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***修行続けて3週間
&size(small){※ゲーム内での武器欄の有効範囲100=100s。sはそのままエスとお読みください}
―バトルフィールド『廃墟』
(右前方300sから1機、左後方600sにも一機です)
(オーケー片方は目視した)
前方の視界に捉えたのは、荒廃した市街地を疾走してくるハウリン型
姿勢を低くした状態で真っ直ぐこちらに走ってくる
右手でアルヴォPDW11を連射。狙っても当たらないだろうからフルオートでばら撒く
同時に、左手にLC5レーザーライフルを展開しチャージ開始
弾幕を嫌ったハウリン型は軽やかな跳躍で難なく回避、さらに距離を詰めてくる
右手のアルヴォPDW11を武装デッキに格納、迫るハウリン型、繰り出される拳
空いた右手にすぐさま展開されたM8ライトセイバーで応戦
連続で繰り出される拳撃を時に受け止め、時に流し、時にあえて踏み込むことで避けていく
何度目かの拳を俺は受け止める素振りを一瞬見せてから、
あえて受けずに半身になってギリギリでかわす
空を切ったハウリン型の拳は俺の横を通り過ぎ、俺は前への踏み込みと同時に足払いをかける
完全に体勢を崩したハウリン型
俺は既にチャージが完了していたLC5レーザーライフルをその無防備な背中に―――
(右後方、エネルギー反応!)
(くっ…)
慌てて跳躍、同時に着弾するエネルギーランチャー。普通なら、当たっていた
跳躍の瞬間にフィーアが起動したバーニアの勢いに乗り、普段より早く大きく跳躍した俺は、背中のRU・シンペタラスのバーニアで一気に高高度へ離脱する
―――だいぶ回避とバーニア起動のタイミングが揃ってきたようだ
(狙撃地点の割り出しは!?)
(距離800s以上、前方の背の低い廃ビルの屋上です―――もう一発来ます!)
フィーアの声と同時に身体を右へ動かす
俺の回避の意思から数瞬遅れてスラスターが起動し、空中での制動を補う
少し遠くに見える廃ビルの上部が一瞬光った
それを認識した瞬間、今までいた自分がいた位置を通り過ぎていくレーザー
身体に僅かだが衝撃が伝わる
(すいませんマスター、軽く被弾しました)
(機動力とかに問題は?)
(損傷は超軽微、掠っただけみたいです)
話している間にも足元から襲い来る吠莱壱式による射撃
それをかわしながら思考する
狙撃機体と近接格闘機、こういった組み合わせのが相手の場合、
先に狙撃機体を沈めるか、ジャミングなどを併用しつつ近接格闘機を沈めるかの二択
俺が選んだのは前者だった
(………先に片付けるべきはあっちだな)
(…ですね)
狙いの甘い吠莱壱式による射撃をかわしつつ、左手からLC5レーザーライフルで牽制射撃
さらにライフルとは名ばかりのLC3レーザーライフルを右手に展開しチャージも無しに発射
大火力のランチャーはハウリン型の右方向の廃ビルに着弾
チャージなしでの威力はそれほどでもないにしろ、崩れかけたビルにとどめをさすには十分な威力だった
崩れていくビル、舞い上がる土煙と崩れる瓦礫に紛れ、ハウリン型の姿は視界から消えた
俺はさらに左手のランチャーを格納し、
その手に現れた手榴弾のピンを口で引き抜き土煙の中に投げ込んだ
即座にもう一体の狙撃機体のいる方角に向き直り、ブースト
バーニアの性能をフルに活かして一気に加速する
(懐かしい戦法ですね、マスター)
(本来ならあそこにバズーカの一発でもかますんだがな)
現役時代、格闘機相手にフィーアがやっていた戦法の一つ
近接格闘を捌ききり、体勢を崩したところに0距離射撃をしかけつつ高高度へ離脱
ダメージを受けた相手の足が鈍っている間に上空から弾幕を張って殲滅する
まぁ相手の狙撃により0距離射撃には失敗したが、
今回は足止めだけでいいので目くらまし程度で十分だ
さらに襲い来るエネルギーランチャーをフィーアのアシストで回避しつつ接近
前方に見えてきたのはゼルノグラードタイプ、距離、500s
(ランチャーを換装し、ガトリングに切り替えています。気をつけて)
レーダー等のデータを見ているフィーアから注意を促す声が聞こえる
ランチャーは一発の火力が高く、弾速、射程距離といったステータスでこれに勝る武装はない
だが弾丸は直線軌道でミサイルの様な追尾性能などはない
連射力に難があり、接近してくる相手に使うにはむかない武器である
その点、ガトリングであれば近~中距離においての弾幕形成能力ではピカイチである
真正面から突っ込むのはご遠慮しておきたい、さて、どうするか
飛びながら目に入ったのは、斜めに崩れたビルや、高く積もった瓦礫の山
(…高度を下げる)
(………かなり危険なジェットコースターになりますよ)
(もう慣れた―――コース取りを頼む)
(はい)
スラスターの制動で、俺はスピードを殺さぬまま高度だけを一気に下げる
迫る地表、スレスレで水平飛行に移行する
目の前の視界に、フィーアが算出した飛行ルートが淡い光の軌跡として表示される
ゼルノグラード型のガトリングが火を噴いた
だが瓦礫の間、ビルの下、下手をすればその中を縫うように高速で飛行する俺たちには当たらない
ガトリングの弾は空しく瓦礫を砕き、もうもうと土煙を巻き上げた
視界が悪くなる中、フィーアの示してくれた光をたどり俺たちは一気に距離を詰めた
光の軌跡が上を向く
高度を上げたそこは、すでに相手から距離100sの地点
いや、正確には相手の後方100sの位置だ
相手は自分の放ったガトリングのせいで巻き上がった土煙に、俺たちの姿を完全に見失っていた
流石にこちらの飛行音に気づいたゼルノグラード型はガトリングを格納
短機関銃とハンドガンをその両手に出現させた
(一気に決める…!)
(シールド展開。マスター、狙うなら装甲の隙間を!)
相手の射撃に対しディコ・シールドを左手に展開
同時に右手にはM8ライトセイバーを握り締める
盾を前面に構え、多少の被弾は気にせずバーニアの推力で一気に接近
「はあぁぁあっ!」
口をついて出るのはフィーアの声
俺の意思、フィーアの意思、二つの意思が重なり合った声
一太刀目、身を捻ってかわされる
二太刀目、相手のハンドガンを真っ二つに割いた
三太刀目、真っ直ぐに突き出した剣は、フィーアの示した装甲の隙間を正確に貫いた
致命的な一撃を喰らったゼルノグラード型は、
一瞬痙攣した後、光の粒子となって廃墟の風に消えた
一体は倒した。だがもう一体が残っている
(フィーア!もう一体の反応はどこに?)
(あ、それなんですが……)
フィーアがおずおずと状況報告をしてくる
(さっきのビル崩落に巻き込まれ動けなくなってたところに、
適当に投げ込んだ手榴弾が直撃していたらしく、とっくにリタイアしてました)
………まぁ練習用のNPC(ノンプレイヤーキャラ)だしな
(とりあえず、2vs1の訓練プログラム、終了ですね)
(あぁ。どうにか勝てるようになったな)
フィーアの索敵、それに対応する俺の反応速度や戦闘に関する錬度
俺の回避行動や意思に合わせた各種バーニアやスラスター出力の調整
修行開始から3週間
暇を見つけてはゲーセンでの練習を重ねていた俺たちのライドバトルは、
どうにか訓練用プログラムをほぼ無傷で倒せる程度のレベルまで上がっていた
(どうですか、マスター。そろそろ対人戦といきますか…?)
(そうだな…だいぶ形にはなったと思うし、そろそろいいかもしれない)
もう舞台に立っても恥をかかない程度には修行したつもりだ
未だ空中での回避行動に不安は残るが、これ以上は対人戦の中で培っていけばいいと思った
(……よし、明日、バトルしてみよう)
(思い立ったが吉日で今日というのは?)
(流石に疲れたよ……)
バーチャルライドに体力的な疲労はない
だが精神的な疲労というのはどうあっても避けられない
(ふふっ、そうですね。それじゃあ帰って紅茶でも淹れましょう、マスター)
(そうだな)
(それじゃあライドアウトしますね)
フィーアの声と共に目の前の廃墟の風景が霞んでゆく
白く薄れるような、暗い闇に落ちていくような
夢から醒める時にも似た、そんな、感覚
気が付けば俺はゲーセンの練習用筐体の椅子に座っていた
神姫用のポッドがせりあがり、中からフィーアが出てくる
長い金髪を軽やかになびかせ、俺の腕に飛び乗った
「それじゃあマスター、帰りましょう」
「あぁ」
その表情は戦闘が上手くいったからなのか、それとも明日のバトルへの期待からなのか
とにもかくにも花の様な笑顔といった表現がしっくりくると思ったのは確かである
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***修行続けて3週間
&size(small){※ゲーム内での武器欄の有効範囲100=100s。sはそのままエスとお読みください}
―バトルフィールド『廃墟』
(右前方300sから1機、左後方600sにも一機です)
(オーケー片方は目視した)
前方の視界に捉えたのは、荒廃した市街地を疾走してくるハウリン型
姿勢を低くした状態で真っ直ぐこちらに走ってくる
右手でアルヴォPDW11を連射。狙っても当たらないだろうからフルオートでばら撒く
同時に、左手にLC5レーザーライフルを展開しチャージ開始
弾幕を嫌ったハウリン型は軽やかな跳躍で難なく回避、さらに距離を詰めてくる
右手のアルヴォPDW11を武装デッキに格納、迫るハウリン型、繰り出される拳
空いた右手にすぐさま展開されたM8ライトセイバーで応戦
連続で繰り出される拳撃を時に受け止め、時に流し、時にあえて踏み込むことで避けていく
何度目かの拳を俺は受け止める素振りを一瞬見せてから、
あえて受けずに半身になってギリギリでかわす
空を切ったハウリン型の拳は俺の横を通り過ぎ、俺は前への踏み込みと同時に足払いをかける
完全に体勢を崩したハウリン型
俺は既にチャージが完了していたLC5レーザーライフルをその無防備な背中に―――
(右後方、エネルギー反応!)
(くっ…)
慌てて跳躍、同時に着弾するエネルギーランチャー。普通なら、当たっていた
跳躍の瞬間にフィーアが起動したバーニアの勢いに乗り、普段より早く大きく跳躍した俺は、背中のRU・シンペタラスのバーニアで一気に高高度へ離脱する
―――だいぶ回避とバーニア起動のタイミングが揃ってきたようだ
(狙撃地点の割り出しは!?)
(距離800s以上、前方の背の低い廃ビルの屋上です―――もう一発来ます!)
フィーアの声と同時に身体を右へ動かす
俺の回避の意思から数瞬遅れてスラスターが起動し、空中での制動を補う
少し遠くに見える廃ビルの上部が一瞬光った
それを認識した瞬間、今までいた自分がいた位置を通り過ぎていくレーザー
身体に僅かだが衝撃が伝わる
(すいませんマスター、軽く被弾しました)
(機動力とかに問題は?)
(損傷は超軽微、掠っただけみたいです)
話している間にも足元から襲い来る吠莱壱式による射撃
それをかわしながら思考する
狙撃機体と近接格闘機、こういった組み合わせのが相手の場合、
先に狙撃機体を沈めるか、ジャミングなどを併用しつつ近接格闘機を沈めるかの二択
俺が選んだのは前者だった
(………先に片付けるべきはあっちだな)
(…ですね)
狙いの甘い吠莱壱式による射撃をかわしつつ、左手からLC5レーザーライフルで牽制射撃
さらにライフルとは名ばかりのLC3レーザーライフルを右手に展開しチャージも無しに発射
本来なら両手で構えなければ狙いなど定まったものでないが、この場合は問題ない
狙いは、甘くていい
適当に撃った大火力のランチャーはハウリン型の右方向の廃ビルに着弾
チャージなしでの威力はそれほどでもないにしろ、崩れかけたビルにとどめをさすには十分な威力だった
崩れていくビル、舞い上がる土煙と崩れる瓦礫に紛れ、ハウリン型の姿は視界から消えた
俺はさらに左手のランチャーを格納し、
その手に現れた手榴弾のピンを口で引き抜き土煙の中に投げ込んだ
即座にもう一体の狙撃機体のいる方角に向き直り、ブースト
バーニアの性能をフルに活かして一気に加速する
(懐かしい戦法ですね、マスター)
(本来ならあそこにバズーカの一発でもかますんだがな)
現役時代、格闘機相手にフィーアがやっていた戦法の一つ
近接格闘を捌ききり、体勢を崩したところに0距離射撃をしかけつつ高高度へ離脱
ダメージを受けた相手の足が鈍っている間に上空から弾幕を張って殲滅する
まぁ相手の狙撃により0距離射撃には失敗したが、
今回は足止めだけでいいので目くらまし程度で十分だ
さらに襲い来るエネルギーランチャーをフィーアのアシストで回避しつつ接近
前方に見えてきたのはゼルノグラードタイプ、距離、500s
(ランチャーを換装し、ガトリングに切り替えています。気をつけて)
レーダー等のデータを見ているフィーアから注意を促す声が聞こえる
ランチャーは一発の火力が高く、弾速、射程距離といったステータスでこれに勝る武装はない
だが弾丸は直線軌道でミサイルの様な追尾性能などはない
連射力に難があり、接近してくる相手に使うにはむかない武器である
その点、ガトリングであれば近~中距離においての弾幕形成能力ではピカイチである
真正面から突っ込むのはご遠慮しておきたい、さて、どうするか
飛びながら目に入ったのは、斜めに崩れたビルや、高く積もった瓦礫の山
(…高度を下げる)
(………かなり危険なジェットコースターになりますよ)
(もう慣れた―――コース取りを頼む)
(はい)
スラスターの制動で、俺はスピードを殺さぬまま高度だけを一気に下げる
迫る地表、スレスレで水平飛行に移行する
目の前の視界に、フィーアが算出した飛行ルートが淡い光の軌跡として表示される
ゼルノグラード型のガトリングが火を噴いた
だが瓦礫の間、ビルの下、下手をすればその中を縫うように高速で飛行する俺たちには当たらない
ガトリングの弾は空しく瓦礫を砕き、もうもうと土煙を巻き上げた
視界が悪くなる中、フィーアの示してくれた光をたどり俺たちは一気に距離を詰めた
光の軌跡が上を向く
高度を上げたそこは、すでに相手から距離100sの地点
いや、正確には相手の後方100sの位置だ
相手は自分の放ったガトリングのせいで巻き上がった土煙に、俺たちの姿を完全に見失っていた
流石にこちらの飛行音に気づいたゼルノグラード型はガトリングを格納
短機関銃とハンドガンをその両手に出現させた
(一気に決める…!)
(シールド展開。マスター、狙うなら装甲の隙間を!)
相手の射撃に対しディコ・シールドを左手に展開
同時に右手にはM8ライトセイバーを握り締める
盾を前面に構え、多少の被弾は気にせずバーニアの推力で一気に接近
「はあぁぁあっ!」
口をついて出るのはフィーアの声
俺の意思、フィーアの意思、二つの意思が重なり合った声
一太刀目、身を捻ってかわされる
二太刀目、相手のハンドガンを真っ二つに割いた
三太刀目、真っ直ぐに突き出した剣は、フィーアの示した装甲の隙間を正確に貫いた
致命的な一撃を喰らったゼルノグラード型は、
一瞬痙攣した後、光の粒子となって廃墟の風に消えた
一体は倒した。だがもう一体が残っている
(フィーア!もう一体の反応はどこに?)
(あ、それなんですが……)
フィーアがおずおずと状況報告をしてくる
(さっきのビル崩落に巻き込まれ動けなくなってたところに、
適当に投げ込んだ手榴弾が直撃していたらしく、とっくにリタイアしてました)
………まぁ練習用のNPC(ノンプレイヤーキャラ)だしな
(とりあえず、2vs1の訓練プログラム、終了ですね)
(あぁ。どうにか勝てるようになったな)
フィーアの索敵、それに対応する俺の反応速度や戦闘に関する錬度
俺の回避行動や意思に合わせた各種バーニアやスラスター出力の調整
修行開始から3週間
暇を見つけてはゲーセンでの練習を重ねていた俺たちのライドバトルは、
どうにか訓練用プログラムをほぼ無傷で倒せる程度のレベルまで上がっていた
(どうですか、マスター。そろそろ対人戦といきますか…?)
(そうだな…だいぶ形にはなったと思うし、そろそろいいかもしれない)
もう舞台に立っても恥をかかない程度には修行したつもりだ
未だ空中での回避行動に不安は残るが、これ以上は対人戦の中で培っていけばいいと思った
(……よし、明日、バトルしてみよう)
(思い立ったが吉日で今日というのは?)
(流石に疲れたよ……)
バーチャルライドに体力的な疲労はない
だが精神的な疲労というのはどうあっても避けられない
(ふふっ、そうですね。それじゃあ帰って紅茶でも淹れましょう、マスター)
(そうだな)
(それじゃあライドアウトしますね)
フィーアの声と共に目の前の廃墟の風景が霞んでゆく
白く薄れるような、暗い闇に落ちていくような
夢から醒める時にも似た、そんな、感覚
気が付けば俺はゲーセンの練習用筐体の椅子に座っていた
神姫用のポッドがせりあがり、中からフィーアが出てくる
長い金髪を軽やかになびかせ、俺の腕に飛び乗った
「それじゃあマスター、帰りましょう」
「あぁ」
その表情は戦闘が上手くいったからなのか、それとも明日のバトルへの期待からなのか
とにもかくにも花の様な笑顔といった表現がしっくりくると思ったのは確かである
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