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*年末年始だ!丑寅対決
「もう!ヤクトったら、まじめに掃除してください」
年末、和多家では大掃除に真っ最中だった。年末ということもあって、今日一日は掃除に費やすことにしたのである。そのため、ヤクトとカウベルは身の回りの整頓をしているのだった。
「マスターがここも掃除してくださいと言っているんです、早くやらないと今年が終わってしまいますよ」
「わあったよ、これをどかせばいいんだろ、よっこらえ」
しかし掃除は遅々として進まなかった。やる気のないヤクトは、仕方なしに荷物を運ぶ。それに対して、カウベルのほうはやる気満々だ。
「そうそう、それをこっちに運んでくださいね。私はこのあたりを掃除しますから」
なかなかの主婦ぶりに、不動も関心を示していた。
「かうべるノ姉サン、ナカナカ手際ヨイ仕事ヲシマスネ」
「感心してないでお前も掃除するんだよ!」
動かない不動に、ヤクトの怒りが落ちる。
「ハイハイ。デハ、自分ハコチラヲ片付ケマス」
さっさと荷物を運ぶ不動。ヤクトも身近なところから片付け始めた。
しかしここの作業台はかなり広く、片付けるのにかなりの時間を要した。
「そういえばマスターはどうしたんだ?姿が見えないけど」
「マスターならお掃除道具を買いに行きましたよ。って、どこ見て言ってるんですか?」
作業をおろそかにしているヤクトに対して、カウベルの檄が飛ぶ。
「あ、わりいな。余所見しちまった」
重い荷物を持ち、奥に運ぼうとするヤクト。しかしその瞬間、ヤクトの足にコードが絡まり、そのまま倒れてしまった。当然、手に持っていたはずの荷物はあたりに散らばっていった。
「ありゃあ、こいつは大変なことになったなあ」
ヤクトは、荷物を落とした場所を見た。そこには、ケースを頭からかぶったカウベルの姿が…。
「ヤ~ク~ト~」
「ひ、ひぇぇぇぇっ!!」
途端に青ざめるヤクト。
「ご、ごめん、決して悪気があってやったわけじゃ…」
必死に謝るヤクトだったが、カウベルの怒りは収まらない。
「もう許しません!まじめに掃除をしないヤクトなんて、大嫌いですっ!!」
ケースをかぶったまま、そのまま歩き去ってしまった。
「い、いいじゃないかよ~こんなことくらいでさ」
ヤクトは文句を言いながら、しぶしぶと掃除を続けた。
「どうしたんだ、そんな顔をして」
和多が帰宅したとき、目に飛び込んできたのは、ケンカをしてそっぽを向いているヤクトとカウベルの姿だった。
「訳を聞かせてくれ」
しかし、ふたりの答えはばらばらだった。
「ヤクトがろくなことしないから!」
「そっちこそ、いきなり怒りやがって」
まるで子どものケンカである。いがみ合うふたりは、お互いにらみ合いながら説明を続けた。
「おいおい、もう少し解りやすく説明してくれよ」
困っている和多を見かねた不動が、ふたりがケンカした原因をわかりやすく説明した。
「…ト、イウコトナノデス」
「そうか、それは困ったことになったな。何とかして仲直りしてあげたいものだが…」
掃除が原因になったことはわかったが、それをどのようにして解決するのかは困難だった。なぜなら、今回のケンカはただでは済まされない気がしたのだ。
「ドウシマスカますたー、コノママデハオタガイけんかシタママ年越シヲシテシマイマス」
「たしかにそうだな、私もふたりが仲違いになったまま新年を迎えたくないからな…」
まったくである、このまま新年を迎えることがあれば、楽しいはずの正月が台無しになってしまう。
「そうだな…、だったら、バトルで勝敗をつけるっていうのはどうだ?今までお前たちを戦わせたことがないからな、この際やってみようかと」
和多の一見無謀な妙案に、ふたりは無条件で飲んだ。
「そういえば、今までヤクトと戦うなんて考えもしませんでした。いいでしょう、戦いましょう」
「おいらも戦いたいと思ってたんだ、OK、やってやるぜ」
やる気十分のふたり。どうやら和多の思惑は当たったようだ。
「よし、それでは大晦日に勝負を行なう事にする。場所は今度年忘れバトルロンドを行なう流通センター、そこで特別にお前たちを対決させる」
そんなことできるのか、とふたりは和多に聞いたが、和多はケンカしていなくてもイベントとしてヤクトとカウベルを出場させる予定だったという。
「なんでそれを黙ってたんだよ?もしかしておいらたちを驚かそうとしたな?」
「まあ、そうと思ってもいい。とにかく、大晦日までもう時間がないぞ。スキルを鍛えるなり改造をするなりしないと勝負にならないぞ」
ふたりは無言で頷き、それぞれ自分の部屋へ戻っていった。
「…アノ二人、仲直リデキルノデショウカ」
「今のところなんともいえないな。でも、この試合が終わった後、どうなっているかは察しがつくけど」
こうして時間の少ない中、それぞれの訓練は続いた。
そして、ついにその日が来た…。
*来年に続く
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