「作戦04「39回目の正直」」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「作戦04「39回目の正直」」(2008/08/13 (水) 23:41:06) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
晴れた昼下がり。
特にやることもないのでボーッとしてるわたし。
「何ポケッとしてるの?」
横からわたしの顔を覗き込む人がひとり。
上へはね気味の髪型にはつらつとした表情。
「悩んでることがあったらすぐに私に相談しなさいっ…ごほっ」
胸を叩いて…勢いよく叩きすぎてむせてるこの人は&bold(){天乃宮未来(あまのみやみらい)}、わたしの一年先輩なの。
「でも…先輩は微妙に専門外なの、神姫ファイトの話だから」
「バトロンの事? …スィーマァちゃんの事ね?」
「はい…」
あれから敗北を重ね、後一敗で40連敗。
いまのスィーマァなら勝てる相手でも決着がつかない。
「うーん。…やっぱり精神的な問題じゃないかな?」
「やっぱりその結論に達しますの…」
一度も勝ってない(引き分けはある)となれば、自分のアイデンディティに疑問を持つのは当然。
しかも自分を負かす相手は必ずゲイトだ、自信が持てなくなるのはわかる。
「最低でも年度が変わる前に何とかしないと、下手したら思いつめて…」
その言葉を受けて怖い映像が頭をよぎる。
「ひゃーっ!? まずいよマズイのぉっ」
「慌てない。大事なのは「なにが得意かを気付かせる」って事かしらね」
スィーマァの得意なのこと?
…うーん、ケーキの切り分け?
「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」
「ひどいですよ先輩~!」
----
拳と拳がぶつかる。
…拳というより、鉄拳と言った方が適切か(材質的な意味で)
「右から踏み込まれた時の反応が遅い! 相手が拳を握った瞬間に手を出す!」
「ぐぅぅ…!」
アームとアームのぶつかり合い。
本来、機械腕による格闘戦を得意とするムルメルティア。だがスィーマァは正直、アーム戦が苦手であった。
「くぁっ!」
左アームでナァダの攻撃を受け流す…が
「右がガラあきになってるぞ」
*ズシッ
「ぐぉふぅ……!?」
本体へ直接攻撃を受け、吹き飛ぶスィーマァ。
「すまん、強く叩き過ぎた」
反応はない、痙攣を起こしている。
「まずいな」
……
「………う」
「気がついたか?」
右わき腹への鈍痛と共にスィーマァは目を覚ました。
「自動修復機能の許容範囲で良かった。もし限界を超えていたら腹を開かにゃならんしな」
「ぴっ!?」
自分の腹が開かれるのを思い浮かべ縮こまる。
「ふ…ふふ…」
「どうした?」
顔を伏せたまま笑うスィーマァ。
「…私って、ホントに駄目ですね……ふふ」
「おいおい…」
「生まれて一度も勝ったことのない、得意なはずの分野も苦手、オマケに戦意までうしなうなんて…」
ぽろり、ぽろりと零れ落ちる涙。
「私なんて…武装神姫失格ですね…」
ぽんっ
そっと頭に置かれる手。
「みぇっ?」
ぱたん
そしてそのままナァダの膝枕へ。
「…確かに、戦いの本質は勝つことにある。しかし勝つという気持ちが負けていれば勝てる戦いも勝てない、お前の状況はまさにそれだ」
「……」
「自分に自信が持てない者が勝てるはずが無い、…そのはずだ」
ふわりとした髪を撫でる。
「アーム戦がどうしても駄目なら、その発想を捨ててしまえばいい。ようは逆転の発想だな」
「……」
「…スィーマァ、どうした?」
「…すぅ…」
「何だ、寝てしまったのか。…まあ、話を聞いていたのならどうにかなるだろう」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~}
夜、具体的には午後11時05分。
かたっ
「すぴーっ…」
ひゅっ…&bold(){がたん!}
「むぅ……どうも寝苦しい…」
多分夕飯のコロッケが胃をムカムカさせてるんだと思う。
微妙な吐き気を催しつつ起き上がる…と、ここで机に目がいった。
***ひゅっ
***ひゅっ
小さな影が素振りをしていた。
「スィーマァ」
「あ…!? すみません、起こしてしまいましたか?」
「んー、胸やけで起きただけだから違うの」
…そうだ、この際だから聞いてみよう。
「スィーマァ、あなた…ゲイトに勝てる自信ある…?」
それを聞き、少し黙った後。
「自身はないですけど、勝てる見込みは掴みましたよ」
あら、いつの間に?
「だから、ちょっと用意してもらいたい物がいくつか…」
----
「これで負けたら40連敗だな、古代」
「いちいち言われなくてもわかっているの!! そのテングっ鼻をへし折ってやるから!!」
嫌味で言ってるにちがいない、こいつは昔っからそうだったもん。
「さあ、さっさと始めようぜ」
……
リフトから対戦筺体へと進入してゆく神姫達。
そのデータと姿が液晶に映し出される。
ゲイトはスタンダートなチーグル+サバーカ装備。
対するスィーマァが携えるものは、拳銃ただ一丁のみであった。
「古代、遂にヤケでも起こしたのか?」
「そんな訳ないじゃないの、わたしはいつでも真剣に組んでるもの」
あまりにも自信が溢れているすすみを見
「…何を企んでいる?」
そう呟いた吹雪であった。
**[battle start スィーマァVSゲイト]
----
[[特攻神姫隊Yチーム]]に戻る
[[トップページ]]
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: