「インターバトル1「プレゼント」」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「インターバトル1「プレゼント」」(2006/11/05 (日) 23:47:21) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
[[前へ>バトリングクラブ]] [[先頭ページ>Mighty Magic]] [[次へ>変身!]]
*インターバトル1「プレゼント」
「うっそだろ。なんでほとんどノーマルなのにそんなに強いんだよォ!?」
相手神姫のオーナーが悲痛に叫ぶ。
可能な限り装備を取り付け禍々しい形になっていた相手神姫、忍者型MMSフブキは、レールガンの直撃でデッド判定を受け、ポリゴンの塵となって消滅した。
『対戦終了。Winner,マイティ』
ジャッジAIが勝った神姫の名前を挙げ、そうしてバーチャル接続は解除された。
「マスター!!」
アクセスポッドから出てきて一番、天使型MMSアーンヴァル『マイティ』は、自らのマスターに抱きついた。
「いい戦いだった」
マスターはマイティの頭を人差し指でこしょこしょとなでる。マイティはこれが好きだった。
「ランクが規定値を越えましたよ。これでセカンドリーグに出られますね」
「そうだな……」
ふふ、とマスターが微笑む。影の見える微笑。
「どうしたんですか?」
めざとく見つけるマイティ。もう長い付き合いになるからな、とマスターは思った。
「いや……」
「あの、片足のストラーフのことですか」
お前はどうしてそう的確に図星を突くのか。マスターは頭を掻いた。銃器類に対する高い命中適正が売りのアーンヴァルらしいといえばらしいのだが。
「やっぱり、気になるんですね」
「不思議とな。彼らのことは妙に引っかかる」
マスターはコートを羽織り、バッグを提げた。そろそろ本格的に寒くなる季節である。神姫は温度は感じても寒いからどうということはないのだが、マスターは相棒を胸のポケットへ潜らせた。
「あったかいです」
「そいつはどうも」
そのままセンターを出る。今や対戦センターはサードリーグならコンビニ並に建っていた。
「セカンドのバトルをする時は、この辺だと二駅もまたがなければならないな」
「あのストラーフは、やっぱりセカンド以上なんでしょうね」
「サードのネットワークでは見たことが無いからな。あの時はたまたまサードの大会で戦ってみようとしていたのか、あるいはあの後セカンドに上がったのか。……怖いか」
「少し。でも、わくわくしてもいるんです」
マイティはあの片足の悪魔と、もう一度戦ってみたかった。なぜだかは知らない。彼女のことを思い出すと、神姫の闘争本能プログラムが変に活性化するのだった。
「今日はセカンド昇格記念だな」
「えっ?」
突然そう言われて、マイティはきょとんとした。
「好きなものを買ってやるよ」
「本当に!?」
「ああ」
「それじゃあ……」
ふふ、とマイティは、マスターと同じように笑った。こちらは影は無いが。
「前から欲しかったものがあるんです」
とあるテストコース。一台の黒いバイク、V-MAXが爆音を上げて賭けてゆく。
しかし乗っているのは間違いなくマイティだった。フルフェイスのヘルメットを被っている。
そう、V-MAXは1/12サイズのミニチュアエンジン付モデル。テストコースもラジコン用のミニサイズである。が、もともとが広大であるため1/12に縮小されたとしても、人が普通に走れるような広さである。
倉庫を改装した行きつけのショップのコースでテスト走行をしているのである。
「まさかバイクを欲しがられるとは思わなかった」
マスターはギャラリー席から、颯爽と駆け抜けるマイティを見ながら言った。
「俺も、バイクを欲しがる神姫は初めて見ましたよ」
隣でV-MAXの調整をした店長が苦笑する。
甲高いミニチュアエンジンの音は、その燃料が切れるまで続いていた。
了
[[前へ>バトリングクラブ]] [[先頭ページ>Mighty Magic]] [[次へ>変身!]]
[[前へ>バトリングクラブ]] [[先頭ページ>Mighty Magic]] [[次へ>変身!]]
*インターバトル1「プレゼント」
「うっそだろ。なんで、どノーマルなのにそんなに強いんだよォ!?」
相手神姫のオーナーが悲痛に叫ぶ。
可能な限り装備を取り付け禍々しい形になっていた相手神姫、忍者型MMSフブキは、レールガンの直撃でデッド判定を受け、ポリゴンの塵となって消滅した。
『対戦終了。Winner,マイティ』
ジャッジAIが勝った神姫の名前を挙げ、そうしてバーチャル接続は解除された。
「マスター!!」
アクセスポッドから出てきて一番、天使型MMSアーンヴァル『マイティ』は、自らのマスターに抱きついた。
「いい戦いだった」
マスターはマイティの頭を人差し指でこしょこしょとなでる。マイティはこれが好きだった。
「ランクが規定値を越えましたよ。これでセカンドリーグに出られますね」
「そうだな……」
ふふ、とマスターが微笑む。影の見える微笑。
「どうしたんですか?」
めざとく見つけるマイティ。もう長い付き合いになるからな、とマスターは思った。
「いや……」
「あの、片足のストラーフのことですか」
お前はどうしてそう的確に図星を突くのか。マスターは頭を掻いた。銃器類に対する高い命中適正が売りのアーンヴァルらしいといえばらしいのだが。
「やっぱり、気になるんですね」
「不思議とな。彼らのことは妙に引っかかる」
マスターはコートを羽織り、バッグを提げた。そろそろ本格的に寒くなる季節である。神姫は温度は感じても寒いからどうということはないのだが、マスターは相棒を胸のポケットへ潜らせた。
「あったかいです」
「そいつはどうも」
そのままセンターを出る。今や対戦センターはサードリーグならコンビニ並に建っていた。
「セカンドのバトルをする時は、この辺だと二駅もまたがなければならないな」
「あのストラーフは、やっぱりセカンド以上なんでしょうね」
「サードのネットワークでは見たことが無いからな。あの時はたまたまサードの大会で 戦ってみようとしていたのか、あるいはあの後セカンドに上がったのか。……怖いか」
「少し。でも、わくわくしてもいるんです」
マイティはあの片足の悪魔と、もう一度戦ってみたかった。なぜだかは知らない。彼女のことを思い出すと、神姫の闘争本能プログラムが変に活性化するのだった。
「今日はセカンド昇格記念だな」
「えっ?」
突然そう言われて、マイティはきょとんとした。
「好きなものを買ってやるよ」
「本当に!?」
「ああ」
「それじゃあ……」
ふふ、とマイティは、マスターと同じように笑った。こちらは影は無いが。
「前から欲しかったものがあるんです」
とあるテストコース。一台の黒いバイク、V-MAXが爆音を上げて賭けてゆく。
しかし乗っているのは間違いなくマイティだった。フルフェイスのヘルメットを被っている。
そう、V-MAXは1/12サイズのミニチュアエンジン付モデル。テストコースもラジコン用のミニサイズである。が、もともとが広大であるため1/12に縮小されたとしても、人が普通に走れるような広さである。
倉庫を改装した行きつけのショップのコースでテスト走行をしているのである。
「まさかバイクを欲しがられるとは思わなかった」
マスターはギャラリー席から、颯爽と駆け抜けるマイティを見ながら言った。
「俺も、バイクを欲しがる神姫は初めて見ましたよ」
隣でV-MAXの調整をした店長が苦笑する。
甲高いミニチュアエンジンの音は、その燃料が切れるまで続いていた。
了
[[前へ>バトリングクラブ]] [[先頭ページ>Mighty Magic]] [[次へ>変身!]]
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: