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神姫の日記帳・シンメイの日記-02 - (2007/03/25 (日) 23:04:40) のソース
**<シンメイの日記> 註:これは、久遠の神姫の「シンメイ」が書いた日記を、そのまま転載したものである。 ---- **3月10日 -後編- <[[前編からの続き>神姫の日記帳・シンメイの日記-01]]< さすがに私たちを人間の湯船に入れるのは・・・との事で、残念ですが 私たちはマスター持参の桶に湯を入れてもらい、そこで温泉入浴です。 もっとも、私たちにとって温泉に浸かる事は全く意味がありません。 が、その雰囲気だけでも何だかデータがデフラグされるようで・・・。 それに、横で湯に浮かぶマスターのお顔を見るだけで、私も大変に落ち 着きます。 ・・・エルガは、マスターと同様に湯に浮かんでいるのです が、浮かび方がまるで水死体のようでいただけません。 ・・・ってマスター!! マスターもそんなはしたない浮かび方をする のはやめて下さい!!! お風呂の後は、休息タイム。 マスターが言うところでは、十分な水分と適度な塩分、そして消費した カロリーの補充をするのが、温泉の後は大切なんだとか。 マスターはスポーツ飲料とお茶、それから何故かフライドポテトを買い、 休憩室でテレビを見ながらまったりごろ寝。 「にゃーん、食べるのー!」 ねだるエルガをつまみ上げ、珍しくマスターがフライドポテトを先にガツ ガツ食べています・・・あぁ、なるほど。これで塩分の補給をしている のですね!! 「食べる?」 ・・・マスター、嬉しいのですが・・・せっかく入浴してさっぱりした 私の身体を、その塩と油まみれの手でさわらないで下さい。。。 30分近く休んだのでしょうか。 ・・・あれ、マスターは上着をかぶり うたた寝しています・・・その袖口ではエルガも・・・。 あまり遅くなると寒くなってしまいます。私は心を鬼にして、ふたりを エルガのファンビーを使いひっぱたいて起こしました。 「あれ? 今誰かに蹴っ飛ばされたような・・・って、ああっ?!」 マスターがびっくりして飛び起きました。 何が起きたんですか? 「・・・エルガが目を回している・・・何があったんだ?」 またやってしまいました・・・マスターをひっぱたく感覚のままエルガも 叩いてしまったのです。 正直に申告しようかと思いましたが、この後 でアイスが食べられなくなると寂しいので、申し訳ないとは思いながら も黙っていることにしました。 エルガ、ごめんね・・・ でも、さっきの仕返しでもあるんですよ・・・。 何とかエルガが目を覚まし、マスターは雪見だいふくを買ってきました。 みんなで美味しく食べた後、温泉施設をあとにしました。 その後、ちょろりと足を伸ばして近場のダムを散策。 「おー! これがダムにゃのかっ!!」 「・・・規模としては小さいけれどね。」 あんまり走ると、転んで落っこちますよ! マスターの手から飛び降りてはしゃぐエルガに声をかけます。 マスター、 すなわちヒトにとっては大したことのない段差でも、私たちでは大きな 穴ともなります。 どうも、エルガはそのあたりの理解が足りなくて困り ます。。。 「天気悪いけれど、一枚撮っておく?」 マスターに言われ、私とエルガをダムの湖面側へ移してもらいそこで思い 思いのポーズを決めて写真を撮ってもらいました。 洗い場での一件が あったので、ちょっと誘ってみるような格好をしたのですが・・・。 朴念仁のマスターは、気づいてくれないんでしょうね、きっと。。。 そんなことをしていたら、背後で水音。 「にゃー!! 今お魚はねたのー!!」 エルガが叫び、駆け出します。 しかしここはダムの上、やもすれば湖水 に直行・・・! こら、落ちたら風邪ひくぞっ!! 必死で引き留める私。 マスター もすぐに気づいて、私とエルガをさっとつまみ上げました。 「あのなぁ・・・ここで落ちたら風邪どころか救出不能になりますが。」 その一言に、さすがのエルガもちょっと反省したようです。。。 ところで、今日の単車は先述の通り白い変なヤツなのですが、黒いのと 違いどこに座るか迷う形状です。その旨をマスターに尋ねてみたところ、 やはりどうするか考えているとのこと。 とりあえず、座れそうな所は ミラー横の追加部品がある所でしょうか・・・ってエルガ、どこに座って いるのですかあなたは。 「うにゃ?」 エルガ、ミラーにしがみつくだけでは風圧で吹っ飛ばされますよ? 「ふうあつ・・・ じゃぁ、ふうあつをやっつけるのー!」 「・・・。」 さすがのマスターもコメントが出ません・・・。 エルガの脳天気さが時折羨ましくなります。。。 「そろそろ帰るおー」 日もすっかり傾き、街灯の明かりが鮮やかになってきました。吹く風も 冷たさが増しています。 マスターがポケットを開けて待っています。 私とエルガは、急ぎその中へ。 ・・・あ・・・暖かい・・・? 「ふふふ、携帯懐炉の威力なのであーる!」 そんなモノまで用意していたのですか、この人は・・・! 「にゃふー、あったかいのだー!」 エルガ、そんなにもぞもぞ動かないで! このぬくもりを、もっと、ずっと、静かに感じたいんだから。。。 再びヘルメットを被り、単車に跨るマスター。 安全運転でお願いしますよ! もう道は暗いんですから、さっきみたい にアクセルを開けな・・・ 「わかってるって。お前たちもろとも吹っ飛ぶわけにはいかないからね。 いつも気にしてくれてありがとう。」 一度はめたグローブを外し、私の頭を撫でるマスター。 「さ、行くぞ。」 エンジンに火が入り、静かな山中に乾いたエンジン音が響きます。 「にゃにゃ? どこか故障したのか?」 いいえ、ちょっと疲れただけですから・・・。 いつの間にか顔が赤く なっていたのでしょうか。 エルガが心配そうに見ています。 私はポケットから顔を出し、楽しそうに単車を走らせるマスターを見上 げました。 始めは五月蠅くて、なんともクサイ単車だと思っていましたが、今では その音とニオイが何となく心地よく感じていたり・・・。だって、大好 きなマスターのニオイなんですもの・・・。 「おうシンメイ、落っこちるなよ。」 なんと、走りながらも私が顔を出したことに気づいているようです。 「顔出しているなら、ちょっとペース落とすかな。 寒いだろ。」 いいえ、大丈夫ですよ。 心の底から暖かいんです。 「はは、よく言うよ。 ・・・そろそろ桜の季節だな。 開花の便りに 併せて、こんどは伊東の温泉でもいこうかねぇ。・・・2人でね。」 そんな事真顔で言わないで下さい! もう、マスターってばっ!! ・・・またおでかけ、連れてってくださいね!! ---- [[<トップ へ戻る<>戦うことを忘れた武装神姫]]