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「無頼21「バトル&チェイス!」」(2008/07/19 (土) 14:02:35) の最新版変更点
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「顔を会わせるのは久しぶりだな、長瀬」
ちょっと角ばった顔を綻ばせ、男はほほ笑んだ。
「先輩、まさか俺を逮捕するために来たんじゃああるまいな?」
ジト目で男を見る長瀬。
「んな訳あるかい。俺とお前はいわば共生関係、どっちが駄目になってもなりたたん!」
断言する男の顔を見、軽くため息をついた。
彼の名は南雲啓介、MMS犯罪を専門に扱う刑事で階級は警部補。
見た目は少し老けこんでいるがこれでも28である。
「で、用件は何だ。いま裏で発生している神姫連続損壊事件か?」
「ああ、それだ」
読みはすぐに当たった。
「お前のとこのベルクトを含め、被害に遭った神姫はすでに8件。いずれもバラバラに引き裂かれ、何かしらのパーツを奪われている。…ログを確認したが相手がはっきり映っていない。つまりかなりのツワモノでもあると見るべきだ」
南雲は映像を映した印刷用紙を渡し、続ける。
「その張りぼてみたいなシルエットから、俺達はコードとして&bold(){"フランケンシュタインの怪物"}と呼んでいる。その出現地点は「薄暗く、自分の姿が相手に見えづらい」所に限られている、…次に犠牲者が出た場合神姫の独り歩きを制限するつもりだ」
渡された紙に印刷された姿は、様々なものを装備した不格好なもので"怪物"と呼ばれるのには納得する長瀬であった。
「…で、俺にどうすれと?」
「協力しろ、報酬は個人的に出す。…無論その分働いてもらうがな、何しろウチの課には警備MMSがいないからな」
………少し、ほんの少し悩み
「いいだろう」
と答えた。
----
**無頼21「バトル&チェイス!」
----
*「お姉さまぁぁぁぁぁぁっ!!!」
画龍高校1年A組に、朝も早くから絶叫が響き渡った。
声の主は言うまでもなく、リックであった。
「ど、どうしたの? いきなり泣きついて?」
当然お姉さま…つまりヒカルは何が何だかわからない。
「う…うぅぇっぐ…ぐす…」
「一深、何がどうなってるか説明してくれ」
「えっと…」
簡単に説明してしまおう。
昨日(日曜日)一人で堤防を流していたリックだったが、そこで変な奴に絡まれたのだ。
「絡まれてひっくり返されて脱がされて&bold(){「あーっ!あーっ!それより先はだめーっ!!」}」
やばくなりそうな発言を止めさせるヒカル。
「…んでジーナスに助けられた…」「ジーナスに?」
ちなみに、ジーナスは連れてきていない。
「むー、相手の特徴はどんな感じ?」
「顔の造形がどことなくリアルっぽかった」
顔の造形。
神姫の顔の造形はメーカーによってばらつきがあるが、大抵はアニメ顔である。
「うぅむ…。たぶん、そいつはアメリカ出身だな」
「アメリカ? 何故だい形人」
「前にネットで各国のMMSの紹介を見たことがあるんだが、アメリカ製はアメコミタッチ…つまり言うとリアル顔なんだ。お国柄だなそこは」
ほら、解りやすい例といえばMEGAMAN(ロックマンの英題)があるではないか。
「あと…バイクに乗ってた」
「バイクか。…国内のメーカーじゃないから…判断が難しいなぁ」
「トライクじゃないのかい? リック」
「あれはトライクじゃないよマスター、正真正銘の二輪車だった」
「…この付近のMMSなら長瀬さんとこに来るはずだから…放課後にセンターに行ってみるか?」
「ごめん、あたしちょっと買い物しなきゃならないからリックを連れて先に行って」
「わかった、後で来いよ」
----
&bold(){放課後、アオゾラ町神姫センター。}
「さてと…、どこにいるかな?」
形人はとりあえずメンテナンスショップに行く事にした。
長瀬なら見てれば覚えている筈だ。
「あれ、長瀬さんは?」
今日は珍しくも長瀬が居なかった。
「長瀬なら有休とって休んでる、メィーカーも連れて」
基本的に長瀬は休まない、何かあった時くらいである。
「どうしたんだろうなぁ…。それよりも、アメリカ製のバイクを持ったMMSを知りませんか?」
「リアルバトルルームに居るはずだが…?」
「ありがとうございます!」
疑問を感じつつも、今はリックの件が先である。
形人はバトルルームへと向かう。
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
&bold(){リアルバトルルーム(リアルバトル筺体室)}
「えっと…」
リアルバトル筺体は通常時には四つのブロックに分けて運用されている。
バトル中であればメインモニタに映像が映るはずだ。
「形人さん! 三番ブロックで対戦してます!」
リックが言った三番ブロックの画面を見る。
シルバーメッキのバイクに跨るMMSがイーダ型と対戦している途中であった。
高機動型の利点を生かし、右へ左へと障害物の間を行き来する。
…が、相手はバイクをウィリー状態にして瞬時に方向を変える。
フロントカウルの銃口が火を噴く。
岩をあしらえた障害物が粉々に吹き飛び、余波を受けたイーダが転倒した。
相手MMS―ブロンドの長髪、顔はフルフェイスメットで見えない―はバイクを加速させた。
「Crash!!」
そのままイーダをトライクごと撥ね飛ばした。
***[Win アルメリーア]
「三番ブロックか…」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
&bold(){三番ブロック。}
少女が勝ち誇っていた。
ブロンドの髪をセミロングに整え、首にリボンを巻いた子が。
「次の相手は誰ですカッ?」
「僕だっ!」
即答したのは形人。
「ほーう、なかなか勇敢じゃないノ」
「知らん。それよりもアンタの子がこの子にアレな事をしたと聞いたんで、雪辱戦を申し込みに来た」
少女は自分の神姫―アルメリーア―を見て
「そうなノ?」
「yes、mymaster」
悪びれる事もなく答えた。
「ふふぅム…。ではしょうがないですネ、そちらは二人で宜しいのですカ?」
二人=リックとヒカルである。
「いいのか? 二対一で?」
「いーのいーノ、たまにはこういうのモ」
余裕をもった態度で接する少女、年季が入っているのだろうか?
「では&bold(){ウッディ}、対戦筺体の方ヘ」
「待て、アンタまで僕をウッディ呼ばわりするのか」
「?」
もはや形人=ウッディ・ウッドペッカーの様である
----
&bold(){[stage:ハイウェイ]}
「マッハGo!Go!Go!Go!Go!」
Goが二つ多いのはリメイク版な訳で、ヒカルはトライクに跨り陽気に歌っていた。
「お姉さま、歌ってる場合じゃないと思うんだけど…」
「しっかり前は見てるよ~、あ!!前方890に相手が!!」
目が良い、ブルーベリーでも食べているのだろうか(それはない
「お姉さま、ブラスターの射程まであと何秒ですか?」
リックの問いに、アサルトブラスターの安全装置を解除しつつ
「9秒ってとこかな…撃ってきた!?」
頭を伏せると曳光弾のようなものが頭をかすめた。
先ほど一斉射で岩を砕いたカウルマシンガンである。
何発かはフロントカウルに当たり派手な火花を散らす。
「炸裂弾か…おかげで対して傷つかないや」
「射程内! 発射!!」
ヒカルのブラスターが光弾をばらまく、リックもエクステントを撃つ。
バイクとトライクがすれ違う。
トライクからの砲火は限界に達し、バイクの装甲に無数の穴があく。
逆にアルメリーアは、手にした拳銃でエクステントの機関部を正確に撃ち抜く。
「ちっ!! 掴っててください!!」
リックはトライクを武装形態へと可変、瞬時に振り向きすぐに再可変した。
視界にはウィリーで方向転換したアルメリーアの姿が映った。
「加速は向こうが上か!? 高速タイプの名が泣くなァ!!」
再びブラスターを連射していたヒカルが相手の挙動に気づく。
「あいつ…突っ込む気だよ!!」
「えっ!?」
すでに相手は目と鼻の先まで近づいている。
「頭伏せて!!」
手でリックの頭を押さえこんだ直後、バイクの前輪がヒカルの顔面に直撃した。
そのままハイウェイに投げ出されるヒカル。
「お姉さま!?」
双方がほぼ同時に方向転換する。
距離は520、リックが制動に手間取ったため結果的に距離が開いた。
*バコン!!
&size(small){「アッー」}
ヒカルを場外へと撥ね飛ばし、アルメリーアは加速する。
(そうか、すれ違いでダメージを食らうならこちらも突っ込めばいい)
スロットルをフルパワーにして加速するリック。
距離480…402…357…233…100!!
リックは勢いをそのままに武装状態へと変形した。
足を前に突き出す、距離は…34!!
*バギィ!!
アルメリーアが銃を構えるより早く、リックの足がヘルメットを蹴り飛ばした。
バイクから脱落し、地面にたたきつけられる。
「ぐ…うぅ!?」
起き上がろうとしたところで、リックに銃を突き付けられた。
同デザイナーによるモデルガン"ホルニッセ"の神姫用である。
「チェックメイト、だな」
「あれ、終わっちゃったの!?」
声は上から、向くとそこにはヒカルが浮いていた。
***魔砲少女のコスチュームで。
「お姉さま、その姿は一体…?」
「ちょっとね♪ トドメはわたしがやっていいかな?」
「いいですよ、もう気は晴れたし」
嬉々としてトンデモない事を話し合う二人。
その間に逃げようとするアルメリーア…だが、
「あ!!逃げた!! やっちゃってお姉さま!!」
「わかった!!
&bold(){"我は紡ぐ、光の詩を。我は貫く悪しき相手を。光の波よ、すべてを焼き払え!!"}」
フィリア・リスティックの先端に魔方陣の様なものが現れ、光の粒子が周りを照らす。
**「これがわたしの全力全壊!! "プラネティカル・フィライザー"!!」
エメラルドとオレンジの閃光が光の濁流と化して全てを包んだ。
&bold(){[win リック&ヒカル]}
----
&bold(){戦闘終了後}。
「ヒカル、僕はあんなものは買ってやった覚えがないんだが…それは一体どうしたんだ?」
「長瀬さんに貰った」
即答である。
「あのマッガーレ↓め…、ありがたいけどトンデモないものくれたなぁ…」
とここで、後ろから頭に乗られる形人。
「なっ!?」
「強い子だネ、そのコ。ワタシは貴方が気に入ったワ」
少女が首に手を回していた、背中には柔らかい感触…羨ましくなんかないぞ!!
「ワタシはリア・アーレイ、宜しくネウッディ」
「僕の名はウッディじゃねぇっ!!」
「遅れてごめn…形人それは一体!?」
タイミング悪く一深まで来た。
「誤解だ!! 事情は後で説明するか「問答無用!!」」
ヒカル・リック・アルメリーアは無言で十字を切った。
*「理不尽だぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
----
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「顔を会わせるのは久しぶりだな、長瀬」
ちょっと角ばった顔を綻ばせ、男はほほ笑んだ。
「先輩、まさか俺を逮捕するために来たんじゃああるまいな?」
ジト目で男を見る長瀬。
「んな訳あるかい。俺とお前はいわば共生関係、どっちが駄目になってもなりたたん!」
断言する男の顔を見、軽くため息をついた。
彼の名は南雲啓介、MMS犯罪を専門に扱う刑事で階級は警部補。
見た目は少し老けこんでいるがこれでも28である。
「で、用件は何だ。いま裏で発生している神姫連続損壊事件か?」
「ああ、それだ」
読みはすぐに当たった。
「お前のとこのベルクトを含め、被害に遭った神姫はすでに8件。いずれもバラバラに引き裂かれ、何かしらのパーツを奪われている。…ログを確認したが相手がはっきり映っていない。つまりかなりのツワモノでもあると見るべきだ」
南雲は映像を映した印刷用紙を渡し、続ける。
「その張りぼてみたいなシルエットから、俺達はコードとして&bold(){"フランケンシュタインの怪物"}と呼んでいる。その出現地点は「薄暗く、自分の姿が相手に見えづらい」所に限られている、…次に犠牲者が出た場合神姫の独り歩きを制限するつもりだ」
渡された紙に印刷された姿は、様々なものを装備した不格好なもので"怪物"と呼ばれるのには納得する長瀬であった。
「…で、俺にどうすれと?」
「協力しろ、報酬は個人的に出す。…無論その分働いてもらうがな、何しろウチの課には警備MMSがいないからな」
………少し、ほんの少し悩み
「いいだろう」
と答えた。
----
**無頼21「バトル&チェイス!」
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*「お姉さまぁぁぁぁぁぁっ!!!」
画龍高校1年A組に、朝も早くから絶叫が響き渡った。
声の主は言うまでもなく、リックであった。
「ど、どうしたの? いきなり泣きついて?」
当然お姉さま…つまりヒカルは何が何だかわからない。
「う…うぅぇっぐ…ぐす…」
「一深、何がどうなってるか説明してくれ」
「えっと…」
簡単に説明してしまおう。
昨日(日曜日)一人で堤防を流していたリックだったが、そこで変な奴に絡まれたのだ。
「絡まれてひっくり返されて脱がされて&bold(){「あーっ!あーっ!それより先はだめーっ!!」}」
やばくなりそうな発言を止めさせるヒカル。
「…んでジーナスに助けられた…」「ジーナスに?」
ちなみに、ジーナスは連れてきていない。
「むー、相手の特徴はどんな感じ?」
「顔の造形がどことなくリアルっぽかった」
顔の造形。
神姫の顔の造形はメーカーによってばらつきがあるが、大抵はアニメ顔である。
「うぅむ…。たぶん、そいつはアメリカ出身だな」
「アメリカ? 何故だい形人」
「前にネットで各国のMMSの紹介を見たことがあるんだが、アメリカ製はアメコミタッチ…つまり言うとリアル顔なんだ。お国柄だなそこは」
ほら、解りやすい例といえばMEGAMAN(ロックマンの英題)があるではないか。
「あと…バイクに乗ってた」
「バイクか。…国内のメーカーじゃないから…判断が難しいなぁ」
「トライクじゃないのかい? リック」
「あれはトライクじゃないよマスター、正真正銘の二輪車だった」
「…この付近のMMSなら長瀬さんとこに来るはずだから…放課後にセンターに行ってみるか?」
「ごめん、あたしちょっと買い物しなきゃならないからリックを連れて先に行って」
「わかった、後で来いよ」
----
&bold(){放課後、アオゾラ町神姫センター。}
「さてと…、どこにいるかな?」
形人はとりあえずメンテナンスショップに行く事にした。
長瀬なら見てれば覚えている筈だ。
「あれ、長瀬さんは?」
今日は珍しくも長瀬が居なかった。
「長瀬なら有休とって休んでる、メィーカーも連れて」
基本的に長瀬は休まない、何かあった時くらいである。
「どうしたんだろうなぁ…。それよりも、アメリカ製のバイクを持ったMMSを知りませんか?」
「リアルバトルルームに居るはずだが…?」
「ありがとうございます!」
疑問を感じつつも、今はリックの件が先である。
形人はバトルルームへと向かう。
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
&bold(){リアルバトルルーム(リアルバトル筺体室)}
「えっと…」
リアルバトル筺体は通常時には四つのブロックに分けて運用されている。
バトル中であればメインモニタに映像が映るはずだ。
「形人さん! 三番ブロックで対戦してます!」
リックが言った三番ブロックの画面を見る。
シルバーメッキのバイクに跨るMMSがイーダ型と対戦している途中であった。
高機動型の利点を生かし、右へ左へと障害物の間を行き来する。
…が、相手はバイクをウィリー状態にして瞬時に方向を変える。
フロントカウルの銃口が火を噴く。
岩をあしらえた障害物が粉々に吹き飛び、余波を受けたイーダが転倒した。
相手MMS―ブロンドの長髪、顔はフルフェイスメットで見えない―はバイクを加速させた。
「Crash!!」
そのままイーダをトライクごと撥ね飛ばした。
***[Win アルメリーア]
「三番ブロックか…」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
&bold(){三番ブロック。}
少女が勝ち誇っていた。
栗色の髪をセミロングに整え、首にリボンを巻いた子が。
「次の相手は誰ですカッ?」
「僕だっ!」
即答したのは形人。
「ほーう、なかなか勇敢じゃないノ」
「知らん。それよりもアンタの子がこの子にアレな事をしたと聞いたんで、雪辱戦を申し込みに来た」
少女は自分の神姫―アルメリーア―を見て
「そうなノ?」
「yes、mymaster」
悪びれる事もなく答えた。
「ふふぅム…。ではしょうがないですネ、そちらは二人で宜しいのですカ?」
二人=リックとヒカルである。
「いいのか? 二対一で?」
「いーのいーノ、たまにはこういうのモ」
余裕をもった態度で接する少女、年季が入っているのだろうか?
「では&bold(){ウッディ}、対戦筺体の方ヘ」
「待て、アンタまで僕をウッディ呼ばわりするのか」
「?」
もはや形人=ウッディ・ウッドペッカーの様である
----
&bold(){[stage:ハイウェイ]}
「マッハGo!Go!Go!Go!Go!」
Goが二つ多いのはリメイク版な訳で、ヒカルはトライクに跨り陽気に歌っていた。
「お姉さま、歌ってる場合じゃないと思うんだけど…」
「しっかり前は見てるよ~、あ!!前方890に相手が!!」
目が良い、ブルーベリーでも食べているのだろうか(それはない
「お姉さま、ブラスターの射程まであと何秒ですか?」
リックの問いに、アサルトブラスターの安全装置を解除しつつ
「9秒ってとこかな…撃ってきた!?」
頭を伏せると曳光弾のようなものが頭をかすめた。
先ほど一斉射で岩を砕いたカウルマシンガンである。
何発かはフロントカウルに当たり派手な火花を散らす。
「炸裂弾か…おかげで対して傷つかないや」
「射程内! 発射!!」
ヒカルのブラスターが光弾をばらまく、リックもエクステントを撃つ。
バイクとトライクがすれ違う。
トライクからの砲火は限界に達し、バイクの装甲に無数の穴があく。
逆にアルメリーアは、手にした拳銃でエクステントの機関部を正確に撃ち抜く。
「ちっ!! 掴っててください!!」
リックはトライクを武装形態へと可変、瞬時に振り向きすぐに再可変した。
視界にはウィリーで方向転換したアルメリーアの姿が映った。
「加速は向こうが上か!? 高速タイプの名が泣くなァ!!」
再びブラスターを連射していたヒカルが相手の挙動に気づく。
「あいつ…突っ込む気だよ!!」
「えっ!?」
すでに相手は目と鼻の先まで近づいている。
「頭伏せて!!」
手でリックの頭を押さえこんだ直後、バイクの前輪がヒカルの顔面に直撃した。
そのままハイウェイに投げ出されるヒカル。
「お姉さま!?」
双方がほぼ同時に方向転換する。
距離は520、リックが制動に手間取ったため結果的に距離が開いた。
*バコン!!
&size(small){「アッー」}
ヒカルを場外へと撥ね飛ばし、アルメリーアは加速する。
(そうか、すれ違いでダメージを食らうならこちらも突っ込めばいい)
スロットルをフルパワーにして加速するリック。
距離480…402…357…233…100!!
リックは勢いをそのままに武装状態へと変形した。
足を前に突き出す、距離は…34!!
*バギィ!!
アルメリーアが銃を構えるより早く、リックの足がヘルメットを蹴り飛ばした。
バイクから脱落し、地面にたたきつけられる。
「ぐ…うぅ!?」
起き上がろうとしたところで、リックに銃を突き付けられた。
同デザイナーによるモデルガン"ホルニッセ"の神姫用である。
「チェックメイト、だな」
「あれ、終わっちゃったの!?」
声は上から、向くとそこにはヒカルが浮いていた。
***魔砲少女のコスチュームで。
「お姉さま、その姿は一体…?」
「ちょっとね♪ トドメはわたしがやっていいかな?」
「いいですよ、もう気は晴れたし」
嬉々としてトンデモない事を話し合う二人。
その間に逃げようとするアルメリーア…だが、
「あ!!逃げた!! やっちゃってお姉さま!!」
「わかった!!
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エメラルドとオレンジの閃光が光の濁流と化して全てを包んだ。
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&bold(){戦闘終了後}。
「ヒカル、僕はあんなものは買ってやった覚えがないんだが…それは一体どうしたんだ?」
「長瀬さんに貰った」
即答である。
「あのマッガーレ↓め…、ありがたいけどトンデモないものくれたなぁ…」
とここで、後ろから頭に乗られる形人。
「なっ!?」
「強い子だネ、そのコ。ワタシは貴方が気に入ったワ」
少女が首に手を回していた、背中には柔らかい感触…羨ましくなんかないぞ!!
「ワタシはリア・アーレイ、宜しくネウッディ」
「僕の名はウッディじゃねぇっ!!」
「遅れてごめn…形人それは一体!?」
タイミング悪く一深まで来た。
「誤解だ!! 事情は後で説明するか「問答無用!!」」
ヒカル・リック・アルメリーアは無言で十字を切った。
*「理不尽だぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
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