「樫坂家->序幕・第3話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「樫坂家->序幕・第3話」(2011/09/08 (木) 07:53:41) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**樫坂家の事情! 序幕~とある学生の夏休みにおける変化とその記録~
----
夜も明ける早朝、樫坂家の観賞会も佳境に入っているようです。
「………今、4時27分29」
「あれ?もうそんな時間なんですか?」
「いがいとこまかく書いてるからねー、ますたーは」
「この調子だと、少々危ないかもしれませんわね」
「全部見るなら少しペースを上げた方がいいんじゃない?」
「ここまできたら最後まで見たいのです。マスターが起きても離さないのです」
日記の中身もどうやら夏休み終盤、神姫達も気になって仕方ない様子みたいで。
「それじゃーつぎつぎ行ってみよー………ぺらりと」
また1ページ、めくられたようです。
===第3話===
 ̄ ̄――__
8月15日 金曜日
今日は朝8時に目を覚ました。しかし、この不安定な起床時間は何とかしたい気がする。いや、毎日3時とか4時とかに寝てるのだから仕方ないか。
朝飯を食った後、4人を連れてフェザーへ。もうすっかり常連と化す。前からだったが。
そういえば最近、他のマスターから「色違いの」と呼ばれる。確かに4人居て全員公式カラーじゃないけどさ……
今日もくーは観戦するという。そういえばと思い出し、今回はシェラを中心に対戦する。
3戦中2勝してた時だったか、4戦目で見覚えのある名前のフォートブラッグが相手に表れる。向かい側を見るといつかの大学生だった。
この時のシェラの装備はアルトレーネフルセットにアルヴォ×2とビームブーメランという構成。追加転送にはバルムンクにアルファピストル×2。
フィールドは天井が低くて障害物の多い工場。高機動モードのフリューゲルがあまり役に立たなくなるが射撃の邪魔になる物も多いので条件は多分五分五分。
結果としてはなんとか勝った。ユイナの敵を取る事に成功する。
その後、会話。大学生の人の名前は奥道 将というらしい。柔和な人だが神姫のジュリーの装備は大中小のミサイルにガトリング、滑腔砲という爆発物多めでなんだかイメージとは違ったりする。
まぁ砲台型のジュリーだからそういう意味では合ってるんだろう。
そういえば、前に自分で神姫のパーツ修理も自分でやってると言っていた事を思い出す。ダメ元でくーが集めた武装の修理を頼んでみるとなんとOKをもらえた。代金は直した内の幾つかで良いとのことなので了承する。
とりあえず今は暇な時期だから、2~3日あれば大体終わるとのこと。そこで取りあえず18日の昼くらいにフェザーで受け取る約束をする。
ちなみにだがやっぱり家の4人には少し驚かれる。もう慣れた。
今日の戦績はユイナ2戦中1勝、シェラ7戦中5勝、フィー2戦中0勝。今度フィーを中心にする。
8月16日 土曜日
午前11時にユイナ達4人を連れてフェザーに到着。最近はこの時間帯にフェザーに来るのが日課となってる。
この日は陽太と静香が居た。しばらく見ないと思ったら陽太は実家に家族総出で帰省していたらしい。
それと、どうやら俺の事は静香から聞いていたそうな。しかしそれはくーまでであり、4人目のフィーの出現でもはや2人に呆れられる。
ここまで来たらもう6人とか7人になっても驚かねえと言われたが流石にそこまで増えてほしくは無いと思う。主に最近メーターが上がってる電気代的な意味で。そろそろ短期でもいいからバイトしないと色々不味い。
後はいつも通り対戦する。今日は割と年齢層が低かったと思う。明らかに部活帰りの学生も居たし。
午後5時、今日は特売だった筈なのでスーパーへ。もはや主夫だがちょっとはやりくりしないとキツイ。
飯食って風呂に入った後、何気なく手持無沙汰になったので宿題をする。シェラとくーはどこから見つけてきたのか大きめのスーパーボールで遊んでいた。くーがシェラで遊んでいたとも言う。
フィーは勉強してる俺のテーブルの端に座って、武装の一つであるチェロ、スレイプニティを弾いている。昨日からずっと装備したままだが本人はそれでいいらしい。ちなみに普通に弾く分には他の神姫に影響はないとの事。
そしてユイナは俺がしてる宿題を眺めている。時々字の間違いを指摘された。数学等は中身があってれば良いと思うが現代文なのでそういう訳にもいかない。
今日はいつもよりゆったりと時間が流れていった気がする。こういう日も悪くないと思う。
8月17日 日曜日
今日も、いつもの時間にフェザーに着く。と、珍しく人があまり居なかったので連戦状態に。フィーを中心にする。
結果は7戦2勝。だがスレイプニティを着けたままでも通常と変わらない立ち回りを見せる。というか気づけば左腕もヴァイオリン・グラニヴァリウスにしてた。訳が解らないが同時に装備する物ではないと思っている。
午後1時前、一度家に戻り飯を軽く食ってとんぼ帰りする。人が増えてた。陽太も居たのだがちょうど対戦待ちだったので入り込む。この時はあえて対空戦が苦手な節があるユイナに頼む。
結果は辛うじてだが勝利。俺が予測、指示した事にユイナが精一杯ついてきたのがわかったし、ユイナが自分の持ってる力を全て出し切ったのも分かった。久しぶりに少し頭痛がしたがユイナを見てると気にならなくなった。陽太は悔しそうにしてたが最終的には苦笑して、稟は寂しいそうでいて嬉しそうな微妙な顔をしていた。
思えば、陽太にはユイナと出会った時から世話になってたし、稟にもユイナ達のために色々付き合ってもらっていた。こう考えていくと、何気なく挑んだこの1戦は一つの区切りのようにも思えた。
その後はユイナ、シェラ、フィーを交代させながら7時まで対戦する。例によってくーはやる気にならないそうな。
結果はユイナ5戦3勝、シェラ4戦1勝、フィー2戦1勝。まだなだマスターとして未熟だと思う。
帰宅後、さっさと宿題を終わらせる事にする。今までやれる時にやってきたからか宿題を全て消化する事に成功。あとは遊んで暮らせる。金無いけど。
8月18日 月曜日
どうやら俺は相当なお人よしのようだ。それか呪われてると思う。今5人目の神姫が居る。
順を追って書く。今日は奥道さんに頼んだ物を受け取る日でもあるのでちょっと早めにフェザーへ。
着くとすでに奥道さんが居た。あともう一人、ハウリンを連れた人も居た。8月2日にシェラと戦ったハウリンのあけびとそのマスター、名前は萩河 育斗と教えてくれた。
とりあえず渡した物が帰ってくる。確認したが一応全部あった。奥道さんはそこからサブマシンガン等の銃器を代金として持って行った。あまり使おうと思ってなかった物なのでとりあえず安心。
その後は午後4時まで対戦。帰ってきた武器も使うが完全に治っていた。頭が上がらないと思う。
午後4時、今までずっと対戦を見ていた萩河さんがおもむろに対戦を申し込んでくる。その時にシェラを希望された。シェラがリベンジと乗り気なので受けて立つ。
フィールドは砂漠、シェラの装備は以前と変えずにレーネセットとアルヴォ、ビームブーメラン。追加はバルムンクとアルファピストル。
あけびの装備は脚と頭はハウリン基本でそれ以外は素体そのまま、武器もクナイに手榴弾、トンファーのみという構成。2日の時も確かこの装備だったはず。
接近戦をしようとすればクナイ、少し離れようとすれば手榴弾を頭上に投げられ近づけても攻め、受けが可能なトンファー。しかも瞬発力が高く下手すれば懐に潜り込まれる。
だけど、シェラも俺もあの時と同じではない。ユイナが成長したようにシェラだって成長していた。結果は勝利。シェラは堂々と正面から挑んで、あけびを叩き斬ってた………こう書くとなんかグロい。
が、ここからが問題だった。試合が終わった後に、萩河さんに「まぁこの様子なら問題無いか」と言われて、おもむろに鞄からだした大きめの紙袋を渡された。ご丁寧にガムテープでしっかり封までされてた。
中身を聞くと、まぁお楽しみだなと言われた。そのまま二人はちょっと今から大学に行かないといけないからと言って去っていった。この時点で嫌な予感しかしない。なんか奥道さんが両手合わせてきてたし。
午後5時過ぎ、帰宅。大体は予想がついているので開ける。封を開けると手紙と小さめの段ボールが入っていた。手紙を読むと「サークルの仲間がジャンクショップで買ってきたのを俺たちが修理したのだ。他にも何体か居たがそいつだけ引き取り手が見つからなかった。よろしく頼む」と書いてあった。
………なんかこんな風にされたら断れない。大人とはずるいものだと思う。
段ボールを開けると中身は神姫とクレイドルだった。種類は数回だけフェザーで見た事のある戦車型・ムルメルティア。ペイントは深緑を思わせる緑色だが、髪は銀髪。
CSCが付いてないのを見ると一度リセットされたのだろう。変に色々考えてしまうがCSCをはめ込んでいく。
名前は考えてたがとうとう浮かばなかった。悩んだ末になんかのファンタジー系のゲームの攻略本を開き、適当に見つけた単語をいじってキュリアと名付けた。間違っても変な意味は無い、と自分を確かめてみる。
……………ほとんど、しゃべってくれなかった。ちょっとへこんだが、ふと聞いた話を思い出す。いわく、リセットしてもどこかに記憶が残る…と。
今日は、このくらいにしておく……せめてユイナ達には気を許してくれれば良いのだが…
8月19日 火曜日
気づいたら日付が変わっていた。最近はまともな時間に起きてるからだと思うが眠たい。
朝8時、起きたらくーが装備まで持ち出してキュリアに覆いかぶさってた。キュリアがじたばたしてたのでくーを引き剥がすがキュリアが涙目だったので落ち着かせる。なんだか不思議そうな顔をされた………気がする。
飯を食って本日の予定を立てる。武装が修理されたのを思い出して今日はとりあえず戦術を練る事から始める。くーがキュリアを追いかけていたが俺が止めるより先にフィーに捕まっていた。
朝10時、居間でガリガリとノートに書き込んでた。たしか何も無い所でシェラが転んでいたがいつもの事なので気にしない。だがとりあえず手(指?)を貸して起こす。なんだかキュリアが見ていた気がした。
昼ごろ、なんかキツネのプリントのてがみが届く。母からだったが北海道からだった。このてがみが着くころにはアメリカとの事。いつもの事なので気にしないでしまっておく。
その後飯を食ってテレビを見る。特に面白そうなのが無かったので消そうと思ったが、ふとキュリアがテレビを見ている事に気づく。何処か悲しそう。
なんとなくチャンネルを変える。反応した。ちらっと見られた気がするが、気づかないふりをして次々変えていく。
何度か変えて、とある番組で更に反応が変わる。動物の特集をした番組の再放送だったが、じーっと見ていた。気づかないふりをしてそのままつけておく。
夕方、ユイナが射撃練習をしたいと言う。シルバーストーンは遠慮して欲しいが木製のまな板を犠牲にする事にする。貫通するんじゃないかと思ったが全然耐えてた。キュリアが何か言いたそうにしてた気がする。
夜、めんどくさいので缶づめと白米だけで済ませる。的にはなるかと思い缶は洗って取っておく。なぜかくーが包丁研ぎでスクラマサスクを研いでいた。正直怖い。
その後、珍しくシェラが射撃練習。まな板に的を書いた紙を張っておくがはっきり言って全然当たって無い。アルファ・ピストル乱射されてたけどまな板は強かった。ただ、乱射するならマシンガン系が良いと思う。
ユイナとフィーは組み手してた。最近この3人は俺が何も言わなくてもこういう事を始めている。ちなみにくーは武器漁ってる。そして毎回取りだすのは刃物だったりする。キュリアはシェラを見てなんだか困った顔をしていた。
思いきって声をかける。ビクッとされた。やっぱりへこむがとりあえず、言いたい事があるなら言うといい。聞かない奴じゃないからみたいな事を伝える。
それから少し経過。戦術が煮詰まる。実際には実戦にならないと解らないがやってみる分には無茶な物は少ないと思う。その時シェラががっくりと肩を落とす。まな板を見ると綺麗に的から外れていた。
と、ここで多少ゆっくりとキュリアがシェラに近づく。そのまま何か、ぽつりぽつりと言葉を紡いでいるのが聞こえた。と、シェラからピストルを受け取る。
ゆっくりとだが、両手で構え………………3発、同じ的に当てる。それを二つ、三つと繰り返し、一度もミスする事無く撃ちぬいて見せたのだった。シェラはぽけーっと見てた。
と、そこにいつの間にか集まる他3名。そこからはキュリアがしどろもどろになりながらの射撃武器講座だったりする。
午後11時、居間を撤退して自室に。キュリアを呼んで、礼を言う。なんかすっごくきょとんとされた。訳が解らない。なんだか何かあるたびにこう書いてる気がする。
ただ、ぽつりぽつりと俺とも話してくれた。これだけでも嬉しいと思う。
その後、武装をしまってあるボックスを見せて何が使えるか聞いてみた。すると、M49ショットガン、ガトリングのアイゼンイーゲル、パイルバンカーのシェルブレイク等々が挙がる。
聞くと、銃器全般扱えるとの事。ただ、ミサイルやビット、それに基本的に近接系は苦手との事。
少しだが、話す事が出来てホッとした。
8月20日 水曜日
今日も書いていく。夏休みも残すところあと5日。この日記もちょうどそのくらいに全て埋まりそうだ。
そういえば俺の高校は夏がちょっとだけ長くて冬が少しだけ短いらしいと先輩が言ってたのを思い出した。
もはや定時のフェザー出勤。5人も居るのでそろそろ連れて歩く手段を考えないといけない。
フェザー到着。もはや「ま た か」みたいな視線を感じるが開き直る事にする。。朝に聞いてたらほんの少しだけ、頷いてくれたのでキュリアをバトルロンド登録。
気になる部分はあるが、キュリアを対戦に出す。相手はフェザーで何回か相手にした支援機連携型のグラフィオス。
キュリアの装備は例によってフルセット。左肩にインターメラルの3.5mm砲版と右肩にアイゼンイーゲル。副腕には何も持たせないで後はショットガンとハンドガン・メルテューラーM7、そしてサバイバルナイフのグリーフエングレイバー1本。シェルブレイクは保留。
結果は負けてしまった。キュリアが俺に振り回された感もある。どことなく、泣きそうな顔をしていたので最初はこんなもんだと慰めた。今日からはキュリアのレポートも追加する。
その後キュリアは2回対戦して1勝。ユイナ達もそれぞれ2~3戦ずつこなしたが結果は上々だった。
午後8時、帰宅。早速レポートを書いていく。
ユイナはオールラウンド、シェラは近接戦に優れてて、フィーは特殊だがバトルスタイルが確立してきた。くーがいまだ対戦しないし、無理にさせる気も無いので解らないが。
そしてキュリアはムルメルティアの本領ともいえる大型兵器、または反動の強い武器の方が使いこなせていると感じる。だがあまり重量が増えるのもどうかと思ってるので、更に見極めていく事にする。
そういえば明日は祭りらしい。帰り道に旗が立ってた。
特にこれといった用事も無いので、5人を連れて見に行こうと思う。
8月21日 木曜日
あたτくらくらする。きょうλねξ
8月22日 金曜日
昨日は酷い目にあった。祭り会場でうろうろしてたら陽太、静香含めたクラスの連中にからまれた。一通りユイナ達を連れて周った後なのでついて行ったらテンションがおかしかった。
とりあえず喉が渇いたのでそこら辺にあった缶を取って飲む。チューハイだった。
流石にダメだろうと思ったが、実はたまに母さんと父さんのを失敬して飲んでいたので人のことが言えない。二人とも気づいてたけど適量なら体にいいからねーとか言ってた。
……………………そこから先は覚えてない。なんか普通に飲んでたら目をつけられて度数の高い奴を飲まされた記憶がある。ちなみにユイナ達は人気者だった。よっぱらいにからまれてたとも言う。
気づいたら朝だった。気づいたら家に居た。気づいたらなんか紙袋持ってた。開けてみたら神姫だった。何か値段張ってあった。まさかと思い慌てて財布を開いたらピッタリその分消えてた。訳が解らないにも程がある。
起きてきたユイナ達に聞いたら、あの後俺は冷静なようで完全に酔っていたそうな。そんな時に同じく酔ってた陽太が「そーいえばどっかで神姫うってたなー」とか言ったそうな。
そしたら神姫の事で俺に話が集中して、静香が「あともう一人居ても不思議じゃないよねー」とか言った途端、よっしゃちょっと買ってこいよーとかいう流れになったらしい。
んで今度はそれをあのバカ達がはやし立ててたら俺がふらっと立ちあがってどこか行ったとの事。帰ってきたときには紙袋もってたらしい。とりあえず酒怖い、あと静香には流石に出来ないので陽太をその分殴っとく事にしようと思う。
とりあえず二日酔いとかそういうのは全然無いので顔洗って神姫を確かめる。黄色が多いエウクランテだった。
午前11時、機動準備完了。この作業ももう慣れたものだ。慣れたくは無いとも思ったがこれも宿命かなんかだと思ってあきらめる。
名前はリムにした。今回は………確か昨日最初に飲んだのがライムのチューハイだったから英語にしてみた。eは無かった事にする。
なんというか普通というべきな性格だった。割と新鮮。
…………………しかし、6人居て公式カラーが一人も居ないのは奇跡かなんかだと思う。それを言ったらこの短期間にここまで集まるのは異常だけど。
午後1時、リムと皆とあれこれ話してとりあえずはフェザーへ。夜には花火大会が南区の自然公園で始まるのでそれまでは過ごす事にする。リムを登録。が、人があまり居ない。
それでも3戦くらいする。しかしもうすっかり顔を覚えられてしまった。俺は色違いで固定されてしまう。出来ればもう少しマシな呼ばれ方が欲しいと思う。
とりあえず3戦ともリムで結果は3戦2勝。リムは空中での選択肢が多いと思ったが中距離にこだわっている節もあった。
このあと更に4戦、2回ずつキュリアとリムに頼み、忘れないうちに思った事を休憩スペースでメモしておいた。と、おもむろにくーが、欲しい武器があると言ってきた。騒ぐことはあってもほとんど物をねだらないので珍しいとこの時は思った。
午後4時、フェザーを早めに出発。中央区の神姫ショップへ。が、無かったらしくしょぼんとしていた。どうしたものかと思ったが、そういえばと思い久しぶりに倉根玩具店へ。だがその前になんか買っておくかと思い、安い神姫サイズのトランプとか色々購入。
久しぶりに敏章さんに会う。6人居てもう目を丸くされた。そろそろ6人を目立たないで連れ歩く何かが欲しい。とっくに肩と頭が埋まってるので3~4人は手さげ鞄のポケットに入ってるし。
あとは、どうやらバイトの人も居るらしい。敏章さんが呼ばれてった。その間に目的のものが無いかくーに聞いてみると、あったと言う。見てみるとマリーセレスの基本装備の一つ、斧の刃と同化しているハンドガンのイング・ベイカー。
一つ持ってるはずだが、どうやら二つ目が欲しいとの事。もしかすると対戦しないのはそれが理由かと聞くと、二つ無いともっとやる気出ないとの事。まぁ購入。ついでに鞭とかあったのでそれも購入。生活費は仕方ないので貯金を崩す事にした。
どうやら敏章さんも花火大会に行くようで、今日は早めに店を閉めるとの事。長居する予定も無いので倉根玩具店を出発、のんびり自然公園を目指す。
この後は、7人で見晴らしが良い所に陣取って花火を見ていた。花火は夏の思い出だと思う。ユイナ達も楽しそうで良かった。
8月23日 土曜日
今日は陽太が朝から襲撃してきた。宿題が解らんとの事。追い返す。が、鬼気迫る表情で迫ってきた。
そういえばコイツは去年、宿題しなかったせいで毎日7時まで学校に残ってたのを思いだす。
とりあえず面倒だが自給で交渉する。ここから30分近く攻防戦が始まるが結局昼を奢らせる事で決着。かなり良心的な方だと思う。稟はユイナ達に任せた。
午前11時、静香襲来。科学と生物が解らないとの事。流石に2人同時は遠慮したかったが静香のお母さんが差し入れも作ってくれてたので迎え入れる。
静香の母さんには学校行事で3回くらい会っていて、陽太たちとつるむ位から世話になってるので頭が上がらない。一緒に来たエリーもユイナ達に頼む。
ちょうど出前を頼む所だったので、静香が持ってきた差し入れは晩飯にするとして出前を3人分頼む。出前とは聞いてないと言われたが出前じゃないとは言ってない。ついでに静香の分も追加してやった。だが安いとこを選んだのは良心だと思う。
今更だがコイツらは何故か金がある。静香はバイトだと予想つくが陽太はどこから出てくんのか解らん。
昼過ぎ、出前が届いて陽太から代金を徴収。なんだかんだ言ってちゃんと払ってるあたりコイツもお人よしだと思う。
午後3時、静香が終了。本当はもっと早く終わりそうな量なのだがゆっくり書いてた。しかしどうも静香と陽太の距離が近い気がする。
ふと神姫達を見ると稟がダウンしてた。その周りには神姫サイズのトランプ。神姫サイズだけど人が使っても問題ない大きさだけど。
多分ババ抜きでもしてたのだろうと予想。稟は意外と顔に出るからなぁ確か。
午後7時、陽太が何とか終了。最終的には俺らのを見てた。そして帰っていく人が二人に神姫が二人。やっぱりあいつら近いと思う。
後は、差し入れのおにぎりを食っていつものようにレポートを書いたので寝る事にする。
8月24日 日曜日
夏休み最後の一日。長かった夏休みも今日で終わる。今日は、とにかく書く事が多いがしっかり書く。
朝9時、起床。飯もそこそこに10時にフェザーへ。
フェザーではなんだか朝からなのにそれなりに人がいた。高校生っぽいのが中心だったがどいつも最後の日を楽しむつもりらしい。それと売り上げが良かったのか要望が多かったのか、更に筐体が2台追加されてた。店長いわく、伝手らしい。
昼まではローテーションで対戦。くーはどうするのかと思ったがまだ乗り気では無いという。
昼からは陽太と静香が現れる。早速挑まれるが稟はシェラが、エリーはキュリアが撃破する。シェラの成長もそうだが、キュリアの実力も一気に上がっていた。最初よりも誰かと話す事も多くなったし、心配はいらないなと思う。
更に午後4時、この時点でそれぞれの戦績はユイナ6戦4勝、シェラ4戦2勝、フィー5戦3勝、キュリア4戦3勝、リム5戦2勝。
流石に疲れたので休憩スペースで休憩している時に、ふと陽太がデュアルオーダーという戦い方の話をしてきた。聞いた限り確実に頭痛くなりそうだと思う。
午後5時、再開。この時間帯からはフェザー内でも上位の勝率を持つ神姫とマスターが多くなる。が、フェザーでは何故か上位陣がころころ変わると思う。
前に勝った青い髪のジュビジーとか今なかなか勝てないし、苦戦してたグラフィオス相手にあっさり勝った事もある。他のマスターと神姫もそうなのか喜んだり愕然としたりするのを見た事もある。
なんて事を陽太に言ったら、原因のお前が今更何言ってんだと言われた。どうも俺がコロコロ対戦に出す神姫を変えるせいで、最近はそんなに人が居ないフェザーでも結構経験を積めるようになってきたそうな。
んなバカなと思ったが、思えば確かに同じ神姫で連戦した記憶がない。しかも毎回偏りが大きくない程度に全員出してる。もっと言えばそれまでだれが相手でも同じ戦法をしてた人が切り替えしてくるようになった。
しかもユイナ達の戦い方は皆ばらけてる。万能型のユイナに空中近接型のシェラ、フィーは楽器も交えた特殊型でありキュリアは遠距離砲戦型、そしてリムは空中射撃型………いやバカな。
まぁそれでも、変わらずに上位陣に居る人もいるらしい。主に初老と見られる男の人がマスターのフェザー唯一のサイフォスとか大学生っぽいのがマスターで、ほとんどアーマー着けてないハウリンとからしい。今思うとそのハウリンあけびじゃないだろうかと思う。
サイフォスは……実は8月の頭に対戦して以来、何回も挑んでいたが一度も勝ててなかった。というか明らかに段違いのレベルで、苦戦してるのはほとんど見たことが無かったりする。
ただ、一度だけ、ふらりと現れたマスターとティグリースが互角に戦っていたのは見た事がある。なんでこんな強い人がここに残ってるのか不思議な位だった。
ちなみに、件のサイフォスはこの時青い髪のジュビジーと戦ってた。が、やっぱり強いのかジュビジーは防戦を強いられており、見ている間に負けてしまった。
たしか、6時30分くらいだったか、空いた筐体で対戦待ちをしようと思った時、くーが対戦するから少し武装を変えると言う。そしてその構成に少しだけ驚く。
触手上のフロントスカート先端側に両刃剣サーペンタイン、後方にはハフ・グーファ、サイドにはダブルアームフォールディングナイフ、そして両手のイング・ベイカー。全て二つずつ。
そして、対戦待ちをして現れた相手は最近見るようになった近接型マオチャオで、シェルブレイクにドリル、そして中型ミサイル・カッツバルゲルという構成。
そこでくーに言われた事は今もはっきり覚えてる。対戦中、最初の3分だけ自由に動くからしっかり見ておくように、と言われた。なんとなく、くーの言いたい事は解った。3分で自分の事を解れと言ってる。前代未聞だとは思うけど、自由なくーらしくもある。
結果としては勝った。しかも、3分ぴったりに。気づいたら勝ってたとも言う。
フィールドは荒野。接触してすぐにハフ・グーファを1発、発射。相手もカッツバルゲルを発射してくーに向かってきた。武装の関係自然な行動だが、それがダメだった。
くーがミサイルをかわした直後、マオチャオがドリルで突き刺してくるがフロントスカートのサーペンタインで弾く。更に突き出されたシェルブレイクはイング・ベイカーで弾かれ、逆にイング・ベイカーをハンドアクスとしてくーは振るって襲いかかる。
さらに一度さがろうとするとハフ・グーファを発射しイング・ベイカーで射撃しながら追撃。さがるのを断念したのか迎え撃とうとしたマオチャオを、今度はサーペンタイン含め4つの刃で攻め立てる。
ドリル、シェルブレイクともども攻撃を受け止めるには不向きだが、それでも攻撃を凌いでいた。が、それに集中するしか無かったから、相手のマオチャオはサイドスカートから飛び出した5本目、6本目の刃に対応出来なかった。
サイドスカートから出た、アームでリーチを伸ばしたフォールディングナイフ。それが脚に突き刺さると次の瞬間に、サーペンタインがマオチャオを貫いていた。
…………多分だが、前のマスターの時の戦い方なのだろうと思う。ついでに初見殺しでもあると思う。だが、少なくともくーが得意な事は理解したとは思う。
終わった後、本人が言うにはアレは本当に強い人には効かないとの事。あと久しぶりだったからちょっと感覚が鈍ってたとの事。アレでかよと思う。
午後9時、気を取り直してひたすらに対戦していたらこんな時間。ここまで残ったのは初めてだが、今日くらいは良いだろうと思う。あの後から、くーは頼めば対戦してくれるようになった。
結果は……やり過ぎて覚えてない。勝った記憶は結構ある。
午後10時、帰宅。明日は朝から学校が始まる。鬱だが寝る事にする。
__―― ̄ ̄
……みんなが、日記を読み終わった…かな?
「………これで、最後」
「なんか最後ぱっとしないなぁ」
「まぁ、それもマスターらしいと言えばマスターらしいのです」
「でも、最後はくーに持って行かれてしまいますわね」
「昨日のくーは、なんか別人みたいに凄まじかったからでしょうね。気持ちは解るわ」
「くーがほんきを出したら、あのくらいよゆーなんだよ?」
「だけど自分で言うものではないと思うのです」
「………確かに」
「むぅ」
「でもビックリしたのも確かですよねー。いつもは全然なのに」
「まぁね。なんとなく予想はしてたけど」
「どうして?」
「だって、強く無かったら1カ月も公園で生き残れないと思うけど?充電するにしたって、確か神姫持ちの人の家に忍び込んでたって聞いたし」
「まぁねー。さいしょはくろうしたよ。いえの人がるすのあいだにしのびこめても、しんきがのこってた時があったし」
……やっぱり、くーは強いなぁ……私は詳しく知らないけど…辛い事を、自分で乗り切ったというのは、わかる。
「一応念のために聞きますわよ。その時はどうしたのかしら?」
「素体のままだったし、ちょうど底のふかいごみばこがあったからなげいれた」
「…災難でしたわね、その神姫」
「ですねー……というか、あたしも祭りみたかったなぁ」
「来年になったら見れるのです。こんどは皆で見に行くのです!」
「そうね。それに、これからもまだまだ色んな事があると思うし。あのマスターなら特に」
………来年…私は、来年もここに居るのかな?……それとも………また、あの時みたいに……
「もちろん、貴女もですわよ。キュリア」
「………え?」
「そんな泣きそうな顔をして、またよろしくない事を考えていたのでしょう?」
「………それ、は…」
「こういうのはわたくしではなくユイナの役目なのでしょうけど………あのマスターなら、間違いなく誰も手放しませんわよ」
「………信じてるん、だな」
「当り前でしょう?……貴女も、その理由は解ってると思いますわよ?」
………わかってる…マスターは、どこか変だけど…でも…優しい……何か、変だけど…
「………信じても、いいのか?」
「当り前でしょう。マスターも、わたくし達も貴女を信じていますわよ?」
「………ありがとう、フィー」
「どういたしまして、ですわ」
「あれれ?フィーさんキュリアさんと何のお話をしているのです?」
「シェラはやっぱりドジですわね、というお話をしていましたわ」
「ひ、ひどいのです!?ドジじゃないのです!」
「………ふふ」
「あ、いまきゅりあが笑ったー!」
つ づ く !
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: