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「明日の為に、其の8!(前編)」(2006/11/02 (木) 23:28:19) の最新版変更点
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<明日の為に、其の8!(前編)>
『西暦2036年、世界は神姫ブームに包まれた。』
「って声が聞こえて来そうな感じだよな。」
流れている神姫のCMを見ながら、あながち間違いじゃないよなとか思う。
「ついに師匠が見えてはいけない妖精さんと会話しちゃってます…」
「エストよ、気付かないフリをするのも優しさだぞ?」
神姫と似非猫が勝手な事言いやがって。
『さーて、来週のサザエさんは?』
『ハーイ、チャーン、バブー、の3本でお送り致します。』
現在まで続いている国民的超長寿アニメが終了したようだ。
「そこの馬鹿ーズ、そろそろ約束の時間だし出かけるぞ。」
「はーい。」「うむ。」
否定しないのかよ。
「やっとアンも自由に動けるね。」
「あれはあれで居心地は良かったのだが、自分の意思で動けるのは格別だ。」
例によって困ったときの悪友頼み、アンを拾った経緯を適当に話すとパーツをくれると言うから職場までやって来た訳だ。
世間一般のプチマスィーンズが搭載されている物と何ら変わりは無い。
「そのうち礼はするけど、あまり期待はしてくれるなよ。」
「ハハハ、甲斐性無しの君にお礼を期待するほど鬼じゃn」
ヴー、ヴー、ヴー
突如鳴り響くサイレン。緊急を報せる原因は、いつぞやでも使用したバーチャルバトル用の試験フィールドだ。
「素体の無い頭部のみの神姫でも、バーチャル限定でバトルが可能になるシステムの試験中だったんだけど、どうも暴走しちゃってるみたいだねー。」
軽いノリで説明台詞をありがとう。
「そうか、ならば仕方ない…帰るか。」
「え!?師匠、そこは普通に考えると『俺達の出番だな。』とかの熱い台詞じゃないんですか。」
「我輩もそう思うぞ。」
「だって今は休職中だし、そもそも原因の解決方法もわかってないじゃないか。」
「特殊な機体だからね、一般の神姫と違って自我やら何やらは無いんで倒せば解決する筈だよ。」
どうも腑に落ちないというか、それならシステム自体をシャットダウンさせれば済むんじゃないのか?
「確かにそれが早いんだけど、データは多い方が良いじゃない?」
人の心の声に返答した挙句、理由がそれかよ。
「師匠の協力がなくても、私一人でそんな相手十分ですよ!」
言うなりエストはいつもの長槍を取り出し、バトルフィールドへ入る準備を始める。
その台詞は死亡フラグ立っちゃいそうで危ないぞー。
『あのー…、もしかして相手ってアレですか?』
「多分ネットに接続して情報を集めた結果、大きくて強そうな身体のイメージがアレだったんだろうね。」
フィールドは荒野、目の前に聳え立つ神姫はデビルガンダム(第1形態)のガンダム部分がバニーになっただけの代物だった。
「我輩はあのような神姫は初めて見るが、そもそもアレは神姫と呼んで良いのか?」
正式なバトルでは無いし、頭部以外はデータの塊である以上、そんな問いかけ自体が無意味なのだが。
『うわぁ~っ』
慌てた声に反応して画面を見てみると、飛来する大量の弾丸とそれを必死に弾くエストが映っている。
「何で最終形態じゃないのか疑問だったが、火器管制に優れたバニーには第1形態こそがベストな姿だったんだな。」
『し、師匠~、解説は良いですから何かアドバイスを~。』
「と申しておるが?」
「一人で十分なんだろうが、人を頼らずに自力で倒しやがれ。」
カキッ
弾く速度が追い付かなくなったのだろう、長槍を分解し手数を増やす事にしたようだ。
「このまま防戦一方では相手は倒せぬぞ。」
『アンに言われなくてもわかってるよ。』
キンッ
言うなり2本に別れていた槍を再度長槍に戻しながら前方へとダッシュ。
その際に槍を振動させる事も忘れない。
迫り来る2本のクローも掻い潜り、死角になる位置へと到達する。
『てーいっ!』
ゴシャッという音と共に左前脚部が消滅する。
『まだまだー』
続けて右前脚部を破壊しようと槍を振りかぶった瞬間、ある筈の無い左前脚部で攻撃を受けて吹き飛んだ。
「この様子だと自己進化、自己再生、自己増殖の3大理論はバッチリって訳だな。敵ながらGJだ。」
悪友を含め、周囲の視線が刺さってるが無視できる自分に万歳。
『再生出来ないぐらいの力で消滅させれば無問題。』
そう言って長槍を地面に突き刺し、逃げるように背後へ。
十分な熱量を得て準備が整った事を確認すると、デビルバニー(仮)に向かって邪悪な笑顔で全力投擲。
『私の勝利の礎となれた事を誇りに思うが良いわ!!』
が、爆発が起こるでも無し、蒸発する音がするでも無しでリアクションに困る一同。
長槍が進む際に巻き上げた土埃が晴れた後には、身体の2/3を失いながらもデビルバニー(仮)の姿があった。
既に再生を始めてるデビルバニー。
肝心の武器は貫通してしまい何処かへ飛んで行ってしまったエスト。
流石にこの状況では勝ち目が無い、が何か手助けするにも時間が必要だ。
『師匠ぉ~』
「何とかこれで時間だけ稼いでおけ。」
あまりの戦力差を見かねた俺は、とりあえずリボルケインをエストの元へ転送させる。
「アン、ちょっと手伝え。それと隣の研究室借りるぞ。」
それだけ言うと、持って来ていた鞄を掴んで研究室へと消えて行った。
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[[師匠と弟子>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/84.html]]
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