「第十三話 「三郎さん家のアネゴさん 勝手に外伝 ~冬だ!熱海だ!人魚姫だ!?」」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
第十三話 「三郎さん家のアネゴさん 勝手に外伝 ~冬だ!熱海だ!人魚姫だ!?」 - (2006/10/22 (日) 11:24:39) のソース
-語られることのない戦士達の物語を話そう- 春まだ遠い2月初頭…とは言え、暖かな日が差し込む我が家。いつもと変わらぬ風景…ただ、 妹 が 居 る こ と を 除 い て は。 「おい優衣…何故お前がここにいる…学校はどうした、学校は。」 「え?休みよ、休み。」 「んなわけねぇだろ!窓を開いて外を見ろ!みんな元気に登校してるじゃねぇか!」 「やっだな~兄貴も~、卒業して7年も経っちゃったから忘れてるんだ~? 高校3年生はね…1月が終わると『自宅学習期間』ってのがあるのよ。つまり!既に進学が決まっている あたしにとってはまさに!卒業式までは残りの青春を自由に謳歌できる期間なのよぉ~ん♪」 「…うん、それは解った、思い出した。だがしかし、すでに俺の家でコタツに入って寝そべって、コニーと一緒に 朝っぱらからテレビ見ながらニンニク煎餅バリバリ喰っている理由にはならんだろう。」 「だって~、家にいると母さんが『ゴロゴロしてないで、少しは家のこと手伝いなさい!』ってうるさいんだも~ん。 それに四月から居ても今から居ても同じっしょ?ビアンカだってお姉さん達と早く会えて嬉しいわよね~?」 「はい!とっても嬉いです!」 「あ~、おんなじおんなじ~…(バリバリ)」 穢れ無きまっすぐな目で答えるビアンカ、ボヘ~っとニンニク煎餅を貪るコニー。 「同じじゃねぇよ…つーか、俺にもお前のいない天国のような生活をしばらく堪能させろよ…。」 「あ!そうそう。兄貴、これ出よう、これ!」 「人の話を聞けぇ!!…って、何だよこれ?」 優衣が目の前に突き出してきたのは、何かをプリントアウトした紙。 「今週末あるって言う『女性限定神姫バトル大会in熱海』!5位までの入賞者は耐水スーツとマーメイドユニットが! さらに!優勝者にはなんと!限定マーメイドユニット(レインボー仕様)が手にはいるのよ!良いでしょ!?でしょ!?」 「まーめいど!?にんぎょさんなのだ!ジャロもなりたいのだ~♪」 「はいは~い!ボクもなりた~い!」 「た…耐水素体でマスターと一緒にゆっくりとお風呂に…うふふふふふふ…(ポタ…ポタ…)」 「ヴェ…ヴェルお姉さま…?は…鼻から真っ赤な液体が…!」 「ん~…アタシゃなんでもいいや…あ~煎餅うめ~。(バリバリ)」 「ふむ…確かに興味深い…だが、 熱 海 ま で の 旅 費 は 誰 が 負 担 す る ん だ ?」 「もちろん兄貴。」 「…絶対行かない。」 「母さんに『兄貴がお見合いする決心が付いたって!』って報告する。」 「行きましょう…ええ是非とも。」 「よーし決定!週末はいざ熱海へっ!!行くわよみんな!!」 「「お~!」」 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉう!!」 「お姉さま…ヴェルお姉さま…!?」 「お~。(バリバリ)」 「お~ぅ……rて、始業に遅れるぅぅぅぅぅぅ!!」 ---- そして当日。 「さぁ!やって来たわよ熱海!真冬なのに熱い海と書いて熱海!」 「やぁぁぁぁぁぁぁって来ましたよぉぉう!」 「やってきたのだ!」 「やって来た!」 「やってきた~…っと。あ~寒みぃ~…。」 「ヴェルお姉さま…すごいテンションです…。」 「あ゛~~~~~~…疲れた………」 朝も早よから叩き起こされてドライバーさせられた俺の身にもなれってんだ…。なんかヴェルも妙に気合い入ってるし。 「…で?大会は何時からなんだよ?」 「え~っと…18時開催ね!と、言うことは…その間はゆっくり熱海見物が出来るわよ! きゃ~!MOA美術館とか貫一お宮の像とかローズガーデンとか足湯とか色々回れるわね~!楽しみ~!!」 「お前…最初からそれが目てk」 「さぁ!熱海観光へれっつご~!!」 「ご~なのだ!」 「人の話を聞けぇぇぇぇぇぇい!!」 そして18時、大会会場。 「へ…?受付終了……?」 「はい、受付は17時まででしたので…。」 「おい…どういう事だ………優衣?」 「えぇっ? ……あ!! あ…あははは…ここに『受付:13:00~17:00』って書いてあった…小さく;」 「キ・サ・マ・と・い・う・ヤ・ツ・は……!!!」 「あの…どうかしましたか…?」 「い…いえ……失礼しました~…;」 ざざん ざ~ざざん… ざざん ざ~ざざん… そして熱海某海岸。砂浜にたたずむ2人と1体。 「………ごめんなさい……お兄さま…。」 「ああ…もういい…。お前が言い出したことだ、大体こういうオチが待っている事は薄々解っていたさ…。 …なぁヴェル。」 「ええ…何となく…。」 「…もう笑おう。 …ふふ…ふははははは…あはははははははは……」 「あははははははははは…………」 「あはははははばばばばばばば…………(だば…だば…)」 「ヴェルお姉さま…!!顔中の色んな穴から真っ赤な液体が………;」 「あ~…たのしかったのだ~…ZZZZ…」 「満喫満喫~…ZZZZZ………」 「あ~、温泉饅頭うめ~(モグモグ)」 その夜、涙と鼻水(一部血涙鼻血erc...)まみれで海に向かって笑う男女2人と神姫1体が居たという…。 ---- そして同時刻、鶴畑邸。 コンコン… 「興紀様、失礼いたします。」 「おお、来たか。」 「はい…滞りなく。ご依頼のありました、本日熱海で開かれた『ドキッ!女だらけの温泉卓球大会in熱海』の賞品、耐水スーツに マーメイドユニット、そして優勝賞品の限定マーメイドユニット(レインボー仕様)の"予備"一式でございます。 なお、後日当家の誇る"女性"映像スタッフによる、あらゆるアングルから撮影(盗撮とも言う)し編集しました、大会ノーカット映像 (ポロリもあるよ!?)も届く運びとなっております。」 「うむ…パーフェクトだ、ウォルター。」 「感謝の極み。」 「…ところで、あの愚弟と愚妹は?」 「はい…興紀様の策どおり、1時間前、大急ぎで現地に専用高速ヘリで向かわれました。」 「ふっ…全く愚かな連中だ、我が鶴畑の財力とコネクションを持ってすれば、わざわざ愚民共の集まる大会などに行かずとも、 こうして労せず賞品+αが手に入る物を…。 さて、待ちわびていた物も来たことだ。さぁルシフェルよ!早速装備して大浴場で2人きりで楽しむぞ!」 「イエス、楽しみですマスター!」 「ふははははははははは……あ―――――――っはっはっはっはっ………」 ここでも、愉悦に浸り笑い狂うイケメン大学生の姿があった。 そして… 「間に合いませんでしたわね…兄様」 「ああ…そうだな…笑おう…」 「ええ…笑いましょう…」 「「あははははははははははははは………………………」」 別の海岸で、涙と鼻水にまみれて海に向かって笑うピザ2匹が居たという。 三郎さん家のアネゴさん かってに外伝 ~冬だ!熱海だ!人魚姫だ!?の巻~ ギャフン end