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徒然続く、そんな話。 第二節。 - (2007/02/05 (月) 17:46:14) のソース
碧鈴と俺、早人が出会った次の日。 今日は碧鈴の周りのものを購入しに出かける事に。 そらは快晴、良さかな良さかな……序に《耳》の事、なんとかしてやれれば良いんだけど。 「……ふう」 めをしぱたたかせて、碧鈴の心配して眠れなくて事故なんて阿呆すぎて申し訳ない。 「……どうしました、マイロード」 気遣わしげに、碧鈴が声をかけてくれる。 「……いや、なんというか、あれだ……昔のMMOの装備みたいな」 苦笑しながら、話題を変える。 状況説明……碧鈴を頭にのっけて、車で移動中である、以上。 ラジオから伝わる雑音と歌う、彼女のバックグラウンドミュージック。 流れるのは、昔流行った、語りのほうが多い、幻想曲。 「……案外美味いよな、歌」 聴きながら呟く、碧鈴は現在、昨日徹夜して作った耳あてをして、集音センサを鈍くしている。 「……そんなこと、ないです」 真っ赤になりつつ否定、でも尻尾が横に揺れている、これも昨日つけたもの。 素直に喜んでくれるといーんだけど、ね、でも可愛いから良しとする。 「……マイロードが、そう言うなら、時々、そーします」 ぼそっと、呟く 「……さんきゅ」 小さな声で呟いてやると、照れてそっぽ向いて景色を見ている。 そして綺麗な歌、ハミングだけど――――これは、あれか 「あー、これあれか、自分が魔物になる前にいとしい人に殺してもらうって歌か」 「ええ、なぜか気に入ってしまって……私が魔物みたいなものですけど、今の状況だと」くすくす、と笑う 「馬鹿」 赤信号で止まったあと、ぺちこん、と指で頭を叩く。 「……な、何をするんですか、マイロード……」 えう、と不満げに 「そゆ事言うの禁止だっつーの」 ため息一つをして 「……歌ってくれよ、今度は、優しい歌、俺のために」 ふふ、と笑い、促す。 「……あ、あう、はいっ!」 次につむぐのは、未来への歌……、先への希望に満ちた詩。 「良し」 小さな声で呟いてやる。 「~~~♪」 楽しそうに歌う、言うと後で怒られそうなので、何も言わないが――――ぶっちゃけ可愛い。 後ろからクラクションの音 「っと」 信号が青なのにようやく気づいた、慌ててアクセル。 「~~~~」 クラクションを直で食らってふらふらしてる、あー、そのすまん 「悪い、もーちょっとしたら付くから」 「気にしないでください、マイロード」 尻尾が、下に下がってる、あ、また気にし始めた。 「ほい、っと」 碧鈴に、近くにあったポテチの袋を手渡し。 「……マイロード、これは?」 もっともな疑問をぶつけてくる。 「あ、すまん、つい」 苦笑、これじゃ子供の扱いと変わらない上に碧鈴食べれないじゃないか。 「……」 びり、と袋を頭の上で開ける音。 「……へ?」 上を見れないので気配で察する 「……むしゃむしゃもぐもぐ」 租借音が響く。 「へ、碧鈴さん?」 思わず呟いて 「……なんですかマイロード?」 あー、頭に粉が粉がっ! 「……食べれないんじゃなかったでしたっけ?」 「マイロードから頂いたものは、食べれなくてはいけません」 平然と呟く。 「ば、馬鹿壊れるっつーの」 慌ててとめようとしたけど 「もう空ですけど、特に異常は見られませんが?」 「……一応、行ったら見てもらおうな、うん」 心配そうに、呟く。 「イエス、マイロード」 嬉しそうに、尻尾を振りながら、出来るだけ無感情に答える。 「……で、味とか分かった?」 もどかしいような、じれったいような空気を切り払うように、呟く。 「……いいえ、ですが……」 少し、照れたような物言いで 「マイロードの、味、なんだと、思います」 こう、呟いた。 「……」 いかん、ちょっとあんまりにも、これは、むう それから運転中は、ずっと結局前かがみでしたとさ。 徒然続く、そんな話。 第二節 詩とポテチとちょっとした事情、節終。 [[続く>徒然続く、そんな話。 第三節。]] [[戻る>徒然続く、そんな話。]]