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「無頼5「熱唱! 武装神姫」」(2008/02/28 (木) 08:10:14) の最新版変更点
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話は今から遡ること2週間前
7月に入り、形人たち学生がそろそろ夏休みに突入するころの事だった。
いつものごとくメンテナンスショップに詰めている形人とヒカル、他にやる事ないのか。
そんな二人に長瀬が話題を出した。
「そういえば再来週に『神姫のど自慢大会』をやるんだが」
「のど自慢?」
形人の疑問に、ジュラーヴリクが答えた。
「参加料500円!入場無料!! 参加特典にはオリジナルのマイクスタンド&マイクをプレゼント!!」
「しかも入賞者にはフルセット神姫が商品になってるんですよ? しかも二位から限定品とかになりますし」
続けてラースタチュカが言う。
「どう?ヒカルちゃん」
「ええ、まあ」
ここで形人、意地悪そうな表情を浮かべ
「さては歌唱力に自信がないんだな? 歌ってるところ見た事無いし」
何て失礼な!?と憤慨。
「自慢だけどわたしをそんじょそこらの子と一緒にしないで!!」
「ほう、なら参加するんだな? 参加申し込みはどこでです?」
「!?」
「ここでも出来るさ、IDカードを」
パッパと参加申し込み、これで14番目の参加者となるヒカル。
「ひどい!! 嵌めたね形人!?」
「いーじゃんか、僕だって一回聞いてみたい。それに戦績が好くないから罰ゲーム」
むっすりとした表情。
「ふふ、楽しみにしてますよ?」
「…もーっ!! 皆のいじわるっ!!」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
ひどいよ皆、よってたかってプレッシャーかけるなんて。
自信ないよ…。
リビングのテーブル上で一人背中を煤けさせていると、おかあさんが話しかけてきた。
「どうしたのヒカルちゃん?、電気もつけないで」
もちろんわたしの母じゃなくて、形人のお母さんの令佳(れいか)さんの事。
形人の隣にいる内に呼び方が映ったらしい。
このまま腐ってるのもなんなので、詳しい事を話した。
「あら…形人ったら、最近色々考え事があるといってもヒカルちゃんにあたる事ないのに」
「どうしたらいいかな…? 歌はオリジナル推奨だし、衣装とかも自前だし」
それを聞きおかあさんはニッコリ笑顔で
「なら衣装と音楽は私が作るわ、ヒカルちゃんは詩を考えて」
「え?」
「私はこれでも学生時代は歌作るのが趣味だったし、元は服飾デザイナーを目指してたから自信あるのよ?」
そしてわたしの頭をなでつつ
「いじわるな形人をぎゃふんと言わせましょ?」
…それを聞いて思わず笑った。
「うんっ!」
………
……
…
----
以上の経歴で今に至る。
今は大会ゲストのストラーフが前奏曲となる唄を唄っている。
そんな彼女はこの前ニュースで話題となった神姫。
彼女の名はリゼ、[["戦いを忘れず、戦うことを忘れた武装神姫">戦うことを忘れた武装神姫]]の一人…。
美麗な旋律が奏でるのはややゆったりとした曲、彼女が得意とする唄の一つ。
透き通った声は心に直接伝わり、聴き手の気持ちを安らかなものに変えてゆく。
長めの唄は、わずかな時間で終わったかのように感じられた。
そして、僅かの静寂と共にアンコールが湧きあがる。
リゼはそれを少し恥ずかしがるような表情を浮かべると、一礼してオーナーの元へ。
『それでは、神姫対抗のど自慢大会を開催致します』
火蓋が切って落とされた。
……
&italic(){火花散る 光が舞う 刃がぶつかり音立てる}
エントリーナンバー4、零牙が歌うのはアニソンテイストの燃えソング。
普段の落ち着き様が嘘のように目が輝いている。
&italic(){信念ぶつけ舞いあがれ!!戦う姫、その名は神姫}
のど自慢のはずが、まるでアイドルグループのライブの如くアクションしながらの歌唱。
それに呆気にとられる者も少なからず混じっていた。
「ふふ、零牙ったら」
聖憐はそんな中に混じりながら苦笑した。
……
&italic(){偽りの声 偽りの愛}
&italic(){プラスティックに包まれたそれは 冷たく聞こえる}
エントリーナンバー7、グレースが歌うのは暗めのバラード。
だが作詞・作曲は普段からVOCALOIDによる作品を発表している風間なだけに完成度は高い。
落ち着いた声色のヴァッフェバニーによく合う曲調。
&italic(){小さな体は科学の結晶}
&italic(){昔から見てきた幼い頃の夢}
&italic(){だけどもそれは機械のかたまり}
&italic(){意志をもった偽りの友達}
……
エントリーナンバー13、マオ。
…はアレな電波ソングのため省略。
「何故だ!? 何故なのニャァァァァァ!!」
「地の文めぇぇぇぇぇ!!」
という訳で14番、ヒカルの番が来た。
(リズムOK、ボリュームOK、オールグリーン)
ミュージックスタート。
スポットライトと皆の視線が集中する。
&italic(){光が眩しいあの青空}
&italic(){あなたは今どこにいるでしょうか?}
雄大さをも感じさせるPOP、そとて紡がれる詩(コトバ)
&italic(){わたしにあの高さへと届く 銀の翼があるならば}
&italic(){飛びたちたい あなたの場所へ}
&italic(){飛んでゆきたい 今すぐ!}
爽やかな歌い口、声。
&italic(){遙かな空へ 翼翻し}
&italic(){光る星の彼方へと}
サビから一気に持ち上げ、アップテンポに。
&italic(){たとえあなたが見えなくても}
&italic(){絶対ね 抱きしめます いますぐに}
ワンコーラスを歌い上げた時、早くも拍手が湧きあがった。
「形人、お前初心者のくせにやるなぁ」
「僕は一切関与してない、全部本人とお母さんがやった事だ。…正直驚きだけどな」
………
……
…
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
帰り道。
「形人形人~、ねぇどうだった?」
「はいはい、ギャフンとしたって。いつまで聞いてるんだ」
「満足するまで」
「……」
結果はまさかの優勝。
限定販売の神姫が入ったケースが形人の手中にある。
空は暗くなり、星々が宇宙(そら)から転がり落ちたかのように輝き始める。
ヒカルはそれを見て、また一つ唄を紡ぎだした。
#ref(http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome?cmd=upload&act=open&pageid=1219&file=%E6%8E%B2%E8%BC%89%E7%94%A8%EF%BD%9E+%E5%A4%95%E6%9A%AE%E3%82%8C%E3%83%92%E3%82%AB%E3%83%AB.jpg)
&italic(){きらり きらり 星が瞬く}
&italic(){今日はおしまい 日が沈む}
&italic(){家に帰ろう やさしい母元へ}
&italic(){太陽また明日 顔見せて}
&italic(){空に転がる星の大イリュージョン}
&italic(){今日も見守るあの星は 願い星}
&italic(){また明日日が昇り 明るい世界 やってくる}
----
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話は今から遡ること2週間前
7月に入り、形人たち学生がそろそろ夏休みに突入するころの事だった。
いつものごとくメンテナンスショップに詰めている形人とヒカル、他にやる事ないのか。
そんな二人に長瀬が話題を出した。
「そういえば再来週に『神姫のど自慢大会』をやるんだが」
「のど自慢?」
形人の疑問に、ジュラーヴリクが答えた。
「参加料500円!入場無料!! 参加特典にはオリジナルのマイクスタンド&マイクをプレゼント!!」
「しかも入賞者にはフルセット神姫が商品になってるんですよ? しかも二位から限定品とかになりますし」
続けてラースタチュカが言う。
「どう?ヒカルちゃん」
「ええ、まあ」
ここで形人、意地悪そうな表情を浮かべ
「さては歌唱力に自信がないんだな? 歌ってるところ見た事無いし」
何て失礼な!?と憤慨。
「自慢だけどわたしをそんじょそこらの子と一緒にしないで!!」
「ほう、なら参加するんだな? 参加申し込みはどこでです?」
「!?」
「ここでも出来るさ、IDカードを」
パッパと参加申し込み、これで14番目の参加者となるヒカル。
「ひどい!! 嵌めたね形人!?」
「いーじゃんか、僕だって一回聞いてみたい。それに戦績が好くないから罰ゲーム」
むっすりとした表情。
「ふふ、楽しみにしてますよ?」
「…もーっ!! 皆のいじわるっ!!」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
ひどいよ皆、よってたかってプレッシャーかけるなんて。
自信ないよ…。
リビングのテーブル上で一人背中を煤けさせていると、おかあさんが話しかけてきた。
「どうしたのヒカルちゃん?、電気もつけないで」
もちろんわたしの母じゃなくて、形人のお母さんの令佳(れいか)さんの事。
形人の隣にいる内に呼び方が映ったらしい。
このまま腐ってるのもなんなので、詳しい事を話した。
「あら…形人ったら、最近色々考え事があるといってもヒカルちゃんにあたる事ないのに」
「どうしたらいいかな…? 歌はオリジナル推奨だし、衣装とかも自前だし」
それを聞きおかあさんはニッコリ笑顔で
「なら衣装と音楽は私が作るわ、ヒカルちゃんは詩を考えて」
「え?」
「私はこれでも学生時代は歌作るのが趣味だったし、元は服飾デザイナーを目指してたから自信あるのよ?」
そしてわたしの頭をなでつつ
「いじわるな形人をぎゃふんと言わせましょ?」
…それを聞いて思わず笑った。
「うんっ!」
………
……
…
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以上の経歴で今に至る。
今は大会ゲストのストラーフが前奏曲となる唄を唄っている。
そんな彼女はこの前ニュースで話題となった神姫。
彼女の名はリゼ、[["戦いを忘れず、戦うことを忘れた武装神姫">戦うことを忘れた武装神姫]]の一人…。
美麗な旋律が奏でるのはややゆったりとした曲、彼女が得意とする唄の一つ。
透き通った声は心に直接伝わり、聴き手の気持ちを安らかなものに変えてゆく。
長めの唄は、わずかな時間で終わったかのように感じられた。
そして、僅かの静寂と共にアンコールが湧きあがる。
リゼはそれを少し恥ずかしがるような表情を浮かべると、一礼してオーナーの元へ。
『それでは、神姫対抗のど自慢大会を開催致します』
火蓋が切って落とされた。
……
"&italic(){火花散る 光が舞う 刃がぶつかり音立てる}"
エントリーナンバー4、零牙が歌うのはアニソンテイストの燃えソング。
普段の落ち着き様が嘘のように目が輝いている。
"&italic(){信念ぶつけ舞いあがれ!!戦う姫、その名は神姫}"
のど自慢のはずが、まるでアイドルグループのライブの如くアクションしながらの歌唱。
それに呆気にとられる者も少なからず混じっていた。
「ふふ、零牙ったら」
聖憐はそんな中に混じりながら苦笑した。
……
"&italic(){偽りの声 偽りの愛}
&italic(){プラスティックに包まれたそれは 冷たく聞こえる}"
エントリーナンバー7、グレースが歌うのは暗めのバラード。
だが作詞・作曲は普段からVOCALOIDによる作品を発表している風間なだけに完成度は高い。
落ち着いた声色のヴァッフェバニーによく合う曲調。
"&italic(){小さな体は科学の結晶}"
"&italic(){昔から見てきた幼い頃の夢}"
"&italic(){だけどもそれは機械のかたまり}"
"&italic(){意志をもった偽りの友達}"
……
エントリーナンバー13、マオ。
…はアレな電波ソングのため省略。
「何故だ!? 何故なのニャァァァァァ!!」
「地の文めぇぇぇぇぇ!!」
という訳で14番、ヒカルの番が来た。
(リズムOK、ボリュームOK、オールグリーン)
ミュージックスタート。
スポットライトと皆の視線が集中する。
"&italic(){光が眩しいあの青空}
&italic(){あなたは今どこにいるでしょうか?}"
雄大さをも感じさせるPOP、そとて紡がれる詩(コトバ)
"&italic(){わたしにあの高さへと届く 銀の翼があるならば}
&italic(){飛びたちたい あなたの場所へ}"
"&italic(){飛んでゆきたい 今すぐ!}"
爽やかな歌い口、声。
"&italic(){遙かな空へ 翼翻し}
&italic(){光る星の彼方へと}"
サビから一気に持ち上げ、アップテンポに。
"&italic(){たとえあなたが見えなくても}
&italic(){絶対ね 抱きしめます いますぐに}"
ワンコーラスを歌い上げた時、早くも拍手が湧きあがった。
「形人、お前初心者のくせにやるなぁ」
「僕は一切関与してない、全部本人とお母さんがやった事だ。…正直驚きだけどな」
………
……
…
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
帰り道。
「形人形人~、ねぇどうだった?」
「はいはい、ギャフンとしたって。いつまで聞いてるんだ」
「満足するまで」
「……」
結果はまさかの優勝。
限定販売の神姫が入ったケースが形人の手中にある。
空は暗くなり、星々が宇宙(そら)から転がり落ちたかのように輝き始める。
ヒカルはそれを見て、また一つ唄を紡ぎだした。
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"&italic(){家に帰ろう やさしい母元へ}
&italic(){太陽また明日 顔見せて}"
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"&italic(){また明日日が昇り 明るい世界 やってくる}"
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