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「Gene24 酒屋」(2007/11/04 (日) 22:10:39) の最新版変更点
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やあ読者諸君元気か? 久々登場の松代鋏だ・・・ってなんだよそのしらけた目! そりゃあ俺だって女の方がいいけどよ、やっぱりいい女もいい男か居てこそだろ?・・・ってまた全無視かよ! ちょっとは俺にも優しくしてくれたっていいだろ! ここの所、またブッケがおもちゃ屋なんて足のつく場所でノミやらかしたせいで家宅捜索喰らうわ、火災保険でやっと直った事務所が今度は同じビルにあるパン屋からの出火で再び灰になっちまうわと、果てしなく運が悪いんだよ。今酒屋に来ているのもそのせいで、つまりは・・・
「酒でも呑まないとやってらんないろらー!!!」
「って先に言うなって~!!」
・
・・
・・・
「・・・・誰なろさ?」
「そっちこそ誰だよ。俺は酒買いに来た客だっての」
「お客なろさー? しょーらない、このささりーちゃん直々に応対してらるのら~!」
「応対って、宮田はどうしたよ? うわ!つーか酒クサ!」
「なんろら~? このささりーちゃんの酒が呑めないってのから~! ささりーはシュメッターリングのささりーちゃんなろら~! キュートでファンシーでアイドルなろら~!」
「・・・酔ってるなこりゃ」
・・・とりあえず要点整理。ここは宮田酒店。ダチの宮田がやってる酒屋。しかし宮田は不在らしく、代わりに宮田のツレらしい彼女が店番していたらしい。それにしてもあいつ、いつの間に神姫なんて囲っていたんだか。
「おろら~! 酒が足らないのら~!! 酌ら酌~!!」
「いやだから俺は客・・・まいいか。ところで何呑んでたんだよ?」
「今年もマズいボジョレーヌーヴォー」
「・・・ワインならこっちにしとけよ。シュバルツ・カッツェ」
俺はおもむろに店のボトルを開け、せせりーの持つ小さなおちょこ(とは言え彼女には十分大きいんだけど)へ透き通るワインを注いでやる。
「・・・まあ、悪くは無いろなね~」
「と言うかおちょこでワイン飲むなよ。風情も癖も無いって」
「呑めれば良いろろ~♪」
「味わえよ」
「そこは神姫が酒呑んでどうするなんて言う所ろろ?」
「そうか?」
彼女は首を傾げる。俺も傾げる。
・・・まあ、それはそれとして。
「結局さ、何でそんなにやさぐれているんだよ?」
「・・・すたー」
「すたー?」
「・・・あんのクソマスター!!!!!!!! あ~!思い返してもハラワタ煮え繰り返るろら~!!(無いけどハラワタ)」
・・・その酒臭い絶叫とおちょこからぶちまけられた白ワイン臭でせせりーの憤怒はよーく判った。イヤって位判った。酒勿体無いなぁ・・・
「・・・って今度はカルーア!? 生で飲むなよ!」
「クソマスター!! ヒトの夢に口出すなろろろあ~!」
「何? ソレがヤケ酒の理由!? 夢って?」
「ささりーがアイドル目指して何が悪いのらー!」
・・・アイドル? 確かに彼女のカッコは2昔前のアイドルみたいな気がしなくも無い。つーかアイドルって死語だよな。
「蝶型なんて後付けなろら~! 最初はアイドル型って事だったろら~! だからささりーがアイドルを目指したって何の問題も無いろら~! それらのり、それなのり奴は『アイドルは顔が命だろう? けど同じ顔が何人も居る没個性で売れる訳あるかよ。大体酒乱アイドルなんて聞いた事無え。お前は黙って店番してればいいんだよその為に買ってきたんだから』とかぬかしやがったろら~!!!!」
「あ~、なるほ・・・」
「そもそも神姫はヒトのユメきぼ-その他諸々こ~こ~ろ~き~よき~らららみたいら英知の結晶らろら~! 蝶よ花よと培われた自由な“心”あるイキモノらら~! それを何?コキ使われるだけろコマ使い以下の扱いらんて横暴ら~!世にNEETが栄えてるクセにあくせくパーセクこんなか弱く~て儚く~てミニマムホビットな神姫ばっかり働くなんれ無茶も道理も通るスキマ無いろらるりらろ~~!!」
うわ~、何というグチの山。宮田恨まれるな~。というか・・・
「そろ上クソマスター、足臭いは寝癖すごいは自分は何処が生なのか理解に苦しむよな発泡酒ばっかり呑んでるくせに『神姫に酒の味がわかるか』とかいいやるは店の酒飲んだら怒るは! あ~もう蝶激怒! できることならこねてあらしてろらりられ・・・」
「というかそんなに叫んだら酒回るぞ」
「ろ、ろら~?」
ぽとり。
転げ落ちたせせりーをすかさずキャッチする俺。うーん女の危機を見逃さない俺カッコイイ。
「・・・礼には、およばらいろらー」
「それ俺のセリフ~。どこまで回ってんだか~」
えっとせせりーか?彼女のグチ・・もとい言い分はわかった。宮田も現実主義な所あるからなぁ。・・・ただ。
「結局お前は、アイドルになるのに何したんだ?」
「え!? そ、そらは~・・・」
「は?」
「実は何も・・・」
「オーディションとかは?」
「門前払いらと思って・・・」
「タレント事務所への駆け込みはしてみたか? 意外と使える手だぞ」
「いや、てっきりスカウトだけらと・・・」
「地域CMやラジオだったら審査甘いぞ?」
「小者には構ってられらいなと思って蝶無視・・・」
・・・と、いう事は。
「結局何もせずに酒呑んでクダ巻いてただけかよ・・・ダメだこりゃ」
「そんらこと言っても、せせりーがアイドルになるのは人間よりも難しいわけらし~・・・」
「そんなの関係あるかよ。俺の行きつけの美容師は、何度も諦めずアプローチして意中の相手を捕まえたって言うぜ」
実は俺、彼女に同じ事やって見事にフラれているんだけど今は言わないでおこう。
「だから比べられても・・・」
「ダメダメ、アイドルってのはもっと可愛く言い訳するもんだぜ。『ニラ玉』のたま子ちゃんみたいならどんなにいぢけててもいいけどな~」
まあその度にお好み焼きぶちまけられるのは勘弁なんだけど。
「アイドルになりたいならいい女になれよ。男ってのはいい女が笑顔でいるだけで幸せなんだよ。それで出来れば酒でも飲み交わせれば極上だな。そう思わせる女になれよ」
「・・・あ。もしらして、アンタ・・・」
「ん? どうしたよ?」
「神姫と人間を、区別して無いろか?」
「は? してるよ。法律が違うくらいだろ?」
「全然して無いろらー! どうも話が噛合わないらと思ったらら~!!」
「? いい女なら何でもいいだろ?」
「よくないろるらー!!」
なんだか突然怒り出すせせりー。俺何か悪いこと言ったか? ・・ってうわハイランドパークの25年もの!俺も呑みたい・・・。
「ろらー! 神姫サマなめるのも大概にするろらー!!! どうせ神姫が人間と対等になれる訳無いろに安っぽい同情されても困るらろらー!!」
別に同情も何もないんだけどな。あー!今度はドンペリ!初めて見た!
「まあ、ともかくさ、諦める前に何でもいいから試してみればいいだろ? 確か今駅前の放送局でオーディション募集してたから・・・」
「どうせそれも人間の募集らろ~!!! もうお前の顔なんて見たくないらろら~!!! とっとと帰れろら~!!」
投擲、瓶瓶瓶、直撃。
「痛ぇ~!」
「失せるろら~!!!!!!!!」
「のわ~~!?」
退、逃走。
「・・・言われらくても、やってらるろら~・・・」
・・・1週間後。
「・・・あ。無くなっちまった」
俺は一升瓶のラベルを眺めながらせせりーを思い出してた。・・・大吟醸越の誉。いやまさか、投げつけられたのがこんな高い奴だとは。勿体無いから貰って来ちまったけど。
「やっぱり謝りに行くべきだよな・・・」
「それ誰にもろたポン酒やったん?」
「へあっ!?」
いきなり首元に擦り寄ってきたキナが、ものすごい不振そうな目でこっちを見てる。疑ってるなこりゃ。
「・・・知り合いに、貰った酒だよ」
「人間か神姫、どっちなん?」
「・・・普通男か女かって聞かないか?」
「人間の女ならハサミはフラれるからええんや」
ああナルホド、そういう区別の仕方があったか・・・って今物凄くバカにされたような気がするぞオイ。
「・・・貰ったのは神姫だけど、残念ながら勘繰っても無駄だって。思いっきり嫌われたからな。これもホントはぶつけられた奴」
「ホンマかぁ~?」
「ああ、ホンマのホンマ。神姫を人間扱いして同情すんなとか言われてな。・・・そんなに、人間と神姫って違うか?」
「・・・まあ、アンタが思うとるよりはな(無自覚やから怖いんやコイツ)」
「?」
「とりあえず戸締りはしっかりしといた方がええんちゃう?」
「そこまで恨まれてないって。それよりテレビでも・・・」
ぽち。
『神姫DEご当地紹介! 今日は埼玉のこぶし花地ビールろら~♪ 無ろ過、非熱処理の生きたビールは旨みが蝶ケタ違い!!』
「・・・え? 今のって、せせりー?」
「ろらー! クソハサミの家はここらろか~!!!」
「っておわ~!!! 本人来た~!!?」
「なんだろら~! 折角勇気出してお前の言ってたオーデション行ってみたら、ご当地神姫!? 全然アイドル関係じゃないらろら~!!! むしろ確実に三の線だろら~! せせりーに二度も恥かかせららって~~~!!!」
「あーあのオーデションってそういうのだったのか・・・中身見てなかったよ」
「安心したわハサミ。鉄板で恨まれてるやん」
キナ、俺の身の危険を嬉しそうに言うなよ。
「おかげで安っぽいビール瓶のコスプレさせらるるは、酒呑む神姫なんれウケるからってミョーに監督に気にいられるは、CM続編製作勝手に決められるは、日本全国酒飲み音頭でCD出すことに決まるは散々ろら~!!」
「わ、悪かったって!! 謝るから! この前拝借した酒の分も!!!」
「許さないろら~! 責任とって貰うのら~!! 逃がさないろら~!!! お前は~! お前って奴は~!!!」
「うわ~!! ちょっとマジ勘弁ー!!」
「大好きら~!!!!!!!!!!!!!」
「「・・・・・・え?」」
ちゃんちゃん。
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やあ読者諸君元気か? 久々登場の松代鋏だ・・・ってなんだよそのしらけた目! そりゃあ俺だって女の方がいいけどよ、やっぱりいい女もいい男か居てこそだろ?・・・ってまた全無視かよ! ちょっとは俺にも優しくしてくれたっていいだろ! ここの所、またブッケがおもちゃ屋なんて足のつく場所でノミやらかしたせいで家宅捜索喰らうわ、火災保険でやっと直った事務所が今度は同じビルにあるパン屋からの出火で再び灰になっちまうわと、果てしなく運が悪いんだよ。今酒屋に来ているのもそのせいで、つまりは・・・
「酒でも呑まないとやってらんないろらー!!!」
「って先に言うなって~!!」
・
・・
・・・
「・・・・誰なろさ?」
「そっちこそ誰だよ。俺は酒買いに来た客だっての」
「お客なろさー? しょーらない、このせせりーちゃん直々に応対してらるのら~!」
「応対って、宮田はどうしたよ? うわ!つーか酒クサ!」
「なんろら~? このささりーちゃんの酒が呑めないってのから~! せせりーはシュメッターリングのせせりーちゃんなろら~! キュートでファンシーでアイドルなろら~!」
「・・・酔ってるなこりゃ」
・・・とりあえず要点整理。ここは宮田酒店。ダチの宮田がやってる酒屋。しかし宮田は不在らしく、代わりに宮田のツレらしい彼女が店番していたらしい。それにしてもあいつ、いつの間に神姫なんて囲っていたんだか。
「おろら~! 酒が足らないのら~!! 酌ら酌~!!」
「いやだから俺は客・・・まいいか。ところで何呑んでたんだよ?」
「今年もマズいボジョレーヌーヴォー」
「・・・ワインならこっちにしとけよ。シュバルツ・カッツェ」
俺はおもむろに店のボトルを開け、せせりーの持つ小さなおちょこ(とは言え彼女には十分大きいんだけど)へ透き通るワインを注いでやる。
「・・・まあ、悪くは無いろなね~」
「と言うかおちょこでワイン飲むなよ。風情も癖も無いって」
「呑めれば良いろろ~♪」
「味わえよ」
「そこは神姫が酒呑んでどうするなんて言う所ろろ?」
「そうか?」
彼女は首を傾げる。俺も傾げる。
・・・まあ、それはそれとして。
「結局さ、何でそんなにやさぐれているんだよ?」
「・・・すたー」
「すたー?」
「・・・あんのクソマスター!!!!!!!! あ~!思い返してもハラワタ煮え繰り返るろら~!!(無いけどハラワタ)」
・・・その酒臭い絶叫とおちょこからぶちまけられた白ワイン臭でせせりーの憤怒はよーく判った。イヤって位判った。酒勿体無いなぁ・・・
「・・・って今度はカルーア!? 生で飲むなよ!」
「クソマスター!! ヒトの夢に口出すなろろろあ~!」
「何? ソレがヤケ酒の理由!? 夢って?」
「ささりーがアイドル目指して何が悪いのらー!」
・・・アイドル? 確かに彼女のカッコは2昔前のアイドルみたいな気がしなくも無い。つーかアイドルって死語だよな。
「蝶型なんて後付けなろら~! 最初はアイドル型って事だったろら~! だからささりーがアイドルを目指したって何の問題も無いろら~! それらのり、それなのり奴は『アイドルは顔が命だろう? けど同じ顔が何人も居る没個性で売れる訳あるかよ。大体酒乱アイドルなんて聞いた事無え。お前は黙って店番してればいいんだよその為に買ってきたんだから』とかぬかしやがったろら~!!!!」
「あ~、なるほ・・・」
「そもそも神姫はヒトのユメきぼ-その他諸々こ~こ~ろ~き~よき~らららみたいら英知の結晶らろら~! 蝶よ花よと培われた自由な“心”あるイキモノらら~! それを何?コキ使われるだけろコマ使い以下の扱いらんて横暴ら~!世にNEETが栄えてるクセにあくせくパーセクこんなか弱く~て儚く~てミニマムホビットな神姫ばっかり働くなんれ無茶も道理も通るスキマ無いろらるりらろ~~!!」
うわ~、何というグチの山。宮田恨まれるな~。というか・・・
「そろ上クソマスター、足臭いは寝癖すごいは自分は何処が生なのか理解に苦しむよな発泡酒ばっかり呑んでるくせに『神姫に酒の味がわかるか』とかいいやるは店の酒飲んだら怒るは! あ~もう蝶激怒! できることならこねてあらしてろらりられ・・・」
「というかそんなに叫んだら酒回るぞ」
「ろ、ろら~?」
ぽとり。
転げ落ちたせせりーをすかさずキャッチする俺。うーん女の危機を見逃さない俺カッコイイ。
「・・・礼には、およばらいろらー」
「それ俺のセリフ~。どこまで回ってんだか~」
えっとせせりーか?彼女のグチ・・もとい言い分はわかった。宮田も現実主義な所あるからなぁ。・・・ただ。
「結局お前は、アイドルになるのに何したんだ?」
「え!? そ、そらは~・・・」
「は?」
「実は何も・・・」
「オーディションとかは?」
「門前払いらと思って・・・」
「タレント事務所への駆け込みはしてみたか? 意外と使える手だぞ」
「いや、てっきりスカウトだけらと・・・」
「地域CMやラジオだったら審査甘いぞ?」
「小者には構ってられらいなと思って蝶無視・・・」
・・・と、いう事は。
「結局何もせずに酒呑んでクダ巻いてただけかよ・・・ダメだこりゃ」
「そんらこと言っても、せせりーがアイドルになるのは人間よりも難しいわけらし~・・・」
「そんなの関係あるかよ。俺の行きつけの美容師は、何度も諦めずアプローチして意中の相手を捕まえたって言うぜ」
実は俺、彼女に同じ事やって見事にフラれているんだけど今は言わないでおこう。
「だから比べられても・・・」
「ダメダメ、アイドルってのはもっと可愛く言い訳するもんだぜ。『ニラ玉』のたま子ちゃんみたいならどんなにいぢけててもいいけどな~」
まあその度にお好み焼きぶちまけられるのは勘弁なんだけど。
「アイドルになりたいならいい女になれよ。男ってのはいい女が笑顔でいるだけで幸せなんだよ。それで出来れば酒でも飲み交わせれば極上だな。そう思わせる女になれよ」
「・・・あ。もしらして、アンタ・・・」
「ん? どうしたよ?」
「神姫と人間を、区別して無いろか?」
「は? してるよ。法律が違うくらいだろ?」
「全然して無いろらー! どうも話が噛合わないらと思ったらら~!!」
「? いい女なら何でもいいだろ?」
「よくないろるらー!!」
なんだか突然怒り出すせせりー。俺何か悪いこと言ったか? ・・ってうわハイランドパークの25年もの!俺も呑みたい・・・。
「ろらー! 神姫サマなめるのも大概にするろらー!!! どうせ神姫が人間と対等になれる訳無いろに安っぽい同情されても困るらろらー!!」
別に同情も何もないんだけどな。あー!今度はドンペリ!初めて見た!
「まあ、ともかくさ、諦める前に何でもいいから試してみればいいだろ? 確か今駅前の放送局でオーディション募集してたから・・・」
「どうせそれも人間の募集らろ~!!! もうお前の顔なんて見たくないらろら~!!! とっとと帰れろら~!!」
投擲、瓶瓶瓶、直撃。
「痛ぇ~!」
「失せるろら~!!!!!!!!」
「のわ~~!?」
退、逃走。
「・・・言われらくても、やってらるろら~・・・」
----
・・・1週間後。
「・・・あ。無くなっちまった」
俺は一升瓶のラベルを眺めながらせせりーを思い出してた。・・・大吟醸越の誉。いやまさか、投げつけられたのがこんな高い奴だとは。勿体無いから貰って来ちまったけど。
「やっぱり謝りに行くべきだよな・・・」
「それ誰にもろたポン酒やったん?」
「へあっ!?」
いきなり首元に擦り寄ってきたキナが、ものすごい不振そうな目でこっちを見てる。疑ってるなこりゃ。
「・・・知り合いに、貰った酒だよ」
「人間か神姫、どっちなん?」
「・・・普通男か女かって聞かないか?」
「人間の女ならハサミはフラれるからええんや」
ああナルホド、そういう区別の仕方があったか・・・って今物凄くバカにされたような気がするぞオイ。
「・・・貰ったのは神姫だけど、残念ながら勘繰っても無駄だって。思いっきり嫌われたからな。これもホントはぶつけられた奴」
「ホンマかぁ~?」
「ああ、ホンマのホンマ。神姫を人間扱いして同情すんなとか言われてな。・・・そんなに、人間と神姫って違うか?」
「・・・まあ、アンタが思うとるよりはな(無自覚やから怖いんやコイツ)」
「?」
「とりあえず戸締りはしっかりしといた方がええんちゃう?」
「そこまで恨まれてないって。それよりテレビでも・・・」
ぽち。
『神姫DEご当地紹介! 今日は埼玉のこぶし花地ビールろら~♪ 無ろ過、非熱処理の生きたビールは旨みが蝶ケタ違い!!』
「・・・え? 今のって、せせりー?」
「ろらー! クソハサミの家はここらろか~!!!」
「っておわ~!!! 本人来た~!!?」
「なんだろら~! 折角勇気出してお前の言ってたオーデション行ってみたら、ご当地神姫!? 全然アイドル関係じゃないらろら~!!! むしろ確実に三の線だろら~! せせりーに二度も恥かかせららって~~~!!!」
「あーあのオーデションってそういうのだったのか・・・中身見てなかったよ」
「安心したわハサミ。鉄板で恨まれてるやん」
キナ、俺の身の危険を嬉しそうに言うなよ。
「おかげで安っぽいビール瓶のコスプレさせらるるは、酒呑む神姫なんれウケるからってミョーに監督に気にいられるは、CM続編製作勝手に決められるは、日本全国酒飲み音頭でCD出すことに決まるは散々ろら~!!」
「わ、悪かったって!! 謝るから! この前拝借した酒の分も!!!」
「許さないろら~! 責任とって貰うのら~!! 逃がさないろら~!!! お前は~! お前って奴は~!!!」
「うわ~!! ちょっとマジ勘弁ー!!」
「大好きら~!!!!!!!!!!!!!」
「「・・・・・・え?」」
ちゃんちゃん。
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