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「フラグメント 04」(2009/01/25 (日) 03:13:21) の最新版変更点
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注意
本作は18禁描写・反社会的な設定がされております。
退廃的・ダークな設定などが嫌いな方は、見ないようにしていただけると幸いです。
***フラグメント 04
まっさらな作業台に横たわっているのは、身長十五センチメートルの小さな身体だった。
「これが……?」
薄暗い部屋の中、長い長い沈黙の後。ようやく呟きを漏らすのは、半裸の少女だ。男物の大きめのシャツを羽織っただけのその姿は、お世辞にもきちんとした格好とは言えないだろう。
もちろん、小さな身体そのものに驚いたわけではない。その小さな身体とは、毎日のように触れあい、共に過ごして来たのだから。
驚いたのは、その現状だ。
「ああ」
ねじれ、折れ曲がったはずの手足は新品に差し替えられ、砕かれたはずの胸部も元に戻されている。どんな手品を使ったのか割れた頭部も修復されており……この素体が数刻前まで大破していたと信じる者は、まずいないだろう。
小さな彼女が眠る真新しいベッドはクレイドルも兼ねているらしい。伸びたケーブルの繋がる先、脇に置かれたマイクロノートには、眠り続ける神姫のステータスが示されている。
「………」
起動を控えたシステムは、今は全てが停止状態。ひとたび起動すれば神姫の最期の時まで稼働し続ける三つの中枢も、この時だけは一ミリアンペアの電流も流れてはいない。
ただ、内蔵バッテリーは既に八割ほどの充電を終え、残り二割の容量をゆっくりと埋めている段階だった。
もちろんこれだけのチャージがあれば、起動シークエンスをこなすには何の問題もない。
少女は思わず、包帯の巻かれた細い腕を眠り続ける小さな身体に伸ばそうとして……。
「起動は明日だ」
頭の上にぽんと置かれた男の大きな手に、動きを止める。
非難の色の混じった視線で男を見上げるが、相手はそれも予測の範疇だったのか、ため息を一つ吐いてもう一度首を振るだけだ。
「今起動させると、中のデータが全部消えるが……まあ、それでもいいなら好きにしろ」
その言葉に少女は首を慌てて横に振る。もちろん、頭に置かれた男の手を払うことも忘れない。
「……けど、本当に、ちゃんと戻るんでしょうね」
十五センチの相棒の修復がひととおり終わっているというのは、確かに嘘ではなかった。作業台やクレイドルだけでなく、そこに設えられた工具の類まで軒並み新品だった事に少々不安を覚えたものの、男の技量自体に問題はないらしい。
「大丈夫だって何度も説明したろ。見せてやったんだから、戻ってさっさと寝ろ」
春先とはいえ、日が沈めば気温はぐっと下がる。男は肌寒い作業場の明かりを落とし、薄着の少女をストーブの焚かれた広間へ戻るように促してやる。
「……ねえ」
その手を背中に受けながら。月明かりの差し込む廊下をおずおずと歩きつつ、後ろに立つ男に短く問うた。
「だから、何だ?」
相棒は、無事に元に戻るのか。
ほんの数時間の間、両手では足りないほどに繰り返された問答が再来する予感に、男は苦笑いを隠せない。
「布団……ホントにあたしが使っていいの?」
けれど廊下の中程で足を止めた少女の問いは、今までとは別のもの。
「ひと組しかないんだから、仕方ないだろが。俺は居間のソファーで寝るよ」
この家の住人は、男一人だけ。そういう意味では、少女が一夜の宿を借りた所で何の気兼ねもない。
もちろん、別の意味で気を使わなければならないのは、火を見るよりも明らかなのだが……。
「寝ようよ。一緒に」
月明かりの中。
少女がぽつりと漏らした言葉は、その気遣いの持つ意味の全てを失わせるもの。
「バカ言うな」
「なによ。一度は抱いたくせに」
その言葉に、男は何も答えない。
一度は逢瀬を重ねた仲だ。それは確かに否定しないし、それがこの奇妙な関係の発端となってもいるのだが……。
こんな状況で少女の肢体を貪りたいと思うほど、男も餓えきっているわけではない。
「つか、本当に帰らなくて良かったのか? せめて家に電話くらい……」
だから、わざと話題を変えた。
「パパは出張だし、ママは男と旅行。どっちも来週まで帰ってこないわよ」
「……そりゃ、娘も歪むか」
「うるさい」
2030年代の今はおろか、その三十年前の昼ドラでも見ないような家庭環境に思わず苦笑いを浮かべると、胸元に軽い重みが打ち付けられてきた。
拳ではない。それよりもっと大きな……。
少女の、頭だ。
「……っていうか、寝てよ。一緒に」
漏れた言葉に、からかうような色はない。そして少女の顔は、胸元に押しつけられたまま。
表情を伺うことは、出来そうにない。
「まだ……言うか」
餓えてはいないが、男は僧侶でも、聖人でもない。理性の堤の縁をちゃぷちゃぷ暴れる欲望の波を感じながら、男は苦笑いで何とかそれを押さえ込む。
既に一度は越えた身だ、この十年で一層厳しさを増した淫行条例は怖くない。が、かといって少女の心を踏みにじれるほどの獣欲は、ない。
「あの子……ホントに、ちゃんと元に戻るんでしょうね」
「だから大丈夫だっ……」
言いかけ、胸元を包む圧迫に言葉を詰まらせる。
少女の回してきた細い腕と……。
「でも、もし戻らなかったらって……思ったら……」
表情を埋める胸元からの、かすかな震えと嗚咽のせいで。
「…………ウチのソファ、安物だから固いんだよな」
堤を超えた想いの飛沫が、大きめのシャツに包まれた細身の肢体にそっと伸び。
「…………」
優しく抱きに来た腕に、しがみ付く少女からの抗いはない。ただそれでも驚きはしたらしく、一度だけ身体の震えが伝わってきた。
「いいんだろ。一緒に寝ても」
柔らかな肢体は、一度だけ抱いたあの時のまま。
水底に眠らせていた少女のカラダの感触が、再び浮かび上がって来るのが分かる。ただ一つ違うのは、その事で欲望の水位は下がるどころか水かさを増しつつあって……。
「………いいよ。したい事があったら……何しても」
だが、弱々しく笑う少女の言葉にも、男の手がそれ以上動くことはなかった。
薄いシャツを介して指先に伝わる包帯のわずかな固さが、堤防に最後の支えを与えてくれる。
今ここでその一線を超えてしまう事は。
傷付ききった少女の心と肢体にこれ以上の傷を刻み込む事は、人として許されはしないと。
「そこまで空気の読めない男じゃ……」
ねえよ、までは言えなかった。
男の腕の中。つま先を目一杯伸ばして押しつけてきた、少女の小さな唇によって。
重ね合わされる唇の間。おずおずと伸ばされてきた舌が、男の理性をあっさりと舐め溶かしていく。
やがて男の腕に力がこもり、少女のつま先がわずか浮きあがる。優しく、そしてより力強く押しつけられた唇の間、次に舌を伸ばすのは男の側からだ。
「ん………」
長い長い貪り合いの後。
ようやく離れた唇は、互いの熱さを惜しむかのように、細く長く銀糸を曳いて。
「……不安なの。何でもいいから……してよ」
互いの唾液でてらりと濡れた唇のひと言が。
男の理性の堤防を、あっさりと決壊させた。
○
耳に届くのは、無機質な振動音だ。
少女が半ば無意識でそれを携帯の着信だと識別したのは、さすが年頃の娘といった所だろうか。
だが、いつも使っている着信音ではない。いつマナーモードに切り替えたのだろうか……などと、ぼんやりと意識の端に浮かべつつ。
すえた匂いの染みついた布団と、男の優しい腕の中。少女はわずかに身をよじり、枕元にある振動の源へ包帯の巻かれた手を伸ばす。
着信ボタンを押し、そのままの動作で耳元へ。
「もしもしぃ……?」
鼻に掛かった気怠い声に、返事はない。
包まれた腕の暖かさに再び眠りの中へと引き戻されそうになりながら、少女は通話口からの反応を待つ。
「……あァ、すいません。また午後に連絡しますから、先輩にはそう伝えといてください」
イタズラ電話かと思いきや、やがてばつの悪そうな男の声が戻ってきた。
ごゆっくり、のひと言があって、続くのは終話のツーツーという音だけだ。
腕の中でもう一度身をよじり、畳んだ携帯を枕元へ。腕や胸元に巻かれていた包帯がすっかりはだけているのに気付いたが、今はそれより眠気が勝った。
「ん……誰、だ……?」
少女の動きでようやく目が覚めたのだろう。額の辺りから来るのは、まだ寝ぼけ気味の男の声。
「知らない。後輩っていう男から、また午後に連絡するって……?」
額に押しつけられてきた唇の感触を愉しみながら、ぼんやりとだけ覚えている内容を口にする。
そういえば、誰からの着信か見ていなかった。携帯の番号を客に教えたのはこの男が初めてだから、客の誰かではないだろうが……。いや、そもそも客なら自分のことを先輩などと呼びはしない。
「……いや、人の電話に出るなよ」
それでようやく納得がいった。
どうやら自分の携帯ではなく、男の携帯に出てしまったらしい。
「だって鳴ってたんだもん。……なぁに? あれだけ激しくしたのに、まだ3Pとかしたいわけ?」
「……違うって言ってんだろ」
ひと言呟いて、男は少女を抱いていた腕を伸ばし、枕元の携帯を取り上げる。
「あ……っ」
少女がぷぅっと頬を膨らませたのは、暖かな腕の感触が消えたことに対してなのか、それとも男の否定に対してのものなのか。
男はそれに気付く様子もなく、着信履歴から後輩の番号を呼び出すと、布団の中で通話ボタンを押し込んだ。
「………」
ただ、少女を抱いている残りの腕には力がこもり、離れかけていた少女のぬくもりを再び抱き寄せる。
「ああ。俺だ。いや、お楽しみとかそういう変な気は効かせなくていいんだよテメェは。駅前? いいか、すぐ来い。ちゃんと連れて来てるんだろうな?」
額に掛かる男の言葉に、少女は思わず眉をひそめた。
「ちょっとぉ。3Pじゃなかったら、今すぐはやめてよ……」
こんな生活をしているとは言え、少女だって女の子だ。シャワーで汗を流しておきたいし、着替えや包帯だって直したい。
何より、この優しい温もりをもう少しだけ味わっていたかった。
「あんたの神姫、起動させるんだが」
「すぐ来て!」
○
男の家の玄関が開いたのは、それからきっかり二時間後の事。もちろん、着替えもシャワーも、ついでに男の温もりを愉しむ時間も、十分にあった。
わけもなく。
「なんか、ボロボロですね。先輩」
迎える男の情けない有様に向けられたのは、苦笑いとも失笑ともつかぬ声。
「お前がおかしな気ぃ効かすからだ。こっちは二時間、お嬢様のイライラに付き合いっぱなしだったんだぞ。馬鹿野郎」
玄関に立つのは長身の青年と、その胸元ほどしかない小さな女の子の二人組。女の子の方は半歩退き、青年の影に隠れるようにしてしがみついている。
「ええっと、この子は?」
この青年が、先ほどの電話をかけてきた後輩なのだろう。
だがそれにこんな小さな女の子まで付いてくるとは聞いていない。まさか彼女まで交えてのプレイという事はないだろうが……。
「こっちのでっかいのは気にすんな。グ○コに付いてるお菓子みたいなもんだ」
どうやら、大きな箱の方がオマケと言いたいらしい。
「ちょっと先輩。何年かぶりに電話掛けてきたと思ったらいきなりその扱いですか?」
「いいんだよ。で、上にいるんだが……コイツから事情は聞いてるよな?」
男が問いかけたのは、抗議の声を上げるお菓子入りの大きな箱ではなく。黙ったままのオモチャの入っている小さな箱のほう。
女の子だ。
「…………」
その問いに、女の子はじっと男の方を見上げたまま。
どこか怯えたように後輩のジャケットにしがみつき、掴んだ裾をぎゅっと握りしめている。
「俺じゃない。こっちの娘の、神姫だ」
男の言葉に、女の子の視線がわずかに動く。
深い黒の瞳が向けられたのは……。
「え……ええっと………」
少女が着ているのは、ここに来るまでに着ていたボロボロの服ではなかった。男のワードローブの中で彼女でも着られそうな物を寄せ集めた……要するに、まるきりの男物だ。
無言の視線にどこか居心地悪そうに身を揺らしながら、少女は困ったように照れ笑い。
けれど、その視線を逸らそうとするポーズにも、女の子の瞳が揺らぐことはない。ただじっと、けれど少女と視線を合わせようとするわけではなく、少女の方をただ『視ている』。
「どうしたの? この子……」
変わった娘だとは思う。
その動作を、不思議だとも。
しかし奇異なそれには何か確かな理由があるとも、少女は今までに培ってきた経験の中から理解していた。
「いいから、大人しくしてろ」
助言が来るという事は、男は女の子の視線の意味を知っているのだろう。
理由を教えてくれないことを、感情が少しだけ不快に思いつつ。そしてそれは当前だとも、理性の側が理解を示し。
やがて、女の子が延ばしてきたのは。
小さな、細い腕。
その先端はおずおずと、それでも大きく開かれていて。
「……握手?」
開いた手を差し出してきた女の子に、言葉はない。
ただ少女の問いに、小さく頷いてみせる。
「してあげてくれるかい?」
やはり、何か理由あっての事なのだろう。後輩の言葉に首を傾げつつも、女の子の手をそっと握り返してみた。
春とはいえ、まだ寒さの戻りもある時期だ。肌寒い朝の街を手袋もなく歩いていた女の子の手は、ひやりとした冷たさと、稚さの残る柔らかさを併せ持っていて。
「え、あ……」
その感触をゆっくりと感じる間もなく。少女に向けて倒れ込んでくるのは、小さな肢体。
「……ちょっと!?」
受け止めた女の子は少女の腕の中、そのまま気を失っている。
○
「ちょっと変わった体質でな。慣れてない人に触られるのが、ダメなんだそうだ」
作業台の前にいるのは男ではなく、後輩の青年が一人だけ。
残る二人は作業場に持ち込んだソファーに腰を掛け、手持ちぶさたなままでいる。
そして女の子は、いまだ気を失ったまま。
「なら、こうしてるのって良くないんじゃないの……?」
女の子が眠るのは、少女の膝枕。しかし初対面の少女の膝枕では、女の子が目覚めたとき、また気を失ってしまうのではないか。
なにせ握手だけでこのざまだ。ここまで触れあっていると、どうなってしまうのか……女の子の事を何一つ知らない少女には、想像も付くはずもない。
それ以前に、彼女の事情を知っているはずの男達は、なぜ先ほどの握手を止めなかったのか。そもそも、その体質を一番理解しているはずの女の子自身が、どうして握手を求めてきたのか。
「まあ、色々あるんだよ」
だが、男の口調は説明を拒む色。
「……あ、そ」
そんな調子を出されては、少女もそれ以上のことを聞く気にはなれなかった。人には誰しも説明しづらい事情の一つや二つあるものだと……何より自分が一番よく知っていたからだ。
「……………んみゅ……」
ため息を吐くと、膝の上で女の子が小さく身じろぎをひとつ。しばらく少女の膝にしがみつくようにしていたが、やがてころりと仰向けになると、少女の顔を見上げてきた。
悲鳴はない。
驚いた様子も、気絶する様子もない。
「大丈夫?」
「……うん」
返ってきたのは、小さな返事。
喋れないのかと思っていたが、どうやら単に無口なだけだったらしい。女の子はソファーから起き上がると、そのままとてとてと後輩のいる作業台の方へと歩いていく。
女の子は後輩と数語の言葉を交わすと、まだ停止状態の神姫の額へそっと小さな指を伸ばす。
「で、あの子は何する係なの? まだ小学生くらいに見えるけど……まさか、起動させる係とか?」
起動に必要な作業そのものは後輩が備え付けのマイクロノートで行っているようだった。男達から本命と扱われていた女の子は、神姫の額に指を当てた姿勢のまま何かぶつぶつと呟いているだけだ。
正直なところ、何がしたいのか、よく分からない。
「そのまさかだよ。あと、確か中学生にはなってるはずだが……」
確かに起動作業自体は、年端もいかない子供でも行えるほど簡単なものだが……今回のそれは、少々具合が異なってくる。
「起動させるって……。普通に起動させたら、記憶なくなっちゃうんじゃないの?」
ボタンを押して、後は神姫の目が覚めるまで待つだけ、というのは通常の起動の話。今回はそれが出来ないからこそ、ひと晩の眠れない夜を過ごしたはずなのに。
かといって後輩の作業が本命だったとすれば……後輩のオマケ発言は冗談としても、今度は女の子が来た意味がどこにもない。
「それに普通、神姫の起動って……マスターが一人でするもんじゃないの?」
そこだ。
ただ一人となるマスターを確実に認証できるよう、神姫の起動はマスターとなるべき人物が一人で行うものと決まっている。もし別の誰かを間違えて認証してしまえば、修正するには神姫をリセットするしかないからだ。
それは、神姫を殺すこととやはり同義のはず。
「それもいいんだよ」
明らかにおかしな男の言葉に、少女は今更ながらに疑問を隠せない。
いくらイレギュラーな事態とはいえ、神姫についての常識に真っ向から相対する事が多すぎた。
「起動させていいんですか、先輩」
「頼む」
「いいってさ」
男の言葉を受け継いだ後輩の言葉に、女の子はこっくりと首を縦に振って。
小作りな細い指が音もなく触れたのは、通常の起動ボタン。
起動シークエンスが開始される。
それは、少女がかつて目の前の神姫を目ざめさせた時の儀式と、全く同じもの。珍しくも何ともない、ごく普通の起動作業。
「ちょっと……!」
通常の起動では、全ての記憶は失われるのではないのか。
ここまで大がかりな仕掛けをしておいて、やっぱり記憶がなくなったなどとは……笑って許される話ではない。
だが。
近寄ろうとする少女を男の腕が押しとどめ。
横たわっていた十五センチの小さな肢体が、ゆっくりとその身を起こし出す。
開かれたカメラアイをか細い指でくしくしと何度かこすれば、そこにあるのはまだ眠気を残したままのとろんとした瞳。
男も、後輩も、女の子も黙ったまま。
その空気に、少女も言葉を放てない。
数時間にも感じられる、数秒の沈黙が通り過ぎ。
ようやく思考が回り出したのだろう。
彼女は目の前の後輩や女の子を不思議そうに見上げていたが、やがて、辺りをきょろきょろと見回し始める。
そして。
止めた視線の、その先は……。
「あ……ご無事だったんですね! マスター!」
ぱっと花開くような、彼女の明るいひと言に。
少女はその場に崩れ落ち。
大声で、泣き出したのだった。
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