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「無頼11「校内ねこねこ大騒動!」」(2008/04/01 (火) 07:46:15) の最新版変更点
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**無頼11「校内ねこねこ大騒動」
夏休みが終わる。
SOS団とは違って、普通の高校生にとってこれほど辛い事は期末テストくらいのものか。
さらに、僕が頭を痛める理由はもう一つある。
「形人~! 起きろ~っ!」
**「っておわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!? ∑ズザーッ三(Д○)」
この今時どこのギャルゲーもやらないネタを、実際にやってる"こいつ"。
「一深!! ギャルゲネタはやめろ!! マジやばいって!!」
「えー、こっちの方が効果的ジャン」
「そうゆう問題じゃない!!」
飛竜一深。この"自称恋人"が最大の頭痛の元だ。
「むー…、びっくりしたぁ」「マヨネーズを"ぶちゅっ"とやっちゃったかと思ったですよ」
「いや"ぶちゅっ"て…」「"ちゅー"? キスしてほしいならはじめから言えって」「違ぁーう!!」
初日からこれじゃ、今後2年と半年やってけるか心配だ…。
「よかったじゃないの形人。ハーレムになっちゃってw」「お母さん!?」
正直、この新展開はやりすぎだろ作者orz
----
さて、昼休みだ。
しかし、皆の視線(風間含む)が痛い。
なにしろ自己紹介の時に
「飛竜一深です!。彩聞形人のコレ(小指を立てる)でぇーす!」
とか言ったもんだから、色々な目で見られている。
「彩聞、事情を説明しろ」「彩聞君…意外とやり手なのね」「形人…裏切り者めっ!!(こいつの仲間になった覚えはない)」「吊目にボーイッシュ! なおかつ男口調! これほど萌えるものは無い!!」「どこまでいったの? まさか…」
誰か助けて(泣)
「形人、あきらめろ。これが宿命(さだめ)だ」「マスター、僻まないでください」
風間もか o...rz
~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~
「最近なにかウイルスが流行ってるようだから気をつけるのよ?」
「ウイルス、ですか?」
1年A組の神姫をまとめるお姉さん、ミューシャ先生(人魚型イーアネイラ)がみんなに言った。
「ここ最近、愉快犯によるバーサークプログラムが出回ってるそうです。空気感染しませんけど、感染者に触れるとうつりますので注意しましょう」
「先生! アルヴィンの様子が変でーす!」
「あら?」
見ると、確かにアルヴィン(寅型ティグリース)の様子がおかしい。
何か猫みたいに唸ってる(いや、ネコ科だけど)
いやーな予感が…
「アルヴィン、どうした?」「待った!」
遅かった。アルヴィンに触れたとたん、フォード(騎士型サイフォス)にも異変が…!
**「「ニャーっ!!!」」
**「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!」
~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~
校内敷地の某所。
「…出ておいで」
茂みの陰、排水溝の入り口に向かって声を掛ける。
排水溝の奥、闇から近づく小さな影。
「ニャァ」
出てきたのは子猫。もう乳離れしてる頃か。
「ごめん、いつもこんなトコで…。でもマスターの弟がアレルギーだから…」
一週間前、学校を訪れた時に見つけた子猫。
マスターなら家で飼う事を快諾するだろう。しかし、マスターの弟は猫アレルギーだったので言い出せずにいた。
だからマスターの財布から少しお金を抜き取り、ここで飼っていた。
「ホントに…ごめん…」
「缶詰を背負ってどこに行くと思ったら、なるほどな」
「リックさん、水臭いですよ」
「!?」
振り向くと、そこには零牙とジーナスがいた。
「あ、あんたら!?」
「"普段ツンとしている者ほど可愛い"とは、彼女を指すのだろうな」
ニヤリと笑い、いつもは言わない言葉を言う零牙。
「あ…あう…」
「しかし、その缶詰はペット用のようだが…。もしかしてマスターの財布あたりから…」
***「う、うるさーい!!」
「ニャ!?」
張り上げた声に、驚き怯む子猫。
「あ…!…ごめん、声をはりあげちゃって…」
「これが俗に言う&bold(){ツンデレ}なのか?」
「零牙さん、彼女は&bold(){恥ずかしがり屋}ですって」
「あぅ、あうぅぅぅぅう…」
~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~
「でも、もし雨が降ったら危ないですよここ」
ごく普通の事を言うジーナス。確かにここは雨天時に危険だ。
「でも…、ここ以外にいい所が見つからなかった…。下手に校外に出すと色々危ないし…」
校外で危険なもの。
自動車やバイク、凶暴性を帯びた野良犬・猫。残虐性を持ち合わせる幼い子供も脅威となる。
「とは言っても、明日は大雨だと天気予報で言ってたぞ」
「タイムリミットは今日中か…」
小さな命に関わる切実な問題。頭を抱える3人。
「…む? 校舎が騒がしいぞ…!?」
耳を澄ますと、銃声や悲鳴が聞こえる。一部の生徒は窓から外へ逃げ出している。
「緊急事態だ!」
「行きましょう!」
「ここで待ってて、すぐに戻ってくるから…ね?」
そう言って、リックはトライクに跨り、エンジンをスタートさせた。
電気式モーターならではの静かな低音が響く。
零牙とジーナスもトライクに飛び乗る、3人乗りは定員オーバーだか、気にしてはいけない。
***「GO!」
砂埃を巻き上げ、アッと言う間に小さくなるトライク。
子猫は、それをただ見守っていた。
----
レッドアラート!
その時僕は教室に居た。
弁当を食べてる途中だろうが関係なく、クラスメイトがあれ(一深)の事を聞いてくる。
直後、一人が廊下を見て叫んだ。
「な、なんだありゃあ!?」
「神姫…、神姫の大群だ!?」
はぁ? 何故そんなのに驚く?
「攻撃してくるぞ」「閉めろ!」
あわててドアを閉めた。えーと、何だな。
これはつまり、"校内の神姫の大半が暴走してる"って事だよな?
……
シャレにならん!!
「分析結果が出たぞ」「ふぎーっ!!ふぎーっ!!」
電子工学志望の荒田が、知らん内に一体捕まえてやがった(丑型)。
「最近噂になっている、猫化暴走コンビュータウィルスNe-Ko×2。俗称"ねこねこ菌"だな」
なんだそりゃ、作った奴はモノ好きだな。
「これは神姫。…特に動物系タイプに対して感染力が高く、侵された神姫は思考が猫と化して手当たり次第に周りの物を壊し始める。……神姫が集まる所では非常に有効なテロ手段だな」
「対処方法はないのか?」
聞くと荒田はカバンの中からある物を取り出した。
「猫にはマタタビ、とは言ったものだよ。この対ねこねこ菌スプレーで一時的に沈静化できる、だませたら神姫センターでワクチンをうてばいい」
「なんでそんなモン持ってんだ?」と一深。そう言えばリックの姿も見えんな。
「"備えあれば憂いなし"だよ。こんな事もあろうかと通販で購入したけど…まさか実際に起こるとは…」
警察と神姫センターに連絡した方がよさそうだ。
「あと、これ。武装神姫用ワクチンカートリッジだ。これを武器にインストールすればワクチン弾を撃てる」
「通販バンザイだな、こりゃ」
「ここに居るのは…グレースさんと自分のスプレイヤー(種型)くらいか。グレースさん、これを」
グレースはカートリッジを受け取り、ミニガンにインストールした。…って実弾兵装だろそれ。
「ビームバージョンだ。相手に必ず実弾が効くとは限らないからな」
説明ありがとう我が親友。
「それじゃあたしがいく」真っ先に名乗りを上げたのは一深だ。
「そのスプレー、それ一つか?」
「…重かったんだよ、これ」と言い、どさりとスプレーを…10缶ほど置いた。
「そんなに沢山、どこにしまってたんだ?」
「オーナーの鞄の中は超空間ですから」と、冗談交じりで言うスプレイヤー。
これが俗に言う"ハンマースペース"と言うやつか。
希望者、4名。
さあ、反撃開始だ。
ガラッ
***「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
----
一方、零牙・ジーナス・リックの方はと言うと。
「峰打ち御免ッ! &bold(){零牙流剣技"無限衝撃刃"!!}」
以前、ヒカルから譲り受けた"ビームセイバーX3"を横一文字に振るう。
途端、しなるビーム刃から無数の"衝撃刃"が飛び出し、大群をなぎ払う。
「やっぱり、零牙さんは頼りになりますね」
擲弾銃に次弾を装填しつつ、ジーナスが言う。
「そりゃっ」
装填が終わったら、即座に発射。着弾地点に居た神姫達を吹き飛ばす。
「こう言う状況だと、徹甲弾のありがたみがよく分かるなぁ…」
軽い音を立て、エクステンドが火を噴く。
射線上の神姫は次々と貫かれ、地面に付す。
こんな調子ですでに一階を制圧。二階の"掃除"に入っていた。
突然、上空から降り注ぐビームの雨。
「あちっ!?」
羽織っていたコートに燃え移り、あわててそれを脱ぎ捨てるジーナス。
「ヒカルの様だな。ああ見えて意外と厄介…」
「零牙! そう言う事を言ってる場合かっ!?」
ひたすら飛び回り、滅茶苦茶に撃ってくるヒカル。巻き添えを食らって吹っ飛ぶ神姫多数。
「でも、自我が無い為か、動きが単調だな…。」
***「零牙流剣技"誘導衝撃刃・三分裂"!」
下から上に剣を振い、一際大きい"衝撃刃"がヒカルに向かって放たれる。
それをひらりと回避する…が、後ろで"衝撃刃"が三つに分裂し、反転してヒカルを引き裂いた。
「に゛ゃっ!?」
撃墜され、床に墜ちる。
翼がバラバラに砕け散る。
「威力を高めすぎましたか…。しかし、止むを得ないでしょう。」
「あれ、無償修理してくれるかなぁ」
「(タタタタタタッ)こっちも片付いたよ。…誰か来る」
……
「リック! 無事だったのか」
「マスターこそ! …あられもない姿だけど」
見ると制服のあちこちが裂けており、足は生傷だらけであった。
「大丈夫か? リックのマスター氏。」「大丈夫には思えないけど」
一深はグッと親指を立て
***「大丈夫! 後で形人にデレるから!」
「「「………(滝汗)」」」
「あ、後ろ!!」
プシューッ「「「わあっ!?」」」
後ろでバタッと倒れる花型神姫。
でもって、スプレーをもろに浴びた3人。
ついでに言うとジーナスは猫型であり、スプレーにはマタタビ成分が含まれている。
「にぁ…にゃぁあ…ン…。カ…体にチカラが入らな…」
当然、ジーナスも行動不能となった。
「あちゃあ…。やっちゃったぁ…」
「でも凄く萌えるよ、コレわ」
「これが…"萌え"なのか…?」
「にゃぁぁぁぁぁん(はあと)」
----
全てが終わった。
結局臨時休校となり、今日の所はこれでさよならだ。
暴走したヒカルとスプレーを浴びて文字通りにゃんにゃん(死語)になったジーナスは、メンテナンスショップ行きだ。
警察は発端となったウイルスの作成者を捜査している。むろん対ウィルス装備のMMSと共にである。
そして、もう一つの出来事は…。
「ごめんなさい! マスターの財布からお金を抜き取った上に、こういう事も黙っていて…!」
今、一深の腕に抱かれている子猫。
リックが無断で飼っていたという、その子猫。
穏やかな表情で、土下座するリックを見ていた。
「リック…。なんで、最初から言ってくれなかった?」
「え…」
「別に家に置いたらいけないだけで、『飼うな』とは言ってないよ」
「……はい」
「とは言っても、どうするんだその猫。お母さんが極度のアレルギーだから、ウチでも無理だ」
悲しいかな、引き取ってやれない。半径2メートル以内に近づいただけで、ひどいジンマシンが起こるのだとか。
「零牙から話は聞きました」
「先輩! いつの間に?」
気付いたら、氷男先輩と零牙がそこにいた。
「私の家で引き取りましょう。もちろん、いつでも会いに来ていいですよ」
ナイスな提案をしてくれるなぁ先輩。
「…うん、よろしくお願いします。聖憐さん」
「お顔を上げてください。私は、相手に頭を下げられるのが苦手なんです」
「ほら、主もそう言ってるのだから、元気を出せ」
「…うん」
その顔は、人を魅了できるような表情をしていた。
「これでオール・オーケー! ところで形人ぉ…足痛くて自転車漕げな「なら押してけ」…なんだよぅケチーっ!」
こいつは…ッ!!
「…これが、&bold(){ラブラブ}と言うものなのですか? 零牙」
「いえ、これは&bold(){バカップル}と言います、主。」
終われ
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「オハヨ、姉貴」
「はよっ、アンタにしては早いね?」
少々年季の入った一軒家、リビングにて会話する姉弟。
飛竜一深とその弟、槙人である。
「俺だってたまには早起きするって。…かぁちゃん起きねーの?」
「全然! まぁ完全に片付いたの昨日だもんね、仕方ないよ」
「そーかー、ならしゃーないな。……ツナ缶がない」
冷蔵庫の中を見まわし、昨日まではあったものがないのを聞く。
「さっきリックが引きずってったから、たぶん野良猫の餌にするんじゃないかな?」
「なんとも贅沢な野良猫…。ちぇっ、消費期限二日過ぎてら!」
「それじゃ行くから」
「こんなに早く!?」
「やりたい事があんのよ」
……
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夏休みが終わる。
SOS団とは違って、普通の高校生にとってこれほど辛い事は期末テストくらいのものか。
さらに、僕が頭を痛める理由はもう一つある。
「形人~! 起きろ~っ!」
*「っておわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
この今時どこのギャルゲーもやらないネタを、実際にやってる"こいつ"。
「一深!! ギャルゲネタはやめろ!! マジやばいって!!」
「えー、目覚めのインパクト度においては効果的じゃないの?」
「そうゆう問題じゃない!!」
飛竜一深。この"自称恋人"が最大の頭痛の元だ。
「むー…、びっくりしたぁ」「マヨネーズを"ぶちゅっ"とやっちゃったかと思ったですよ」
「いや"ぶちゅっ"て…」「"ぶちゅ"? 六年前みたいに接着剤のチューブでも踏んづけたの?」「違ぁーう!!」
初日からこれじゃ、今後2年と半年やってけるか心配だ…。
「よかったじゃないの形人。ハーレムになっちゃってw」「ちょっwお母さん!?」
正直、勘弁してくれorz
----
さて昼休みだ、しかし皆の視線(風間含む)が痛い。
なにしろ自己紹介の時に
「飛竜一深です!。形人のコレ(小指を立てる)だったりします!」
とか言ったもんだから、色々な目で見られている。
「彩聞、事情を説明しろ」「彩聞君…意外とやり手なのね」「形人…裏切り者めっ!!(こいつの仲間になった覚えはない)」「吊目にボーイッシュ! なおかつポニーテール! これほど萌えるものは無い!!」「どこまでいったの? まさか…」
誰か助けて(泣)
「形人、あきらめろ。これが宿命(さだめ)だ」「マスター、僻まないでください」
風間もかよ/(^o^)\
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
ここは未使用の教室、わたしを含めた一年生の神姫はここに集まっていた。
「最近なにかウイルスが流行ってるようだから気をつけましょうね?」
「ウイルス、ですか?」
1年A組の神姫をまとめるお姉さん、ミューシャ先生(人魚型)がみんなに言った。
「ここ最近、愉快犯によるバーサークプログラムが出回ってるそうです。感染者とコネクタなどでの接触を行うと感染しますので、百合な皆さんは注意しましょう」
笑い声と恥ずかしがる声が雑じる、やっぱりいるんだそう言う人って…。
「皆さんはセンターでワクチンプログラムのインストールは受けましたか? 受けていれば特に心配はありませんよ?」
「先生! アルヴィンの様子が変でーす!」
「あら?」
見ると、確かにアルヴィン(寅型)の様子がおかしい。
何か猫みたいに唸ってる(いや、ネコ科だけど)
いやーな予感が…。
「いや、何でもないんや。変な感覚がしてな…」
「そう…、気分が悪かったら保健室に行くのよ?」
この学校の保健室は神姫も対象になっている、趣味でやってるからあまり専門的な事は出来ないけどね。
「……」
そういえばリックがいないなぁ、ツナ缶持ってどこ行ったんだろ?
上の三点リーダ二つで教室から出たアルヴィンの事も気になるし、ちょろっと行きますか。
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
そのころ、校庭付近の排水溝。
「本当によく食べるなぁ…」
一深の予想通り、リックはツナ缶を野良猫に与えていた。
猫は見た感じ、まだ乳離れしてからそんなに経ってないと思われる。
うにゃあ
「そうかい、美味しかったかい」
猫(コスプレ)装備が似合うだけあってか、猫の感情なども若干解るらしい。
顔を摺り寄せて来る猫、喉元をさするリック。
猫はそれに対し気持ち良さそうに目を細めると、そのまま眠りについた。
「寝ちゃったか…」
リックはそう呟き猫に背を預ける。
かく言う自分もだんだんとまどろみに飲み込まれ、眠りにつく訳だが。
~・~・~・~・~・~・~
予鈴が鳴る中、本学校に勤めて三年目となる中堅教師、古門豊(32)は教室に急いでいた。無論早歩きで。
三時間目の授業は彼の担当である社会科系、久しぶりに担任を務める学級での教えとなる。
「…?」
彼の目に留ったのは小さな影の集まり、まっすぐこちらに向かってくる。
「何だ、あれは? …神姫?」
三秒後
「お わ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ・ ・ ・ 」
……
先生が来ない。
もう本鈴が鳴ってると言うのに遅い。
まぁ教師によって様々だが、古門先生に関してはそれはない。
「どうしたんだろうな?」
「俺に聞くな」
ガラッ
「じゅ、授業を始めるぞ……」
「一体どうしたんですかその傷は!?」
他の生徒の悲鳴に近い声を聞いて先生の方を向くと、ズタボロになっている先生の姿が。
「あー…、ちなみに今廊下に出ないほうがいいぞ。危ないから……」
「………何があったんだ」
「俺が知るかっての」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
一方、廊下を縦一列に並び前進する小さな集団。
皆一様に目を猫のようにギラつかせ、ある場所に向かっていた。
「何をするんでしょうねえ」
「さてな。だがこの先は調理実習室、そして鰹節のブロックが保管されていると聞いてるぞ」
「と言うことはですねぇ、あの状態から見てNeco-2ウイルスに感染してると考えたほうがいいと思います」
この会話はグレースとクラスメイト仲間であるジュビジー、スプレイヤーのものである。
気になってアルヴィンをつけて来た(ヒカルとは逸れた)が、この状況に出くわして今に到る。
「さて、聡明なるスプレイヤー殿。これらを鎮めるにはどうすれば?」
「簡単ですよ。要は動きを止めてワクチンを打ち込めばいいんですから」
「ということは……三対四十といったところか」
無双シリーズのごとく斬っては投げ斬っては投げとなるのだろうか?
「まぁ、センターに連絡しとけば大丈夫ですよ。」
「この状況だと既にされていると見た方がいいな。……さっさと鎮圧するぞ!」
「了解しました」
……
一方その頃。
「……あれ?」
ヒカルは道に迷っていた。普段来ない場所だったからだ。
「まいったなあ」
案内板でも見れば問題ないだろうが、あいにくこのフロアにはないらしい。
「……え?」
視界に違和感を覚えた。
ふと陰になっている場所を見れば、明らかに何かがいるのがわかった。
それは虫でもなんでもない。
「誰?」
そう尋ねた直後、乗っていたプレステイルが突如として爆発した。
何がなんだかわからない内にヒカルは気を失った。
「指向性マイクロ波照射装置、解り易く言えばメーザー銃ですか」
陰に潜む神姫が振り向くと、そこにはジーナスの姿が。
「お主を破壊しても下での暴走は止められないだろうが、犯人は特定できるだろう?」
更に正面を向くと、今度は零牙が立っていた。
「さぁ、どうしますか?ゴキブリみたいな黒子さん?」
「今ここで真っ二つに斬られるか、それとも降伏するか。」
じりっ……と二人に迫られると、あっさり降伏した。
「誰であろうと、諦めは肝心だな。」
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その後の事。
あっさりと暴れていた感染神姫は鎮圧され、ウイルス除去のため神姫センターへ。
捕まったストラーフはこの騒動の犯人を自供、後日オーナーに事情を聞くとの事である(ジュラーヴリク 談)。
「え?何かあったの?」
「わたしにはわかんない。気づいたら黒こげだったし」
知らぬは蚊帳の外。だがここでひとつの問題が。
にゃー。
猫。
そう、リックが世話をしていた猫である。
学校の敷地内で見つけたものの、このままここに居座らせる訳にはいかない。
「かと言ってもねぇ……槙人は猫アレルギーだしなぁ。形人、飼える?」
「断じて飼えない。残念ながら」
彼は小学生の頃、兄が親戚から貰ったハムスターを興味なしにも関わらず連帯責任で世話させられていた事がある。
ついでに言うなら、形人は虫や魚はおろか小動物すら触れない。
「話は聞かせてもらいましたよ?」
「先輩、唐突に出てこないでください」
「何しろ零牙の出番があるのに私の出番がないのは不公平ですからね。初めまして、聖憐と申します」
「はじめまして、一深です」
ツッコミとそれへの弁解、そして自己紹介を終わらせると話を持ちかける。
「その猫、私が引き取らせていただいてよろしいでしょうか?」
「え?」
聖憐、笑顔で
「家には神姫が山ほどいますし、広いですから猫の一匹や五匹、問題ないのですよ? ……あ。勿論、いつでも会いに来てよろしいですよ?」
まったくもって悪くない条件である。
というかこの人は何者なのだろうか? それがわかる日は遠い。
「リック?」
「……じゃあ、お願い……します」
「はい、お願されました♪」
「そういえば、名前はなんというのだ?」
「名前? ……名前は」
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