「樫坂家->序幕・第2話」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
樫坂家->序幕・第2話 - (2011/09/06 (火) 00:01:22) のソース
**樫坂家の事情! 序幕~とある学生の夏休みにおける変化とその記録~ ---- 引き続き、樫坂家にて。 「ところで、今日はマスターは早く起きなければならないのでしょう?」 「………今は2時51分47秒、だな」 「マスターは自分でなかなか起きれない困ったマスターなのです」 「確かに……ところで、早く続きみません?気になるし」 「まったく……まぁ確かに気になるわね」 「なんだかんだ言って、ゆいなものり気なんだね」 「ここまで見たらもう見るしか無いじゃない」 どうやら樫坂家の夜は続くんだってさ。 ===第2話===  ̄ ̄――__ 8月3日 日曜日 今日は久しぶりに家で過ごす事にする。昨日の今日という事もある。 朝飯を齧った後はぼんやりテレビでも見ていたがあんまり面白いものがなかった。 かといってやる事もない……………なんてことは無く、自室にラノベ取りに行ったら学生鞄からプリントが覗いていた。 面倒だがやらなければまた面倒、しかし面倒だけど他にすることもなく………という葛藤(合ってるはず)の末することに。 今日はこのまま宿題を3分の1消化した。その間の二人はずっと俺のPCでテーブルゲームに興じていたりした。 あと、プリントの束からこれまた面倒な物を見つけてしまった。 それもまたプリントだったが、とある教科のテストを落とした者に出されるプリントだったりする。 ………そういえば、このテストの時は丸々寝ていたんだったと思い出す。 が、後悔しても遅くそのプリントには補習するから8月4日から3日間程学校に来てねという悪魔の催促だったりする。 とりあえず、今日はこのくらいにしておく。明日はそこそこ早いのでユイナに頼んでおく。 8月4日 月曜日 久しぶりに学校に行って妙にだるいが書くとする。 朝7時、ユイナにマウスを投げ落とされて起床。多少頭が痛かったが朝飯食って留守は二人に任せて登校。 たしか8時過ぎ、途中コンビニとか寄り道したけど到着。教室に行くとちらほら補習組が居た。あと相変わらず先生は小さかった。 が、これを口にしてしまうと目も当てられない事になるので誰も口には出さない。 午後3時30分、一日目終了。流石に居眠りでほぼ白紙はまずかったらしく俺だけ量が違った。 そのまま学校に置きっぱなしにしていた自転車を回収して帰宅。 部屋に戻ると何故かちらかってた。あと綺麗にしまってた武装がちょっと汚れてた。 ちらりと見ると顔を背けられたがだいたいは想像付いたので聞かないでおいた。 午後5時、二人を連れてフェザーへ。ついてみると4~5人ほど筐体の周りに居たので少し様子見。 今さらだがスクリーンに映し出されるのは少々恥ずかしい気もする。見る分には便利だが。 見るだけに来たわけじゃないので取りあえず1試合終わって空いた所に入り込むとすぐに相手が入ってきた。 簡単に今日の勝敗を書いて終わっておく。 ユイナ ・対空中射撃型アーンヴァル フィールド=森林 × 頭上に張り付かれる。じりじりと追い詰められて負ける ・対多分射撃型ジュビジー フィールド=廃墟 ○ 火力で押し込んだような物 シェラ ・対近接型サイフォス フィールド=砂漠 × 経験の差か終始押し込まれていた ・対空中射撃型アーンヴァル フィールド=荒野 × やはり何か飛び道具が欲しいと実感 8月5日 火曜日 今日も今日とて補習、疲れた。 朝7時、マウス投げられて起床。取りあえず壊れそうだから投げないでほしい。 昨日と同じような感じで登校、留守は二人に任せる。そして寄り道しながら大体8時前に到着。 その後はまたプリント漬け。正直解けるのでいいが肩と手首が辛くなってくるレベルの量。 そして午後3時、二日目終了。曇り空になっているが正直少しは涼しくなるので助かる。 今日はふと思う事があり中央区の神姫ショップへ行き、機関銃「アルヴォPDW9」と手榴弾数個、あと普通の神姫サイズのブーメランを購入。 この時点で所持金が心許無くなるが気にしない事にする。いや今考えるときついかもしれない。 午後6時、帰宅。今日も少しちらかってたが何も言わないでおく。取りあえず晩飯はツナ缶とご飯で済ませて二人を連れてフェザーへ。 フリーパスが切れる前に色々しておきたいので到着後、早速筐体へ。昨日と同じくらいには居たので空いた筐体で対戦待ちしてみると早速相手が来た。 ……………どっかで見た神姫の名前だと思ったら静香だった。 今日も勝敗をまとめておく事にする。 ユイナ ・対バランス型ウェルクストラ(エリー) フィールド=荒野 × おしい所まで行ったが手数で押し切られた。 ・対近接型サイフォス フィールド=市街 × 昨日のサイフォス。至近距離で手榴弾爆破という賭けにでるが失敗、これは最終手段。 シェラ ・対バランス型エリー フィールド=砂漠 ○ アルヴォは牽制と割り切って持たせる。剣の範囲ではシェラの方が上手だった。 ・対射撃(?)型グラフィオス フィールド=山岳 × 1対2という状況を味わった。負けてしまったが得るものがあった。 8月6日 水曜日 今日は色々というか、変というかそんな事があった。 朝7時、開けてない缶コーヒーを落とされる。流石に痛かった。扱いが酷くなってる気がしつつも登校。 午後1時、補習終了。が、大雨だった。先生の車の運転は凶悪な事で有名なので丁寧に誘いを断り自転車で帰る。 20分後、帰宅。何故か歯切れの悪い二人を不審に思いながら着替え、部屋に戻ると知らない神姫がクレイドルに居た。固まる。 二人に聞いてみると、俺の部屋の窓の手すりに引っ掛かってたとの事。取りあえず部屋に引き込んで話してみたら行き倒れそうだったので充電させたとの事だった。 午後2時過ぎ、謎の神姫が目を覚ます。とりあえず色々聞き出すが肝心な部分……マスターの事等はのらりくらりとはぐらかされた。なんか怪しい。 が、外はいまだ大雨。というか激しくなっていたので今日のところは泊めておく事にする。とりあえず家の二人とは仲良くなってた。 ちなみに名前は「クー」というらしい。一人称で自分の事をそう呼んでいたから名前で間違いないと思う。 あと、ふとネットで調べて見ると、どうやらテンタクルス型神姫・マリーセレスらしい。本人に聞いたら合ってるとの事。 ちなみにテンタクルスとはタコとかイカとかそういうのらしい。どこら辺がと思ったが主にスカート部分がだとネットに書いていた。 流石に疲れたので寝るとする。 8月7日 木曜日 今日も雨だった、どうやら台風が来てるらしい。 引き続きクーは家に残ってる。マスターが心配してるんじゃないのかと聞いてみたら微妙にはぐらかされた。 とは言っても今日も外出できる状況ではないし引き続き家に泊める事にした。 暇なのでユイナ達を観察していた。書く事もないのでその様子を書いておく。 まずユイナ。ひたすら俺のPCでテーブルゲームしてた。しかもなかなか強いのか難易度は最高とかだったりした。 ただ、時々次の手で悩んでいたので少しだけヒントを言っておいた。 次にシェラ。こっちはこっちでひたすらブーメラン投げてた。ヴィジュアル的には何か違和感あるが本人は割と真剣に投げてた。 が、5回に4回くらいはキャッチに失敗して頭に直撃していた。あと戻ってこなくて慌てて探しに行くことも多かった。 最後にクー。机からベッドにダイブ、俺にせがんで机に戻してもらってまたダイブの繰り返し。一番訳解らんかった。 ちなみにマウスか何かで登れるようにしようとは思ったがそのマウスはユイナが使ってた。 雷も鳴ってきてるので今日はこのくらいにしてさっさと寝ることにする。 8月8日 金曜日 快晴だった。いつの間にかクーは居なくなっていたがPCのメモに書き残しが書いてあった。 自分の居場所に帰るとあったので、マスターの所に帰ったのだろう。多少心配だが出て行ってしまってからではしょうがない、か。 気を取り直して今日は午前中からフェザーへ行く事にする。今日がフリー権の有効期限でもあるのでとにかく試合をこなす事にする。 午前10時、フェザーに着く。開店から1時間しか経ってないのに静香と陽太が居た。 その後、昼まではずっとバトロンしてた。昼ごろになると他の客もだんだんと集まってきていた。 午後1時、一度昼食を取りに近くのファミレスに。奢らせた。その時にここら辺で有名な神姫とマスターの話を聞く。 自分の学校にも何人か有名なマスターが居ると聞いて、世の中案外狭いものなのかと思う。 午後2時、フェザーに戻る。明らかに人が増えてる。陽太に聞いたところ、こういう情報はマスター同士で知れ渡っていくんだとかなんとか。 その後は午後8時までぶっ通しでバトルロンドに興じる。ここら辺までくると慣れてきて、慌てずに対応できるようになる。 ユイナとシェラの二人も同じなのか、対戦を重ねるにつれて動きが良くなってる気もする。 対戦結果はユイナが9戦中5勝、シェラが7戦中4勝と言った感じだった。 とりあえず、今日もレポートを作成してから寝ることにする。 8月9日 土曜日 ………今日は、今までの中で、一番考えさせられた一日だった。 午前11時、いつも通りの朝を迎えてフェザーへ、2戦程すると神姫連れの二人組が南区の自然公園に変なマリーセレスが居ると話しているのを耳にはさむ。 まさかとは思ったが、どうにも気になり集中できなくなったので見に行った。多分1時間ほど公園内を周ったと思うので公園には午後1時前に到着。 こういう予感は的中するらしく、公園のベンチでぼーっとしているくーを見つけてしまった。しかも最後に見た時より少しぼろぼろになっていた。 その後は…………いや、これは書かないでおく。あまり書いていい物では無い。ただ、結果としてクーは家に居る。それだけの事。 ………人も神姫も、変わらないのだと思った。誰にだって、失いたくない物はある。 今日はらしくない事ばかりした気がする。 8月10日 日曜日 昨日まで俺の事をお兄さんと読んでたのに、朝起きたらくーが登録もしてないのに俺の事をマスターと呼んできた。なんでそうなった… しかも、一晩で何を考えたのか俺には分からないが、くーが正式なマスターになって欲しいと言ってきた。良いのかと聞いたら良いと言われた。 一人でこういう操作をするのは初めてでかなり手こずったがなんとか準備が出来る。 そういえば、ちゃんと名前を聞いていなかったので聞いてみたら本当の名前は秘密、だからマスターが新しくつけてと言われた。 ………悩んだ末、今まで通りの呼び方「くー」と登録した。地味に子供っぽくしゃべるのでわざとひらがなっぽく登録した。 そして、午後1時過ぎくらいに、くーがバトルロンドもしたいというので登録しにフェザーへ行く。あと武器増えたし試しに行く。 昨日、くーが家に来る時に公園からお菓子の缶を持たされたのだが、その中に結構入ってた。本人いわくあの公園にはまだ使えるのに捨てる人とか忘れてく人とかいるらしい。 ……………いったいどのくらいあの公園に居たのかと聞いてみたら一ヶ月程と言われた。よく今まで無事だったなと思う。 肝心の中身は結構あったが、モーニングスターに金棒、肉切包丁「スクラマサクス」になんとソウブレード「断慈斬」まである始末。この他にもショットガンとかあるが、なんか拷問器具に見える物が多かった。 あとはマリーセレスの基本装備もあったりした。缶の中身ほとんどが所々錆びてたり刃が欠けてたり何かが付着してたりしたが問題は無い…と思ったがやっぱり修理しなくてはならないものもあった。 そんなこんなでフェザーに到着、早速くーの登録をする。2回目ということもあり、とりあえず一人でこなす。 そして武装設定。ユイナとシェラは割と決めていたのでさらりと決まるがくーはとりあえず基本装備のみ…………にしようとしたがなんかアレコレ要求された。 まぁやって見れば分かるかと思いそのまま設定するがなんと今日は見てるだけにすると言われた。自由にも程がある…… そういえば、クレイドルが一つ足りない事に今更ながら気づく。昨日も考えた筈なのにすっかり忘れていた。 8月11日 月曜日 今日は騒がしかった……いや、最近は毎日が騒がしくて飽きない。 午前7時、珍しく自力で起床。なんかくーがシェラに抱きついていた。そのシェラはなんとも穏やかに寝てたりする。 そしてその目の前でユイナが珍しく困った顔をして立っていた。こうして見ると、この3人はどこか姉妹に見えるなぁと思う。 午後1時、2度寝した後に大型クレイドル目当てにフェザーへ。買いたくても金が無い。そして武器も修理したくても金が無い。 今日もフェザーは通常運転だった。最近その通常運転が変わって来てるが気にしない。 大型クレイドルに3人をつれってってしばらくはモニターを眺めていた。最近ここを利用するマスターと神姫の顔も覚えはじめてきた。 この日は常連の中でも割と強い方の人達が集まっていた。中には何回か対戦したが未だに勝てないサイフォスとそのマスターの姿も見えた。 午後3時、とっくに3人ともバッテリーは満タンだったがずっと様子見していた。が、この時間帯からぼちぼち参加した記憶がある。 今日は思う所がありユイナを中心に対戦する。代わりに今度シェラを中心に対戦すると約束する。 ユイナの武装構成は、アークフルセットからナイフを外し代わりに手榴弾、黒いM49ショットガンを追加。至近距離をショットガンで対応させてみる。 結果は3戦1勝。本人に聞いたところショットガンは反動がとの事。考えてみれば当たり前だった。 そこでショットガンをアルファ・ピストル×2に変える。 結果は3戦2勝、まぁ接近戦では剣の方が基本取り回し良いと結論。近接武器を模索する方針でユイナと相談した。というかナイフでいい気もする。 最後に負けた分のメモをして終わっておく。 ユイナ ・対一撃離脱型エスパディア フィールド=森林 × 良いように翻弄された感があった。 ・対バランス型ヴァッフェバニー フィールド=工場 × こちらも終始押され気味。懐に潜り込まれた ・対砲戦型アーティル フィールド=廃墟 × 銃撃戦。こちらは自分のミスだと思うので要研究 8月12日 火曜日 気づけば夏休みもとっくに後半に入ってた。早いものだ。今日はメモの意味でもしっかり書いていく。 朝9時起床。携帯に母さんからメールが来ていたので見てみると生活費を振り込んでおいたとの事。 とりあえず3人を連れて引き出しに行く。ついでに買い物もしたいので中央区の銀行に行く。引き出してみるといつもより多かった。運がいい。 たしか午後1時過ぎてたと思う。ふと悪い癖が出てスクラッチを10枚買う。なんと3万儲かった、運がいいが、少しでも余裕があるとギャンブルしてしまうのは直したい。 が、この時点では思わぬ収入に浮かれて神姫ショップに突撃、ばったり静香と出くわす。くーに気付き驚かれる。まぁ3人目だし仕方ないか。 くーで思い出してクレイドルを購入。案外高かったがまだ余裕はある。と、静香にくーの傷付き具合を指摘される。 午後2時30分だったか、始まったのは………珍しい静香の説教。女の子は見た目も大事なんだから気をつけなさいと言われる。 しかしどうすれば良いのかと聞くと丁度いい所が有るのでついて来いという。こういう時は素直に従っておいた方が正解だと思う。多分運が悪い。 中央区から自転車で1時間の旅を経て北区駅前通りに到着、駅に自転車を置いて静香について行く。このときが確か4時15分とかのはず。 そのまま通りに入って10分位で「倉根玩具店」という店につく。 中は………8割方神姫関連の店だった。フルセットの神姫にパーツ、武器にカタログに更にはパーツ自作用の工具やペイント用の塗料まで置いてあった。 ちなみに残り2割は何故かアナログなジェンガとかそういうのだった。 静香がさっさと奥に行ってしまった様なのでしばらく売り物を眺める。ユイナやシェラ、くーも珍しそうに眺めてた。 と、静香が奥で手招きしてるので向かうと若い男の人が居た。店長さんらしい。その人は倉根 敏章と名乗ってくれた。 聞くところによるとデザイナーらしい………正直神姫関連のテレビ放送で見た気がした。なんでこんな人と静香が知り合いなのだろうか…… で、なんか勝手に静香が話を進めてくーの修繕をすることになっていた。人の意見も聞いて欲しいと思ったが一日で終わるしくーもくーでしてほしいとの事。 という事で修繕が決まった。静香の口添えで多少まけて貰えたが予想外の出費。だけど、なんだか嬉しそうなくーをみていると………こういうのは、やっぱりマスターである俺が最初に気付くべきなんだろうと思う…… とりあえずその日はその後静香と帰った。明日はくーを迎えに行くので早く起きることにする。 8月13日 水曜日 なんかもう行き着くところまで行きそうな気がした、そんな一日だった。 とりあえず今現在、傍らにはクレイドルが 4台 ある。落ち着くためにも最初からルーズリーフに書いておく。 朝8時30分、シェラが落ちてきて起床。どうやったら自分がダイブするという思考になるのか訳が分からない。 9時10分、自宅を出る。自転車に乗って北区へ。籠にはユイナとシェラが乗っているので割とゆっくり進む。 多分11時過ぎ、北区駅前に到着して自転車を置き倉根玩具店に。扉を開けた直後、くーが頭上から奇襲してくる。 その後、敏章さんと会話。くーは武装も素体もまるで新品同様になっていた。というか色が明らかに変わってた。黒と青が主だったはずなのに暗い紫と濃い青に白のラインという配色になってる。変わってないのは髪のみ。 そこらへんを問い詰めると本人の希望との事。どうやら追加料金は無いらしい。それから少しすると他の客もきたので話もそこそこにする。 と、ここで何も買わずに帰るのもアレなので面白そうな武器、スネークソードを購入。が、ここでカウンターの隅に神姫クジなる名前の箱を見つける。どうやら手作りだそうな。 思わずチャレンジ。が、中身は一枚のみという。思えばここで気付けば良かった………シェラが言うには、その箱には小さく「作成途中」と書かれてあったそうな。頼むからそういうのは言って欲しいと思う。 で、その一枚………あけた瞬間敏章さんが顔を引き攣らせた。そして乾いた笑いである。流石の俺もびびった。 その後、一度奥に引っ込んだかと思ったらガサガサと音が聞こえてきて、5分くらいでなんか包装された箱状の物をもって現れた。ちなみに落ち着いたのか元に戻ってた。 とりあえず壊れ物だから慎重にと言われたのでしっかり持つことにする。自転車の籠には余裕を持って入るサイズだった。 なんかその時の敏章さんは達観した表情だった気がする。 その後丁寧にくーのお礼をして帰宅。来る時よりも丁寧に帰った。家に着いたのは3時20分。 とりあえず部屋の隅に受け取ったものを置いておいてかなり遅い飯を作ることにする。ここまで何も食ってなかった。 なにも無いのでインスタントのラーメンをネギと卵を一緒に入れて煮る。めんどいので鍋のまま居間のテーブルに置いて食おうとしたとき、デジャヴを感じる。 ラーメン、部屋の隅、箱。クジで当たった品を見た。どう見てもピッタリなサイズをしていた。 午後6時、ラーメン食って荷物の前で一時間前から正座。俺の隣にはユイナ。シェラとくーは何故か隠れて見てた。 午後7時、おそるおそる手に取る。なんだかそれっぽい重さ。置く。 午後8時、ゆっくり開けてみるが、ちらっと見えた字でアウトだった………姫って見えた。開き直って包装をはがす。やっぱり神姫だった。笑えない。 見てしまった物は仕方ない。今度は起こしたくなる衝動に駆られるがパッケージから出したら手遅れになると自制して風呂の用意。だけどちらっと見た説明にはヴァイオリン型神姫・紗羅檀と書かれていた。 午後10時、風呂から上がって気付いたらパッケージから取り出してた。何が起きたのか訳が分からない。 約30分後、起動。完全に手遅れになる。 今日はもう止めておく。書いてて自分でも何書いてるのか分からなくなってきた。 8月14日 木曜日 今までの日記を読み返して見る。日に日に内容が多くなっている事に気づく。思えば退屈と思った事がここ最近一度も無く、書きたい事だらけだった。 とりあえず昨日の自分はぐだってた。自分で読み返して頭を抱えた。 後、新しく来た紗羅檀にはフィラメルと名づけた。名前で悩んで仰向けになった時に電球をみて閃いた。今思えば結構ひどい理由だと思う。それとなんか長いのでフィーと呼ぶことにした。 あとは…フィーもリペイントカラーだった。黒はそのままで金が白になっていて髪は薄紫から真紅のグラデーションになっていたが、一番驚いたのは眼だった。 鮮やかな銀色の瞳。多分、いや間違いなく敏章さんの仕事なのだろうと思う。フィーをつれて店に行ったら泡食ってたけどアレは敏章さんが気付かないのが悪いので仕方ない。 それでも、敏章さんはよろしく頼むよと言ってくれた。言われなくても最初からそのつもりだったりする。 その渦中の神姫であるフィーは、何事も無くユイナ達と打ち解ける事が出来た。しかし何故だろう、段々俺の入る隙が無くなっている気がする………気のせいと思い込むことにする。 倉根玩具店の後は三日(二日?)ぶりにフェザーへ。なんか前より更に人が増えていて、すっかり賑やかになっていた。久しぶりに見た店長の顔も機嫌がよさそうだった。 とにもかくにもフィーをバトルロンド登録する。それにしてもなんだか視線を感じるが気のせいだと思う。 その日はユイナ1回、シェラ3回、フィー2回対戦。くーは見てるほうが楽しいらしいが丁度良い相手を探している気もする。 せっかくなのでフィーの結果をメモしておく。 フィー ・対バランス型アーンヴァル フィールド=市街 × 楽器を使うタイミングが掴めない。後は近~中距離が得意そうだと感じる。 ・対近接型メリエンダ フィールド=河原 ○ 一撃の重みよりも連撃で攻める戦い方が得意っぽい。ただ、楽器はやはり扱いが難しい。 __―― ̄ ̄ 「……マスターも色々考えてるんですね…なんか想像通りというか、意外というか…」 「まぁあまりそういうことを表に出さない人だからね、あのマスターは」 「………同感だな」 「でもふぃーの時はめにみえてわかったよ。おもにかっとうとかそういうのが」 「実際にこうして見ると、なんだか傷付きましたわ」 「でも、なんだかんだ言ってフィーさんも大切にされてるのです!」 「ふふ、ありがとうねシェラ」 ……………………………………… 「ねぇ………さんにんはくーの事きかないの?」 「今更聞こうとは思いませんわね。あなたなら自分から話してくれるのでしょう?」 「………同じく。無理に聞こうとは思わない」 「あたしも、そんな感じかな。ユイナさんとシェラさんも話すつもりはなさそうだし」 「こういうのは自分から話し出す方が良いのです。きっとくーちゃんなら自分から話すと思ってるのです!」 「そういうことよ。本当に手間の掛かる妹だとは思うけどね」 「ゆいな、それはなんだかひどいと思うんだ」 「じゃあ話さないのです?」 「…それは………」 ……………………………………… 「………あぁもうつぎみてこーよー。もうあかるくなってきてるし……………… ………………皆ありがと」 つ づ く !