「復活の道」(2012/06/02 (土) 21:18:42) の最新版変更点
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おはようございますマスター。バイタルゲージに不調が見られますがお加減はいかがですか?失礼しました、MMSにそのような感情は不要です。本日のご予定はK2システムとのCSC生産台数の会議、フロントライン社長との生産台数に関する補助金の打ち合わせの後19:00からM重工の安川専務との会食、引き続き21:00よりK重工西岡様との打ち合わせです。
連続神姫ラジオ
浸食機械
11:復活の道
「暗いから気をつけてついてらっしゃい」
マイクロ波の罠から目の前の神姫に救われた僕たちは彼女に導かれて管理棟の中を歩いている。少なからず傷を負っていた僕たちを見た彼女は会わせたい人がいる、その人なら簡単な修理もできると言って僕たちを案内し始めたのだ。施設内と言うことで最初は警戒していたが、廊下ではなく排気ダクトの中に案内されたあたり何か事情があって見つかるわけにはいかない僕たちと同じような状況なのだと感じた。それはプルミエも同じらしく警戒こそ緩めないものの反対することはなかった。
曲がり角の先で赤毛の神姫が手招きをしている。どうやらゴールが近いらしい。
「マスター、構造的にあのダクトはあの扉の先につながっているようです。用心してください」
ダクトの換気口からドアの様子を確認したプルミエがモニタした映像と一緒に内線で僕に話しかけてくる。
<扉が溶接されてる?あの下の方に見えるのはトレーか何かを出し入れするための窓かな>
「まるで牢屋です。中にいるのは間違いなく人間。あんな扱いをされている以上敵対することはないでしょうが」
作戦会議をしながら赤毛の神姫の後について排気ダクトから出る。部屋の中は本や工具が多く、技術者の部屋のような印象を受ける。
「お父様、お客様をお連れしました」
声に反応し、部屋の奥にあったベッドから男の人が起き上がる。無精ひげが伸びたその人の顔を見て僕たちは思わず声を上げる。
「ご苦労だったな、ルート。彼らが私の出した条件を満たした者達なのか?」
「はいお父様。彼らならきっとお父様の望みを叶えてくれるはずですわ」
わずかに照れたような表情を浮かべているルートを見ながら僕は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。僕は、いや、神姫を好きな人なら最悪の形でこの人の顔を知っているはずだ。
「初めまして。私は西園寺輝彦、この島の施設管理者だ」
サイバーフロント事件で多数の神姫を破壊する原因を作った神姫好きならいくら憎んでも飽き足らない男がそこにいた。
次回:[[選択肢3:脱出]]に続く・[[戻る>浸食機械]]
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