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「第壱章第八節:裏の世界の戦闘」(2007/09/22 (土) 22:35:25) の最新版変更点
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{裏の世界の戦闘}
夜中。
月が出ている時間。
俺と右肩に座ってるアンジェラスはある店の前に居た。
「おい、アンジェラス。本当にいいのか?」
「はい。これは私が決めた事ですから」
「ま、お前がそこまで言うなら仕方ねぇ~けど…無理だけはするんじゃないぞ」
「優しいですね、ご主人様は」
煙草を地面に落とし、靴の裏で踏みつけ火を消す。
今、俺とアンジェラスが居る所はアンダーグラウンドの神姫センターの目の前。
あの初戦の闘いの後、アンジェラスがこっそりと俺にこう言ったのだ。
『アンダーグラウンドで闘ってみようと思います。ご主人様が作った違法改造武器で…』
最初はなに血迷った事を言ってくれやがったから俺はアンジェラスを注意したのだが、頑固なアンジェラスは引かなかったため、俺が押し負けてしまい…故にこんな所に居る。
クリナーレ達に気付かれないよに家を出て、オヤッさんの所に行き、神姫センターが何処にあるか聞き出しここに着いたわけ。
表の神姫センターみたく綺麗じゃなく薄汚れといる。
まぁそんなもんだよなぁ。
アンダーグラウンドだから神姫センターの管理も出来ていない。
ぶっちゃけた話し、汚い。
ゴミはそこら辺に散らかっぱなし。
入り口の自動ドアは壊れてて半開き。
電灯もチカチカと点滅状態。
文句なしの酷さだぜ。
「そんじゃ、入ってみるか」
「はい!」
半開きになってるドアに入り奥に行く。
すぐそのばに汚らしい筺体がいくつかあった。
他のオーナー達の年齢層を見ると15歳~40歳ぐらいかな。
俺は闘っている筺体を覗く、そこにはもの凄い光景がひろがっていた。
神姫同士が闘ってる事には変わりないが、無我夢中で敵である神姫を壊しあっているのだ。
足が片方なかったり、両腕がなかったり、神姫の体からダラダラとオイル見たいなもの出ている…人間でいう血だな。
筺体の中も凄い。
マグマステージや周り囲んだ電気ヘェンスやトラップだらけのステージ、その他諸々。
過激なステージばかりだ。
バキッ!
ん?
何か踏んだ音がしたぞ。
足元を見ると、そこには何処かの神姫の右腕が転がっていた。
「ご主人様…」
「………」
大方、バトルに負けた神姫の残骸だろうよ。
バトルで負けて生きて帰ってこられたとしても、負けたオーナーは負けた事に腹が立ちその怒りを神姫にぶつけるて神姫を壊す。
投げつけや踏みつけ、etc,etc.
八つ当たりもいいところだ。
まぁここはそいう事が『常識』だからしょうがないさぁ。
にしても。
「ケッ。残骸がそこらじゅうに散ばってやがる」
歩く度にバキィだのガキだのゴリだのと五月蝿くてかなわん。
それに少々歩きづらいし。
「ご主人様…あの………」
「あ?何か用か??」
「先ほどからご主人様が踏んでるのは…」
「武装神姫の残骸だが、何か?」
「!?ご主人様…そんな言い方は…」
アンジェラスの顔から元気が抜けたように悲しいとも悲痛とも言える顔になっていた。
それもそうだろ。
同じ仲間だった物を今俺は歩く動作をするたびに踏みつけ破壊していくのだから。
…だから連れてくるのは嫌だったんだ。
ここに来る時、大抵は予想出来ていた事なのだからな。
しかし、ここに来た以上少し厳しくアンジェラスに言っておかないとな。
「『そんな言い方』って、どんな風に言って欲しかったんだ?」
「それは!…その…」
「優しく言って欲しかったか?残念だけど今回はそうはいかない」
「ご主人様…」
「教えてやるよ。今俺が歩きながら踏んでいるのは、元はお前と同じ玩具の残骸だ。残骸=ゴミ。ゴミを踏んで何か悪いか?」
「ひ、酷い!」
「酷い?おいおい、何勘違いしてるのか知らんがお前等の存在価値は人間のお遊戯道具にしか過ぎないだよ」
「そんな…そんな事って」
「はぁ~いい加減理解しろ。俺は『者』、お前は『物』。同じ言い方でも意味が違うだろ。これが人間と人形の違いだ」
「………」
「やっと理解したか。所詮、お前等は物なんだよ」
俯いて黙ってしまったアンジェラス。
この程度のキツイ言い方でこんなに凹むなら、もう帰った方がいいかもしれない。
バトルした瞬間、アンジェラスはバラバラに破壊されるのがオチ。
相手は必ず違法改造武器を使ってくるのが目に見えてくるからだ。
俺は歩みを止め右足を軸にして引き返そうとした瞬間。
「…ご主人様の本音の意見を聞かせてください」
小声で言うアンジェラス。
元気が無いのが見え見えだ。
「本音を言った所で今のこの惨状は変わんねーぞ」
「お願いですから言ってください!」
今度は大声で言いやがった。
涙目になりながら真剣な顔つきで見るアンジェラス。
う~ん、まぁいいか。
「まぁーそうだな。ブッチャけた話し、本音は結構ムカつく。いくら何でも限度っていうものがある。しかも神姫には心があるという。だからこうやって神姫の残骸を踏み歩いてのは正直不愉快だ」
「それがご主人様の本音ですか?」
「信じたくなければそれでもいいよ。一応俺は本音を言ったつもりだ」
「そうですか。なら私はご主人様を信じます。もしその本音が嘘だったとしても」
「だから本音だって。本音に嘘もクソもあるか」
「クスッ。そうですね」
「まったく、お前という奴は…」
どうして俺という存在を気にかけるんだ?
アンジェラスの奴は何故そこまで俺という一人の人間に拘る?
オーナーだからか?
いや、違う。
もっと何か深い理由があるはず。
でも霧がかかったように皆目解らない。
…もう少し一緒に暮らせば解るかもしれない…かな。
「マイちゃん!マイちゃん、しっかりして!!」
ん?
どっかで女の子が泣き叫ぶ声がしたな。
声がした方に行くと、中学生ぐらいの女の子が膝を地面に着き両手でボロボロになった神姫を抱きかかえていた。
その女の子の周りには同じぐらいの年齢の男の子達が数名。
なるほどな。
あの女の子の神姫を男の子達の神姫でリンチしたな。
「なんて酷いことを…ご主人様ぁ」
「ほっとけ。余計な事に関わるとろくな事にならないぞ」
「…でも!」
キッ、と俺に訴える目で見てくるアンジェラス。
…はぁ~、まったくどうしてこうなっちまうんだ。
仕方ない。
行くか。
俺はズカズカと男の子達の間を割り込み、女の子の方に行く。
「な、なんだよお前!」
「なにしきたんだよ!」
男の子達が一斉に珍入者の俺に文句を言ってきた。
ウザイ。
ここは一つ。
「ウッセェ、黙れ。ブッ殺されたくなかったら黙ってろ」
睨みをきかせながら言うと男の子達はビクッとして黙ってしまった。
所詮は悪ガキの集まり。
一発で脅せばあっさりと身を引くに違いない。
「大丈夫ですか?」
アンジェラスは女の子の目線に合わせるように飛び慰めようとした。
「マイちゃんが!マイちゃんがこの人達に無理矢理バトルさせられて!!」
「ちょっと見せてみ」
俺は腰をかがめマイという神姫を見た。
猫型マオチャオか。
にしてもこのヤレかたは酷いなぁ。
右腕・右足・左足が完全に切り裂かれ、身体じゅうは傷だらけ、所々切り裂かれた部分もある。
これは完全に違法改造武器でやれたな。
「ご主人様!マイちゃんを助けてあげてください!!」
「無理だ。今から俺の家に持ち帰って修理しようとしても、途中で壊れるのがオチだ」
「そんな!?」
悲痛な顔にるアンジェラス。
何故他人の神姫を心配できる。
同じ人形仲間だからか?
しょうがない。
俺はポケットから携帯電話を取り出しオヤッさんに電話した。
「よおー閃鎖じゃなねぇーか。いったいどうした?」
「ワリィんだけどよう。今すぐアンダーグラウンドの神姫センターに来れるか?」
「別にいいが。なんかあったのか?」
「あったからこうして電話してるんだよ。至急来て欲しい」
「分かった。閃鎖の事だから、またなにかやらかしたんだろ」
「いいや、まだ何もヤッてない。ちょっと猫型マオチャオの神姫の修理を頼もうと思って」
「修理?お前、負けたのか?」
「俺は猫型マオチャオを持ってない。どうでもいいから早く来てくれ。金は成功報酬という事で」
「分かった、すぐに行く」
電話を切ってポケットにしまう。
そして女の子の方に視線を向ける。
「おいガキ。お前の名前は?」
「グスッ…ヒク…」
「泣いてちゃ分からん。お前の神姫を治してやるから名前を言え」
「梶原…由香里…」
「由香里だな。さっき俺の電話の会話どうりに今からオヤッさんが来る。それまでそのマイをしっかり持ってけ」
「あ、…はい…」
涙声言う由香里。
まぁ無理もない。
自分の大切な神姫がこうもボロボロにされたのだからな。
「ご主人様。私、この人達許しません!」
「はっ?お前、何を言って…まさか!?」
「私はこの男の子達の神姫にバトルを申し込みます!」
だぁー、勘弁してくれよ!
これ以上の揉め事には介入したくないんだ。
アンジェラスの事だから何かヤらかすと思っていたが…やっぱりヤらかしやがった。
「なにこいつ?神姫自らが勝負を申し込んできたよ」
「オモシレェ、やってやろうじゃないか!」
あぁ~あ、こいつ等もやる気だしてるし。
こりゃあ後に引けないな。
「おい、アンジェラス」
「ごめんなさい、ご主人様。お仕置きは後で受けます。だから今だけは私の好きさせてください」
真剣な顔で言うアンジェラス。
こうなったこいつはもう止まらないだろう。
…フッ、仕方ないなぁまったくもー!
「アンジェラス、こっち向けや」
「何ですか」
ビシ!
「イッターィ!何でデコピンするんですか!?」
「なにが『今だけは私の好きさせてください』だ。フザンケなよ、お前のオーナーは俺だ。勝手に決め付けてじゃねーよ」
「ご主人様…」
「相手は俺が決めるテメェはバトルに備えて気持ち整いとけ」
「ご主人様!」
アンジェラスの顔は喜ぶ顔になった。
お前のせいだからな、こんな事になっちまったのは。
「おい、クソガキ共。あのマオチャオをボロボロにさせた奴は誰だ」
「俺だ」
一歩前に進んで進言してきた奴はいかにも悪ガキという名に相応しいツラと服装だった。
「テメェか、今からテメェにバトルに申し込む。どちらかの神姫が完全破壊するまでのデッドエンドバトルだ」
「いいぜ、あそこに見える筐体で待ってるぜ。青二才」
青二才?
俺が年上なのにか?
マジでムカつくクソガキだ。
バトルが終わった後にシメてやるか。
そんな時だった。
丁度良くオヤッさんが来た。
「おーい」
「Good Timingだな、オヤッさん」
「で、どれを直してもらいたいんだ?」
「あの由香里という女の子が持ってる猫型マオチャオだ」
「分かった。ほ~ら、お嬢ちゃん。おじちゃんと神姫を治しに行こうねぇ~」
そうオヤッさん言うとあからさまに嫌な顔つきになる由香里。
まぁ、そりゃそうだよな。
いきなり知らないオジさんに声をかけらえたんだから。
ある意味、今から誘拐でもしようしてる光景にも見える。
オヤッさん…哀れだ。
ここはフォローしてやるか。
「なぁ由香里」
「グスン…なに?」
「由香里はマイを治したいんだよな」
「うん!」
「ならそのオジさんの言う事を聞いて行くんだな」
「でもぉ」
「俺の言葉を信用してマイを治しに行くか、信用しないでそのままマイを死なすかは由香里が決める事だ。俺とアンジェラスはマイの仇を討ちに行く。だから先にこの筋肉ムキムキのオジさんと行け。後から俺も行くから」
「…うん、分かった」
「そう決めたら早くいけ。時間は待ってくれないぞ」
「うん!」
泣顔でもオジさん…もといオヤッさんと一緒に行く由香里。
よし、後はバトルだけだ。
「行くぞ、アンジェラス!」
「はい!ご主人様!!」
俺とアンジェラスは筐体に向かって歩きだした。
はてさて、いったいどんなバトルを繰り広げことになるのやら。
…。
……。
………。
奴等の筐体はすぐに見つける事が出来た。
あんだけクソガキどもの取り巻きが出来てるのだからな。
「遅いぞ。ビビッて逃げ出したと思ったよ」
「残念だったな、クソガキ。俺はテメェ等程落ちぶれていないんでね」
「この野郎!後悔しても遅いからな」
ガキの癖によく吠える。
俺はネックレスを外し一つのペンダントをアンジェラスに渡した。
「これは何ですか?」
「俺のペンダントだ。と言いたい所だが、これはただのペンダントじゃない。これはお前専用の武器でもあるんだ」
「私の専用武器!?」
「名はGRADIUS。万能型のお前には壱番適切な大銃剣だ」
「大銃剣?」
「あぁ。こいつはこの間にある先からレーザーを撃つ事が出来る優れものだ。まぁ、こいつ持ってバトルフィールドに入ればGRADIUSの性能がお前の身体にインストールされる。それでこいつの使い方が解るだろう。サブウェポンはOPTION。リアパーツはリアウイングM‐88対消滅エンジン。アーマーはFORCE FIELO。アクセサリーはFREE SHIELD。こいつ等はまだ未完成だが、性能はそれなりに使えるはずさぁ」
「インストール…それって前にご主人様が言っていた」
「そう、神姫侵食だ。こいつにやれるとその神姫は必ず破壊されるとんでもないウイルスだ。気をつけろ。」
「はい!」
「それと最後の情報。相手はハウリンだ。壱番厄介なのは違法改造武器のソード・オブ・ガルガンテュア。あれは相当の攻撃力があるはずだ。多分、由香里のマイという神姫もあれでやられた思う。だから押さえ込まれるな。解ったか?」
「大丈夫ですよ。私を信用してください!」
「そこまで言うなら大丈夫だな。行って来い、俺のアンジェラス!」
アンジェラスを筐体の中に入れると筐体が動きだし低い音で機械がフルで起動する。
頼むぞ、アンジェラス。
それと…絶対生きて帰って来い!
アンジェラスの視点
私が筐体の中に入った瞬間世界が変わった。
どうやら今回のステージは荒れた荒野みたいです。
もし、地面に落下した時なんか痛そう。
サブウェポン・リアパーツ・アーマ・アクセサリーは最初っからあるみたい。
それよりも早く武器を召喚しなくちゃ。
「GRADIUS!召喚!!」
そう言うと私の右手にグラディウスが召喚された。
これがグラディウス。
ご主人様が私用に作ってくれた武器。
とても綺麗で…とても攻撃力がありそう。
<Irregular Custom Weapon Installation Start>
「え?」
頭の中で男の声の電気信号が鳴り響いた同時に体中に電撃が走った。
い、痛い。
でもこのぐらいの痛さで嘆いては駄目です!
我慢しなければ!
<Irregular Custom Weapon Installation Completion>
「アグゥ…結構しんどいです~」
少々疲れてしまいましたが、この程度なら大丈夫です。
「大丈夫か!?」
「あ!ご主人様、私は大丈夫ですよー」
「そうか、良かったぁ」
ご主人様の顔は見れないけど声だけでも安心感が得られます。
「アンジェラス、敵さんのお出ましだ」
「エッ!?」
私は振り返るとそこにはハウリンが居た。
右手には大きなソード・オブ・ガルガンテュアを持っていた。
確かにあれで切れれた時はひとたまりもありません。
気をつけないと。
「さっきも行ったけど、絶対に押さえ込まれるなよ!」
「はい!」
ご主人様は念を押すように言う。
よっぽど私の事が心配みたい。
でも嬉しいです。
ご主人様が私の事をちゃんと思ってくれるから。
これなら…頑張れます!
「さぁ来なさい!」
「………破壊する」
バヒュン!
バヒュン!
お互い接近し間合いをつめる。
私はご主人様から渡されたグラディウスを握りしめ敵を睨みつける。
敵は相変わらず無表情で突撃してくる。
そして目には光りが灯ってなかった。
これが違法改造武器を使い過ぎて神姫侵食に飲まれた目…。
…あまりにも酷すぎます。
私は…絶対こんな風になりたくない!
だって、ご主人様が悲しむから!
「ヤァーーーー!」
「…ンッ!」
ガキャ!
敵のソード・オブ・ガルガンテュアと私のグラディウスがぶつかり合い火花が飛び散る。
ギリギリ!
力込め合い金属同士の擦れ合うのが耳に入る。
クッ!?
なんて力!
前に行った普通の神姫センターで闘った時よりも力が強い。
いいえ、強すぎます!?
ガギャギャギャギャーーーー!
バキン
「クウッ!?」
力に負け、グラディウスを弾かれてしまいバランスを崩してしまった。
この体制ではマズイです!
私は一旦、リアウイングM‐88対消滅エンジンを使って急降下する。
敵のハウリンは私を追い掛けて急降下してくる。
でもスピードは私の方が上です!
「スピードアップ!」
<SPEED UP ONE>
キュィィィィバヒュンーーーー!!!!
「キャッ!」
スピードを一速を上げただけで、かなりのスピードが上がり私は驚愕した。
これが違法改造武器…。
なんていう性能なの!?
でもこの性能のおかげで敵との距離がかなり離す事が出来た。
「当たって!」
<ROPPLE LASER>
ピュピューン!
私はグラディウスを敵に向けてROPPLE LASERを撃った。
円状のレーザーで遠くになるにつれ円状の面積が広がっていく。
こんな広範囲型のレーザーなら大抵の神姫ならあったてしまう。
それに私の後ろに横一列に並んでるOPTIONもROPPLE LASERを撃つ。
これだけの弾幕なら避けれないでしょう。
「………」
敵のハウリンはROPPLE LASERを避けようとした…が。
バシッ!
あまりにも広範囲すぎて避けきれず左腕に命中してしまった。
バチバチ、バチュン!
「なっ!?」
そんな!?
左腕ごとROPPLE LASERで切られても、痛い顔もせずに突っ込んでくる!
駄目、回避が間に合わなっ!?
ブオン!
バシン!
「アグッ!」
敵のソード・オブ・ガルガンテュアが見事に私に命中した。
でもFORCE FIELOとFREE SHIELDでなんとか守れたがあまりにも強い衝撃で私は地面に叩き落された。
「カハッ!?…ウ、ウゥ」
直接地面に叩きつけられたために背中から全身にまで強烈な痛みが走る。
い、息が吸えない。
「ゲホッ!ゴホ!!」
強制的に咳き込みをしてしまい、敵を見る事が出来ない。
それに苦しくて動けない。
FORCE FIELOとFREE SHIELDが起動していないという事はさっきの一撃で壊されてしまったという事。
もし次の攻撃を受けてしまったら…私は。
ズガン!
「ウッ!?」
腹に衝撃が走った。
苦しくても敵のハウリンを見る。
するとそこには左足で私を踏みつけていて、右手に持ってるソード・オブ・ガルガンテュアでトドメを刺そうしていた。
駄目、ヤられる!
なんとかして避けないと!
右腕は動かせんませんが、左腕を動かす事が出来ます。
左腕で敵の足を殴ればバランスを崩して狙いがハズレる筈です。
それなら!
「何処でもいいから、今すぐCYCLONE LASERを使え!」
ご、ご主人様!
ご主人様が私にアドバイスを教えてくれた。
でも何故、遠距離攻撃のCYCLONE LASER。
避けた方が速いし、グラディウスは右手に持ってるけどピクリとも動かす事が出来ない。
どうしよう!?
[[ご主人様を信用してCYCLONE LASERを撃つ!]]
[[やっぱり避ける方が先です!]]
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{裏の世界の戦闘}
夜中、満月がギラギラと光っていた。
そんななかに俺と右肩に座っているアンジェラスはある店の前に居た。
「おい、アンジェラス。本当にいいのか?」
「はい。これは私が決めた事ですから」
「ま、お前がそこまで言うなら仕方ねぇ~けど…無理だけはするんじゃないぞ」
「優しいですね、ご主人様は」
煙草を地面に落とし、靴の裏で踏みつけ火を消す。
今、俺とアンジェラスが居る所はアンダーグラウンドの神姫センターの目の前。
あの初戦のバトルの後、アンジェラスがこっそりと俺にこう言ったのだ。
『アンダーグラウンドで闘ってみようと思います。ご主人様が作った違法改造武器で…』
最初はなに血迷った事を言ってくれやがったのかと思い俺はアンジェラスを注意したのだが、頑固なアンジェラスは引かなかったため、俺が押し負けてしまい…故にこんな所に居る。
クリナーレ達に気付かれないように家を出て、オヤッさんの所に行き、神姫センターが何処にあるか聞き出しここに着いたわけ。
「にしても、キッタネェ~なぁ~」
表の神姫センターみたく綺麗じゃなく汚れている。
所どころヒビもはいってるし、今にも倒壊しそすな感じだ。
まぁそんなもんだよなぁ。
アンダーグラウンドだから神姫センターの管理も出来ていない。
ぶっちゃけた話し、物凄く汚い。
ゴミはそこら辺に散らかっぱなし。
入り口の自動ドアは壊れてて半開き。
電灯もチカチカと点滅状態。
文句なしの酷さだぜ。
「そんじゃ、入ってみるか」
「はい!」
半開きになってるドアに入り奥に行く。
すぐそのばに汚らしい筺体がいくつかあった。
他のオーナー達の年齢層を見ると15歳~40歳ぐらいかな。
俺は闘っている筺体を覗く、そこにはもの凄い光景がひろがっていた。
神姫同士が闘ってる事には変わりないが、無我夢中で敵である神姫を壊しあっているのだ。
足が片方なかったり、両腕がなかったり、神姫の体からダラダラとオイルみたいなもの出ている…人間でいう血だな。
筺体の中も凄い。
マグマステージや周り囲んだ電気ヘェンスやトラップだらけのステージ、その他諸々。
過激なステージばかりだ。
バキッ!
ん?
何か踏んだ音がしたぞ。
足元を見ると、そこには何処かの神姫の右腕が転がっていたのだ。
「ご主人様…」
「………」
大方、バトルに負けた神姫の残骸だろうよ。
バトルで負けて生きて帰ってこられたとしても、負けたオーナーは負けた事に腹が立ちその怒りを神姫にぶつけて神姫を壊す。
投げつけや踏みつけ、etc,etc.
八つ当たりもいいところだ。
まぁここでは『常識』だからしょうがないさぁ。
「ケッ。残骸がそこらじゅうに散ばってやがる」
歩く度にバキィだのガキだのゴリだのと五月蝿くてかなわん。
それに少々歩きづらいし。
「ご主人様…あの………」
「あ?何か用か??」
「先ほどからご主人様が踏んでるのは…」
「武装神姫の残骸だが、何か?」
「!?ご主人様…そんな言い方は…」
アンジェラスの顔から元気が抜けたように悲しいとも悲痛ともいえる顔になっていた。
それもそうだろ。
同じ仲間だった物を今俺は歩く動作をするたびに踏みつけ破壊していくのだから。
…だから連れてくるのは嫌だったんだ。
ここに来る時、大抵は予想出来ていた事なのだからな。
しかし、ここに来た以上少し厳しくアンジェラスに言っておかないと。
「『そんな言い方』って、どんな風に言って欲しかったんだ?」
「それは!…その…」
「優しく言って欲しかったか?残念だけど今回はそうはいかない」
「ご主人様…」
「教えてやるよ。今俺が歩きながら踏んでいるのは、元はお前と同じ玩具の残骸だ。残骸=ゴミ。ゴミを踏んで何か悪いか?」
「ひ、酷い!」
「酷い?おいおい、何勘違いしてるのか知らんがお前等の存在価値は人間のお遊戯道具にしか過ぎないだよ」
「そんな…そんな事って」
「はぁ~いい加減理解しろ。俺は『者』、お前は『物』。同じ言い方でも意味が違うだろ。これが人間と人形の違いだ」
「………」
「やっと理解したか。所詮、お前等は物なんだよ」
俯いて黙ってしまったアンジェラス。
この程度のキツイ言い方でこんなに凹むのなら、もう帰った方がいいかもしれない。
こんな調子でバトルなんかした瞬間、アンジェラスはバラバラに破壊されるのがオチ。
相手は必ず違法改造武器を使ってくるのが目に見えてくるからだ。
俺は歩みを止め右足を軸にして引き返そうとした瞬間。
「…ご主人様の本音の意見を聞かせてください」
小声で言うアンジェラス。
元気が無いのが見え見えだ。
「本音を言った所で今のこの惨状は変わんねーぞ」
「お願いですから言ってください!」
今度は大声で言いやがった。
涙目になりながら真剣な顔つきで俺を見るアンジェラス。
う~ん、まぁいいか。
「まぁーそうだな。ブッチャけた話し、本音は結構ムカつく。いくら何でも限度っていうものがある。しかも神姫には心があるという。だからこうやって神姫の残骸を踏み歩いてのは正直不愉快だ」
「それがご主人様の本音ですか?」
「信じたくなければそれでもいいよ。一応俺は本音を言ったつもりだ」
「そうですか。なら私はご主人様を信じます。もしその本音が嘘だったとしても」
「だから本音だって。本音に嘘もクソもあるか」
「クスッ。そうですね」
「まったく、お前という奴は…」
どうして俺という存在を気にかけるんだ?
アンジェラスの奴は何故そこまで俺という一人の人間にこだわる?
オーナーだからか?
いや、それは違うなぁ。
もっと何か深い理由があるはず。
でも霧がかかったように皆目解らない。
…もう少し一緒に暮らせば解るかもしれない…かな。
「マイちゃん!マイちゃん、しっかりして!!」
ん?
どこからか女の子が泣き叫ぶ声がしたな。
声がした方に行くと、中学生ぐらいの女の子が両膝を地面に着き、両手でボロボロになった神姫を抱きかかえていた。
その女の子の周りには同じぐらいの年齢の男の子達が数名。
あぁ~、なるほどね。
あの女の子の神姫を男の子達の神姫でリンチしたな。
「なんて酷いことを…ご主人様ぁ」
「ほっとけ。余計な事に関わるとろくな事にならないぞ」
「…でも!」
キッ、と俺に訴える目で見てくるアンジェラス。
…はぁ~、まったくどうしてこうなっちまうんだ。
仕方ない、行くか。
俺はズカズカと男の子達の間を割り込み、女の子の方に行く。
「な、なんだよお前!」
「なにしきたんだよ!」
男の子達が一斉に珍入者の俺に文句を言ってきた。
ウザイ。
ここは一つ。
「ウッセェ、黙れ。ブッ殺されたくなかったら黙ってろ」
睨みをきかせながら言うと男の子達はビクッとして黙ってしまった。
所詮は悪ガキの集まり。
一発で脅せばあっさりと身を引くに違いない。
「大丈夫ですか?」
アンジェラスは女の子の目線に合わせるように移動し、女の子を慰めようとした。
「マイちゃんが!マイちゃんがこの人達に無理矢理バトルさせられてっ!!」
「ちょっと見せてみ」
俺は腰をかがめマイという神姫を見た。
猫型マオチャオか。
…うわー、このヤられかたは酷いなぁ。
右腕・右足・左足が完全に切り裂かれ、身体じゅうは傷だらけ、他にも所々に切り傷がある。
これは完全に違法改造武器でヤれたな。
「ご主人様!マイちゃんを助けてあげてください!!」
「無理だ。今から俺の家に持ち帰って修理しようとしても、途中で中身のCSCが機能停止し壊れるのがオチだ」
「そんな!?」
再び悲痛な顔になるアンジェラス。
何故他人の神姫を心配する事ができる。
同じ人形仲間だからか?
…ったく、しょうがねぇ~なぁ。
俺はポケットから携帯電話を取り出し、オヤッさんに電話した。
「よおー、閃鎖じゃねぇーか。いったいどうした?」
「ワリィんだけどよ。今すぐアンダーグラウンドの神姫センターに来てくれないか?」
「別にいいが…。なんかあったのか?」
「あったからこうして電話してるんだよ。至急来て欲しい」
「分かった。閃鎖の事だから、また何かやらかしたんだろ」
「いいや、まだ何もヤッてない。ちょっと猫型マオチャオの神姫の修理を頼もうと思って」
「修理?お前、負けたのか?」
「俺は猫型マオチャオを持ってない。どうでもいいから早く来てくれ。金は成功報酬という事で」
「分かった、すぐに行く」
電話の電源ボタンを押してポケットにしまう。
そして女の子の方に再び視線を向ける。
「おいガキ。お前の名前は?」
「グスッ…ヒク…」
「泣いてちゃ解らん。お前の神姫を治してやるから名前を言え」
「梶原…由香里…」
「由香里だな。さっき俺の電話の会話通り、今からオヤッさんが来る。それまでそのマイをしっかり持ってけ」
「あ、…はい…」
涙声で返事する由香里。
まぁ無理もない。
自分の大切な神姫がこうもボロボロにされたのだからな。
「ご主人様。私、この人達許しません!」
「はっ?お前、何を言って…まさか!?」
「私はこの男の子達の神姫にバトルを申し込みます!」
だぁー、勘弁してくれよ!
これ以上の揉め事には介入したくないんだ。
アンジェラスの事だから何かヤらかすと思っていたが…やっぱりヤらかしやがった。
「なにこいつ?神姫自らが勝負を申し込んできたよ」
「オモシレェ、やってやろうじゃないか!」
あぁ~あ、こいつ等もやる気だしちゃったよ。
こりゃあ後に引けないな。
「おい、アンジェラス」
「ごめんなさい、ご主人様。お仕置きは後で受けます。だから今だけは私の好きにさせてください」
真剣な顔で言うアンジェラス。
こうなったこいつはもう止まらないだろう。
…フッ、仕方ないなぁまったくもー!
「アンジェラス、こっち向けや」
「何ですか?」
ビシ!
「イッターィ!何でデコピンするんですか!?」
「なにが『今だけは私の好きにさせてください』だ。フザンケなよ、お前のオーナーは俺だ。勝手に決めつけてんじゃねーよ」
「ご主人様…」
「相手は俺が決める。テメェはバトルに備えて気持ち整えとけ」
「ご主人様!」
アンジェラスの顔は喜ぶ顔になった。
お前のせいだからな、こんな事になっちまったのは。
「おい、クソガキ共。あのマオチャオをボロボロにさせた奴は誰だ」
「俺だ」
一歩前に進んで進言してきた奴はいかにも悪ガキという名に相応しいツラと服装だった。
「テメェか、今からテメェにバトルに申し込む。どちらかの神姫が完全破壊するまでのデッドエンドバトルだ」
「いいぜ、あそこに見える筐体で待ってるぜ。青二才」
青二才?
俺が年上なのにか?
マジでムカつくクソガキだ。
バトルが終わった後にシメてやるか。
そんな時だった。
丁度良くオヤッさんが来た。
「おーい」
「Good Timingだな、オヤッさん」
「で、どれを直してもらいたいんだ?」
「あの由香里という女の子が持ってる猫型マオチャオだ」
「分かった。ほ~ら、お嬢ちゃん。おじちゃんと神姫を直しに行こうねぇ~」
穏やかな声でオヤッさん言うとあからさまに嫌な顔つきになる由香里。
まぁ、そりゃそうだよな。
いきなり知らないオジさんに声をかけられたんだから。
ある意味、今から女の子を誘拐でもしようと、している光景にも見える。
オヤッさん…哀れだ。
ここはフォローしてやるか。
「なぁ由香里」
「グスン…なに?」
「由香里はマイを直したいんだよな」
「うん!」
「ならそのオジさんの言う事を聞いて行け」
「でもぉ…」
「俺の言葉を信用してマイを直しに行くか、信用しないでそのままマイを死なすかは由香里が決める事だ。俺とアンジェラスはマイの仇を討ちに行く。だから先にこの筋肉ムキムキのオジさんと行け。後から俺も行くから」
「…うん、分かったぁ。必ず来てねぇ」
「そー決めたのなら早くいけ。時間は待ってくれないぞ」
「うん!」
泣顔でもオジさん…もといオヤッさんと一緒に行く由香里。
よし、後はバトルだけだ。
「行くぞ、アンジェラス!」
「はい!ご主人様!!」
俺とアンジェラスは筐体に向かって歩きだした。
はてさて、いったいどんなバトルを繰り広げことになるのやら。
…。
……。
………。
奴等の筐体はすぐに見つける事が出来た。
あんだけクソガキどもの取り巻きが出来てるのだからな。
「遅いぞ。ビビッて逃げ出したと思ったよ」
「残念だったな、クソガキ。俺はテメェ等程落ちぶれていないんでね」
「この野郎!後悔しても遅いからな」
ガキの癖によく吠える。
俺はネックレスを外し一つのペンダントをアンジェラスに渡した。
「これは何ですか?」
「俺のペンダントだ。と言いたい所だが、これはただのペンダントじゃない。これはお前専用の武器でもあるんだ」
「私の専用武器!?」
「名はGRADIUS。万能型のお前には壱番適切な大銃剣だ」
「大銃剣?」
「あぁ。こいつはこの先端が別れている先からレーザーを撃つ事が出来る優れものだ。まぁ、こいつ持ってバトルフィールドに入ればGRADIUSの性能がお前の身体にインストールされる。それでこいつの使い方が解るだろう。サブウェポンはOPTION。リアパーツはリアウイングM‐88対消滅エンジン。アーマーはFORCE FIELO。アクセサリーはFREE SHIELD。こいつ等はまだ未完成だが、性能はそれなりに使えるはずさぁ」
「インストール…それって前にご主人様が言っていた」
「そう、神姫侵食だ。こいつにやれるとその神姫は必ず破壊されるとんでもないウイルスだ。気をつけろ。」
「はい!」
「それと最後の情報。相手はハウリンだ。壱番厄介なのは違法改造武器のソード・オブ・ガルガンテュア。あれは相当な攻撃力があるはずだ。多分、由香里のマイという神姫もあれでヤられたと思う。だから押さえ込まれるな。解ったか?」
「大丈夫ですよ。私を信用してください!」
「そこまで言うなら大丈夫だな。行って来い、俺のアンジェラス!」
アンジェラスを筐体の中に入れると筐体が動きだし低い音で機械が起動する。
頼むぞ、アンジェラス。
それと…絶対生きて帰って来い!
アンジェラスの視点
私が筐体の中に入った瞬間世界が変わった。
どうやら今回のステージは荒れた荒野みたいです。
地面に落下した時なんか痛そう。
サブウェポン・リアパーツ・アーマ・アクセサリーは最初っからあるみたい。
それよりも早く武器を召喚しなくちゃ。
「GRADIUS!召喚!!」
そう言うと私の右手にグラディウスが召喚された。
これがグラディウス。
ご主人様が私用に作ってくれた武器。
とても綺麗で…とても攻撃力がありそう。
<Irregular Custom Weapon Installation Start>
「え?」
頭の中で女の声の電気信号が鳴り響いた同時に体中に電撃が走った。
い、痛い。
でもこのぐらいの痛さで嘆いては駄目です!
我慢しなければ!
<Irregular Custom Weapon Installation Completion>
「アグゥ…結構しんどいです~」
少々疲れてしまいましたが、この程度なら大丈夫です。
「大丈夫か!?」
「あ!ご主人様、私は大丈夫ですよー」
「そうか、良かったぁ。神姫侵食には犯されていないようだな」
ご主人様の顔は見れないけど声だけでも安心感が得られます。
「おっと。アンジェラス、敵さんのお出ましだ」
「エッ!?」
私は振り返るとそこにはハウリンが居た。
右手には大きなソード・オブ・ガルガンテュアを持っていた。
確かにあれで斬られた時はひとたまりもありません。
気をつけないと。
「さっきも行ったけど、絶対に押さえ込まれるなよ!」
「はい!」
ご主人様は念を押すように言う。
よっぽど私の事が心配みたい。
でも嬉しいです。
ご主人様が私の事をちゃんと思ってくれるから。
これなら…頑張れます!
「さぁ来なさい!」
「………破壊する」
バヒュン!
バヒュン!
お互い接近し間合いをつめる。
私はご主人様から渡されたグラディウスを握りしめ敵を睨みつける。
敵は相変わらず無表情で突撃してくる。
そして目には光りが灯ってなかった。
これが違法改造武器を使い過ぎて神姫侵食に飲まれた目…。
…あまりにも酷すぎます。
私は…絶対こんな風になりたくない!
だって、ご主人様が悲しむから!
「ヤァーーーー!」
「…ンッ!」
ガキャ!
敵のソード・オブ・ガルガンテュアと私のグラディウスがぶつかり合い火花が飛び散る。
ギリギリ!
力込め合い金属同士の擦れ合うのが耳に入る。
クッ!?
なんて力!
前に行った普通の神姫センターで闘った時よりも力が強い。
いいえ、強すぎます!?
ガギャギャギャギャーーーー!
バキン
「クウッ!?」
力に負け、グラディウスを弾かれてしまいバランスを崩してしまった。
この体勢ではマズイです!
私は一旦、リアウイングM‐88対消滅エンジンを使って急降下する。
敵のハウリンも私を追い掛けて急降下してくる。
でもスピードは私の方が上です!
「スピードアップ!」
<SPEED UP ONE>
キュィィィィバヒュンーーーー!!!!
「キャッ!」
スピードを一速を上げただけで、かなりのスピードが上がり私は驚愕した。
これが違法改造武器…。
なんていう性能なの!?
でもこの性能のおかげで敵との距離がかなり離す事が出来た。
「当たって!」
<ROPPLE LASER>
ピュピューン!
私はグラディウスを敵に向けてROPPLE LASERを撃った。
円状のレーザーで遠くになるにつれ円状の面積が広がっていく。
こんな広範囲型のレーザーなら大抵の神姫ならあったてしまう。
それに私の後ろに横一列に並んでるOPTIONもROPPLE LASERを撃つ。
これだけの弾幕なら避けれないでしょう。
「………」
敵のハウリンはROPPLE LASERを避けようとした…が。
バシッ!
あまりにも広範囲すぎて避けきれず左腕に命中してしまった。
…しかし。
バチバチ、バチュン!
「なっ!?」
そんな!?
左腕ごとROPPLE LASERで切断されても、痛い顔もせずに突っ込んでくる!
駄目、回避が間に合わなっ!?
ブオン!
バシン!
「アグッ!」
敵のソード・オブ・ガルガンテュアが見事に私に命中した。
でもFORCE FIELOとFREE SHIELDでなんとか守れたが、あまりにも強い衝撃で私は地面に叩き落された。
「カハッ!?…ウ、ウゥ…ッ…」
直接地面に叩きつけられたために背中から全身にまで強烈な痛みが走る。
い、息が吸えない。
「ゲホッ!ゴホ!!」
強制的に咳き込みをしてしまい、敵を見る事が出来ない。
それに苦しくて動けない。
FORCE FIELOとFREE SHIELDが起動していないという事はさっきの一撃で壊されてしまったという事。
もし次の攻撃を受けてしまったら…私は。
ズガン!
「ウッ!?」
腹に衝撃が走った。
苦しくても無理矢理顔を動かし敵のハウリンを見る。
するとそこには左足で私を踏みつけていて、右手に持ってるソード・オブ・ガルガンテュアでトドメを刺そうしていた。
駄目、ヤられる!
なんとかして避けないと!
右腕は動かせないけど、左腕を動かす事が出来ます。
だから左腕で敵の足を殴ればバランスを崩して狙いがハズレる筈です。
それなら!
「何処でもいいから、今すぐCYCLONE LASERを使え!」
ご、ご主人様!?
ご主人様が私にアドバイスしてくれた。
でも何故、遠距離攻撃のCYCLONE LASER。
グラディウスは右手に持ってるけどピクリとも動かす事が出来ない。
どう考えても避けた方が速い。
どうしよう!?
[[ご主人様を信用してCYCLONE LASERを撃つ!]]
[[やっぱり避ける方が先です!]]
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