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「第五話『Desert eagle』」(2007/08/17 (金) 07:46:40) の最新版変更点
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「ん・・・・はい、八谷です」
『あぁ八谷? 突然だけど明日の放課後あいてる?』
「うん、暇だけど・・・なに? どこか行くの?」
『ちょっと付き合って欲しい場所があるの二人で行きましょ』
「え、二人、で・・・?」
『そ、二人で。こんなこと八谷にしか頼めないし・・・お互いによく知ってたほうがいいでしょ』
「え、あ、え、と、確かに、そうだけど、その、いきなりは」
『何言ってんのよ。それじゃ、明日は神姫センターね。ちゃんとマイにゃんもつれてくるのよ。じゃね』
「・・・・・え、神姫センター? って七瀬? もしもーし?」
「・・・頑張るんだなん、青少年」
*
クラブハンド・フォートブラッグ
*
第五話
*
『Desert eagle』
「・・・・なるほど、こう言う事ね」
そして翌日の放課後、僕と七瀬は神姫センターの筐体に向かい合わせで座っていた。
今、筐体の中・・・・『都市ステージ』ではマイが辺りを警戒しながらゆっくりと進んでいった。
普段どおり身の丈ほどの日本刀に、首から提げた数珠がワンポイントだ。
対する七瀬のサラちゃんはスタート以来、まったく姿を見せていない。・・・・砂漠じゃないから、足元には注意しなくていいはずなんだけど。
「マイ、そのまま進んでみて」
『らにゃー! というか、何だか不気味なんだなん。普段のサラやんとナナやんなら、もっと突っ込んでくるはずだし』
そうなのだ。普段なら、あの重い装備の癖に接近戦を挑んでくるはずの七瀬が、沈黙している。
初めにほんの少し指示を出しただけで、筐体の向こうで指を組んでただ黙っている。正直かなり怖い。特に目つきが真剣そのものだ。
「一体何をするつもりなんだ・・・・?」
僕の独り言に関係なく、マイは言われたとおりに街を進む。そして次の角を曲がった瞬間。
マイの傍の電柱が弾けとび、遅れて轟音が轟いた。
----
**
サラ
----
「初弾、ミス」
『惜しいっ!外したか』
筐体の外でハルナが叫んだ。
今まで黙っていた分の反動でしょうか。ハルナは良く喋りますからね。
『そのまま撃ち続けなさい! 高かったんだからねそのスナイパーライフル!!』
今、わたしの手には砂色の狙撃銃が握られている。
可変ストックに不要時は折りたためるバレル(銃身)。倍率は5倍から30倍の可変倍率スコープ。作動方式はセミ/フルオート切り替え可能、装弾数十五発に暗視スコープ標準装備。わたしのヘルメットと併用することでサーマル(熱感知)スコープとしても使える優れもの・・・。
「こんな素晴らしい物を買っていただけるとは。・・・欲を言うと、やっぱりボルトアクションのほうが・・・・」
『店で見てきたけど連射出来ないじゃないあれ。戦争は火力と命中率よ』
「間違ってはいないんですがね・・・・やはりボルトにはボルトの良さもあるのですよ。具体的には」
『あんたのマニアックい説明は後で聞いてあげるから早く仕留めなさい! 逃げられちゃうじゃないの!!』
「仕方ないですね・・・御免なさいねマイ。戦場は常に地獄なのですよ」
そういったきり、わたしはスコープの中に意識を集中する。
十字のヘアラインが刻まれた向こう側ではマイが右往左往していた。無理も無い。目に見えない敵というのは恐ろしいものなのですよ。
とりあえず、映画の主人公は一撃で仕留めてましたから・・・・ヘッドショットを狙いましょう。ダメージによりますが、神姫バトルでも頭は一撃で死亡扱いですし。
筐体内に流れる風の速度を計算し、予測し、ビルなどの建造物による風の流れの変化すらも予測する。
そして、次に獲物が動く未来を予測し・・・・わたしは引き金を引いた。
----
**八谷
----
『痛ぇ!? いてぇのだ!!』
「落ち着けマイ! 状況を知らせるんだ!!」
『左手に当たった! まだ動くよ!?』
僕はマイの体力ゲージを確認する。
ゲージは三分の一ほど減っていた。
「うそだろ狙撃なんて・・・! そんな事する神姫、今まで聞いたことも無いぞ・・・・!」
今までの七瀬の戦い方から予測もつかない変化球だった。
今までどおりなら、バックパックの機械腕を展開して殴りかかってくるのに・・・・!
「御免なさいね八谷。今回は勝たせてもらうわ。・・・・これからも勝ち続けたいからね」
僕の視線に気づいたのか、筐体の向こうから七瀬がそういった。
なるほど、僕に付き合って欲しいことって新しい武装の試験か・・・・!
「まさか七瀬がこんな戦法で来るとはね。今回も白兵戦かと思ってたよ」
「そもそも今までが異常だったのよ。砲台にボクシングやらせても勝ち目無いでしょう?」
そういって七瀬は苦笑した。
それもそうだ。フォートブラッグで接近戦なんて普通しないよな・・・見慣れてるから気づかなかった。
『ハチやん! 談笑してないで指示よこすのだ!!』
「ひたすら前進! 飛んできた弾は弾き返せ!! 普段から他の神姫相手に良くやってるだろ? 普段どおりに行こう!!」
『らにゃー!』
僕はそう指示してもう一度七瀬を見る。
「面白くなってきたね、七瀬」
「そうね、八谷。・・・・サラ、構わないで撃ちなさい!」
筐体の中では、どこからか飛んできたライフル弾をマイが全て弾いていた。
長い日本刀はまるで蛇のように動き、弾丸はマイに届かない。
「出たわね。佐々木小次郎ばりの剣捌き。日本刀しか使わない代わりに、日本刀に関してはべらぼうに強いじゃない」
「それは七瀬もそうだよ。砂漠なら最強じゃないか。・・・さぁ、もう銃は効かないよ。初弾と二発目で決めておくべきだったね。このまま近づければ、僕達の勝ちだ」
僕は七瀬にそういう。
しかし言われた方の七瀬は笑いながらこう呟いた。
「・・・・それはどうかしら」
その呟きは僕には届かず。視線は再び筐体の中の都市へと注がれる。
そこではマイがライフル弾を弾きながら走っていた。
どうやらサラちゃんがどこにいるのか見つけたらしい。
『にゃははははははー! 当たらず! この! マイマイにはああ!!』
「・・・・違うわ。マイにゃん、もう当たってるのよ」
七瀬がそう呟くと同時に、放たれたライフル弾はビルの屋上に設置された大きな看板の留め金を打ち抜いた。
自重に耐え切れず落下していく看板。その下を、ちょうどマイが高笑いしながら走っていた。
「マイ! 避けろ!!」
『にゃははははははー!! ・・・・・・・・うにゃ?』
僕の急な指示に、マイは何も出来ずに看板の下敷きにされた。
うあー・・・痛そう・・・・。
「・・・マイ? 生きてるー?」
返事が無い。
体力ゲージを見てみる。
・・・・・・・・・ゲージが真っ赤だった。つまりは体力ゼロ。
「・・・・卑怯。上部をアップ」
僕がそういった瞬間、筐体に七瀬の名前がファンファーレ付きで表示された。
やっぱり負けたらしい。
・・・・サラちゃん、視認してすらいないし。
「やったじゃないサラ! 都市ステージで始めて勝ったわよ!!」
「そうですが・・・流石に最後の一撃はひどいような・・・・」
「勝ちゃ官軍よ。そもそも今まで負けまくってきたんだから。このくらいの勝利じゃないと吊りあわないわ」
そういって七瀬と、筐体から出てきたサラちゃんは笑う。
僕としては微妙な気分だな。・・・結果としてほっとかれてるし。
「八谷、マイにゃんも。今日はありがとね! お陰で勝機が出てきたわ!」
いきなり振り返ると笑いながら手を握られた。
「え、あ、う、うん。良かった、ね」
「・・・・赤くなっておるぞい。性少年」
字が違うぞバカ猫。
「すいませんねマイ。ですがこれも戦いですので」
「うぬぅ・・・・いつの間に腕を上げたのだいサラやん。この間まではあんな戦法したこと無かったのだなん」
「ついこの間です。マイ、ライダーと映画は素晴らしいのですよ」
「・・・・あたしにはサラやんが何いってんのかわかんにゃいけど。映画からひらめいたってのはわかったのだ」
僕は七瀬に握られた手をぶんぶん振られている。どうも握手をしているらしい。
珍しいな、七瀬がこんな風にはしゃぐなんて。
そんなに嬉しかったのか・・・・・。
「いやよかったわよちゃんと使えて! あれで駄目だったらどうしようかと思ってたのよね・・・・あのライフルのせいで貯金ぶっ飛んじゃったし」
「そんなにするのあれ!?」
「諭吉さんが・・・大量虐殺にあったわ」
「七瀬、キミ、頭悪いだろ」
「うるさいわね。・・・・どうせ赤点ぎりぎりを低空飛行ですよ」
そういうと七瀬は拗ねてしまった。
う・・・その顔は反則だよ。
と、いきなりポップな曲が流れた。
七瀬の携帯だったらしく、七瀬は拗ねるのをやめて確認する。そして・・・その表情が変わった。
よく判らないが驚いてる・・・ような・・・?
「どうしたの、七瀬」
「・・・・お姉ちゃんから、メールが来た」
そういって七瀬は僕に携帯を渡す。
画面を覗き込んでみると、そっけない文章でこう書いてあった。
『今週土曜、この神姫センターにて貴殿を待つ。二対二にて戦闘を申し込む。勝利した場合、貴殿には賞金を用意する。神姫を持参されたし。都』
・・・・これって、果たし状?
「あのバカ姉・・・多分センターの中にいるわね。昔っからこういう悪戯が好きだったし。多分私達の戦いもどこかで見てたんだわ。・・・・社会人の癖して何やってんのかしら。今日って平日じゃない」
「自営業でしょ。たまたま休みだったんじゃないかな」
自分で言っといてなんだけど、それでも十分駄目駄目な気がする。
っていうかそれよりも。
「どうするのさ。みや姉って確か上位ランカーでしょ」
「受けて立つわ。勝ったらお小遣いもらえるし・・・昔から、我が家の伝統でね」
そういって七瀬はメールの返事を書き始めた。
・・・さて、この流だと僕も参加せざる終えないようだ。
・・・まぁ。
七瀬の役に立てるなら、それでいいかな?
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「ん・・・・はい、八谷です」
『あぁ八谷? 突然だけど明日の放課後あいてる?』
「うん、暇だけど・・・なに? どこか行くの?」
『ちょっと付き合って欲しい場所があるの二人で行きましょ』
「え、二人、で・・・?」
『そ、二人で。こんなこと八谷にしか頼めないし・・・お互いによく知ってたほうがいいでしょ』
「え、あ、え、と、確かに、そうだけど、その、いきなりは」
『何言ってんのよ。それじゃ、明日は神姫センターね。ちゃんとマイにゃんもつれてくるのよ。じゃね』
「・・・・・え、神姫センター? って七瀬? もしもーし?」
「・・・頑張るんだなん、青少年」
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クラブハンド・フォートブラッグ
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第五話
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『Desert eagle』
「・・・・なるほど、こう言う事ね」
そして翌日の放課後、僕と七瀬は神姫センターの筐体に向かい合わせで座っていた。
今、筐体の中・・・・『都市ステージ』ではマイが辺りを警戒しながらゆっくりと進んでいった。
普段どおり身の丈ほどの日本刀に、首から提げた数珠がワンポイントだ。
対する七瀬のサラちゃんはスタート以来、まったく姿を見せていない。・・・・砂漠じゃないから、足元には注意しなくていいはずなんだけど。
「マイ、そのまま進んでみて」
『らにゃー! というか、何だか不気味なんだなん。普段のサラやんとナナやんなら、もっと突っ込んでくるはずだし』
そうなのだ。普段なら、あの重い装備の癖に接近戦を挑んでくるはずの七瀬が、沈黙している。
初めにほんの少し指示を出しただけで、筐体の向こうで指を組んでただ黙っている。正直かなり怖い。特に目つきが真剣そのものだ。
「一体何をするつもりなんだ・・・・?」
僕の独り言に関係なく、マイは言われたとおりに街を進む。そして次の角を曲がった瞬間。
マイの傍の電柱が弾けとび、遅れて轟音が轟いた。
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**
サラ
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「初弾、ミス」
『惜しいっ!外したか』
筐体の外でハルナが叫んだ。
今まで黙っていた分の反動でしょうか。ハルナは良く喋りますからね。
『そのまま撃ち続けなさい! 高かったんだからねそのスナイパーライフル!!』
今、わたしの手には砂色の狙撃銃が握られている。
可変ストックに不要時は折りたためるバレル(銃身)。倍率は5倍から30倍の可変倍率スコープ。作動方式はセミ/フルオート切り替え可能、装弾数十五発に暗視スコープ標準装備。わたしのヘルメットと併用することでサーマル(熱感知)スコープとしても使える優れもの・・・。
「こんな素晴らしい物を買っていただけるとは。・・・欲を言うと、やっぱりボルトアクションのほうが・・・・」
『店で見てきたけど連射出来ないじゃないあれ。戦争は火力と命中率よ』
「間違ってはいないんですがね・・・・やはりボルトにはボルトの良さもあるのですよ。具体的には」
『あんたのマニアックい説明は後で聞いてあげるから早く仕留めなさい! 逃げられちゃうじゃないの!!』
「仕方ないですね・・・御免なさいねマイ。戦場は常に地獄なのですよ」
そういったきり、わたしはスコープの中に意識を集中する。
十字のヘアラインが刻まれた向こう側ではマイが右往左往していた。無理も無い。目に見えない敵というのは恐ろしいものなのですよ。
とりあえず、映画の主人公は一撃で仕留めてましたから・・・・ヘッドショットを狙いましょう。ダメージによりますが、神姫バトルでも頭は一撃で死亡扱いですし。
筐体内に流れる風の速度を計算し、予測し、ビルなどの建造物による風の流れの変化すらも予測する。
そして、次に獲物が動く未来を予測し・・・・わたしは引き金を引いた。
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**八谷
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『痛ぇ!? いてぇのだ!!』
「落ち着けマイ! 状況を知らせるんだ!!」
『左手に当たった! まだ動くよ!?』
僕はマイの体力ゲージを確認する。
ゲージは三分の一ほど減っていた。
「うそだろ狙撃なんて・・・! そんな事する神姫、今まで聞いたことも無いぞ・・・・!」
今までの七瀬の戦い方から予測もつかない変化球だった。
今までどおりなら、バックパックの機械腕を展開して殴りかかってくるのに・・・・!
「御免なさいね八谷。今回は勝たせてもらうわ。・・・・これからも勝ち続けたいからね」
僕の視線に気づいたのか、筐体の向こうから七瀬がそういった。
なるほど、僕に付き合って欲しいことって新しい武装の試験か・・・・!
「まさか七瀬がこんな戦法で来るとはね。今回も白兵戦かと思ってたよ」
「そもそも今までが異常だったのよ。砲台にボクシングやらせても勝ち目無いでしょう?」
そういって七瀬は苦笑した。
それもそうだ。フォートブラッグで接近戦なんて普通しないよな・・・見慣れてるから気づかなかった。
『ハチやん! 談笑してないで指示よこすのだ!!』
「ひたすら前進! 飛んできた弾は弾き返せ!! 普段から他の神姫相手に良くやってるだろ? 普段どおりに行こう!!」
『らにゃー!』
僕はそう指示してもう一度七瀬を見る。
「面白くなってきたね、七瀬」
「そうね、八谷。・・・・サラ、構わないで撃ちなさい!」
筐体の中では、どこからか飛んできたライフル弾をマイが全て弾いていた。
長い日本刀はまるで蛇のように動き、弾丸はマイに届かない。
「出たわね。佐々木小次郎ばりの剣捌き。日本刀しか使わない代わりに、日本刀に関してはべらぼうに強いじゃない」
「それは七瀬もそうだよ。砂漠なら最強じゃないか。・・・さぁ、もう銃は効かないよ。初弾と二発目で決めておくべきだったね。このまま近づければ、僕達の勝ちだ」
僕は七瀬にそういう。
しかし言われた方の七瀬は笑いながらこう呟いた。
「・・・・それはどうかしら」
その呟きは僕には届かず。視線は再び筐体の中の都市へと注がれる。
そこではマイがライフル弾を弾きながら走っていた。
どうやらサラちゃんがどこにいるのか見つけたらしい。
『にゃははははははー! 当たらず! この! マイマイにはああ!!』
「・・・・違うわ。マイにゃん、もう当たってるのよ」
七瀬がそう呟くと同時に、放たれたライフル弾はビルの屋上に設置された大きな看板の留め金を打ち抜いた。
自重に耐え切れず落下していく看板。その下を、ちょうどマイが高笑いしながら走っていた。
「マイ! 避けろ!!」
『にゃははははははー!! ・・・・・・・・うにゃ?』
僕の急な指示に、マイは何も出来ずに看板の下敷きにされた。
うあー・・・痛そう・・・・。
「・・・マイ? 生きてるー?」
返事が無い。
体力ゲージを見てみる。
・・・・・・・・・ゲージが真っ赤だった。つまりは体力ゼロ。
「・・・・卑怯。上部をアップ」
僕がそういった瞬間、筐体に七瀬の名前がファンファーレ付きで表示された。
やっぱり負けたらしい。
・・・・サラちゃん、視認してすらいないし。
「やったじゃないサラ! 都市ステージで始めて勝ったわよ!!」
「そうですが・・・流石に最後の一撃はひどいような・・・・」
「勝ちゃ官軍よ。そもそも今まで負けまくってきたんだから。このくらいの勝利じゃないと吊りあわないわ」
そういって七瀬と、筐体から出てきたサラちゃんは笑う。
僕としては微妙な気分だな。・・・結果としてほっとかれてるし。
「八谷、マイにゃんも。今日はありがとね! お陰で勝機が出てきたわ!」
いきなり振り返ると笑いながら手を握られた。
「え、あ、う、うん。良かった、ね」
「・・・・赤くなっておるぞい。性少年」
字が違うぞバカ猫。
「すいませんねマイ。ですがこれも戦いですので」
「うぬぅ・・・・いつの間に腕を上げたのだいサラやん。この間まではあんな戦法したこと無かったのだなん」
「ついこの間です。マイ、ライダーと映画は素晴らしいのですよ」
「・・・・あたしにはサラやんが何いってんのかわかんにゃいけど。映画からひらめいたってのはわかったのだ」
僕は七瀬に握られた手をぶんぶん振られている。どうも握手をしているらしい。
珍しいな、七瀬がこんな風にはしゃぐなんて。
そんなに嬉しかったのか・・・・・。
「いやよかったわよちゃんと使えて! あれで駄目だったらどうしようかと思ってたのよね・・・・あのライフルのせいで貯金ぶっ飛んじゃったし」
「そんなにするのあれ!?」
「諭吉さんが・・・大量虐殺にあったわ」
「七瀬、キミ、頭悪いだろ」
「うるさいわね。・・・・どうせ赤点ぎりぎりを低空飛行ですよ」
そういうと七瀬は拗ねてしまった。
う・・・その顔は反則だよ。
と、いきなりポップな曲が流れた。
七瀬の携帯だったらしく、七瀬は拗ねるのをやめて確認する。そして・・・その表情が変わった。
よく判らないが驚いてる・・・ような・・・?
「どうしたの、七瀬」
「・・・・お姉ちゃんから、メールが来た」
そういって七瀬は僕に携帯を渡す。
画面を覗き込んでみると、そっけない文章でこう書いてあった。
『今週土曜、この神姫センターにて貴殿を待つ。二対二にて戦闘を申し込む。勝利した場合、貴殿には賞金を用意する。神姫を持参されたし。都』
・・・・これって、果たし状?
「あのバカ姉・・・多分センターの中にいるわね。昔っからこういう悪戯が好きだったし。多分私達の戦いもどこかで見てたんだわ。・・・・社会人の癖して何やってんのかしら。今日って平日じゃない」
「自営業でしょ。たまたま休みだったんじゃないかな」
自分で言っといてなんだけど、それでも十分駄目駄目な気がする。
っていうかそれよりも。
「どうするのさ。みや姉って確か上位ランカーでしょ」
「受けて立つわ。勝ったらお小遣いもらえるし・・・昔から、我が家の伝統でね」
そういって七瀬はメールの返事を書き始めた。
・・・さて、この流だと僕も参加せざる終えないようだ。
・・・まぁ。
七瀬の役に立てるなら、それでいいかな?
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