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「徒然続く、そんな話。 第十節。(前)」(2007/06/16 (土) 13:24:06) の最新版変更点
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雑踏、そして、踏み出す一歩。
「碧鈴ー、多少弱めにしておけよー、センサー感度……耳に来るぞ?」
耳当てつきヘルメットを擦って、撫でるように
「ま、マイロードに言われなくても判ってます」
少し照れながら、碧鈴はヘルメットの感度を合わせる。
「ほう……これは、心地良い、な」
威風堂々としている、ディス
「心地いいって何がさ、ディス……つーか降りねーと落ちたら探せねえぞー?」
ディスに軽く注意、この雑踏の中では落ちたら探せないし、それとこいつ、放っておくとろくなことしないし
「……全く難儀じゃのう……それに、儂は混沌が好きなのじゃよ」
よいしょ、と胸ポケットの中に戻り。
「大体、充電切れたら大変なんだから考えろー、一応ポケットスタイルは持ってるけどさ……つーかここ込むから落としたら探すのに」
「ふふっふ、碧鈴ー、このところスキンシップが足らんのう、うりうり」
「きゃうー!?……助けてマイロードぉ、はぁん……やめ、ディスぅ、やめ、尻尾はぁ」
「ふっふっふ、良いではないか良いではないか」
ディスのセクハラタイム発動……尻尾を握ったり耳を舐めたり……人の話聞ききなさい
「お前らー、ここ街中街中」
「あう、まぃ、ろーぉどぉ……はぁ♪」
「なんだ、主、混ざるか?」
「混ざるかこの色ボケ!?」
いや、ちょっと揺れたし、なあ、碧鈴可愛いし?
つい、大声で突っ込みを入れた、その先は……
聖地アキハバラ。
元は職人街から生まれた、全ての混沌が集う場所にして
そして、今は神姫の諸々を扱うショップも増えた、この町になぜかやって来た、その理由は……
梅雨も近づいたそのとき、エルゴでアルバイト日和の自分。
「早人ー、御遣い頼んでいいー?」
先輩が、ふと呟いたその一言。
「……お使いがアキハバラって何?」
「まあ、まあまあ、落ち着いてマイロード」
「……いや、まーいいんだけどさ」
「主も少しはのんびり考えるといい、んむ」
ディスの手には、神姫用の「ラーメン缶・喜多方ラーメン味」
「いや、ディス、お前ナチュラルに言うな、お前のせ……いや、いいか」
碧鈴、前回のエルゴレンタル事件、気にしてるしなあ、とまあいい。
「大体に、えーと、まあいいか……で、どこだっけ?」
「……ええと、ウェポンズガレージ、A&Ω(エー&オメガ)……ですね。」
ため息をつく俺に、碧鈴が呟く。
「……そりゃまた剣呑な名前だなあ」
「何を気に病むかは知らんが、とっとと済ませて、ショップを見て回るのだろう?」
ディスが呟く、まーそりゃそーか。
「うし、ごーごー」
気合を入れて、進む。
そして……到着。
「いらっしゃいませー、エー&オメガへようこそ、ご主人様♪」
えーと、ここはMMS用の武器ショップですよね?
何故にメイドさん店員なのかと
金髪のふわふわではちみつみたいな、柔らかそうな長い髪
青い、海のような眼のクラシックなメイドさんが、MMS用の武器の陳列してある狭い店内に、鎮座しておられる。
「ほうほうそこの娘ちょっと来い」
ディスがちょっかいかけようとしてるし、まったく、と静止をかけようとした瞬間。
「断る、つーか娘じゃねえし、つかそーいう店じゃねえし」
唐突に態度が変わって
「それに俺は男だ」
「「……へ?」」
碧鈴とディスの時が止まる、ZA☆ワールドっ!
…
……
………そして時は動き出す。
ま、おれは異常事態には慣れてるので、はい
「あー、これは似合うから着てるだけな、うん」
「あのー、何故にまた?」
おずおずと、碧鈴、うんありがとう正直、俺も聞きたかった。
「ん、ああ良く聞いた、まーあれよ、可愛い俺ちゃんが着ないと誰が着るのよ?」
「世の中の損失ってやつ?……つーか似合うヤツが着ればいーんだろ?」
いや、あってるけど正しいっつーかそのなんだ。
「まあ、儂はそんな考え方が好きじゃぞ?」
にやにやと笑いつつ、ディス。
「……素敵な考え方ですね……」
いや碧鈴、そこ共感しない
「ま、良いけど、俺はどーでも、えーと、店長居るかな?……エルゴの使いって言えばわかるって」
用件を済ますことにする。
「ん、ああ、店長か、おーい、素直ー、出て来いー、客だー!!」
どたどたとカウンターの中に、いやスカート捲れてるしさ、台無し、態度で正直。
「……おはようございます、っと、エルゴさんから、ですか?」
出てきたのは、和服に長身、漆黒の髪で、美形の人影。
「あ、はい、これですけど……どうぞ」
箱を渡す、中身はこまごまとした物らしい、と店長が言ってた。
「どうも、と……正直、びっくりしたでしょう?」
「誰のことだこの駄目素直、うりうり」
「あうっ、あうっ」
店長の、素直さんにうめぼししている
いや、言わずして判るしな。
「ちなみにこいつ女な、うん」
……逆転ですか、はい、なんか納得した。
店内を見回す。
MMS用の巨大で、それは剣とは言えないほどに無骨で、鉄塊とは言えないぐらいに鋭利な剣。
儀式用に見えなくも無い飾りのついた刀剣。
昔の刀を再現した「ダマスカス」
古式のフリントロック式銃。
なぜかトンファーとか多いし。
そして、仕込みモップと仕込み箒……これぜってぇそこのメイドの趣味だろ。
「ほうほう」
うっとりと見詰めるディス。
「わぁ……」
呆然と見る、碧鈴。
ぶっちゃけ、狭い店内ながら、手持ち武器っつーカテゴリにおいては一流である。
「で、ええと……早人さん、で良いですよね?」
素直さんが見詰めてくる、何故に背とかすらっと長いのに気弱ですか貴女。
「あー、なるべくなら工藤で、後ろのお方がめっさ睨んでるので」
ごごごご、と金の髪を逆立てながら、睨んでくる美形メイド(男)
「……もう、あのひとは、ええと、工藤さん、えと頼み事が」
おどおどしながら聞いてくる和服の美形(女)
「……まあええと、良いですよ、どーせぶらつくつもりでしたし」
碧鈴とディスは商品を見ている、ディスが刀剣について薀蓄を語っているので大丈夫だろう。
尻尾振ってるし、うん、可愛いなー、うん……
「って、あの、その……」
「人の話聞けそこのボンクラっ!!」
「たわばっ!?」
蹴られた、何故にほわい。
「で、ええと、”ALChemist”に荷物を受け取りに行ってほしいんですよ、あの、えと」
「夜までやってるっつーし、行って来い」
いや、何でまた、いいけど。
「えと、何で、ですか?」
「あー、ええと、私、ちょっと、店長さんというか、あははは」
まー、判らんでもない、蹴られたし、俺も
「っていうかそこのメイドが行けば」
「メイドじゃねえよクリスだ種無し」
さりげに色々否定された気がする。
「あー、俺も苦手で、つーか確実に喧嘩する」
わかる、どっちも気性荒いし。
「えーと、まあ、判りました……これも”バイト”ですし」
苦笑、まあ夜まで居るし、良いだろう。
「……えと、ALChemist、行くんですか?」
気づけば碧鈴が傍に。
「そ、えーと、閉店前でいーんすよね」
「えと、あの、そうです」
もじもじと素直さん、なんか不憫っつーか何と言うか
「ふむ、良いだろう、またあの少女に会えるかもしれんしな」
舌なめずりすんなディス、葵ちゃんか、まあ嫌いでは無いが。
いや、でもほんっと何か怖かったが、ディスのアレ、怒ってたんだろうか、あの商売テクは
「つーか、なんで素直さんにしないんだ?」
ふと沸いた疑問に、突っ込む、睨むクリスと怯える素直さん
「そりゃ、他人のお手つきに手は出さんよ」
……なるほど。
今回は続く。
徒然続く、そんな話。 第十節
裏返しの月 節終
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雑踏、そして、踏み出す一歩。
「碧鈴ー、多少弱めにしておけよー、センサー感度……耳に来るぞ?」
耳当てつきヘルメットを擦って、撫でるように
「ま、マイロードに言われなくても判ってます」
少し照れながら、碧鈴はヘルメットの感度を合わせる。
「ほう……これは、心地良い、な」
威風堂々としている、ディス
「心地いいって何がさ、ディス……つーか降りねーと落ちたら探せねえぞー?」
ディスに軽く注意、この雑踏の中では落ちたら探せないし、それとこいつ、放っておくとろくなことしないし
「……全く難儀じゃのう……それに、儂は混沌が好きなのじゃよ」
よいしょ、と胸ポケットの中に戻り。
「大体、充電切れたら大変なんだから考えろー、一応ポケットスタイルは持ってるけどさ……つーかここ込むから落としたら探すのに面倒くさ」
「ふふっふ、碧鈴ー、このところスキンシップが足らんのう、うりうり」
「きゃうー!?……助けてマイロードぉ、はぁん……やめ、ディスぅ、やめ、尻尾はぁ」
「ふっふっふ、良いではないか良いではないか」
ディスのセクハラタイム発動……尻尾を握ったり耳を舐めたり……人の話聞ききなさい
「お前らー、ここ街中街中」
「あう、まぃ、ろーぉどぉ……はぁ♪」
「なんだ、主、混ざるか?」
「混ざるかこの色ボケ!?」
いや、ちょっと揺れたし、なあ、碧鈴可愛いし?
つい、大声で突っ込みを入れた、その先は……
聖地アキハバラ。
元は職人街から生まれた、全ての混沌が集う場所にして
そして、今は神姫の諸々を扱うショップも増えた、この町になぜかやって来た、その理由は……
梅雨も近づいたそのとき、エルゴでアルバイト日和の自分。
「早人ー、御遣い頼んでいいー?」
先輩が、ふと呟いたその一言。
「……お使いがアキハバラって何?」
「まあ、まあまあ、落ち着いてマイロード」
「……いや、まーいいんだけどさ」
「主も少しはのんびり考えるといい、んむ」
ディスの手には、神姫用の「ラーメン缶・喜多方ラーメン味」
「いや、ディス、お前ナチュラルに言うな、お前のせ……いや、いいか」
碧鈴、前回のエルゴレンタル事件、気にしてるしなあ、とまあいい。
「大体に、えーと、まあいいか……で、どこだっけ?」
「……ええと、ウェポンズガレージ、A&Ω(エー&オメガ)……ですね。」
ため息をつく俺に、碧鈴が呟く。
「……そりゃまた剣呑な名前だなあ」
「何を気に病むかは知らんが、とっとと済ませて、ショップを見て回るのだろう?」
ディスが呟く、まーそりゃそーか。
「うし、ごーごー」
気合を入れて、進む。
そして……到着。
「いらっしゃいませー、エー&オメガへようこそ、ご主人様♪」
えーと、ここはMMS用の武器ショップですよね?
何故にメイドさん店員なのかと
金髪のふわふわではちみつみたいな、柔らかそうな長い髪
青い、海のような眼のクラシックなメイドさんが、MMS用の武器の陳列してある狭い店内に、鎮座しておられる。
「ほうほうそこの娘ちょっと来い」
ディスがちょっかいかけようとしてるし、まったく、と静止をかけようとした瞬間。
「断る、つーか娘じゃねえし、つかそーいう店じゃねえし」
唐突に態度が変わって
「それに俺は男だ」
「「……へ?」」
碧鈴とディスの時が止まる、ZA☆ワールドっ!
…
……
………そして時は動き出す。
ま、おれは異常事態には慣れてるので、はい
「あー、これは似合うから着てるだけな、うん」
「あのー、何故にまた?」
おずおずと、碧鈴、うんありがとう正直、俺も聞きたかった。
「ん、ああ良く聞いた、まーあれよ、可愛い俺ちゃんが着ないと誰が着るのよ?」
「世の中の損失ってやつ?……つーか似合うヤツが着ればいーんだろ?」
いや、あってるけど正しいっつーかそのなんだ。
「まあ、儂はそんな考え方が好きじゃぞ?」
にやにやと笑いつつ、ディス。
「……素敵な考え方ですね……」
いや碧鈴、そこ共感しない
「ま、良いけど、俺はどーでも、えーと、店長居るかな?……エルゴの使いって言えばわかるって」
用件を済ますことにする。
「ん、ああ、店長か、おーい、素直ー、出て来いー、客だー!!」
どたどたとカウンターの中に、いやスカート捲れてるしさ、台無し、態度で正直。
「……おはようございます、っと、エルゴさんから、ですか?」
出てきたのは、和服に長身、漆黒の髪で、美形の人影。
「あ、はい、これですけど……どうぞ」
箱を渡す、中身はこまごまとした物らしい、と店長が言ってた。
「どうも、と……正直、びっくりしたでしょう?」
「誰のことだこの駄目素直、うりうり」
「あうっ、あうっ」
店長の、素直さんにうめぼししている
いや、言わずして判るしな。
「ちなみにこいつ女な、うん」
……逆転ですか、はい、なんか納得した。
店内を見回す。
MMS用の巨大で、それは剣とは言えないほどに無骨で、鉄塊とは言えないぐらいに鋭利な剣。
儀式用に見えなくも無い飾りのついた刀剣。
昔の刀を再現した「ダマスカス」
古式のフリントロック式銃。
なぜかトンファーとか多いし。
そして、仕込みモップと仕込み箒……これぜってぇそこのメイドの趣味だろ。
「ほうほう」
うっとりと見詰めるディス。
「わぁ……」
呆然と見る、碧鈴。
ぶっちゃけ、狭い店内ながら、手持ち武器っつーカテゴリにおいては一流である。
「で、ええと……早人さん、で良いですよね?」
素直さんが見詰めてくる、何故に背とかすらっと長いのに気弱ですか貴女。
「あー、なるべくなら工藤で、後ろのお方がめっさ睨んでるので」
ごごごご、と金の髪を逆立てながら、睨んでくる美形メイド(男)
「……もう、あのひとは、ええと、工藤さん、えと頼み事が」
おどおどしながら聞いてくる和服の美形(女)
「……まあええと、良いですよ、どーせぶらつくつもりでしたし」
碧鈴とディスは商品を見ている、ディスが刀剣について薀蓄を語っているので大丈夫だろう。
尻尾振ってるし、うん、可愛いなー、うん……
「って、あの、その……」
「人の話聞けそこのボンクラっ!!」
「たわばっ!?」
蹴られた、何故にほわい。
「で、ええと、”ALChemist”に荷物を受け取りに行ってほしいんですよ、あの、えと」
「夜までやってるっつーし、行って来い」
いや、何でまた、いいけど。
「えと、何で、ですか?」
「あー、ええと、私、ちょっと、店長さんというか、あははは」
まー、判らんでもない、蹴られたし、俺も
「っていうかそこのメイドが行けば」
「メイドじゃねえよクリスだ種無し」
さりげに色々否定された気がする。
「あー、俺も苦手で、つーか確実に喧嘩する」
わかる、どっちも気性荒いし。
「えーと、まあ、判りました……これも”バイト”ですし」
苦笑、まあ夜まで居るし、良いだろう。
「……えと、ALChemist、行くんですか?」
気づけば碧鈴が傍に。
「そ、えーと、閉店前でいーんすよね」
「えと、あの、そうです」
もじもじと素直さん、なんか不憫っつーか何と言うか
「ふむ、良いだろう、またあの少女に会えるかもしれんしな」
舌なめずりすんなディス、葵ちゃんか、まあ嫌いでは無いが。
いや、でもほんっと何か怖かったが、ディスのアレ、怒ってたんだろうか、あの商売テクは
「つーか、なんで素直さんにしないんだ?」
ふと沸いた疑問に、突っ込む、睨むクリスと怯える素直さん
「そりゃ、他人のお手つきに手は出さんよ」
……なるほど。
今回は続く。
徒然続く、そんな話。 第十節
裏返しの月 節終
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