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白く、無機質なフィールド。
発泡スチロール製の防護壁がビルのように立ち並ぶ。
ムルメルティアは焦っていた。
対戦開始と同時に主砲を破壊され、近距離戦しかできないこの状況。
気配はするも、足音も聞こえない。
「落ち着いて…耳を澄ませて…」
自分に言い聞かせつつ、大きい防護壁の前を通り過ぎようとしたところ…。
*ばこっ!
「じゃーん!!」
「ひゅゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
壁をぶちやぶり、対戦相手のストラーフがチーグル(背部アーム)を伸ばしてくる。
「みゃあっ!?」
こちらもアームを繰り出し、チーグルを受け止める。
すばやく腰に下げた拳銃に手をのばすが…
「チェックメイト…だね」
目の前には銃口。
ゆっくりと引金が引かれ…
**パァン
視界が真っ赤に染まった。
&bold(){~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~}
「あ…あうえう~」
見事なまでに真っ赤な顔(塗料的な意味で)
泣き顔もかわいいけど、スィーマァはちょっと泣きすぎなの。
「ほらほら、いつまでも泣かないで」
対戦相手―ストラーフのゲイト―がスィーマァの顔を拭ってあげてる。
「何回やってもゲイトさんに勝てないなぁ…」
「そんなことないさ! 苦手なアームも結構早くなってるじゃないか」
「みゅう…」
「これで、30連敗だな。古代(ふるよみ)」
微笑ましい光景にのほほんとしてる時に、このひとは何で水を差すの…?
「もう止めちまえバトロンなんて、そんなんじゃソイツが哀れなだけだ」
「うるさいの! こっちだっていつまでも負けてる訳じゃないの!」
「その言葉、20連敗目の時にも聞いたぜ」
「……」
反論できない…。
「何か言い返せるか? ノッポ女」
*バシッ
有無を言わさず張り倒した。
「スィーマァ! 行くの!!」
「うぇっ!? ま、ますたぁー!?」
あんなちっちゃい奴に身長の事を言われたくないの!!
……
はったおしちゃったけど、何だが気分が悪い。
入店禁止になるかもなの…。
「ますたーは自分の思った事をしっかり出せるだけいいですよ、吹雪さんなんて…」
「吹雪がどうしたなの?」
「いいえ、それは本人から聞いてください。非常に大事な事ですし」
「…そうなの?」
よくわからないけど、スィーマァの顔を見てるとなんだかホントに大事な話だってのはなんとなく感じた。
とりあえず、おうちに帰りますか。
----
「吹雪君、あれはちょっと言いすぎですよ」
「マスターも素直じゃないなぁ、正直に好きだって言っちゃえばいいのにw」
センター長とゲイトの二人に言われている吹雪。
「今の関係を超えたら本気になれねぇじゃないか、だからあえて嫌われるような事言ってんだ」
顔を赤らめそんな事を言う吹雪。
「すすみちゃんもスィーマァちゃんも、日増しに強くなってるね。これも吹雪君のツンデレ対戦のおかげかな?」
「ツンデレって言うなーっ!!」
そんな、主人公・古代すすみの去った後の神姫センターであった。
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どうも皆さんこんにちは。
私はFront Line製戦車型神姫「ムルメルティア」のスィーマァです。
ドイツ戦車がモデルですが、ネズミ目リス科に属するマーモットもイメージに入ってるそうです。
起動は2036年12月25日、ちょうどクリスマスの時です。
人からはよく「小動物的」と言われますが、マーモットでもあるので仕方がありません。
バトルに興味を持ったのは大晦日の事でした。
昼間に近くの町で行われた神姫バトル大会の中継があったのですが、それに参加して注目の的になったマオチャオを見たからだったりします。(名前は…ねここ、だったかなぁ)
あれを見て、なんというか「自分もあの人みたいになりたい!」と言った感じでしょうか。
でも、年が明けてからずっと挑戦しているのですが戦果はよろしくないです。
マスターである「古代すすみ」のご友人である「林吹雪」さんとの対戦ではいつも負けてしまいます。
いつもいつも、悪魔型のゲイトにだけは勝てないでいます。
彼女との対戦結果だけをまとめると、まもなく30敗目となります。
今回はどうなのでしょうか…。
………
……
…
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白く、無機質なフィールド。
発泡スチロール製の防護壁がビルのように立ち並ぶ。
スィーマァは焦っていた。
対戦開始と同時に主砲を破壊され、近距離戦しかできないこの状況。
気配はするも、足音も聞こえない。
「落ち着いて…耳を澄ませて…」
自分に言い聞かせつつ、大きい防護壁の前を通り過ぎようとしたところ…。
*ばこっ!
「じゃーん!!」
「ひ、ひゅゃぁぁっ!?」
壁をぶちやぶり、対戦相手のストラーフ―ゲイト―がチーグル(背部アーム)を伸ばしてくる。
「く…みゃあっ!?」
こちらもアームを繰り出し、チーグルを受け止める。
すばやく腰に下げた拳銃に手をのばすが…
「あ」
「チェックメイト…だね」
目の前には銃口。
ゆっくりと引金が引かれ…
**パァン
視界が真っ赤に染まった。
&bold(){~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~}
「あ…あうえう…」
見事なまでに真っ赤な顔(塗料的な意味で)
泣き顔もかわいいけど、スィーマァはちょっと泣きすぎだと思う。
「ほらほら、いつまでも泣かないで」
対戦相手―ストラーフのゲイト―がスィーマァの顔を拭ってあげている。
「何回やってもゲイトさんには勝てないなぁ…」
「そんなことないさ! 苦手なアームも結構早くなってるじゃないか」
「む、みゅう…」
「これで30連敗だな、古代」
微笑ましい光景にのほほんとしてる時に、このひとは何で水を差すの…?
「もう止めちまえバトロンなんて、そんなんじゃソイツが哀れなだけだ」
「うるさい! こっちだっていつまでも負けてる訳じゃないの!」
「その言葉、20連敗目の時にも聞いたぜ」
「……」
反論できない…。
「何か言い返せるか? ノッポ女」
*バシッ
有無を言わさず張り倒した。
「スィーマァ! 行くの!!」
「うぇっ!? ま、ますたぁー!?」
あんなちっちゃい奴に身長の事を言われたくないの!!
……
はったおしちゃったけど、何だが気分が悪い。
入店禁止になるかもなの…。
「ますたーは自分の思った事をしっかり出せるだけいいですよ、吹雪さんなんて…」
「吹雪がどうしたなの?」
「いいえ、それは本人から聞いてください。非常に大事な事ですし」
「…そうなの?」
よくわからないけど、スィーマァの顔を見てるとなんだかホントに大事な話だってのはなんとなく感じた。
とりあえず、おうちに帰りますか。
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「吹雪君、あれはちょっと言いすぎですよ」
「マスターも素直じゃないなぁ、正直に好きだって言っちゃえばいいのにw」
センター長とゲイトの二人に、先ほどの発言を咎められている吹雪。
「今の関係を超えたら本気になれねぇじゃないか、だからあえて嫌われるような事言ってんだ」
顔を赤らめそんな事を言う吹雪。
「すすみちゃんもスィーマァちゃんも、日増しに強くなってるね。これも吹雪君のツンデレ対戦のおかげかな?」
「ツンデレって言うなーっ!!」
林吹雪。
知ってる人は彼を「ツンデレボーイ」と呼ぶ。
「マスターったら…。やれやれ」
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