでアグレッシブに動けるとは思ってもみなかったわよ……神
姫に触れて少しは私以外の人とのコミュニケーションを学んでもらおうと思ってただけだったのに……何? とんでもない原石掘り出しちゃったのあたし?」
また華凛は隅でぶつぶつ言っている。
まぁ、華凛の目測は決して外れではなく、他人とのコミュニケーションは取れてきたと自負している。ただ、神姫バトルが思っていたより面白かったから、ついついのめり込んでしまっただけだ。
「華凛お姉ちゃん、なんでそんな隅にいるの?」
絵美ちゃんは心配そうに華凛に駆け寄る。
「うん……ちょっと理解しがたい問題があってね。それを理解するために時間がかかるの」
「??」
絵美ちゃんはまだよくわかっていないようだ。
「でも、そこまで神姫漬けだったなら……まぁ、百歩譲って理解できるか……」
華凛がふらふらとこちらに戻ってくる。
「でも、まだバーニアの制御はうまくいかない。落ち着けばなんとかなるけど」
空気が死んだ
「……仁さん、知ってた?」
「……いえ、さすがに知りませんでした」
「……??」
何かまずい事でも言っただろうか? なにやら2人とも部屋の隅に行ってしまった。
「樹羽、悪いけどもう一回言ってみてくれない?」
「だから、バーニアの制御はまだうまくいかないって……」
「すみません、僕は彼女を甘く見すぎていたようです……」
柏木さんがぐったりと椅子にもたれかかっている。
何故?
「バーニアの制御って、いつもアイラがしてくれるやつだよね?」
「……そうね、その通りよ」
アイラまでもが、筺体の上でぐったりしている。
何故?
「シリア、何か変?」
「さぁ……私にもよく分からないけど……」
「マスターが天然なら、神姫が天然ってことね……」
華凛はさっきにも増してぐったりしている。
何故?
「樹羽、バーニアの制御ってどうやってるの?」
「えっと、自分が行きたい方向を決めて、バーっと」
「無意識に緻密な計算ガン無視ってこと? 天然もここまでくると、呆れる通り越して感服するわ……」
「これは、磨けばとんでもない大物になりますよ……」
「??」
樹羽は『荒削りな原石』の称号を得た!
後から聞いた話だが、普通のバーニアの制御とは口で言うほど簡単ではないらしい。
まず噴射角度を決め、そこからバーニアを噴射する時間と強さを計算するんだとか。その計算は、やろうと思ってできないことはないが、近接戦闘中や、咄嗟の回避などの時にはとてもじゃないができない。
そこで、それを神姫にやってもらう訳だ。
神姫の演算システムがあれば、さっき挙げた場合でも対応できる。ただし、マスターとの息があってないと、その後が続かない。
他にも武器の取り出しや、火器管制なども神姫が――リアライド時にはマスターが担当する。
が、私の場合その計算を抜きにしてバーニアを動かしていた。
ライドしている時、神姫の体は人間の脳からでた電気信号を各部位に送って動かすという。人が右手を動かす時に右手に電気信号を送るが、その信号をそっくりそのまま神姫の右手に送るというわけだ。
つまり、私は普通にバーニア制御をしていたが、あれはすごいことだったらしい。レアスキルとかνタイプとか言われた。
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***私にも敵が見える気がしたが別にそんなことはなかったZE☆
「樹羽……」
「何、顔近いよ」
私は絵美ちゃんとのバトルに勝った。
華凛のことだから、てっきり抱きついたりしてくるかと思っていたら、なぜかすごい顔をしてこちらに迫ってきた。
「樹羽、今までまともに神姫バトルやったことないでしょ」
「ううん、ない」
「じゃあ、小さい頃に空手とか」
「幼稚園から小学一年まで合気道をy」
ガッと肩を捕まれる。
「なんであんなに手慣れてるのよ! ていうかレールアクションまで防ぎ切ったわよね!? どういうことなのよ! 訳言えわけぇぇぇぇっ!!」
ガクガクと揺さぶられ、まともに会話どころか呼吸まで危うい。
「華凛さん落ち着いて! 樹羽が死んじゃいますよ! 白眼剥きそうですよ!」
シリアの声が遠くに感じる。もう、だめかもしれない。
「はい、言いたくなる気持ちもわかりますが、まずは落ち着いてください。へたをすると本当に死にますよ?」
柏木さんに諭され、ようやく華凛は放してくれた。ちょっと首が痛い。
「で、説明してもらいましょうか?」
勝ったのに尋問されるってどういうことだろう。
「何に関して?」
「うん、まずはレールアクションをかわしたことについて」
イーアネイラの固有RAと、槍のレールアクションのことについてだろうか?
「……なんとなく」
「はぁっ!?」
「空気、というか気配みたいなもの」
「ありえない……神姫を始めてまだ数日の人がレールアクションをかわす。しかもなんとなくその場の空気で二回も……」
華凛が部屋の隅でぶつぶつと何か言っている。
「華凛?」
「……次の質問」
しばらくして、華凛がようやくこちらにやってくる。
「樹羽、仁さんと何回練習した?」
「数えてない。でも、一日に二桁はやった」
「まぁ、朝から晩まで文字通り神姫漬けでしたからねぇ」
柏木さんもうんうんと頷いている。
確かに、大抵神姫にライドして実践形式の練習で、疲れたら柏木さんに神姫の話を聞いたりしていたから、神姫漬けと言っても過言じゃない。
「だからって、あたし樹羽があそこまでアグレッシブに動けるとは思ってもみなかったわよ……神
姫に触れて少しは私以外の人とのコミュニケーションを学んでもらおうと思ってただけだったのに……何? とんでもない原石掘り出しちゃったのあたし?」
また華凛は隅でぶつぶつ言っている。
まぁ、華凛の目測は決して外れではなく、他人とのコミュニケーションは取れてきたと自負している。ただ、神姫バトルが思っていたより面白かったから、ついついのめり込んでしまっただけだ。
「華凛お姉ちゃん、なんでそんな隅にいるの?」
絵美ちゃんは心配そうに華凛に駆け寄る。
「うん……ちょっと理解しがたい問題があってね。それを理解するために時間がかかるの」
「??」
絵美ちゃんはまだよくわかっていないようだ。
「でも、そこまで神姫漬けだったなら……まぁ、百歩譲って理解できるか……」
華凛がふらふらとこちらに戻ってくる。
「でも、まだバーニアの制御はうまくいかない。落ち着けばなんとかなるけど」
空気が死んだ
「……仁さん、知ってた?」
「……いえ、さすがに知りませんでした」
「……??」
何かまずい事でも言っただろうか? なにやら2人とも部屋の隅に行ってしまった。
「樹羽、悪いけどもう一回言ってみてくれない?」
「だから、バーニアの制御はまだうまくいかないって……」
「すみません、僕は彼女を甘く見すぎていたようです……」
柏木さんがぐったりと椅子にもたれかかっている。
何故?
「バーニアの制御って、いつもアイラがしてくれるやつだよね?」
「……そうね、その通りよ」
アイラまでもが、筺体の上でぐったりしている。
何故?
「シリア、何か変?」
「さぁ……私にもよく分からないけど……」
「マスターが天然なら、神姫が天然ってことね……」
華凛はさっきにも増してぐったりしている。
何故?
「樹羽、バーニアの制御ってどうやってるの?」
「えっと、自分が行きたい方向を決めて、バーっと」
「無意識に緻密な計算ガン無視ってこと? 天然もここまでくると、呆れる通り越して感服するわ……」
「これは、磨けばとんでもない大物になりますよ……」
「??」
樹羽は『荒削りな原石』の称号を得た!
後から聞いた話だが、普通のバーニアの制御とは口で言うほど簡単ではないらしい。
まず噴射角度を決め、そこからバーニアを噴射する時間と強さを計算するんだとか。その計算は、やろうと思ってできないことはないが、近接戦闘中や、咄嗟の回避などの時にはとてもじゃないができない。
そこで、それを神姫にやってもらう訳だ。
神姫の演算システムがあれば、さっき挙げた場合でも対応できる。ただし、マスターとの息があってないと、その後が続かない。
他にも武器の取り出しや、火器管制なども神姫が――リアライド時にはマスターが担当する。
が、私の場合その計算を抜きにしてバーニアを動かしていた。
ライドしている時、神姫の体は人間の脳からでた電気信号を各部位に送って動かすという。人が右手を動かす時に右手に電気信号を送るが、その信号をそっくりそのまま神姫の右手に送るというわけだ。
つまり、私は普通にバーニア制御をしていたが、あれはすごいことだったらしい。レアスキルとかνタイプとか言われた。
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