「「ドラゴン-2」」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
「ドラゴン-2」 - (2011/10/29 (土) 20:24:03) のソース
*第3部 「竜の嘶き」 **「ドラゴン-2」 ---- からっと晴れた秋空でパッパッと空中で閃光が瞬きそして消えていく・・・ 2041年10月22日 天王寺公園神姫センター 第3フィールド森林ステージ チーム名「ドラケン戦闘爆撃隊」 □ 戦闘爆撃機型MMS「シャル」 Sクラス □ 戦闘爆撃機型MMS「ライラ」 Aクラス □ 戦闘爆撃機型MMS「セシル」 Aクラス オーナー名「伊藤 和正」♂ 27歳 職業 工場設備関係メーカー営業員 VS チーム名「タイフーン・エンジェルズ」 □天使型MMS「リアノ」 Sクラス □天使型MMS「エステル」Aクラス オーナー名 「倉田 律子」♀ 17歳 職業 女子高校生 □天使型MMS「コレット」Aクラス □天使型MMS「アニス」Aクラス オーナー名 「新名 夕菜」♀ 17歳 職業 女子高校生 ウオオオオオオン!! スラスターを吹かしながら直上から4機のアーンヴァール・テンペスタが襲いかかる。 ライラ「テンペスタだ!!直上から4機ッ!!」 ドガッガッガガッ!! アルヴォ機関銃を発砲するテンペスタ、弾道がドラッケンに吸い込まれるように命中しビシバシと当たる。 セシル「うわーうわああああああああ!!」 #ref(xDSC09880.jpg) エステル「くそっ!なんて装甲だ!あれだけ当てても落ちないのかい!」 アニス「硬えェーーー!!クソがッ!!」 倉田「装甲の薄いエンジン部分か、頭を狙え」 ライラ「シャル!!後ろにつかれました!」 シャル「だめだ!!俺にもついてきた!!」 ここ、天王寺公園神姫センターでは最近、テンペスタ使いの女子高校生たちが頻繁に出入りして第3フィールド森林ステージにあるA飛行場を掌握しようと連日激しい航空戦闘が繰り広げられていた。 しかも女子高校生たちは、たちの悪いことに機動性の高いテンペスタで、鈍重な戦闘爆撃機型神姫や重武装の神姫ばかりを執拗に狙いスコアを荒稼ぎする行動を繰り返していた。 テンペスタに怯えて、対地攻撃に優れた伊藤の神姫たちやほかの航空神姫たちが出撃しなければ、飛行場から少し離れた前線にいる騎士型や砲台型はアイゼンイーグルを持った悪魔型や戦車型の神姫に撃滅されてしまう。 ぐるぐると同じようなイタチごっこに近い状態がかれこれ数週間以上続いていた。 そこで、伊藤は同じドラッケン戦闘爆撃機型MMSを使う近隣のオーナー数人に声をかけて一気に形勢を挽回しようと考えていたが・・・ 悲しいことに、この伊藤という男はアホだった とても残念なくらいに。 シャル「・・・・・あの・・・マスター・・・」 伊藤がのんびりと経済新聞を広げてくつろいでいる。 伊藤「んーどうしたシャル?」 シャル「今日、増援のドラッケンが8機くるんですよね・・・」 伊藤「ああ、そうだ。今日の2時にこのA飛行場に来るように神姫センターの公共掲示板に書いておいたけど?」 シャル「・・・」 伊藤「・・・・・・」 注意 神姫センターの公共掲示板は誰でも手軽に見れます。 ライラやセシルは冷たい眼で伊藤を見る。 シャル「さっき、例のテンペスタが出没する上空付近で通信が途絶えたんですけど・・・」 伊藤「あー・・・うううん・・・」 ボスボスブスン・・・ ヨタヨタと1機のネービーブルーのドラッケン戦闘爆撃機型が飛行場に姿を現す。 シャル「まさか、あれじゃないでしょうね?」 どよどよと周りの航空MMSたちにも動揺が走る。 エーベル「・・・また1機か・・・」 エーベルは肩をすくめて苦々しい顔をする。 ガッシャーーン 滑走路に不時着するドラッケン。 □戦闘爆撃機型MMS「リイン」 Aクラス オーナー名「伊上 直人」♂ 26歳 職業 総合卸商社営業員 リイン「クソッタレ!アーンヴェルだ!!!待ち伏せされていた!頭から振って来やがった!」 リインは大声で周りの神姫たちに興奮して叫ぶ。周りの神姫たちは、怯えたように上空を警戒する。シャルはすっとリインに近寄る。 リイン「全滅だ!みんな殺られちまった!!8機いて生き残ったのは俺だけだ!!」 悲鳴のように喚き、恐怖で引きつった顔のリインの顔面をシャルが握りこぶしを固く握って殴る。 バキィ!! リイン「グッァ!」 どしゃあと地面に倒れるリイン。 シャル「落ち着け小娘、落ち着いて報告しろ・・・」 呆然とするリインにエーベルがすっとお茶を差し出す。 エーベル「まあ、とりあえずこれでも飲めよ」 リインはしばらくあっけに取られていたが、エーベルから差し出されたお茶を飲むとふうと息を大きく吐いて落ち着く。 シャル「さっきは殴ってすまなかったな、あまり騒ぐとこの飛行場にいるほかの神姫たちに動揺が広がるからな・・・」 リイン「いえ、こちらこそ・・・取り乱してすみませんでした・・」 生真面目な顔をしたリインは軽くシャルたちに挨拶する。 リイン「この第3フィールド森林ステージのA飛行場への応援に来ました、リインです」 シャル「俺はシャルだ。まあ、仲良くやろうや・・・それで状況は?」 リインは近くのホワイトボードに駆け寄りさきほどの空中戦の状況を説明する。 リイン「テンペスタが・・・たぶん6機、最初の一撃でこちらは3、4機殺られたと思います。後は逃げるだけで精一杯でした」 シャルはホワイドボードにかかれた状況を見て顎に手を添えてうぼずく。 シャル「割とよく見えているな」 リイン「は?」 シャル「そう言う時はもっと敵の数を多く言うもんだがな」 横目でちらりとシャルが伊藤を睨む。 シャル「マスター・・・」 伊藤「いやあ・・・災難だったね、来て早々あれなんだけど、とりあえず、うちのシャルたちと一緒に戦ってほしいんだ。君のマスターにはメールで伝えとくよ」 リイン「わかりました」 伊藤「シャル、A飛行場を案内してやれ」 シャルは同じ仲間のライラとセシルを軽く紹介すると、飛行場を案内する。 シャル「今日の出撃はもうないだろう、ゆっくりしていっていいぞ、四波目のテンペスタ共はリインたちとカチ合ってしまったからな」 リイン「四波目?」 シャル「そうだ、ここは大阪市内でも京橋、日本橋に負けん激戦地区だからな」 2041年10月23日 待機所で数十機の航空MMSが集まってホワイトボードの前に集まって今日のバトルロンドの戦いについて作戦会議を行なっている。 シャル「本日の出撃は、地上攻撃ではない、テンペスタが相手だ。同じ赤チーム内の戦乙女型のチームと協同で敵攻撃隊を迎撃する」 シャルはホワイトボードを指差す。 シャル「敵のB飛行場東方上空まで行き、反転、飛行場上空にで敵機を迎撃する」 ヒュイイイイインン・・・ 甲高いエンジン音が一斉に唸りだし、A飛行場から次々に武装神姫が飛び立っていく。 チーム名「ドラケン戦闘爆撃隊」 □戦闘爆撃機型MMS「シャル」 Sクラス □戦闘爆撃機型MMS「ライラ」 Aクラス □戦闘爆撃機型MMS「セシル」 Aクラス オーナー名「伊藤 和正」♂ 27歳 職業 工場設備関係メーカー営業員 □戦闘爆撃機型MMS「リイン」 Aクラス オーナー名「伊上 直人」♂ 26歳 職業 総合卸商社営業員 チーム名「セイント・ワルキューレ隊」 □戦乙女型MMS「ティファ」 Sクラス □戦乙女型MMS「エアリス」 Aクラス オーナー名「小川 紗枝」♀ 23歳 職業 アパレルメーカー事務員 □戦乙女型MMS「セリス」 Aクラス □戦乙女型MMS「リュック」 Aクラス オーナー名「清水 和子」♀ 23歳 職業 アパレルメーカー事務員 低空をドラッケン隊が上空をアルト・レーネ隊が分担して警戒を行いながら飛行をする。 シャル「こっちは重武装、重装甲だからあんまり高く昇れない、十分に上空を警戒しろ!」 ライラがぼやく。 ライラ「戦乙女型の連中はいいよな、高い所飛べてよ」 セシル「ライラ、黙れ!こっちは重いんだからしょうがないだろ、それともおまえ一人で行くか?武器捨ててよ!」 セシル「くっくく」 セシルがにやにやと笑う。 リインも2人のやり取りを聞いてほくそ笑む。 セシル「シャル!もうすぐ基地上空ですよ!」 敵のB飛行場の上空につくと滑走路はがらんとしていた。 シャル「テンペスタがいないぜ、こいつはヤバイぞ!!」 そのとき、雲の切れ目から数十機のテンペスタが急降下しながら襲いかかってきた。 チーム名「タイフーン・エンジェルズ」 □天使型MMS「リアノ」 Sクラス □天使型MMS「エステル」Aクラス オーナー名 「倉田 律子」♀ 17歳 職業 女子高校生 □天使型MMS「コレット」Aクラス □天使型MMS「アニス」Aクラス オーナー名 「新名 夕菜」♀ 17歳 職業 女子高校生 □天使型MMS「リグレット」 Sクラス □天使型MMS「レイア」Aクラス オーナー名 「勝野 美奈」♀ 17歳 職業 女子高校生 □天使型MMS「ティア」Aクラス □天使型MMS「ファラ」Aクラス オーナー名 「浜本 憐」♀ 17歳 職業 女子高校生 □天使型MMS「シェリア」 Sクラス □天使型MMS「ミント」Aクラス オーナー名 「堤 沙耶」♀ 17歳 職業 女子高校生 □天使型MMS「ジュディス」Aクラス □天使型MMS「プレセア」Aクラス オーナー名 「三浦 藍」♀ 17歳 職業 女子高校生 リイン「セシル!左後方!テンペスタ!テンペスタ!!」 セシルが叫ぶ。 セシル「全機離脱!引き離せ!!下だ!下!!」 セシルたち、ドラッケン部隊は急降下で逃げ切ろうとするが、テンペスタは行動を読んでいたのか、機関銃を構え逃げ惑うセシルたちを追い回す。 ドドドドドドッ!!! □戦闘爆撃機型MMS「セシル」 Aクラス 撃破 低空で数十機のテンペスタに蹴散らされているセシルたちを見た味方の戦乙女型はあわてて上空から援護攻撃を仕掛ける。 エアリス「ドラッケンの連中がやられているぞ!!」 ティファ「全機、攻撃攻撃ッ!!!」 敵味方入り乱れての激しい空中戦闘が発生し、飛行機雲を引いて激戦が行なわれる。 機銃弾が飛び交い、レーザーがミサイルを撃ち落とし、レーザーソードの唸り声、バラバラになって燃え落ちる神姫、からっと晴れた空で硝煙の匂いがこびりつく・・・・ 数十分後・・・ ヨタヨタとガタついた機体を引き摺ってシャルがA飛行場に到着する。 シャル「やれやれ・・・」 なんとか命からがら、生きて戻ったが被害は甚大だった。そばを見るとお茶を持ったリインが出迎える。 シャル「リイン、先に帰っていたのか」 リイン「セシル!やっぱり大丈夫だったんですね」 シャル「まったくひどい有様だよ、お茶くれないかリイン」 リインはお茶を差し出す。 リイン「どうぞ、いやあ・・・肝を冷やしましたよ、セシルはやられましたけど、ライラはどうしました?」 シャル「被弾して逃げようと必死でもがいていたが、黒煙が尻尾を引いていたな・・・ありゃダメだ」 リイン「そうですか・・・」 4機いたうち、生き残ったのは2機のみ、飛行場の別のハンガーをみると戦乙女型がそしらむ顔でお茶を飲んでいる。 そのかたわらで伊藤と戦乙女のオーナーがにこやかに話している。 リイン「セイントの戦乙女の連中は9機テンペスタを落としたと言っていましたよ」 シャル「ふうん・・・」 リイン「・・・・・・まあ、つまり私たちは体のいいオトリだったと言うわけですよ」 目を細めて秋空を見上げるリイン。 シャルは何も言わずに地面に転がっている小石を掴むと、小川に向かってスナップをかけて投げ入れる。 パシャパシャパシャと小石は何回か水面を跳ねて川の中に静かに沈む。 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>[[「ドラゴン-3」]] 前に戻る>[[「ドラゴン-1」]] [[トップページに戻る>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2315.html]]