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「ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅣ~」(2009/04/21 (火) 03:43:06) の最新版変更点
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「わ……私は別に、そんな事いりま――――っ!?」
私が反論……いや、自己防衛の為に声を張り上げたその瞬間、勢いよく背筋を伸ばした筈の身体は、力なくコテンとテーブルの上に突っ伏してしまう。
「な……何を…………飲ませ……」
意識は比較的クリアなのに、身体が意思のコントロールをロクに受け付けない。
「んー、ネメシスちゃんが素直になるお薬ですよ?」
人に一服盛っておきながら、悪びれる様子など微塵も無く、さらりと言ってのけるリン。
「痺れ薬の……何処がっ……!」
「いえ、そのお薬は最初、そんな風に身体の自由が効かなくなるんですけど……それは副作用みたいなものでして――」
そこまで言うと、リンは見ている此方がゾクリとするほど、妖艶な微笑を浮かべる。まるで獲物を見定めた夢魔のような……
「――っ!?」
身体が、アツイ。
まるで身体の内側から激しく燃えているかのよう。吐息が熱く、荒くなる。それに全身の神経が過敏になって、スーツと素肌が擦れるだけで――
「これ……って……!?」
――まさか。
「媚薬、ですよ?」
衝撃の台詞を言ったにも拘らず、尚も嬉しそうに満面の笑みを浮かべるリン。悪魔の微笑が、そこにあった。
***~ネメシスの憂鬱 ファイルⅣ~
「摂取すると中枢神経に作用して、とってもえっちな気分になって堪らなくなっちゃう、神姫用の、只の媚薬です」
リンは艶っぽいやや潤みを帯びた瞳で私を見つめ、口端だけを薄く吊り上げる。それはとても美しく、危険な表情。
「今日は手は出さないと……約束を破る気ですか……っ」
「えぇ、手は出しませんよ。ちょっとだけお口は出しちゃいましたけどね」
イタズラがばれた少女が悪びれる事無く謝る時みたいに、チロリと赤い舌を出して形ばかりの謝意を示すリン。
「あ、貴方って人はっ!?」
私はそんな彼女に対して怒る以前に、そのまるで全身が性感帯になったかのように過敏になった自身の身体を必死で抑え込み、僅かに残った理性の力でリンを睨みつける。だが、そんな私の努力をあざ笑うかのように彼女は続ける。
「今日はネメシスちゃんには、私たちの愛の営みを視ていただこうと思いまして」
「……は?」
いきなり何を言い出すんだろう、この人は。
「前回は肉体的アプローチでしたので、今回は精神的に虐め……もとい、可愛がってみましょうかと」
リンは心底楽しそうな表情を浮かべながら、薬の力で不自由になりつつある私の肢体を、指でゆっくりと指でなぞってくる。
それはただ指先が軽く触れるだけ、それだけの行為の筈なのに、私の身体はじっとりと汗ばみ、その火照りを増してくるかのようだ。
「くぁ……っ。――だからって、どうして媚薬なんかをっ!?」
「ほんの少しだけ、貴方の理性の壁に穴を開けてあげようと思いまして。
無駄な理性に囚われて、愛欲に塗れた本性を何時までも想い人に曝け出そうとしない貴方に対して……ね」
既に私の奥底から止め処もなく湧き上がり始めている肉欲の疼きを見透かすかのように、彼女はルビーのように鮮やかに燃え上がるその瞳で、不敵な微笑と共に私を見つめている。
私は抗議の為に彼女を払いのけようとして……手が出るかわりにガチャリとした金属音が鈍く響く。
「これは手錠……!? って、何時の間にっ!」
「嗚呼、その手錠ですか?今回の調教……もとい、実験の一環です。
さっきキスした時にコッソリと。ネメシスちゃんってばキスだけですっかり出来上がっちゃってましたから全然気づいてなかったんですね」
私の両手は後ろ手にガッチリと拘束されてしまっている。足腰にも力が入らなくなっているし、このままでは……
「――という訳でして、マスターにもご協力をお願いしますね。何時ものようにしててくれれば、それで構いませんから」
「リン、さっきから何やって……っておあっ!?」
彼女は机の上を夜の踊り子のような優美で何処か艶やか足取りで、唖然と状況の推移をみやっていた彼女のマスターに近づき、まるでそのための高さに調整されているかのような机の上で、目の前の男性の股間を慣れた手つきで愛おしそうに撫ではじめる。
「ふふ……マスターのここ、もうおっきくなってきてますね。元気なんですから、もう」
男を快楽へと誘う、熟練の娼婦のような甘ったるい吐息と共に、ぴたりとその身体を密着させ、掌でズボンの膨らみ始めた部分を重点的に摩り上げる。
「さぁ、よく見ててくださいね。私たちがどんな風に愛し合っているのかを……」
軽く酔っ払ったような、更に甘い声をあげるリン。男の股間にその愛らしい顔を埋め、まるでその匂いと感触をその頬で確かめているかのようだ。
「マスターの香り、強烈です……」
「ちょっ、何恥ずかしい事を!? せ、せめて風呂に入ってからで――、いやそれ以前に人様の前でだなぁ!」
「嫌です、そんな事したらマスターの匂いが流れてしまうじゃないですか」
しれっと言い切るリン。変態だ。
「――あら、ネメシスちゃんだって、アキラちゃんのニオイなら大好きなんじゃないですか?」
「なっ!? そ、そんな事!……は…………」
その、無い、という訳では……ないのだが…………
「って、人の心を読まないでください!それともクラッキングでもしたのですかっ」
「あら、心外です。
私はそんな大それた事してませんよ。ただきっとそんな風に思っているんだろうなって顔をしてただけです」
そ、そんなに顔に出やすいのだろうか……
「ええ、とっても♪」
「ま、また貴方はそうやってっ!」
フフリと魅惑的な微笑を浮かべるリン。やはり彼女は悪魔だ……
「素直になった方が、もっと楽しめますよ、勿体無いですねネメシスちゃんは」
「そんな事余計なお世話――――、いや……うぅ……」
秋奈女史の言葉が思い出される。だから、私は……
「まぁでも今回は見ているのがお勉強の一環ですから、参加したいと言ってもダメですけどね。
それじゃ……ふふ、おっきいから中々開きませんね」
「い、言うな……」
人前でこんな行為をしているせいだろう、真っ赤な顔のマスターに対して気を使っているのかいないのか、ジジィーっという独特の金属音と共に、ズボンのチャックがリンの手によってずり下げられていく。確かにリンの言うとおり、中のモノが大きくなっている分開け難そうなのだが、彼女は愉快そうな表情を浮かべ、それすら楽しんでいるかのようだ。
「んふふ、1日ぶりですね♪」
やがてぶるんと隙間から勢いよく飛び出す、巨大なキノコのような物体。リンは傘が開いたかのような先端部に愛しそうにキスをする。
「コレが男性の性器……ペニス。もしくはおちん○ん、ですよ。ネメシスちゃんは見るのも初めてでしょう」
そう説明をしながら、まるで恋人に甘えるみたいにほっそりとした腕を、その……ペニスに絡めるリン。その刺激に反応してか、グロテスクなそれはビクンと一際大きく跳ね、リンの頬を叩く。
「あんっ♪マスターのおち○ちん、凄く元気なんですから……私でいっぱい気持ちよくなってくださいね」
だがリンは自分から更に密着し、抱き枕を腕で抱き締めるみたいに腕を絡ませて引き寄せ、棒部分と先端部の隙間に器用に舌を這わせ、じっくりと舐るようにキスの雨を降らせてゆく。
「ん……ちゅ…………んふ……ふぁ……」
零れるように漏れるリンの甘い声と、本当に小さな舌がしっとりと奏でる水音が、夜中の静かな室内に、ほんの微かに響く。それは同じ室内に居たとしてほんの少
し離れてしまえば人間では聞き取れない位に小さな水音。
でも、神姫ならば聞こえる。いや、聞こえてしまう。聴音センサーの感度を下げるだけで聞こえなくなるのに、それが出来ない。……いや、出来ないのではなく、したくないのかもしれない。心の何処かで、この愛し合う者たちが奏でる交響曲を聞いていたいと思っているのかもしれない。
「んちゅ……、もうすっかり、カチコチですね。
ネメシスちゃん、ちゃんとみてます?男の人は気持ちよくなると、おち○ちんが鉄みたいに固く、おっきくなるんですよ」
亀頭を胸元で抱き締めるようにして引き寄せたまま、今度はアイスクリームを舐めるようにチロチロと赤い舌を突き出し、満遍なく舌先を這わせる。唾液を舌に絡ませているらしく、僅かづつだが先端を中心に、ぬらぬらと独特の光沢具合に包まれてゆく。
「わ、私はそんな事知らなくてもべ……別にっ!」
「そうですか? 貴方のマスターが女の子なのですし、悦ばせる為には対となる男の固さも知っておいた方が良いかもしれないですよ?」
そう言いながら、すっかり充血してドス黒くなったソレの先端、縦に深く刻まれたスリットに口づけを行う。否、顔が軽く埋まる程のソレはキスとすらいえないかもしれない。
「うぁ、リ……リン、それは……はっ!」
「ふぃもち……いいで……ふぉ……、んりゅ……りゅ……ふぁ……」
私の位置からではリンの口が何をしているのかはわからない。だが先程よりも粘っこい水音が響いてくるのははっきりとわかる。そしてその水音が増す都度に顔を酷く顰める彼女の伴侶。その彼は耐え難い感覚に包まれているのか、寒気に耐え切れず震える人みたいにガクガクと膝が笑い出す。
「ぷぁ……っ。男の人がとっても気持ちよくなると、此処の穴から精液がびゅーって出るのは、さすがのネメシスちゃんでも知ってますよね」
「そ……それくらいは、まぁな」
「でもその前に、気持ちよくなってくると、こんなのが……出てくるんですよ」
そう言うリンの顔中にべったりとついているのは、先程彼女が塗りたくっていた唾液よりも更に粘っこい質感を持つ、透明な粘着質の液体。それが男性器の
「これ、カウパー液って言うんですよ。男の人にとってのエッチするための準備といいますか、女の子でいえば愛液みたいなものです。
ほら……こんなにえっちな味なんですよ……?」
顔中についたベトベトの液体をゆるりとした手つき拭いとり、それをうっとりとした表情で口に運び、とろりと美味しい蜂蜜のように一口舐めるリン。その一連の行動そのものが、男の理性を剥ぎ取り崩壊させてくかのような卑猥さに溢れている。
「なぁ……気持ちいいんだけどさ、そろそろ……」
「あら、ちょっと焦らしすぎちゃいましたかね。それじゃあ、そろそろ一回目をですね……」
耐え切れず半ば懇願するようにも聞こえる男の声に応えるように、リンは男の性器に抱きついたまま大きく上半身をグラインドさせる。するとぬちゃりと人間の聴覚でも充分聞こえる位大きな、粘膜がいやらしく擦れあうような音が響く。
「男の人は……ぁ、こう…………やって、たっぷり刺激を受けながらシゴかれると……最高に気持ちいいんです……よっ」
リンはその柔らかな胸を、私たちから見れば巨大な棒に押し付けるようにして、更にグラインドを激しくさせてゆく。形の良い胸は強引に押し付けられこねられたこ
とによって、まるで搗き立ての餅のようにその姿を酷く歪ませてゆく。
その奉仕行為によって彼女自身も昂ってきているのか、その声は何処か上擦り、その瞳は蕩けたように愛する男を見据えている。
「あふ……マスターのおちん○ん、ビクビクって跳ねてぇ……射精しそうなのですね」
「嗚呼――もうすぐ……」
「早く射精して――――マスターの熱い精液……私にいっぱい……かけて……くださぃ……」
2人とも息も絶え絶えに、その淫らな行為に没頭してゆく。リンは先程よりも大きなストロークで男性器をその上半身で擦り上げ、男もリンの動きに会わせる様にして腰を極僅かだが小刻みに動かし始めている。
「――――リンっ!」
「――っ!ぁ…………」
その一言が切っ掛けだったかのように、男性器から噴水のように勢いよく吐き出される、どろりとして白濁した液体。
そしてそれを自ら望むかのように浴び、その黒いボディを白く染め上げてゆくリン。
「マスターの……せーえきいっぱぃ。――あたたかくて……こんなに……」
彼女は顔が一見判別出来なくなる程の大量の白濁液に塗れたにも拘らず、それを苦とすることも無く、悦びに満ちているようで。
「んふ――ぢゅる……ぅ……んふふぅ……。ネメシスちゃん、これがぁ……精液ですよぉ。
どろりとして……甘くて……最高です……」
顔から白濁した……精液をこびりつかせたまま、最高の夢を見ているかのような甘ったるい声をあげる。更にその頬から胸や下腹部に滴り落ちる精液を手で拭い、まるで上質の生クリームを食べるように、うっとりと陶酔した瞳でその口へと運び、ゆったりと口の中で転がし味わっている。
「そ……そんな事知りませんっ」
リンの身体中を犯しただけでは受け止めきれず、テーブルの上、私の座っている場所にまで飛び散った精液。ソレは栗の花のような独特な異臭を放っていて、とても私には美味しいモノだとは思えない。が……
「そうですか、大好きな人の精液ってとっても美味しいんですよ。ネメシスちゃんもそのうちわかりますよ。
嗚呼、ネメシスちゃんのマスターは女の子でしたね」
私の心を見透かすかのようにくすくすと薄く笑う、悪魔の微笑を湛えるリン。
「――――さて……次は、コレでお願いしますね。マスター」
「……ああ。こうなったら何処までも付き合ってやるぞ」
暫くは余韻を楽しんでいたらしいリンだったが、すっと表情を変えて立ち上がる。そして何時の間に用意したのか(もしかしたら私が起きる前に準備を完了させていたのだろうか)、テーブルの上に置かれていた、私たちならば数人がまとめて入りそうなサイズの箱に近づき、開ける。そして旦那がその中身を手に取り、現れたのは、直径10cm長さ30cm程のシリコンのような独特の光沢を持つ円筒形の物体。よくみるとそこには細長いコードが付属していて、その先は……何故か神姫サイズのパンツに繋がっていた。
「………………な、なんですかその間抜けな物体は」
そのあまりに滑稽なモノに、自分の状況も身体の火照りも忘れ唖然とする。
「あら、知らないんですか?『赤ずきんちゃんご用心』って言う、今大人気のアイテムなんですよ。マスターと神姫を1つにしてくれるアイテムなんです」
「1つにって……こんなものでどうやって」
「ほら、こんな風になってるんですよ」
彼女はパンツの内側が見えるように此方へとソレを傾ける。確かに内部には男性器を模したモノが、ましましと鎮座していた。
つまり、向こうの円筒形の物体に男性器を挿入して、此方がソレに対応して動く……と。
「正解」
「へ……へんたい」
「失礼ですねっ! お互いがより深く繋がれる良いアイテムです」
精液で完全にべとべとになってしまったボディスーツを脱ぎ捨て、慣れた手つきでするりとパンツを穿くリン。
「さぁ……マスター、来てください」
彼女はその手で軽く男性器をしごくと、まるでその欲情した姿を見せ付けるかのように、膝を立て股を開いたまま男の目の前にペタリと座り込む。自分から男を求める、酷く卑猥な格好で。
「いくぞ……リン」
「ぁ……マスターのおっきいの……はいって……あぁっ!」
男はソレに答え、器具の中に己のモノを穿ってゆく。ぬちゃりと膣肉を掻き分けていくような粘着質な音が今度こそ最大ボリュームで部屋に響き、それにリンの嬌声が重なり、部屋の雰囲気をどぎつい桃色に染めていくかのようだ。
「あっ……はぁっ、やぁん……あぁぁぁ……ひゃ………はぅんっ!」
男のハッハという荒い息遣いと、女の喘ぎが二重奏を奏でる、濡れ場の音響。だがソレを奏でている2人の姿は、傍から見ればお互いが、ただ自慰を行っているだけの、酷く滑稽な風景。だけども……
「幸せ……そう」
互いだけを見つめ合い、相手を悦ばせる事に全力を費やし、1つの高みに昇ってゆく。それは酷く滑稽なのに、何処か神秘的なオーラさえ感じてしまう程の、何処か矛盾した行為。
2人の意識が交じり合い、1つになる時、ソレを視ていた私の意識も、何処か遠くへ飛んでゆくかのようだった。
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[[続く>ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅤ~]] [[トップへ戻る>ねここの飼い方]]
「わ……私は別に、そんな事いりま――――っ!?」
私が反論……いや、自己防衛の為に声を張り上げたその瞬間、勢いよく背筋を伸ばした筈の身体は、力なくコテンとテーブルの上に突っ伏してしまう。
「な……何を…………飲ませ……」
意識は比較的クリアなのに、身体が意思のコントロールをロクに受け付けない。
「んー、ネメシスちゃんが素直になるお薬ですよ?」
人に一服盛っておきながら、悪びれる様子など微塵も無く、さらりと言ってのけるリン。
「痺れ薬の……何処がっ……!」
「いえ、そのお薬は最初、そんな風に身体の自由が効かなくなるんですけど……それは副作用みたいなものでして――」
そこまで言うと、リンは見ている此方がゾクリとするほど、妖艶な微笑を浮かべる。まるで獲物を見定めた夢魔のような……
「――っ!?」
身体が、アツイ。
まるで身体の内側から激しく燃えているかのよう。吐息が熱く、荒くなる。それに全身の神経が過敏になって、スーツと素肌が擦れるだけで――
「これ……って……!?」
――まさか。
「媚薬、ですよ?」
衝撃の台詞を言ったにも拘らず、尚も嬉しそうに満面の笑みを浮かべるリン。悪魔の微笑が、そこにあった。
***~ネメシスの憂鬱 ファイルⅣ~
「摂取すると中枢神経に作用して、とってもえっちな気分になって堪らなくなっちゃう、神姫用の、只の媚薬です」
リンは艶っぽいやや潤みを帯びた瞳で私を見つめ、口端だけを薄く吊り上げる。それはとても美しく、危険な表情。
「今日は手は出さないと……約束を破る気ですか……っ」
「えぇ、手は出しませんよ。ちょっとだけお口は出しちゃいましたけどね」
イタズラがばれた少女が悪びれる事無く謝る時みたいに、チロリと赤い舌を出して形ばかりの謝意を示すリン。
「あ、貴方って人はっ!?」
私はそんな彼女に対して怒る以前に、そのまるで全身が性感帯になったかのように過敏になった自身の身体を必死で抑え込み、僅かに残った理性の力でリンを睨みつける。だが、そんな私の努力をあざ笑うかのように彼女は続ける。
「今日はネメシスちゃんには、私たちの愛の営みを視ていただこうと思いまして」
「……は?」
いきなり何を言い出すんだろう、この人は。
「前回は肉体的アプローチでしたので、今回は精神的に虐め……もとい、可愛がってみましょうかと」
リンは心底楽しそうな表情を浮かべながら、薬の力で不自由になりつつある私の肢体を、指でゆっくりと指でなぞってくる。
それはただ指先が軽く触れるだけ、それだけの行為の筈なのに、私の身体はじっとりと汗ばみ、その火照りを増してくるかのようだ。
「くぁ……っ。――だからって、どうして媚薬なんかをっ!?」
「ほんの少しだけ、貴方の理性の壁に穴を開けてあげようと思いまして。
無駄な理性に囚われて、愛欲に塗れた本性を何時までも想い人に曝け出そうとしない貴方に対して……ね」
既に私の奥底から止め処もなく湧き上がり始めている肉欲の疼きを見透かすかのように、彼女はルビーのように鮮やかに燃え上がるその瞳で、不敵な微笑と共に私を見つめている。
私は抗議の為に彼女を払いのけようとして……手が出るかわりにガチャリとした金属音が鈍く響く。
「これは手錠……!? って、何時の間にっ!」
「嗚呼、その手錠ですか?今回の調教……もとい、実験の一環です。
さっきキスした時にコッソリと。ネメシスちゃんってばキスだけですっかり出来上がっちゃってましたから全然気づいてなかったんですね」
私の両手は後ろ手にガッチリと拘束されてしまっている。足腰にも力が入らなくなっているし、このままでは……
「――という訳でして、マスターにもご協力をお願いしますね。何時ものようにしててくれれば、それで構いませんから」
「リン、さっきから何やって……っておあっ!?」
彼女は机の上を夜の踊り子のような優美で何処か艶やか足取りで、唖然と状況の推移をみやっていた彼女のマスターに近づき、まるでそのための高さに調整されているかのような机の上で、目の前の男性の股間を慣れた手つきで愛おしそうに撫ではじめる。
「ふふ……マスターのここ、もうおっきくなってきてますね。元気なんですから、もう」
男を快楽へと誘う、熟練の娼婦のような甘ったるい吐息と共に、ぴたりとその身体を密着させ、掌でズボンの膨らみ始めた部分を重点的に摩り上げる。
「さぁ、よく見ててくださいね。私たちがどんな風に愛し合っているのかを……」
軽く酔っ払ったような、更に甘い声をあげるリン。男の股間にその愛らしい顔を埋め、まるでその匂いと感触をその頬で確かめているかのようだ。
「マスターの香り、強烈です……」
「ちょっ、何恥ずかしい事を!? せ、せめて風呂に入ってからで――、いやそれ以前に人様の前でだなぁ!」
「嫌です、そんな事したらマスターの匂いが流れてしまうじゃないですか」
しれっと言い切るリン。変態だ。
「――あら、ネメシスちゃんだって、アキラちゃんのニオイなら大好きなんじゃないですか?」
「なっ!? そ、そんな事!……は…………」
その、無い、という訳では……ないのだが…………
「って、人の心を読まないでください!それともクラッキングでもしたのですかっ」
「あら、心外です。
私はそんな大それた事してませんよ。ただきっとそんな風に思っているんだろうなって顔をしてただけです」
そ、そんなに顔に出やすいのだろうか……
「ええ、とっても♪」
「ま、また貴方はそうやってっ!」
フフリと魅惑的な微笑を浮かべるリン。やはり彼女は悪魔だ……
「素直になった方が、もっと楽しめますよ、勿体無いですねネメシスちゃんは」
「そんな事余計なお世話――――、いや……うぅ……」
秋奈女史の言葉が思い出される。だから、私は……
「まぁでも今回は見ているのがお勉強の一環ですから、参加したいと言ってもダメですけどね。
それじゃ……ふふ、おっきいから中々開きませんね」
「い、言うな……」
人前でこんな行為をしているせいだろう、真っ赤な顔のマスターに対して気を使っているのかいないのか、ジジィーっという独特の金属音と共に、ズボンのチャックがリンの手によってずり下げられていく。確かにリンの言うとおり、中のモノが大きくなっている分開け難そうなのだが、彼女は愉快そうな表情を浮かべ、それすら楽しんでいるかのようだ。
「んふふ、1日ぶりですね♪」
やがてぶるんと隙間から勢いよく飛び出す、巨大なキノコのような物体。リンは傘が開いたかのような先端部に愛しそうにキスをする。
「コレが男性の性器……ペニス。もしくはおちん○ん、ですよ。ネメシスちゃんは見るのも初めてでしょう」
そう説明をしながら、まるで恋人に甘えるみたいにほっそりとした腕を、その……ペニスに絡めるリン。その刺激に反応してか、グロテスクなそれはビクンと一際大きく跳ね、リンの頬を叩く。
「あんっ♪マスターのおち○ちん、凄く元気なんですから……私でいっぱい気持ちよくなってくださいね」
だがリンは自分から更に密着し、抱き枕を腕で抱き締めるみたいに腕を絡ませて引き寄せ、棒部分と先端部の隙間に器用に舌を這わせ、じっくりと舐るようにキスの雨を降らせてゆく。
「ん……ちゅ…………んふ……ふぁ……」
零れるように漏れるリンの甘い声と、本当に小さな舌がしっとりと奏でる水音が、夜中の静かな室内に、ほんの微かに響く。それは同じ室内に居たとしてほんの少し離れてしまえば人間では聞き取れない位に小さな水音。
でも、神姫ならば聞こえる。いや、聞こえてしまう。聴音センサーの感度を下げるだけで聞こえなくなるのに、それが出来ない。……いや、出来ないのではなく、したくないのかもしれない。心の何処かで、この愛し合う者たちが奏でる交響曲を聞いていたいと思っているのかもしれない。
「んちゅ……、もうすっかり、カチコチですね。
ネメシスちゃん、ちゃんとみてます?男の人は気持ちよくなると、おち○ちんが鉄みたいに固く、おっきくなるんですよ」
亀頭を胸元で抱き締めるようにして引き寄せたまま、今度はアイスクリームを舐めるようにチロチロと赤い舌を突き出し、満遍なく舌先を這わせる。唾液を舌に絡ませているらしく、僅かづつだが先端を中心に、ぬらぬらと独特の光沢具合に包まれてゆく。
「わ、私はそんな事知らなくてもべ……別にっ!」
「そうですか? 貴方のマスターが女の子なのですし、悦ばせる為には対となる男の固さも知っておいた方が良いかもしれないですよ?」
そう言いながら、すっかり充血してドス黒くなったソレの先端、縦に深く刻まれたスリットに口づけを行う。否、顔が軽く埋まる程のソレはキスとすらいえないかもしれない。
「うぁ、リ……リン、それは……はっ!」
「ふぃもち……いいで……ふぉ……、んりゅ……りゅ……ふぁ……」
私の位置からではリンの口が何をしているのかはわからない。だが先程よりも粘っこい水音が響いてくるのははっきりとわかる。そしてその水音が増す都度に顔を酷く顰める彼女の伴侶。その彼は耐え難い感覚に包まれているのか、寒気に耐え切れず震える人みたいにガクガクと膝が笑い出す。
「ぷぁ……っ。男の人がとっても気持ちよくなると、此処の穴から精液がびゅーって出るのは、さすがのネメシスちゃんでも知ってますよね」
「そ……それくらいは、まぁな」
「でもその前に、気持ちよくなってくると、こんなのが……出てくるんですよ」
そう言うリンの顔中にべったりとついているのは、先程彼女が塗りたくっていた唾液よりも更に粘っこい質感を持つ、透明な粘着質の液体。それが男性器の
「これ、カウパー液って言うんですよ。男の人にとってのエッチするための準備といいますか、女の子でいえば愛液みたいなものです。
ほら……こんなにえっちな味なんですよ……?」
顔中についたベトベトの液体をゆるりとした手つき拭いとり、それをうっとりとした表情で口に運び、とろりと美味しい蜂蜜のように一口舐めるリン。その一連の行動そのものが、男の理性を剥ぎ取り崩壊させてくかのような卑猥さに溢れている。
「なぁ……気持ちいいんだけどさ、そろそろ……」
「あら、ちょっと焦らしすぎちゃいましたかね。それじゃあ、そろそろ一回目をですね……」
耐え切れず半ば懇願するようにも聞こえる男の声に応えるように、リンは男の性器に抱きついたまま大きく上半身をグラインドさせる。するとぬちゃりと人間の聴覚でも充分聞こえる位大きな、粘膜がいやらしく擦れあうような音が響く。
「男の人は……ぁ、こう…………やって、たっぷり刺激を受けながらシゴかれると……最高に気持ちいいんです……よっ」
リンはその柔らかな胸を、私たちから見れば巨大な棒に押し付けるようにして、更にグラインドを激しくさせてゆく。形の良い胸は強引に押し付けられこねられたことによって、まるで搗き立ての餅のようにその姿を酷く歪ませてゆく。
その奉仕行為によって彼女自身も昂ってきているのか、その声は何処か上擦り、その瞳は蕩けたように愛する男を見据えている。
「あふ……マスターのおちん○ん、ビクビクって跳ねてぇ……射精しそうなのですね」
「嗚呼――もうすぐ……」
「早く射精して――――マスターの熱い精液……私にいっぱい……かけて……くださぃ……」
2人とも息も絶え絶えに、その淫らな行為に没頭してゆく。リンは先程よりも大きなストロークで男性器をその上半身で擦り上げ、男もリンの動きに会わせる様にして腰を極僅かだが小刻みに動かし始めている。
「――――リンっ!」
「――っ!ぁ…………」
その一言が切っ掛けだったかのように、男性器から噴水のように勢いよく吐き出される、どろりとして白濁した液体。
そしてそれを自ら望むかのように浴び、その黒いボディを白く染め上げてゆくリン。
「マスターの……せーえきいっぱぃ。――あたたかくて……こんなに……」
彼女は顔が一見判別出来なくなる程の大量の白濁液に塗れたにも拘らず、それを苦とすることも無く、悦びに満ちているようで。
「んふ――ぢゅる……ぅ……んふふぅ……。ネメシスちゃん、これがぁ……精液ですよぉ。
どろりとして……甘くて……最高です……」
顔から白濁した……精液をこびりつかせたまま、最高の夢を見ているかのような甘ったるい声をあげる。更にその頬から胸や下腹部に滴り落ちる精液を手で拭い、まるで上質の生クリームを食べるように、うっとりと陶酔した瞳でその口へと運び、ゆったりと口の中で転がし味わっている。
「そ……そんな事知りませんっ」
リンの身体中を犯しただけでは受け止めきれず、テーブルの上、私の座っている場所にまで飛び散った精液。ソレは栗の花のような独特な異臭を放っていて、とても私には美味しいモノだとは思えない。が……
「そうですか、大好きな人の精液ってとっても美味しいんですよ。ネメシスちゃんもそのうちわかりますよ。
嗚呼、ネメシスちゃんのマスターは女の子でしたね」
私の心を見透かすかのようにくすくすと薄く笑う、悪魔の微笑を湛えるリン。
「――――さて……次は、コレでお願いしますね。マスター」
「……ああ。こうなったら何処までも付き合ってやるぞ」
暫くは余韻を楽しんでいたらしいリンだったが、すっと表情を変えて立ち上がる。そして何時の間に用意したのか(もしかしたら私が起きる前に準備を完了させていたのだろうか)、テーブルの上に置かれていた、私たちならば数人がまとめて入りそうなサイズの箱に近づき、開ける。そして旦那がその中身を手に取り、現れたのは、直径10cm長さ30cm程のシリコンのような独特の光沢を持つ円筒形の物体。よくみるとそこには細長いコードが付属していて、その先は……何故か神姫サイズのパンツに繋がっていた。
「………………な、なんですかその間抜けな物体は」
そのあまりに滑稽なモノに、自分の状況も身体の火照りも忘れ唖然とする。
「あら、知らないんですか?『赤ずきんちゃんご用心』って言う、今大人気のアイテムなんですよ。マスターと神姫を1つにしてくれるアイテムなんです」
「1つにって……こんなものでどうやって」
「ほら、こんな風になってるんですよ」
彼女はパンツの内側が見えるように此方へとソレを傾ける。確かに内部には男性器を模したモノが、ましましと鎮座していた。
つまり、向こうの円筒形の物体に男性器を挿入して、此方がソレに対応して動く……と。
「正解」
「へ……へんたい」
「失礼ですねっ! お互いがより深く繋がれる良いアイテムです」
精液で完全にべとべとになってしまったボディスーツを脱ぎ捨て、慣れた手つきでするりとパンツを穿くリン。
「さぁ……マスター、来てください」
彼女はその手で軽く男性器をしごくと、まるでその欲情した姿を見せ付けるかのように、膝を立て股を開いたまま男の目の前にペタリと座り込む。自分から男を求める、酷く卑猥な格好で。
「いくぞ……リン」
「ぁ……マスターのおっきいの……はいって……あぁっ!」
男はソレに答え、器具の中に己のモノを穿ってゆく。ぬちゃりと膣肉を掻き分けていくような粘着質な音が今度こそ最大ボリュームで部屋に響き、それにリンの嬌声が重なり、部屋の雰囲気をどぎつい桃色に染めていくかのようだ。
「あっ……はぁっ、やぁん……あぁぁぁ……ひゃ………はぅんっ!」
男のハッハという荒い息遣いと、女の喘ぎが二重奏を奏でる、濡れ場の音響。だがソレを奏でている2人の姿は、傍から見ればお互いが、ただ自慰を行っているだけの、酷く滑稽な風景。だけども……
「幸せ……そう」
互いだけを見つめ合い、相手を悦ばせる事に全力を費やし、1つの高みに昇ってゆく。それは酷く滑稽なのに、何処か神秘的なオーラさえ感じてしまう程の、何処か矛盾した行為。
2人の意識が交じり合い、1つになる時、ソレを視ていた私の意識も、何処か遠くへ飛んでゆくかのようだった。
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