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「無頼16「夜中の侵入者」」(2011/06/12 (日) 22:08:17) の最新版変更点
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夜、ふと目が覚めた。
わたしのスリープはすぐに起きれるようになっていて、このように途中で起きることだってある。人間ぽい感覚で活動できるからわたしはこうしてる。
ベッドを見ると形人がいない。どうやらトイレに起きたらしい。半開きの扉から廊下に顔を出すと、人間の足音でない別の音が聞こえた。
「なんだろ?」
ジーナスはクレイドルで(とは思えないボロ布の布団?を被って)寝ている、じゃあ誰だろう。
ここで足音が消えた。そんでもってすぐ近くに気配が………あれ?
「………」
「「「!!!」」」
横をむくと、目が三対。
そして一番手前の目の主は、わたしをフライパンのようなもので殴ろうとしていた。
「……誰?」
「「「どうもー、ドロボウ神姫三人衆でーす♪」」」
~・~・~・~・~・~
「ふぅ……スッキリした」
**ボンッ!(爆発音)
「な、なんだってー!?」
用を済ませてトイレを出た形人のに謎の爆発音が聞こえた。
音源である部屋の前に駆けつけると、半開きのドア前のフローリングが焦げていた。
「いや、何これ?」
部屋に入ると窓が割れ、ヒカルがいない。
「何事なんだ」
「隊長は知っていますか? ここ最近世間を騒がせている泥棒神姫を」
「いや、知らん」
「そうですか、では行ってきます」
そういうとジーナスは割れた窓から外へ飛び出した。
「いや、今何起きてんだよ?」
泥棒神姫?そんなもんあるのか。
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近くの児童公園、三人のドロボウとヒカルはそこで対峙していた。
「流石サゥ、骨のありそうなヤツがいる場所を選ぶなんて相変わらず目利きがいいね」
「わたしはー、そんなつもりじゃなかったんですけどねぇー」
「というより好戦派のワゥはとにかく、ぼくたちは戦いたくないんですけどね」
この三人―ワゥ、テェウ、サゥ―の外見はほとんど差異がない。
黒色のドレスを象ったアーマーは、縁をそれぞれの暗色系の個人色で色分けされている。
なんの型式かわからない顔だちを彩る髪の色も各人のパーソナルカラーとなっていた。
「ドロボウって言ってたけど、あなた達はいったい何なの!?」
「ゥェッホン! 何を隠さずともこの我ら三人、天下無敵の盗っ人三人衆!!」
「手持ちの武器をよこさねばめった打ちにしますよ」
「テェウー、あの子は短銃しかもってないみたいですよー?」
「短銃? なめてるよね」
「「「……?」」」
「今見せよう、新しい武器(ちから)!」
カチ
「……あれ?」
カチカチカチ
「あ、弾入れ忘れた」
「「「でひゃーっ!?」」」
馬鹿三人が盛大にコケた。
「あー。ちょっと待ってて、今別の武器を………ダメ?
そんな事いわないでさあ……ねe
う わ ひ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ」
~・~・~・~・~・~・~
「はぁ……こんな事だろうと思いました」
十数秒後。ジーナスが到着すると、そこには袋叩きにされたヒカルが転がっていた。
そして三人は「弾が入ってない銃」をいじっていた。
「なんだコレ。ホントに見たことない形式だな」
「同人メーカーからの商品ですかねぇ~?」
「…サゥ、それはせめてサードパーティと言うべきです」
バカバカしい。そう感じながらもジーナスは三人に声をかけた。
「あなた方、少々お時間をいただけますか?」
「「「あ。」」」
三人は一斉に振り向いた。
「わ!? 変なのがきた!」
「銃火器……油断なりませんね」
「あらあら~? オートバイが似合いそうな人ですね~」
「黄色い人、褒め言葉感謝します。しかし法律上縛りがないとはいえ、不法侵入と器物損壊はいただけませんね」
「ふほ……え?」
「ワゥ、そんなことも知らないのですか」
「今まで私たちがしてきた事ですよ~?」
「とにかく、お縄をちょうだいさせていただきますよ? こういうのは結構ポイントが貰えるんですよ?」
「嫌だと言ったらどうする?」
「というよりも選択肢は一つしかないですね」
「ですよね~」
三人は揃って自分のスカートを叩いた。するとお約束通りポロポロとBB弾のような玉が地面に落ちた。
「煙幕ですか」
サッとゴーグルを装着する。が
閃光
「しまった」
「「「逃げるが勝ちーっ!!」」」
閃光弾が炸裂し、目がくらんだ。そして定番のセリフを口走る声は遠ざかってゆく。
「逃げられましたか」
視力が回復した頃には、当たり前のように三人はいなかった。
~・~・~・~・~・~・~
「泥棒神姫ね……。世ン中色々あるし、神姫だってロボットである以上はオーナーの命令に従うだろうし……でもアシモフ・コードはどうなってるんだ?」
ベッドに座り込んで、ジーナスが言った「泥棒」について深く考えてしまい、僕は眠れなくなっていた。
「戻りました」
と、ジーナスが戻ってきた。ヒカルを引きずりながら。一体外で何があったのか。
「あ、先輩。今のつぶやきですが……」
「え。口に出てた?」
「出てました。先ほどの泥棒はオーナーがいないようですよ。……ではおやすみなさい」
そう言うと、ヒカルをクレイドルに放り込んで自分も毛布に包まってスリープしてしまった。
「おい、僕の疑問を増やさないでくれよ……」
僕は余計眠れなくなった。なんだよオーナーなしに動く神姫とかよ……?
~・~・~・~・~・~・~
「い……いなくなったか?」
「そのようですね」
「……案外抜けてるのかも~?」
三人は児童公園の砂場の中に潜んでいた。土とんの術ならぬ砂とんの術か。
「変な奴に感づかれちまったな」
「噂によるとこの町は他にも一芸長けた神姫や専門のハンターがいるらしいですよ~?」
「そろそろこの町も潮時ですね」
そう言いつつ、どこかへと歩いてゆく三人。とここでワゥが急に振り向いて一言叫んだ。
*「アイル・ビー・バァァァク!!」
そう言われてももう出番はない。あしからず。
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