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「第二十話『サラさんの殺伐恋愛講座』」(2007/10/20 (土) 20:18:31) の最新版変更点
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わたし達が戦うステージは木が鬱蒼と生い茂る森と草原の中間みたいなステージでした。
しかも二人用の筐体が調整中で空いてなかったのでバトルロワイヤル形式という。
「森ですか・・・・森では砂漠迷彩は意味ないですね」
『その前にアンタ素体は真っ黒じゃない』
「そういえばそうでした。でもこの素体、実は白雪シリーズなのですよ?」
『なにそれ。知らないわよそんなの・・・・と、右側に敵よ。ノワールちゃんじゃないみたいだけど』
ハルナがそういった方向には確かに敵がいました。あれは・・・騎士型サイフォスですか。接近戦は不利ですね。
「それじゃ、遠くからチクチクと地味な攻撃を始めましょうか」
*
クラブハンド・フォートブラッグ
*第二十話
*『サラさんの殺伐恋愛講座』
バトル開始から五分。
既に残った神姫は三体のみとなっていた。
「早いものですね。開始時は六人いたものですが」
『私達が一人倒したから・・・全員が一人ずつ倒したか、一人が二人倒したかね』
「と言うかそれ以前にノワールはどこにいるのでしょうね。さっきから爆発音とかばっかりでどこにいるのやら・・・・」
参りましたね。
初めのサイフォス以外誰の姿も見ないとは。
森の中はとても静かです。
まぁ奥のほうから爆発音が聞こえてきてますが。
・・・行って見ましょうか・・・・ッ!?
何かがある。そう感じたわたしは前転した。
しなかったら一撃で終わっていたでしょう。
「・・・・・・・・・・・・・目標確認」
目の前には・・・一つの巨大なロボットが・・・・ってまさかこれ。
「ノワールですか・・・・?」
「・・・・・・・・ん」
ロボット・・・じゃなくてノワールが肯く。
でもぱっと見ノワールには見えないのですが・・・・あぁそうか。ストラーフのデフォルト武装見るのはこれが初めてでしたっけ。
てっきりハンドガンとブレードで戦うものかと。
『・・・・と言うかだね。驚いているのは嬉しいのだが・・・銃突きつけられてるのにその反応は無いだろう。降参するならしたまえよ』
「「あ」」
「何と言うかですね。ハルナ、少しぼんやりしすぎじゃないですか?」
「・・・ごめんなさい」
お姉ちゃんをほっといて、筐体から出てくるいやいなや私はサラに正座させられていた。
THE・神姫に怒られる女子の図。
「まぁ百歩譲って相手方の武装に驚いていたのはいいでしょう。でも驚きすぎて指示が無いのはいただけません。非常にいただけません」
「・・・うん」
「アナタがそんなのでは砂漠での勝利すら危ういです。一体どうしたのですか」
・・・いや、どうしたもこうしたも。
理由なんて見当もつかないのよ。
「・・・・何か気になっていることがあるなら、相談に乗りますよ? それとも・・・・ハチヤと何かあったのですか?」
「―――――!?」
八谷の名前が出た途端、私の心臓が跳ねた。
体が火照って見る見るうちに顔が赤くなるのが判る。
「え、あ、もしかして・・・・・・マジですか?」
俯いた顔を上げると珍しくサラが慌てていた。
「・・・・うるさいわね。ア、アンタには関係ないじゃない」
「あー・・・・これは参りましたね・・・・その顔見る限り・・・告白されましたか」
「――――――――――!!」
ぅあーどうしよう。
めっちゃ顔真っ赤だ。サラの顔見てらんない。
さっきから床しか見てないもん。
「ふむ・・・しかし疑問がいくつかあります。告白されたなら、その結果があるはずです。ハルナだと・・・・ん・・・多分OKしたのでしょうが」
その通りよコンチクショー。
っていうか何で判るのよ。アンタはエスパーか?
「一体何がハルナを不安定にさせているのですか。わたしにはそれが判らないのです。もしよかったら教えていただけませんかね?」
・・・・・・。
ノリが軽いわよ鉄兜。
「・・・笑わない?」
「笑いません笑いません」
「・・・誰にも言わない?」
「言いません言いません」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
どうしよう、すっごい嘘臭い。
言うんなら早くしないとお姉ちゃん戻ってきちゃうし・・・・。あぁもぅ!!
「・・・・告白されて、OKして」
「おめでとう御座います」
・・・・・・。
間髪いれずに言うかこの子は。
「OKしたけど・・・・どうすればいいのか、私判んなくて・・・・」
そう、“何をすればいいのか”じゃなくて“どうすればいいのか”が判らない。
判らなくてわからなくて・・・・最後には自分の気持ちも判らなくなってきちゃって。
私は本当に八谷が好きなのか、その場の雰囲気で、軽い気持ちであの時肯いてしまったかもしれない。そう思うと・・・・・八谷に合うのが怖くて。怖くて仕方が無くて。
だから・・・今日は学校に行くのをやめたんだ。
「今八谷にあって、まともでいられるとは思えなくて・・・でもこれじゃ今だってまともじゃないね・・・」
「そうですね」
・・・・・・。
だからさ。
間髪いれずに言うのやめようよ。
何か余計に不安になるのよ?
「でもですね。わたしはこう思うのですよ」
「・・・?」
「もしもハルナがハチヤの事を好きでなかったら、そもそも一緒に遊びに行ったりしません。それに告白されてもOKしなかったでしょう? 好きじゃない人と結ばれるくらいなら相手を殺すのがハルナです」
そういって私を見上げる15cmの彼女。
その顔があまりに真剣で、真剣だけどどこか私を馬鹿にした物言いで。
「・・・・一言余計よ」
私は怒るよりも、そう呟いた。
「でも事実でしょう? そしてハルナはハチヤを殺さない。と言う事は答えはひとつしかないのですよ」
・・・・この子は。
なんでこんな喩え方しかできないんだろう。絶対どっか歪んでるわね。
・・・・でも
「そうね。・・・・答えなんて、一個しか選べないしね」
その妙な喩えも、真剣に私を馬鹿にした物言いも、全部私を心配してくれているって言うのが伝わってくる。
今の私はただそれが嬉しかった。
「・・・・・・・うっし! うじうじすんのはもう止めよ!!」
「・・・それでこそハルナです。さすがツッコミとオチ担当ですね。『三Sが斬る!』も期待できそうです」
「・・・・何言ってんのよアンタ。ほら、お姉ちゃん迎えに行くわよ。もう終わってる頃でしょ」
そういって私は右手を差し出す。
サラは笑いながら手のひらに乗ってきた。
「ふふ・・・なんだかんだいってもやっぱりハルナですね。わたしを乗せるときの手が、とてもあたたかい」
「なっ、どういう意味よそれ!?」
私達は笑いながら筐体のほうに向かって歩いていく。
そこにはお姉ちゃんがいて、なんだか暇そうにしていた。
どうも挑戦者が弱すぎたらしい。
「ん? ほう・・・・面構えが良くなったじゃないか」
「・・・どういう意味よそれ」
「そのまんまの意味さ。さて、私はバイトに戻らせてもらうよ。いい加減吉岡一人も可哀想だしね」
そういってお姉ちゃんとノワールは神姫センターの奥に歩いていった。
・・・・私が言うのもなんだけど、凄いマイペースだよねお姉ちゃんって。
「よし! 私達も帰ろうか! 明日はちゃんと学校行くからさ」
「そうですね。不登校はあまり褒められたことではありませんし」
私はサラのその言葉に思わず笑う。
それもそうだろう。だって学校行かなきゃ八谷と会えない。いや、会えないわけじゃないんだけど、長く一緒に入れない。それはいやだしね。
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わたし達が戦うステージは木が鬱蒼と生い茂る森と草原の中間みたいなステージでした。
しかも二人用の筐体が調整中で空いてなかったのでバトルロワイヤル形式という。
「森ですか・・・・森では砂漠迷彩は意味ないですね」
『その前にアンタ素体は真っ黒じゃない』
「そういえばそうでした。でもこの素体、実は白雪シリーズなのですよ?」
『なにそれ。知らないわよそんなの・・・・と、右側に敵よ。ノワールちゃんじゃないみたいだけど』
ハルナがそういった方向には確かに敵がいました。あれは・・・騎士型サイフォスですか。接近戦は不利ですね。
「それじゃ、遠くからチクチクと地味な攻撃を始めましょうか」
*
クラブハンド・フォートブラッグ
*第二十話
*『サラさんの殺伐恋愛講座』
バトル開始から五分。
既に残った神姫は三体のみとなっていた。
「早いものですね。開始時は六人いたものですが」
『私達が一人倒したから・・・全員が一人ずつ倒したか、一人が二人倒したかね』
「と言うかそれ以前にノワールはどこにいるのでしょうね。さっきから爆発音とかばっかりでどこにいるのやら・・・・」
参りましたね。
初めのサイフォス以外誰の姿も見ないとは。
森の中はとても静かです。
まぁ奥のほうから爆発音が聞こえてきてますが。
・・・行って見ましょうか・・・・ッ!?
何かがある。そう感じたわたしは前転した。
しなかったら一撃で終わっていたでしょう。
「・・・・・・・・・・・・・目標確認」
目の前には・・・一つの巨大なロボットが・・・・ってまさかこれ。
「ノワールですか・・・・?」
「・・・・・・・・ん」
ロボット・・・じゃなくてノワールが肯く。
でもぱっと見ノワールには見えないのですが・・・・あぁそうか。ストラーフのデフォルト武装見るのはこれが初めてでしたっけ。
てっきりハンドガンとブレードで戦うものかと。
『・・・・と言うかだね。驚いているのは嬉しいのだが・・・銃突きつけられてるのにその反応は無いだろう。降参するならしたまえよ』
「「あ」」
「何と言うかですね。ハルナ、少しぼんやりしすぎじゃないですか?」
「・・・ごめんなさい」
お姉ちゃんをほっといて、筐体から出てくるいやいなや私はサラに正座させられていた。
THE・神姫に怒られる女子の図。
「まぁ百歩譲って相手方の武装に驚いていたのはいいでしょう。でも驚きすぎて指示が無いのはいただけません。非常にいただけません」
「・・・うん」
「アナタがそんなのでは砂漠での勝利すら危ういです。一体どうしたのですか」
・・・いや、どうしたもこうしたも。
理由なんて見当もつかないのよ。
「・・・・何か気になっていることがあるなら、相談に乗りますよ? それとも・・・・ハチヤと何かあったのですか?」
「―――――!?」
八谷の名前が出た途端、私の心臓が跳ねた。
体が火照って見る見るうちに顔が赤くなるのが判る。
「え、あ、もしかして・・・・・・マジですか?」
俯いた顔を上げると珍しくサラが慌てていた。
「・・・・うるさいわね。ア、アンタには関係ないじゃない」
「あー・・・・これは参りましたね・・・・その顔見る限り・・・告白されましたか」
「――――――――――!!」
ぅあーどうしよう。
めっちゃ顔真っ赤だ。サラの顔見てらんない。
さっきから床しか見てないもん。
「ふむ・・・しかし疑問がいくつかあります。告白されたなら、その結果があるはずです。ハルナだと・・・・ん・・・多分OKしたのでしょうが」
その通りよコンチクショー。
っていうか何で判るのよ。アンタはエスパーか?
「一体何がハルナを不安定にさせているのですか。わたしにはそれが判らないのです。もしよかったら教えていただけませんかね?」
・・・・・・。
ノリが軽いわよ鉄兜。
「・・・笑わない?」
「笑いません笑いません」
「・・・誰にも言わない?」
「言いません言いません」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
どうしよう、すっごい嘘臭い。
言うんなら早くしないとお姉ちゃん戻ってきちゃうし・・・・。あぁもぅ!!
「・・・・告白されて、OKして」
「おめでとう御座います」
・・・・・・。
間髪いれずに言うかこの子は。
「OKしたけど・・・・どうすればいいのか、私判んなくて・・・・」
そう、“何をすればいいのか”じゃなくて“どうすればいいのか”が判らない。
判らなくてわからなくて・・・・最後には自分の気持ちも判らなくなってきちゃって。
私は本当に八谷が好きなのか、その場の雰囲気で、軽い気持ちであの時肯いてしまったかもしれない。そう思うと・・・・・八谷に合うのが怖くて。怖くて仕方が無くて。
だから・・・今日は学校に行くのをやめたんだ。
「今八谷にあって、まともでいられるとは思えなくて・・・でもこれじゃ今だってまともじゃないね・・・」
「そうですね」
・・・・・・。
だからさ。
間髪いれずに言うのやめようよ。
何か余計に不安になるのよ?
「でもですね。わたしはこう思うのですよ」
「・・・?」
「もしもハルナがハチヤの事を好きでなかったら、そもそも一緒に遊びに行ったりしません。それに告白されてもOKしなかったでしょう? 好きじゃない人と結ばれるくらいなら相手を殺すのがハルナです」
そういって私を見上げる15cmの彼女。
その顔があまりに真剣で、真剣だけどどこか私を馬鹿にした物言いで。
「・・・・一言余計よ」
私は怒るよりも、そう呟いた。
「でも事実でしょう? そしてハルナはハチヤを殺さない。と言う事は答えはひとつしかないのですよ」
・・・・この子は。
なんでこんな喩え方しかできないんだろう。絶対どっか歪んでるわね。
・・・・でも
「そうね。・・・・答えなんて、一個しか選べないしね」
その妙な喩えも、真剣に私を馬鹿にした物言いも、全部私を心配してくれているって言うのが伝わってくる。
今の私はただそれが嬉しかった。
「・・・・・・・うっし! うじうじすんのはもう止めよ!!」
「・・・それでこそハルナです。さすがツッコミとオチ担当ですね。『三Sが斬る!』も期待できそうです」
「・・・・何言ってんのよアンタ。ほら、お姉ちゃん迎えに行くわよ。もう終わってる頃でしょ」
そういって私は右手を差し出す。
サラは笑いながら手のひらに乗ってきた。
「ふふ・・・なんだかんだいってもやっぱりハルナですね。わたしを乗せるときの手が、とてもあたたかい」
「なっ、どういう意味よそれ!?」
私達は笑いながら筐体のほうに向かって歩いていく。
そこにはお姉ちゃんがいて、なんだか暇そうにしていた。
どうも挑戦者が弱すぎたらしい。
「ん? ほう・・・・面構えが良くなったじゃないか」
「・・・どういう意味よそれ」
「そのまんまの意味さ。さて、私はバイトに戻らせてもらうよ。いい加減吉岡一人も可哀想だしね」
そういってお姉ちゃんとノワールは神姫センターの奥に歩いていった。
・・・・私が言うのもなんだけど、凄いマイペースだよねお姉ちゃんって。
「よし! 私達も帰ろうか! 明日はちゃんと学校行くからさ」
「そうですね。不登校はあまり褒められたことではありませんし」
私はサラのその言葉に思わず笑う。
それもそうだろう。だって学校行かなきゃ八谷と会えない。いや、会えないわけじゃないんだけど、長く一緒に入れない。それはいやだしね。
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