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**第2部 「ミッドナイトブルー」
第2話 「night-2」
西暦2041年 5月21日 12:00
『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』
お昼のチャイムが公園内に響く。
園内の噴水広場の軽食コーナー、そこでは多種多様な神姫とオーナーたちが昼飯を食べて雑談をしていた。
オーナー1「おい、知ってるか?昨日の夜出たらしいぜ」
オーナー2「出たって何が?」
天使型「例の都市伝説ですね」
サソリ型「12時の死神か・・・」
悪魔型「ええーーーほ、本当?」
オーナー3「ついにこの神姫センターにも、来たか」
種型「なんでも灰色艦隊の巡洋戦艦型神姫が半数以上撃沈されたらしい」
花型「ひゃーーー恐ろしい恐ろしい」
オーナー4「あの成金艦隊か?実力は低いだろ」
スプーン型「ですが、腐っても戦艦型神姫、それをわずか数分で半滅させたのですから・・・」
オーナー5「12時の死神、あれって実在するのか?よくあるゴーストファイターだろ?」
雑談に花を咲かせるオーナーたちに1枚のぼやけた写真が投げ込まれた。
オーナー1「!?なんだこりゃ」
野木「奴は実在する。これがやつの写真だ。私の重巡が撮影した」
野木が生き残った艦隊を引き連れてテーブルに座る。
ゴーンゴーンゴーン・・・
低いエンジンを唸らせて灰色艦隊で生き残った3隻の戦艦型神姫が噴水広場の上空に現れる。
悪魔型が目を細めて艦隊を見上げる。
悪魔型「1、2、3・・・たった3隻?おいおいまじかよ!!」
オーナー4「ぶっ・・・ほ、本当か?」
野木は手に持った缶コーヒーを飲む。
野木「一瞬だった、時間にして5分もかかっていなかったな、みんな一撃で撃沈された」
ワシ型「これがその写真ですね」
野木から渡された写真を囲んで数体の神姫が騒ぐ。
天使型「ぼやけていてよく分からないですね」
サソリ型「真っ黒な武装神姫だ」
スプーン型「こんな神姫見たことないです」
ワシ型「私もです」
建機型「戦艦型を一撃で破壊できるんですから、有名な神姫ではないのですか?」
オーナー5「おい、お前知ってるか?こいつ」
オーナー2「ノン」
野木「そいつは戦艦並の大口径砲と強力な大型ミサイルを装備していた。レーダー、センサーには映らないステルス機だ」
ヴィクトリア「こいつは夜間戦闘に特化した重夜戦、重夜間戦闘機型神姫です」
マキシマ「すれちがいざまにドカン!!速度も速い」
ノザッパ「姿さえさだかじゃねえ!!あいつは化け物だ!!」
生き残った3隻の戦艦型神姫たちは周りによってきた神姫たちに戦闘の様子を話す。
悪魔型「ひええ・・・」
戦闘機型「これは夜中のバトルロンドは出ないほうがいいですね」
犬型「夜中の12時に出没する神姫・・・どこかで聞いたことがあるような・・・」
???「そいつは夜帝だよ」
軽食コーナーの端で老人とチェスを打っている黒い軍服を着た将校型神姫がぼつりとつぶやく。
□将校型MMS 「ナターリャ」 SSSランク「演算」
オーナー名「伊藤 勝成」♂ 70歳 職業 古物商店主
天使型「夜帝?」
オーナー2「なんだそりゃ?」
サソリ型「ナターリャさん、知っているんですか?」
ナターリャはマスターとチェスをしながら答える。
ナターリャ「夜間重戦闘機型「シュヴァル」 SSSランク 二つ名 「夜帝」・・・バトルロンドでは彼女は夜中にしか出没しない、相手をほとんど一撃であっという間にすれ違いざまに撃破していくので姿を見ることも難しく。倒された神姫は相手の姿を見ることが出来ない・・・貴様らの話を聞いて、こいつしか思い浮かばないな・・・カタリナ社製の重夜間戦闘機だ」
一人のオーナーが慌ててノートパソコンで夜間重戦闘機型MMSと検索する。
オーナー7「夜間重戦闘機型!出たぞ!!こいつだ!!」
オーナーや神姫がノートパソコンを覗き込む。
カタリナ社の公式MMSカタログに画像とスペックが載っていた。
:夜間重戦闘機型MMS「ブラック・セイヴァー」
カタリナ社 第3開発局製
主兵装
3.5mm素粒子砲 2門 レーザーバルカン砲 6門 マイクロミサイルランチャー 2基 思考性巡航ミサイル 4発 チャフフレア
夜間戦闘を主軸に置いたステルス重戦闘神姫。モチーフは第二次世界大戦中の双発の大型夜間戦闘機群。運用方法も参考に開発。
強力な素粒子エンジンを5基搭載し武装は非常に強力、リアパーツ部に長大な素粒子砲を搭載。素粒子砲は熱量が高いので抑えることができるように特殊な液冷却装置が組み込まれ、高い威力を持ちながらも連射することが可能。一撃で戦艦クラスの神姫も撃沈可能な高い命中率を誇る神姫サイズの大型思考性巡航ミサイルを最大4発搭載可能。それらの強力な火器を正確に命中させることができるように全身にレーダーやセンサーが点在しており、電子戦も得意。全身真っ黒なのはステルス塗料を塗ってあるため。
重武装、高速航行、重装甲の戦闘可変航空神姫であったが、重量級の機体のため旋回性能は劣悪で、ドックファイトを挑まれると、どうしても大回りになってしまい横転性能も鈍い、本機は一航行戦闘の一撃離脱戦法に徹した戦い方を行うことを想定している。
-本MMSは、完全受注生産MMSです。ご発注の際は最寄のMMSショップ、もしくはMMS取り扱いのある機械工具商までお問い合わせ下さい。
画像には全身真っ黒で強力な武装を多数備えた凶悪なフォルムの神姫の写真が写っていた。
悪魔型「な、なんじゃこりゃあああああ!!!」
天使型「完全受注生産型の高級神姫じゃないですか」
種型「こいつですかーうわーーーこれは、ちょっと・・・」
ワシ型「こんな神姫がいるんですか・・・」
オーナー3「野木、こいつか?やられたのは」
野木「・・・・ああ、こいつだ、間違いない」
マキシマ「そうだ、こいつだ!!」
ノザッパ「こいつにみんなやられたんだ!!!」
ヴィクトリア「うううむ・・・」
画像を見た神姫たちは口々にうなる。
ナターリャ「この界隈でそいつを使いこなして、真夜中に暴れまれ廻っている神姫といえばSSS級の強ランカー神姫、『夜帝』だな・・・そいつは夜中の12時にしか現れない」
ナターリャは、すっとワインを口に運ぶ。
野木「情報ありがとう」
ナターリャ「気にするな、その程度のこと」
オーナー2「こんな奴が夜中に出るんじゃ、深夜のバトルロンドは出ないほうがいいな」
オーナー3「というか、深夜の12時ってバトルロンドの利用数が一番少ない時間帯じゃね?あんまり被害って・・・ないような気が・・・」
スプーン型「ですよねーほっておいてもいいような気が・・・」
ワシ型「うん、私もそう思います」
ナターリャは、すっとチェスの駒を指す。
ナターリャ「・・・夜の12時は彼女の統べる世界か・・・噂は本当だな」
野木「・・・どういう意味だ?」
ナターリャ「そのままの意味さ、奴の二つ名は『夜帝』・・・夜の帝王だ。普通の神姫たちは視界が良好な日中や遅くて夕方の戦闘に慣れており真っ黒闇の真夜にはヨタヨタと彷徨うのが精一杯が関の山。それに大して彼女は最初の設計開発の段階から夜間戦闘を念頭に置いた武装構成で優秀なレーダー電子装置とステルス装備を搭載しており、彼女に夜間戦闘を挑むのは自殺行為に等しい。だから誰も奴が出ると噂される夜の12時には出歩かない・・・本当に強い神姫ってのはな、戦う前から相手を力で潰すんだ・・・戦闘行為自体を思いとどまらせる力・・・抑止力という見えない力を持っている・・・・言っている意味分かるか?」
野木「くっ・・・ずいぶんと辛口だな」
ナターリャ「事実を言ったまでさ、実際、そのとおりだしな」
野木は周りを見るとほとんどのオーナーや神姫たちが戦う前からコイツには勝てない、夜中には出歩かないようにしようと騒いでいる。
野木「ふん、いまいましい!!」
ヴィクトリア「さてと・・・私たちはどうしますか?マスター」
野木「どうするとは?」
ヴィクトリア「このまま、コソコソと夜中の12時以降に出歩くのをやめますか?」
ノザッパ「それこそ、奴の強さを証明してしまう」
マキシマ「奴の手口が分かった!!反撃だ!」
野木「まて、落ち着け・・・そう簡単には・・・」
野木は躊躇する。やみくもに攻撃しても勝つ見込みは少ない、頭のいい参謀が考えた作戦がいる。
野木「・・・・ナターリャ」
ナターリャはマスターともくもくとチェスを打ち続けている。
ナターリャ「貴様が何を考えているか私は知っているが、私は力を貸さないぞ。私はこの通り、なんの武装も持たない・・・ただのチェス好きの神姫だ」
野木「力ではなく知恵が欲しい」
ナターリャ「らしいですが?閣下」
ナターリャのマスターの伊藤は重く口を開く。
伊藤「ナターリャ、このお嬢さんに協力して差し上げなさい」
ナターリャ「・・・失礼ですが、理由を教えてください」
伊藤「怖気づくほどの強い神姫がいる。それを倒すことに理由がいるのでしょうか?」
ナターリャ「了解しました。そして・・」
ナターリャはナイトをすっと動かしをクイーンを取る。
ナターリャ「チェックメイトです。閣下」
伊藤「クイーンが落ちたか、やはり切り札はナイトということで」
ナターリャ「チェスにおいてクイーンは最強ですが、ナイトは効果的に使えばクイーンを狩れます。駒が必要ですが・・・」
野木「バトルロンドはチェスのようにはいかないぞ」
ナターリャ「試してみますか?」
野木はニヤリと笑う。
野木「あは・・・あはっははっははは!!!面白い!!!!駒は私が用意しよう!!奴は今日も出ると思うか!?」
ナターリャ「・・・でますね」
野木「なら今日の夜11時、ここに集合しよう。駒は何がいる?」
ナターリャ「あなたの生き残りの重巡洋戦艦型神姫が2隻、完全装備の航空母艦型神姫が1隻とベテランの飛鳥タイプの戦闘機型が2機、ステルス戦闘機型が2機・・・あとはなんでもいいから8体ほどの武装神姫・・・こんなところか」
野木「1個機動MMS艦隊をまるごと用意しろというわけか」
ナターリャ「そういうことだ。おおげさだと思うか?」
野木「思わないな、奴を倒すにはそれくらいの覚悟がいるということだな」
ナターリャはうなずく。
ナターリャ「覚悟があるからといって勝つとは限らない。気合や根性で勝てるほど戦いは甘くない。勝つためにはなんでもやる。戦い方を教えてやろう・・・」
ナターリャはきゅっと深く帽子を被る。
To be continued・・・・・・・・
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**第2部 「ミッドナイトブルー」
第2話 「night-2」
西暦2041年 5月21日 12:00
『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』
お昼のチャイムが公園内に響く。
園内の噴水広場の軽食コーナー、そこでは多種多様な神姫とオーナーたちが昼飯を食べて雑談をしていた。
オーナー1「おい、知ってるか?昨日の夜出たらしいぜ」
オーナー2「出たって何が?」
天使型「例の都市伝説ですね」
サソリ型「12時の死神か・・・」
悪魔型「ええーーーほ、本当?」
オーナー3「ついにこの神姫センターにも、来たか」
種型「なんでも灰色艦隊の巡洋戦艦型神姫が半数以上撃沈されたらしい」
花型「ひゃーーー恐ろしい恐ろしい」
オーナー4「あの成金艦隊か?実力は低いだろ」
スプーン型「ですが、腐っても戦艦型神姫、それをわずか数分で半滅させたのですから・・・」
オーナー5「12時の死神、あれって実在するのか?よくあるゴーストファイターだろ?」
雑談に花を咲かせるオーナーたちに1枚のぼやけた写真が投げ込まれた。
オーナー1「!?なんだこりゃ」
野木「奴は実在する。これがやつの写真だ。私の重巡が撮影した」
野木が生き残った艦隊を引き連れてテーブルに座る。
ゴーンゴーンゴーン・・・
低いエンジンを唸らせて灰色艦隊で生き残った3隻の戦艦型神姫が噴水広場の上空に現れる。
悪魔型が目を細めて艦隊を見上げる。
悪魔型「1、2、3・・・たった3隻?おいおいまじかよ!!」
オーナー4「ぶっ・・・ほ、本当か?」
野木は手に持った缶コーヒーを飲む。
野木「一瞬だった、時間にして5分もかかっていなかったな、みんな一撃で撃沈された」
ワシ型「これがその写真ですね」
野木から渡された写真を囲んで数体の神姫が騒ぐ。
天使型「ぼやけていてよく分からないですね」
サソリ型「真っ黒な武装神姫だ」
スプーン型「こんな神姫見たことないです」
ワシ型「私もです」
建機型「戦艦型を一撃で破壊できるんですから、有名な神姫ではないのですか?」
オーナー5「おい、お前知ってるか?こいつ」
オーナー2「ノン」
野木「そいつは戦艦並の大口径砲と強力な大型ミサイルを装備していた。レーダー、センサーには映らないステルス機だ」
ヴィクトリア「こいつは夜間戦闘に特化した重夜戦、重夜間戦闘機型神姫です」
マキシマ「すれちがいざまにドカン!!速度も速い」
ノザッパ「姿さえさだかじゃねえ!!あいつは化け物だ!!」
生き残った3隻の戦艦型神姫たちは周りによってきた神姫たちに戦闘の様子を話す。
悪魔型「ひええ・・・」
戦闘機型「これは夜中のバトルロンドは出ないほうがいいですね」
犬型「夜中の12時に出没する神姫・・・どこかで聞いたことがあるような・・・」
???「そいつは夜帝だよ」
軽食コーナーの端で老人とチェスを打っている黒い軍服を着た将校型神姫がぼつりとつぶやく。
□将校型MMS 「ナターリャ」 SSSランク「演算」
オーナー名「伊藤 勝成」♂ 70歳 職業 古物商店主
天使型「夜帝?」
オーナー2「なんだそりゃ?」
サソリ型「ナターリャさん、知っているんですか?」
ナターリャはマスターとチェスをしながら答える。
ナターリャ「夜間重戦闘機型「シュヴァル」 SSSランク 二つ名 「夜帝」・・・バトルロンドでは彼女は夜中にしか出没しない、相手をほとんど一撃であっという間にすれ違いざまに撃破していくので姿を見ることも難しく。倒された神姫は相手の姿を見ることが出来ない・・・貴様らの話を聞いて、こいつしか思い浮かばないな・・・カタリナ社製の重夜間戦闘機だ」
一人のオーナーが慌ててノートパソコンで夜間重戦闘機型MMSと検索する。
オーナー7「夜間重戦闘機型!出たぞ!!こいつだ!!」
オーナーや神姫がノートパソコンを覗き込む。
カタリナ社の公式MMSカタログに画像とスペックが載っていた。
:夜間重戦闘機型MMS「ブラック・セイヴァー」
カタリナ社 第3開発局製
主兵装
3.5mm素粒子砲 2門 レーザーバルカン砲 6門 マイクロミサイルランチャー 2基 思考性巡航ミサイル 4発 チャフフレア
夜間戦闘を主軸に置いたステルス重戦闘神姫。モチーフは第二次世界大戦中の双発の大型夜間戦闘機群。運用方法も参考に開発。
強力な素粒子エンジンを5基搭載し武装は非常に強力、リアパーツ部に長大な素粒子砲を搭載。素粒子砲は熱量が高いので抑えることができるように特殊な液冷却装置が組み込まれ、高い威力を持ちながらも連射することが可能。一撃で戦艦クラスの神姫も撃沈可能な高い命中率を誇る神姫サイズの大型思考性巡航ミサイルを最大4発搭載可能。それらの強力な火器を正確に命中させることができるように全身にレーダーやセンサーが点在しており、電子戦も得意。全身真っ黒なのはステルス塗料を塗ってあるため。
重武装、高速航行、重装甲の戦闘可変航空神姫であったが、重量級の機体のため旋回性能は劣悪で、ドックファイトを挑まれると、どうしても大回りになってしまい横転性能も鈍い、本機は一航行戦闘の一撃離脱戦法に徹した戦い方を行うことを想定している。
-本MMSは、完全受注生産MMSです。ご発注の際は最寄のMMSショップ、もしくはMMS取り扱いのある機械工具商までお問い合わせ下さい。
画像には全身真っ黒で強力な武装を多数備えた凶悪なフォルムの神姫の写真が写っていた。
悪魔型「な、なんじゃこりゃあああああ!!!」
天使型「完全受注生産型の高級神姫じゃないですか」
種型「こいつですかーうわーーーこれは、ちょっと・・・」
ワシ型「こんな神姫がいるんですか・・・」
オーナー3「野木、こいつか?やられたのは」
野木「・・・・ああ、こいつだ、間違いない」
マキシマ「そうだ、こいつだ!!」
ノザッパ「こいつにみんなやられたんだ!!!」
ヴィクトリア「うううむ・・・」
画像を見た神姫たちは口々にうなる。
ナターリャ「この界隈でそいつを使いこなして、真夜中に暴れまれ廻っている神姫といえばSSS級の強ランカー神姫、『夜帝』だな・・・そいつは夜中の12時にしか現れない」
ナターリャは、すっとワインを口に運ぶ。
野木「情報ありがとう」
ナターリャ「気にするな、その程度のこと」
オーナー2「こんな奴が夜中に出るんじゃ、深夜のバトルロンドは出ないほうがいいな」
オーナー3「というか、深夜の12時ってバトルロンドの利用数が一番少ない時間帯じゃね?あんまり被害って・・・ないような気が・・・」
スプーン型「ですよねーほっておいてもいいような気が・・・」
ワシ型「うん、私もそう思います」
ナターリャは、すっとチェスの駒を指す。
ナターリャ「・・・夜の12時は彼女の統べる世界か・・・噂は本当だな」
野木「・・・どういう意味だ?」
ナターリャ「そのままの意味さ、奴の二つ名は『夜帝』・・・夜の帝王だ。普通の神姫たちは視界が良好な日中や遅くて夕方の戦闘に慣れており真っ黒闇の真夜にはヨタヨタと彷徨うのが精一杯が関の山。それに大して彼女は最初の設計開発の段階から夜間戦闘を念頭に置いた武装構成で優秀なレーダー電子装置とステルス装備を搭載しており、彼女に夜間戦闘を挑むのは自殺行為に等しい。だから誰も奴が出ると噂される夜の12時には出歩かない・・・本当に強い神姫ってのはな、戦う前から相手を力で潰すんだ・・・戦闘行為自体を思いとどまらせる力・・・抑止力という見えない力を持っている・・・・言っている意味分かるか?」
野木「くっ・・・ずいぶんと辛口だな」
ナターリャ「事実を言ったまでさ、実際、そのとおりだしな」
野木は周りを見るとほとんどのオーナーや神姫たちが戦う前からコイツには勝てない、夜中には出歩かないようにしようと騒いでいる。
野木「ふん、いまいましい!!」
ヴィクトリア「さてと・・・私たちはどうしますか?マスター」
野木「どうするとは?」
ヴィクトリア「このまま、コソコソと夜中の12時以降に出歩くのをやめますか?」
ノザッパ「それこそ、奴の強さを証明してしまう」
マキシマ「奴の手口が分かった!!反撃だ!」
野木「まて、落ち着け・・・そう簡単には・・・」
野木は躊躇する。やみくもに攻撃しても勝つ見込みは少ない、頭のいい参謀が考えた作戦がいる。
野木「・・・・ナターリャ」
ナターリャはマスターともくもくとチェスを打ち続けている。
ナターリャ「貴様が何を考えているか私は知っているが、私は力を貸さないぞ。私はこの通り、なんの武装も持たない・・・ただのチェス好きの神姫だ」
野木「力ではなく知恵が欲しい」
ナターリャ「らしいですが?閣下」
ナターリャのマスターの伊藤は重く口を開く。
伊藤「ナターリャ、このお嬢さんに協力して差し上げなさい」
ナターリャ「・・・失礼ですが、理由を教えてください」
伊藤「怖気づくほどの強い神姫がいる。それを倒すことに理由がいるのでしょうか?」
ナターリャ「了解しました。そして・・」
ナターリャはナイトをすっと動かしをクイーンを取る。
ナターリャ「チェックメイトです。閣下」
伊藤「クイーンが落ちたか、やはり切り札はナイトということで」
ナターリャ「チェスにおいてクイーンは最強ですが、ナイトは効果的に使えばクイーンを狩れます。駒が必要ですが・・・」
野木「バトルロンドはチェスのようにはいかないぞ」
ナターリャ「試してみますか?」
野木はニヤリと笑う。
野木「あは・・・あはっははっははは!!!面白い!!!!駒は私が用意しよう!!奴は今日も出ると思うか!?」
ナターリャ「・・・でますね」
野木「なら今日の夜11時、ここに集合しよう。駒は何がいる?」
ナターリャ「あなたの生き残りの重巡洋戦艦型神姫が2隻、完全装備の航空母艦型神姫が1隻とベテランの飛鳥タイプの戦闘機型が2機、ステルス戦闘機型が2機・・・あとはなんでもいいから8体ほどの武装神姫・・・こんなところか」
野木「1個機動MMS艦隊をまるごと用意しろというわけか」
ナターリャ「そういうことだ。おおげさだと思うか?」
野木「思わないな、奴を倒すにはそれくらいの覚悟がいるということだな」
ナターリャはうなずく。
ナターリャ「覚悟があるからといって勝つとは限らない。気合や根性で勝てるほど戦いは甘くない。勝つためにはなんでもやる。戦い方を教えてやろう・・・」
ナターリャはきゅっと深く帽子を被る。
To be continued・・・・・・・・
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