「戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -08」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -08」(2008/04/17 (木) 00:14:05) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -07
----
註:このSSも、完全に勢いと思いつきだけで出来ています。
「背徳のKISS」(奥井雅美)をイメージ曲としています。
お手元にありましたらBGMとでもしていただければと存じます。
----
戦場からの帰りの電車。
「今日も・・・勝ちましたね・・・。」
マスターの胸ポケットに収まった私が静かに言うと、マスターはじっと外を見たまま小さく頷いた。
窓の外には、夕日に照らされてすべてが赤くなった街並み。私の顔も、紅く染まる・・・。
「Black DEVIL」、これが私のバトルネーム。 いまや、マスターの下で仕えるただひとりの神姫。
電車を降り、にぎやかな通りを歩いて家路に向かう私たち。 土曜とあって、手をつないで歩み行く恋人たちも多く。彼らの楽しそうな笑顔もまた、夕暮れの空に吸い込まれていく・・・そんな澄みきった街中に、こんな私が居てもよいのだろうか。
筐体戦闘時に罠にはめ、敵の高出力砲で・・・姉だったツガルのコアを射貫かせたのは、私。
バーチャル訓練時に、事故に見せ掛け強制データフォーマットを・・・妹のフォートブラッグにかけたのも、私・・・。
マスターと暮らしているうちに、いつしか芽生えていた感情。
-大きな手に抱かれているだけでは、足りない-。
間違っていると、自分自身でもわかっていても抑える事が出来ない衝動。
-マスターと、二人きりの未来がほしい-。
私は、リペイント版とはいえど「天使型」のアーンヴァル・・・。
しかし。自らの歪んだ心に天使の翼を奪われ、大きな十字架を背負い歩む道に堕ちた、そのときから。
すべてを奪い、そして求め続けることしか、見えなくなってしまったのだ。
もしかしたら、マスターは私の行動に気づいているのかもしれない。 だが、何一つ今までと変わること無く、私に優しく接してくださる・・・。
そんなマスターが・・・ツガルタイプやフォートブラッグを見かけたとき、時折浮かべる寂しそうな瞳の輝き。 その輝きを見るたびに、私のコアが・・・悲しげな共鳴を起こすことがある。
私は、この苦しみから逃げることは決して許されないのだ、と・・・。
決して実ることがないと、わかっている。
それでも。いや、だからこそ、私はマスターに尽くし続ける。
一秒でも長くマスターに見てもらいたい。
-だから、バトルには勝ち続けなければならない-
小さな神姫が、ニンゲンに恋をすることは。
決して許されないことなのだろうか。
私だけの、マスターで居てほしい。
-だから今、この瞬間に口付けをしてほしい-
それがたとえ。
背徳の行為であっても・・・。
----
[[<<トップ へ戻る<<>戦うことを忘れた武装神姫]]
**戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -08
----
註:このSSも、完全に勢いと思いつきだけで出来ています。
「背徳のKISS」(奥井雅美)をイメージ曲としています。
お手元にありましたらBGMとでもしていただければと存じます。
----
戦場からの帰りの電車。
「今日も・・・勝ちましたね・・・。」
マスターの胸ポケットに収まった私が静かに言うと、マスターはじっと外を見たまま小さく頷いた。
窓の外には、夕日に照らされてすべてが赤くなった街並み。私の顔も、紅く染まる・・・。
「Black DEVIL」、これが私のバトルネーム。 いまや、マスターの下で仕えるただひとりの神姫。
電車を降り、にぎやかな通りを歩いて家路に向かう私たち。 土曜とあって、手をつないで歩み行く恋人たちも多く。彼らの楽しそうな笑顔もまた、夕暮れの空に吸い込まれていく・・・そんな澄みきった街中に、こんな私が居てもよいのだろうか。
筐体戦闘時に罠にはめ、敵の高出力砲で・・・姉だったツガルのコアを射貫かせたのは、私。
バーチャル訓練時に、事故に見せ掛け強制データフォーマットを・・・妹のフォートブラッグにかけたのも、私・・・。
マスターと暮らしているうちに、いつしか芽生えていた感情。
-大きな手に抱かれているだけでは、足りない-。
間違っていると、自分自身でもわかっていても抑える事が出来ない衝動。
-マスターと、二人きりの未来がほしい-。
私は、リペイント版とはいえど「天使型」のアーンヴァル・・・。
しかし。自らの歪んだ心に天使の翼を奪われ、大きな十字架を背負い歩む道に堕ちた、そのときから。
すべてを奪い、そして求め続けることしか、見えなくなってしまったのだ。
もしかしたら、マスターは私の行動に気づいているのかもしれない。 だが、何一つ今までと変わること無く、私に優しく接してくださる・・・。
そんなマスターが・・・ツガルタイプやフォートブラッグを見かけたとき、時折浮かべる寂しそうな瞳の輝き。 その輝きを見るたびに、私のコアが・・・悲しげな共鳴を起こすことがある。
私は、この苦しみから逃げることは決して許されないのだ、と・・・。
決して実ることがないと、わかっている。
それでも。いや、だからこそ、私はマスターに尽くし続ける。
一秒でも長くマスターに見てもらいたい。
-だから、バトルには勝ち続けなければならない-
小さな神姫が、ニンゲンに恋をすることは。
決して許されないことなのだろうか。
私だけの、マスターで居てほしい。
-だから今、この瞬間に口付けをしてほしい-
それがたとえ。
背徳の行為であっても・・・。
----
[[<<トップ へ戻る<<>戦うことを忘れた武装神姫]]
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: