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「第7話:スタート・ポイント」(2008/06/11 (水) 02:28:20) の最新版変更点
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「まさかねぇ、離れ離れになった二人が数年後に再開……ドラマチックじゃなぁい?」
「いやぁ、オレもそう思うんだぜマリコさん。まさかさっちゃんにまた会えるとはなぁ……」
「私だってまさかだ。アイツがこんなどうしようもないバカになってるあたりが余計にね」
三者三様、それぞれにコーヒーとケーキを嗜みながら、思い思いを口にする。
「なんだよー、バカだって悪くないよ、毎日楽しくやれるんだぜ?」
「だからって私はバカ呼ばわりなんかされたくない、そっち側には行かないよ」
軽口を叩きながらコーヒーを啜る晃、と。
フォークでガトーショコラを一口大に切り分け、口に運ぶ咲耶。
「あれからもっかい引越ししたからなー。そうか、新しい場所と昔いたとこって近いんだ」
スイッチを切り替えたように、カチリと突然話題が変わる。
「……みたいだね、2回も転居してるとは思わなかったけど」
チョコの甘さを上書きするように、咲耶はコーヒーを含む。
「しかしまー、あれだな。さっちゃんが神姫始めてるとはねー、しかもやたら強いのな」
「別に……結局負けたし」
先ほどの試合結果を思い出したのか、彼女の態度が少しだけ硬化した。
「いや、あれはすげーよ。オレ勝てるとは……って、これはさっきやった」
「そうだね、思いっきりやった」
「……まぁ、とりあえず―――あの装備とかさ、どうやって手に入れたんだ?あんなバックユニットとか初めてみるぜ?」
晃は、さらなる話題の切り替えのため、装備の話に移したようで。
「ん、あれは……色々かき集めて、金で解決した」
「金かよっ!?そこで金かよ!……てか、お前ン家、確かに金あったなぁ……」
晃はツッコんだり、納得したりと、その表情がコロコロと変わっていく。
すぐその後、はっとした表情に変えて咲耶に口を開く。
「あのバカ力はどうしてんだ?あの刀明らかに両手用のヤツだろ?それを片手で振り回せるなんてどうなってんだ」
「駆動系を強力なのに換装してある。軽装備程度の神姫なら片手で持てるよ」
少女はケーキを口に運びつつ、さも詰まらなそうに語る。
「……片手とか、すげぇバカ力……でも、武器振るときのバランスは?パワーだけじゃ武器は扱えないぜ」
ケーキもコーヒーもそっちのけで、少年は興味津々で回答を求める。
「反復練習。体に覚えこませなきゃ、こんなバカなことできるか」
「うわぁ……ホントによく勝てたな、オレ」
語られる、聞くだけでため息がでるような装備と技術の数々。晃はただただ呆然とするばかり。
「……今度は私が聞きたいんだけど」
唐突に咲耶から晃へと、へと会話のベクトルが変わる。
「あ、ああ、なに?スリーサイズまでなら答えるぜ」
少女は、はぁ、と嘆息一つ。
「そんなものいい……聞きたいのはアレ、あのレーザー」
戦闘中、使用された目標に向かって追尾するレーザー。ホーミングレーザーと銘打たれたもの。
「アレこそどうしたのさ、あんなの、ネットでだって聞いたことないよ」
青年は待ってました、と言わんばかりで答える。
「おおぅ、あれさ、言うなればホーミングレーザーってんだけどさ、すげーだろ、あれ。オレの自慢なんだぜ?オレが作ったんじゃないけど」
嬉々として、武装の概要、というか自慢を始める晃と、それを気だるそうに聞く咲耶。
「んでな、どーいう原理かよくわかんねーんだけど、神姫側でロックオンした上で、軌道までこちらが設定できるわけよ」
「それで、あんな当て方ができたのか」
「そうそう、視認できる範囲までならけっこー細かく設定できるんだぜ。ただまぁ威力はそこそこで、次弾のチャージに死ぬほど時間かかるけど」
「ふーん」
「そんで実はコレ、このマリコさんが作ったんだぜ。あ、マリコさんてのはこの店の店長で、やたら綺麗だけどオカマだったりするんだ」
「ああ……どおりで声に違和感があるわけだ……」
オカマという表現にに納得いかないのか、マリコさんと呼ばれているその人物は反論を始めた。
「せめてニューハーフといいなさい!オカマって表現イヤなのよ!アンタだけ料金倍にするわよ晃っ!」
「ちょ、まってマリコさん!?ゴメン!ゴメンてば!」
「ま、いいさ……当面の目標はできたし、ぼくはこの辺で帰るよ」
最後の一切れを口に放り込み、少女は席を立つ。
「あれ、もう帰るの?夜、ウチのとっつぁんと母上さまに会わせようかと思ったのに。メシ込みで」
「おいで、フラン」
会話の始終を聞き込んでいた紅と黒のうち、黒いほうが、己のオーナーのもとへ駆け寄り、ポシェットの中へジャンプ。
「別にいらない、それより覚悟しといたほうがいいよ……次は負けないから」
鋭い眼差しを、少年に向かって叩き付けた。
「……おう、こっちだって負けないぜ。ムラクモさんともども、がんばってやるさ」
腕組から、チャレンジャーへ対しての返り討ち宣言。
テーブルの上の紅い神姫、ムラクモも「次だって負けないぞ!」のアピール。
「ま……しばらくは、こっちのセンターの世話にならせてもらうよ、面白そうなヤツらもいるみたいだしね」
「おう、たくさんいるぞ!強さよりネタに走るヤツらばっかだけど」
カラン、と、ドアのカウベルが鳴り、少女は店の外へ。
「晃、あの子がアンタの言ってた、初恋の子?」
「ああ……なんか随分雰囲気変わってたけど、あの子だよ―――まさか、また会えるなんて思ってなかったぜ」
「マイマスター……アイツがそうなの?初恋って……」
「ん、まぁ……どうなる、かね。これから」
ドアを見つめる少年は、嬉しそうに笑っていた。
「まさかねぇ、離れ離れになった二人が数年後に再開……ドラマチックじゃなぁい?」
「いやぁ、オレもそう思うんだぜマリコさん。まさかさっちゃんにまた会えるとはなぁ……」
「私だってまさかだ。アイツがこんなどうしようもないバカになってるあたりが余計にね」
三者三様、それぞれにコーヒーとケーキを嗜みながら、思い思いを口にする。
「なんだよー、バカだって悪くないよ、毎日楽しくやれるんだぜ?」
「だからって私はバカ呼ばわりなんかされたくない、そっち側には行かないよ」
軽口を叩きながらコーヒーを啜る晃、と。
フォークでガトーショコラを一口大に切り分け、口に運ぶ咲耶。
「あれからもっかい引越ししたからなー。そうか、新しい場所と昔いたとこって近いんだ」
スイッチを切り替えたように、カチリと突然話題が変わる。
「……みたいだね、2回も転居してるとは思わなかったけど」
チョコの甘さを上書きするように、咲耶はコーヒーを含む。
「しかしまー、あれだな。さっちゃんが神姫始めてるとはねー、しかもやたら強いのな」
「別に……結局負けたし」
先ほどの試合結果を思い出したのか、彼女の態度が少しだけ硬化した。
「いや、あれはすげーよ。オレ勝てるとは……って、これはさっきやった」
「そうだね、思いっきりやった」
「……まぁ、とりあえず―――あの装備とかさ、どうやって手に入れたんだ?あんなバックユニットとか初めてみるぜ?」
晃は、さらなる話題の切り替えのため、装備の話に移したようで。
「ん、あれは……色々かき集めて、金で解決した」
「金かよっ!?そこで金かよ!……てか、お前ン家、確かに金あったなぁ……」
晃はツッコんだり、納得したりと、その表情がコロコロと変わっていく。
すぐその後、はっとした表情に変えて咲耶に口を開く。
「あのバカ力はどうしてんだ?あの刀明らかに両手用のヤツだろ?それを片手で振り回せるなんてどうなってんだ」
「駆動系を強力なのに換装してある。軽装備程度の神姫なら片手で持てるよ」
少女はケーキを口に運びつつ、さも詰まらなそうに語る。
「……片手とか、すげぇバカ力……でも、武器振るときのバランスは?パワーだけじゃ武器は扱えないぜ」
ケーキもコーヒーもそっちのけで、少年は興味津々で回答を求める。
「反復練習。体に覚えこませなきゃ、こんなバカなことできるか」
「うわぁ……ホントによく勝てたな、オレ」
語られる、聞くだけでため息がでるような装備と技術の数々。晃はただただ呆然とするばかり。
「……今度は私が聞きたいんだけど」
唐突に咲耶から晃へと、へと会話のベクトルが変わる。
「あ、ああ、なに?スリーサイズまでなら答えるぜ」
少女は、はぁ、と嘆息一つ。
「そんなものいい……聞きたいのはアレ、あのレーザー」
戦闘中、使用された目標に向かって追尾するレーザー。ホーミングレーザーと銘打たれたもの。
「アレこそどうしたのさ、あんなの、ネットでだって聞いたことないよ」
青年は待ってました、と言わんばかりで答える。
「おおぅ、あれさ、言うなればホーミングレーザーってんだけどさ、すげーだろ、あれ。オレの自慢なんだぜ?オレが作ったんじゃないけど」
嬉々として、武装の概要、というか自慢を始める晃と、それを気だるそうに聞く咲耶。
「んでな、どーいう原理かよくわかんねーんだけど、神姫側でロックオンした上で、軌道までこちらが設定できるわけよ」
「それで、あんな当て方ができたのか」
「そうそう、視認できる範囲までならけっこー細かく設定できるんだぜ。ただまぁ威力はそこそこで、次弾のチャージに死ぬほど時間かかるけど」
「ふーん」
「そんで実はコレ、このマリコさんが作ったんだぜ。あ、マリコさんてのはこの店の店長で、やたら綺麗だけどオカマだったりするんだ」
「ああ……どおりで声に違和感があるわけだ……」
オカマという表現にに納得いかないのか、マリコさんと呼ばれているその人物は反論を始めた。
「せめてニューハーフといいなさい!オカマって表現イヤなのよ!アンタだけ料金倍にするわよ晃っ!」
「ちょ、まってマリコさん!?ゴメン!ゴメンてば!」
「ま、いいさ……当面の目標はできたし、ぼくはこの辺で帰るよ」
最後の一切れを口に放り込み、少女は席を立つ。
「あれ、もう帰るの?夜、ウチのとっつぁんと母上さまに会わせようかと思ったのに。メシ込みで」
「おいで、フラン」
会話の始終を聞き込んでいた紅と黒のうち、黒いほうが、己のオーナーのもとへ駆け寄り、ポシェットの中へジャンプ。
「別にいらない、それより覚悟しといたほうがいいよ……次は負けないから」
鋭い眼差しを、少年に向かって叩き付けた。
「……おう、こっちだって負けないぜ。ムラクモさんともども、がんばってやるさ」
腕組から、チャレンジャーへ対しての返り討ち宣言。
テーブルの上の紅い神姫、ムラクモも「次だって負けないぞ!」のアピール。
「ま……しばらくは、こっちのセンターの世話にならせてもらうよ、面白そうなヤツらもいるみたいだしね」
「おう、たくさんいるぞ!強さよりネタに走るヤツらばっかだけど」
カラン、と、ドアのカウベルが鳴り、少女は店の外へ。
「晃、あの子がアンタの言ってた、初恋の子?」
「ああ……なんか随分雰囲気変わってたけど、あの子だよ―――まさか、また会えるなんて思ってなかったぜ」
「マイマスター……アイツがそうなの?初恋って……」
「ん、まぁ……どうなる、かね。これから」
ドアを見つめる少年は、嬉しそうに笑っていた。
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